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首都大バイオ・ソフトマターセミナー(TMU-BSMS)

2018年9月25日 植松祐輝氏

日時:2018年9月25日(火) 14:00〜17:00(基礎+研究の二部構成)
場所:首都大学東京 8号館300号室
講師:植松祐輝氏 (九州大学)
題目:空気水界面における不純物効果

要旨:まず、界面物理化学の大きな問題の一つである空気水界面の電荷問題について紹介し、界面の熱力学を使って電解質溶液の表面張力とジョーンズ・レイ効果(表面張力の塩濃度に関する極小)について説明する。次にポアソン・ボルツマン方程式を用いた空気水界面の一次元平均場理論を使って電解質溶液の表面張力変化の計算をし、微量の電荷を帯びた不純物により、ジョーンズ・レイ効果を定量的に説明できることを示す [1]。この理論の帰結として、意図的にイオン性界面活性剤を加えると、表面張力の極小の大きさをコントロールできることがわかる。そこで、意図的にカチオン性界面活性剤を加え、NaCl溶液の表面張力測定の実験をした。その結果、マイクロモーラー程度の界面活性剤の添加で、NaCl濃度10mMから100mM程度に極小が現れた。イオンの表面活性パラメータはすべて実験結果と矛盾ない理論となっており、ジョーンズ・レイ効果がコントロールできないほど希薄な不純物により引き起こされていた可能性が非常に高い。このことを踏まえて、空気水界面の電荷問題に戻ると、この不純物が重要な役割を果たしていると考えられる。そこで、まったく同じモデルで濡れ膜の分離圧と疎水性表面のゼータ電位の実験結果の理論的説明を試みる。最後に、不純物の正体と、関連するであろう空気水界面の他の異常性について展望する。

[1] Yuki Uematsu, Douwe J. Bonthuis, and Roland R. Netz, J. Phys. Chem. Lett. 9, 189–193 (2018).

2018年9月11日 Hsuan-Yi Chen氏

日時:2018年9月11日(火) 11:00〜12:30
場所:首都大学東京 8号館304号室
講師:Hsuan-Yi Chen氏 (National Central University, Taiwan)
題目:Minimal model for epithelia steady state

要旨:The steady state of a epithelium is maintained by carefully regulated cell division, cell differentiation and cell apoptosis. The result is a robust spatial distribution of niches of proliferative cells and precisely regulated tissue size. We propose a minimal general model using least assumptions from empirical observations and conservation laws to study the properties of the steady states in epithelia. In a stratified epithelium we also compare the degree of stratification of two cell lineage models and compare to experimental observation on mouse olfactory epithelia. The main results are (i) for a stratified steady state to exist, the cells in a tissue need to know their distance from the basal membrane by some long range interaction such as mechanical stress or morphogen density, (ii) interaction due to direct cell-cell contacts tend to drive the tissue to a homogeneous state, therefore when both long-range interaction and interactions due to direct cell-cell contact are present, it is possible for the tissue to have two steady states. The relation between multistability and wound healing, tissue development are discussed. At the end of this talk, further generalization of our model to other types of epithlia will be discussed.

2018年9月3日 Yael Avni氏

日時:2018年9月3日(月) 11:00〜12:30
場所:首都大学東京 8号館304号室
講師:Yael Avni氏 (Tel Aviv University, Israel)
題目:Charge-regulated macro-ions in ionic solutions

要旨:Macromolecules in aqueous environment often carry a self-regulating and non-constant charge due to dissociation/association of their ionic groups. The degree of dissociation/association depends on the local electrostatic potential, allowing for Charge-Regulation (CR) to occur, and modifying the present electrostatic interactions. In this talk, I will review the mean-field formalism used to describe CR phenomena, applying it first to the well-studied case of two interacting CR surfaces. I will then present an extension of the theory, which describes a system of many mobile CR macro-ions, and explore the resulting interesting behavior by studying the effective screening length [1].

[1] Y. Avni, D. Andelman, T. Markovich and R. Podgornik, Soft Matter 14, 6058 (2018).

2018年8月2日 藪中俊介氏

日時:2018年8月2日(木) 14:30〜16:00
場所:首都大学東京 8号館300号室
講師:藪中俊介氏 (京都大学)
題目:臨界点近くの2元混合系を記述するLocal renormalized functional theoryの応用

要旨:コロイド粒子や壁などに接した2元混合系では、境界と溶質の相互作用に起因して境界にどちらかの成分が選択的に吸着され組成の分布が生じる。臨界点の近くでは、このような濃度勾配は長距離にわたり、例えば、コロイド粒子などの物体が複数ある場合の吸着に起因した相互作用は、物質表面や溶液の性質によらない普遍的な振る舞いを示す[1]。このような系を臨界ゆらぎの効果を取り入れて扱うために、局所的なオーダーパラメータの値で決まる局所的相関長以下の揺らぎを繰り込んだ"Local renormalized functional theory”が考案されている[2]。
今回は、まずはLocal renormalized functional theoryの構成の仕方を議論したあと、応用として、2元混合系での(i) 2元混合系の臨界点での平板、円柱、球の周りの吸着プロファイル[3]、(ii) 臨界点の近くの2元混合系の狭い空間中での相分離ダイナミクス[4]を紹介する。また、最近、平均場的なモデルを用いて行われた、2元混合系中でのコロイドの抵抗係数の計算[5,6]をLocal renormalized functional theoryを用いることで、臨界ゆらぎの効果を取り込んだ上で行うことを検討しているので、それに関しても議論したいと考えている。

[1] C. Hertlein et al, Nature 451, 172 (2008).
[2] R. Okamoto and A. Onuki, J. Chem. Phys. 136, 114704 (2012).
[3] S. Yabunaka and A. Onuki, Phys. Rev. E 96, 032127 (2017).
[4] S. Yabunaka, R. Okamoto and A. Onuki, Phys. Rev. E 87, 032405 (2013).
[5] R. Okamoto, Y. Fujitani and S. Komura, JPSJ 82, 084003 (2013).
[6] Y. Fujitani,to appear in JPSJ (2018).

2018年6月26日 小谷野由紀氏

日時:2018年6月26日(火) 14:30〜16:00
場所:首都大学東京 8号館304号室
講師:小谷野由紀氏 (千葉大学)
題目:系の対称性に依存した自己駆動運動

要旨:自由エネルギーから運動エネルギーを生み出す構造を持ち、摩擦などによってエネルギーを散逸しながら自発的に動き回る系は、自己駆動系またはアクティブマターと呼ばれる。生物は自己駆動系の典型例であるが、複雑な運動メカニズムを持つので、生物のような運動を簡易な物理化学系で模倣した実験系も広く研究されている。水面に浮かべた樟脳粒はその一例であり、樟脳粒は水面に界面活性剤である樟脳分子を拡散し、表面張力勾配に駆動されて動くことが知られている。
樟脳分子の濃度場は領域の境界からも影響を受けるため、樟脳粒の運動は水面の形状に依存する。例えば1次元の水面に樟脳粒を浮かべると、水路長に応じて水路の中心に静止した状態や水路の中心位置まわりの往復運動が観察された。樟脳粒の運動に関する数理モデルを少数自由度の力学系に縮約することで静止状態と振動運動する状態の分岐構造を調べた。その結果、反転対称性のある1次元有限長さの水路において、対称性の高い状態である水路の中心に静止した状態が不安定化し、自発的な対称性の破れによって対称性の低い状態である往復運動が現れることが明らかとなった。以上で述べた自ら対称性の破って現れる樟脳粒の運動は、水路が2次元円形領域の場合、より非自明な問題となる。2次元軸対称な系では、樟脳粒が系の中心位置に静止する状態が存在するが、それが不安定化したときに表れる運動は振動運動や回転運動などの候補があり、どのような運動を示すのか自明でない。そこで1次元有限系と同様の解析方法によって安定な運動を分岐論の観点から調べた。

集中講義@千葉大学 2018年2月20日〜22日 好村滋行

千葉大学 集中講義「非平衡系の統計物理学」
講師:好村滋行(首都大学東京
題目:バイオ・ソフトマター系のマイクロレオロジー
日程:2018年2月20日(火)〜22日(木) 10:00〜
   (談話会は22日16:00〜)
場所:理学部1号館2階121号室

概要:
マイクロレオロジーとは、コロイド粒子などの微粒子のブラウン運動や、
その外力に対する応答を測定することによって、極めて微小量の物質の
粘弾性的性質を調べる新しい実験手法である。この方法は物質としての
ソフトマターのレオロジーを調べるために広く用いられているだけでは
なく、近年では細胞一個の弾性率の周波数依存性を測定するなど、生体
系への適用も広がりつつある。一方、非平衡ソフトマター系やバイオ系
にも適用可能なマイクロレオロジーの基本原理を確立するためには、
本質的に非平衡系のゆらぎと構造の複雑な関連性を理解する必要がある。
集中講義では、熱平衡系のマイクロレオロジーの基礎理論から出発して、
実験における具体的な手法や様々な工夫について解説する。さらに、
熱平衡系の理論が細胞などの非平衡系でどのように破れるかを測定する
ことによって、生物の非平衡性を定量的に特徴づけるいくつかの試みに
ついて紹介する。最後に、現在のマイクロレオロジーの限界や、いくつ
かの新しいマイクロレオロジーの可能性についても言及する。

(1)連続媒質中のブラウン運動
・一般化されたランジュバン方程式(GLE)
・時間相関関数と応答関数
・揺動散逸定理
・連続体の運動方程式と構成方程式
・線形粘弾性の対応原理
・粘弾性による異常拡散

(2)熱平衡系のマイクロレオロジー
・パッシブ・マイクロレオロジー
・一般化されたストークス・アインシュタイン関係式(GSER)
・1点マイクロレオロジーと2点マイクロレオロジー
・アクティブ・マイクロレオロジー
・一般化されたストークス関係式(GSR)
・ゲルの二流体モデルとマイクロレオロジー

(3)非平衡系のマイクロレオロジー
・揺動散逸定理の破れ
・非平衡ゲルのマイクロレオロジー
・バクテリア・サスペンションのマイクロレオロジー
・正常細胞とがん細胞のマイクロレオロジー
・赤血球のマイクロレオロジー

(4)新しいマイクロレオロジー
・構造流体(不均一系)のマイクロレオロジー
・非線形アクティブ・マイクロレオロジー
・生体膜マイクロレオロジー
・スイマーマイクロレオロジー

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談話会

題目: スイマー・マイクロレオロジー

要旨:遊泳するマイクロマシン(スイマー)の研究は、バクテリアや
精子などの微生物の流体内運動との関連で注目を集めている。我々は、
ソフトマターのようなねばねばとした粘弾性体中を遊泳するマイクロ
マシンの動作機構について理論的に考察した。具体的には、アクティブ・
マイクロレオロジーで使われている基本式を三つ玉スイマーに適用する
ことで、スイマーの遊泳速度とソフトマターの複素粘性率を結びつける
関係式を導出した。この関係式によると、スイマーが粘弾性体中を遊泳
する場合、必ずしも「ホタテ貝の定理」が成り立たないことが示された。
すなわち、三つ玉スイマーがソフトマター中を遊泳するには二通りの
可能性があり、一方は形状変形の時間反転対称性を破ることであり、
他方はスイマーの構造対称性を破ることである。前者の機構はソフトマター
の複素粘性率の実部(粘性率)を、後者の機構はその虚部(弾性率)
をそれぞれ反映するため、両方の機構を独立に測定することにより、
媒質としてのソフトマターの粘弾性的性質が明らかになる。

大学院集中講義@九州大学 2018年1月23日〜25日 好村滋行

九州大学 理学府物理学専攻 大学院集中講義
講師:好村滋行(首都大学東京
題目:バイオ・ソフトマター系のマイクロレオロジー
日程:
2018年1月23日(火) 13:00〜14:30 14:50〜16:20
     1月24日(水) 10:30〜12:00 13:00〜14:30 14:50〜16:20
     1月25日(木) 10:30〜12:00 13:00〜14:30 14:50〜15:50
場所:物理学科会議室(A-711室)

講義概要:マイクロレオロジーとは、コロイド粒子などの微粒子のブラウン運動や、その外力に対する応答を測定することによって、極めて微小量の物質の粘弾性的性質を調べる新しい実験手法である。この方法は物質としてのソフトマターのレオロジーを調べるために広く用いられているだけではなく、近年では細胞一個の弾性率の周波数依存性を測定するなど、生体系への適用も広がりつつある。一方、非平衡ソフトマター系やバイオ系にも適用可能なマイクロレオロジーの基本原理を確立するためには、本質的に非平衡系のゆらぎと構造の複雑な関連性を理解する必要がある。集中講義では、熱平衡系のマイクロレオロジーの基礎理論から出発して、実験における具体的な手法や様々な工夫について解説する。さらに、熱平衡系の理論が細胞などの非平衡系でどのように破れるかを測定することによって、生物の非平衡性を定量的に特徴づけるいくつかの試みについて紹介する。最後に、現在のマイクロレオロジーの限界や、いくつかの新しいマイクロレオロジーの可能性についても言及する。

(1)連続媒質中のブラウン運動
・一般化されたランジュバン方程式(GLE)
・時間相関関数と応答関数
・揺動散逸定理
・連続体の運動方程式と構成方程式
・線形粘弾性の対応原理
・粘弾性による異常拡散

(2)熱平衡系のマイクロレオロジー
・パッシブ・マイクロレオロジー
・一般化されたストークス・アインシュタイン関係式(GSER)
・1点マイクロレオロジーと2点マイクロレオロジー
・アクティブ・マイクロレオロジー
・一般化されたストークス関係式(GSR)
・ゲルの二流体モデルとマイクロレオロジー

(3)非平衡系のマイクロレオロジー
・揺動散逸定理の破れ
・非平衡ゲルのマイクロレオロジー
・バクテリア・サスペンションのマイクロレオロジー
・正常細胞とがん細胞のマイクロレオロジー
・赤血球のマイクロレオロジー

(4)新しいマイクロレオロジー
・構造流体(不均一系)のマイクロレオロジー
・非線形アクティブ・マイクロレオロジー
・生体膜マイクロレオロジー
・スイマーマイクロレオロジー

2018年1月16日 Ruben Zakine氏

日時:2018年1月16日(火) 16:00〜18:00
場所:首都大学東京 8号館300号室
講師:Mr. Ruben Zakine (Universite Paris Diderot, France)
題目:Field-embedded particles driven by active flips

要旨:Systems of independent active particles embedded into a fluctuating environment are relevant to many areas of soft-matter science. We use a minimal model of noninteracting spin-carrying Brownian particles in a Gaussian field and show that activity-driven spin dynamics leads to patterned order. We find that the competition between mediated interactions and active noise alone can yield such diverse behaviors as phase transitions and microphase separation, from lamellar up to hexagonal ordering of clusters. These rest on complex multibody interactions. Our approach combines Monte-Carlo simulations with analytical methods based on dynamical density functional approaches.

2017年11月24日 Dr. Azam Gholami & Dr. Isabella Guido

日時:2017年11月24日(金) 14:40〜16:10
場所:首都大学東京 11号館302号室

講師:Dr. Azam Gholami (MPI for Dynamics and Self-Organization, Germany)
題目:Control of pattern formation in Dictyostelium discoideum
要旨:A classic example of self-generated patterns in nature is found in the social amobae Dictyostelium discoideum. When starved, millions of individual cells signal each other with the signaling molecule cyclic adenosine monophosphate (cAMP). cAMP waves in the form of spiral or target patterns propagate in cell populations and direct aggregation of individual cells to form centimeter-scale Voronoi domains and eventually multicellular fruiting bodies. In this study, we control the shape of Voronoi domains by introducing periodic geometrical obstacles with different size and periodicity in the system. We observe that the obstacles act as aggregation centers and the periodic arrangement of the obstacles is reflected directly in the corresponding Voronoi domains.

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2017年10月27日 谷茉莉氏

日時:2017年10月27日(金) 14:30〜16:00
場所:首都大学東京 8号館309号室
講師:谷茉莉氏 (PMMH-ESPCI)
題目:弾性と濡れの競演 ー 潤滑化と毛管接着

要旨:弾性と濡れが関係する以下の2つのテーマについて、講演する。
(1)潤滑化された弾性体チューブ内での剛体球の運動:弾性体チューブの中で、チューブよりもやや径の大きな剛体球を動かす際の抵抗を調べた。この抵抗力は、チューブが潤滑化されている場合には、潤滑化されていない場合の1/10程度になる一方で、液体の粘性、引っ張り速度、チュー ブの力学特性、幾何形状等に依存する。この問題に対し、我々はスケーリング法則を導出、実験結果を説明することに成功した[1]。
(2)弾性体シェルの球表面への毛管接着:市販のソフトコンタクトレンズの曲率は幾つかの値に限られているが、患者の眼の曲率は人によって異なる。ガウス曲率の異なる表面をしわや歪みなく完全に接触させることはできないため、この状況は時に大きな問題となり得る。我々はマクロスケールで、弾性体球殻の一部(“ソフトコンタクトレンズ”)を、曲率の異なる球表面(“眼球表面”)に毛管接着させるモデル実験を行った。特に、弾性体がしわや剥離をすることなく完全に接着可能な最大サイズを、実験と理論から得た[2]。

[1] M. T., T. Cambau, J. Bico and E. Reyssat (in preparation)
[2] H. Bense, M. T., M. Saint Jean, B. Roman, E. Reyssat and J. Bico (in preparation)

2017年8月9日 植松祐輝氏

日時:2017年8月9日(水) 11:00〜12:30
場所:首都大学東京 8号館301号室
講師:植松祐輝氏 (九州大学・ベルリン自由大学)
題目:Electro-osmosis and its dependence on the interfacial properties of water

要旨:The Poisson-Boltzmann and Stokes equations describing the electric double layer with inhomogeneous dielectric and viscosity profiles in a lateral electric field are analyzed.We perform linear and nonlinear analysis to electro-osmosis, and derive that in the limit of strongly charged surfaces and low salinity, the electrokinetic flow magnitude follows a power law as a function of the surface charge density. Remarkably, the power-law exponent is determined by the interfacial dielectric constant and viscosity, the latter of which has eluded experimental determination. Our approach provides a novel method to extract the effective interfacial viscosity from standard electrokinetic experiments. We find good agreement between our theory and experimental data. We also examine the different types of boundary condition for velocity field, and show that finite-viscosity-layer model is more realistic than the usual slip boundary condition by comparing the experimental data.

2017年8月8日 Ram Adar氏

日時:2017年8月8日(火) 16:00〜17:30
場所:首都大学東京 8号館304号室
講師:Ram Adar氏 (Tel Aviv University, Israel)
題目:Bjerrum pairs in ionic solutions

要旨:Ionic solutions are often regarded as fully dissociated ions dispersed in a polar solvent. While this picture holds for dilute solutions, at higher ionic concentrations, oppositely charged ions can associate into dimers, referred to as Bjerrum pairs. We consider the formation of such pairs within the nonlinear Poisson-Boltzmann framework, and investigate their effects on bulk properties of electrolytes. Our findings show that pairs can reduce the magnitude of the dielectric decrement of ionic solutions as the ionic concentration increases. We describe the effect of pairs on the Debye screening length, and relate our results to recent surface-force experiments.

2017年5月9日 Dr. FuLai Wen

日時:2017年5月9日(火) 14:30〜16:00
場所:首都大学東京 8号館304号室
講師:Dr. FuLai Wen (理化学研究所)
題目:Modeling autonomous epithelial folding

要旨:The folding of epithelial cell sheets plays an essential role in developing tissues and organs, such as neural tubes, optic cups, and branches of lungs. While many efforts have been made to identify the molecular machineries underlying epithelial sheet folding, far less is understood about how forces deform individual cells to sculpt the overall tissue morphology. Using a simple mathematical model, we show that an autonomous epithelial folding can be induced by modulating the mechanical properties at the basal-lateral as well as the apical cell surfaces. The different modulation mechanisms sculpt epithelia into distinct fold morphology, which remains unchanged under mechanical perturbations from the surroundings, suggesting that the autonomous folding mechanisms can robustly work in various environmental conditions. Such tissue deformation characteristics is verified in experiments, indicating that our theory could be used to infer the modulation mechanisms utilized in tissue morphogenesis based on the measurements of tissue morphology.

2017年3月14日 岡本隆一氏 (終了)

日時:2017年3月14日(火) 14:30〜16:00
場所:首都大学東京 8号館300号室
講師:岡本隆一氏 (首都大学東京)
題目:ソフトマターにおける新しい溶媒和効果の発見

要旨:ソフトマターの研究では、一般に高分子や液晶、コロイド、両親媒性分子などの物質を直接の研究対象とするが、それらは単独で存在するのではなく、ほぼ必ず溶媒を必要とする。例えばコロイド溶液において、コロイド粒子間の相互作用を決めているのは、単にコロイド粒子の性質だけではなく、周囲の溶媒が重要な役割を果たしている。さらにはコロイド粒子の動力学においては溶媒の不均一性を考慮することも重要である。また溶媒がイオンを含む場合や複数の成分から成る場合には、非常にデリケートで劇的な効果が生じる。イオンが油のような非極性溶媒と水のような極性溶媒で溶媒和化学ポテンシャルがkBTよりもはるかに大きく異なるためである。溶媒和の効果は水中のナノバブルの形成においても重要な役割をはたす。本講演ではこれらに関わる最近の我々の研究に関してお話しする。

2017年2月14日 Dr. Ankita Pandey (終了)

日時:2017年2月14日(火) 14:30〜16:00
場所:首都大学東京 8号館300号室
講師:Dr. Ankita Pandey (名古屋大学)
題目:Flow-induced nonequilibrium self-assembly in suspensions of stiff, apolar, active filaments

要旨:Chemomechanically active filaments, composed of elements that convert chemical energy to mechanical motion, occur in many biological and biomimetic contexts. Here we study the hydrodynamics of a suspension of stiff apolar active filaments, with a permanent distribution of stresslets along its length, using the lattice Boltzmann method. These stiff active filaments cannot translate or rotate in isolation (and hence are apolar) but do so in the collective fluid flow of other filaments. Lateral hydrodynamic attractions in extensile filaments lead, independent of volume fraction, to anisotropic aggregates which translate and rotate. Lateral hydrodynamic repulsions in contractile filaments lead to microstructured states, where the degree of clustering increases with volume fraction and the filament motion is always diffusive. Our results demonstrate that the interplay of active hydrodynamic flows and anisotropic excluded volume interactions provides a generic non-equilibrium mechanism for hierarchical self-assembly of active soft matter.

[1] Ankita Pandey, P. B. Sunil Kumar, R. Adhikari, Soft Matter 12, 9068 (2016).

2017年2月1日 Prof. Haim Diamant (終了)

日時:2017年2月1日(水) 14:30〜16:00
場所:首都大学東京 8号館307号室
講師:Prof. Haim Diamant(Tel Aviv University, Israel)
題目:Screening, hyperuniformity, and instability in the sedimentation of irregular objects

要旨:We study the overdamped sedimentation of non-Brownian objects of irregular shape using fluctuating hydrodynamics. The anisotropic response of the objects to flow, caused by their tendency to align with gravity, directly suppresses concentration and velocity fluctuations. This allows the suspension to avoid the anomalous fluctuations predicted for suspensions of symmetric spheroids. The suppression of concentration fluctuations leads to a correlated, hyperuniform structure. For certain object shapes, the anisotropic response may act in the opposite direction, destabilizing uniform sedimentation.

2016年12月7日 中田聡氏 (終了)

日時:2016年12月7日(水) 14:40〜16:10
場所:8号館309号室
講師:中田 聡氏 (広島大学)
題目:あたかも生き物のよう振る舞う人工系を考える

要旨:リズムとパターンを示す化学振動反応系として有名な、Belousov-Zhabotinsky (BZ)反応は非線形反応がカギを握るものの、パターンは状態の変化であり、分子は線形拡散である。本セミナーでは、自己駆動する物体で構築されるリズムとパターンについて、反応拡散方程式と運動方程式を駆動力で結合し、非線形性を分子レベルから導入した系について紹介する。

International Workshop on Hydrodynamic Flows in/of Cells (終了)

Date: 24 - 25 November, 2016
Place: Tokyo Metropolitan University,
Building 11, Room 202 (Nov. 24)
Building 8, Room 212 (Nov. 25)

Program:
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24 November (Thursday)
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13:00 - 14:00 Yusuke T. Maeda (Kyushu University)
Hydrodynamics and enzymatic reaction in moving thermal gradients

14:15 - 15:15 Nariya Uchida (Tohoku University)
Some applications of Smoothed Profile Method for active flow in and out of cells

15:30 - 16:30 Akatsuki Kimura (National Institute of Genetics)
The mechanism of cytoplasmic streaming in the Caenorhabidits elegans embryo

16:45 - 17:45 Natsuhiko Yoshinaga (Tohoku University)
The hydrodynamic interaction and collective behaviors of self-propelled particles and drops

18:00 - 19:00 poster
19:00     dinner

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25 November (Friday)
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9:45 - 10:45 Shuji Fujii (Hokkiado University)
Nuclear dynamics revealed by bio-tracers

11:00 - 12:00 Shigeyuki Komura (Tokyo Metropolitan University)
Anomalous diffusion in active cells

12:00 - 13:00 lunch

13:00 - 14:00 Daisuke Mizuno (Kyushu University)
Non-Gaussian glassy dynamics in living cells and cytoskeletons

14:15 - 15:15 Takeshi Ooshida (Tottori University)
Analytical treatment of collective motion in colloidal liquids

15:30 - 16:30 Hiroyuki Kitahata (Chiba University)
Hydrodynamic collective effects of active proteins in biological membranes

16:45 - 17:45 Alexander S. Mikhailov (Fritz-Haber-Institut der
Max-Planck-Gesellschaft)

There will be a poster session on Thursday evening. If you are interested in presenting a poster, please send the title and authors (affiliation) of your poster to S. Komura.

2016年10月27日 Dr. David Lacoste (終了)

日時: 2016年10月27日(木)16:30〜18:00
場所: 首都大学東京 8号館302号室 
講師: Dr. David Lacoste(ESPCI, France)
題目: Shape matters in protein mobility within membranes

要旨:Lateral Brownian diffusion of proteins in lipid membranes has been predicted by Saffman and Delbruck to depend only on protein size and on the viscosity of the membrane and of the surrounding medium. Using a single-molecule tracking technique on two transmembrane proteins that bend the membrane differently and are reconstituted in giant unilamellar vesicles, we show that the mobility of a membrane protein is crucially dependent on the local membrane deformation self-generated around the protein, which can be tuned by adjusting membrane tension [1]. The feedback between membrane shaping and mobility is well explained by analytical and numerical models that include the friction of the deformed membrane patch with the surrounding medium and the friction internal to the bilayer. Extensions of this framework to other types of coupling between the membrane and the protein will be discussed [2].

[1] F. Quemeneur, J. K. Sigurdsson, M. Renner, P. J. Atzberger, P. Bassereau, and D. Lacoste, PNAS 111, 5083 (2014).
[2] V. Demery and D. Lacoste, chapter in book "Physics of biological membranes", published by Springer Netherlands.

2016年9月29日 Prof. Hsuan-Yi Chen (終了)

日時: 2016年9月29日(木)16:00〜17:30
場所: 首都大学東京 8号館300号室 
講師: Prof. Hsuan-Yi Chen(National Central University, Taiwan)
題目: Hydrodynamic theory of stratified epithelial tissues

要旨:A stratified epithelial tissue has a thin layer of proliferative cells located close to the basal membrane above which is a relatively thick layer of non-proliferative cells. Cell division in the proliferative layer and cell apoptosis in the non-proliferatve layer fluidize the tissue in the long time scale. In this talk I will introduce a simple theoretical model describing the dynamics of such a tissue close to its homeostasis state. The subtle role of flow-induced by cell turnover in the tissue on the dynamics will be the main focus of the talk. We show that on one hand cell turnover drives a tissue back to is homeostass state, on the other hand when the proliferative layer is sufficiently thick the flow induced by cell turnover can slow down the relaxation dynamics. The implication of our results on tissue development and tumor growth will be discussed.

2016年8月24日 古川一暁氏 (終了)

日時: 2016年8月24日(水)14:40〜16:10
場所: 首都大学東京 8号館300号室 
講師: 古川一暁氏(明星大学理工学部)
題目: 自発展開する脂質二分子膜の形成位置制御と分子操作への応用

要旨: 固体表面に固定した脂質二分子膜を支持膜と呼びます。支持膜は脂質二分子膜の特徴である流動性を維持しており、モデル生体膜としても利用されます。私の研究では、支持膜を作製するために「自発展開」と呼ばれる手法を用いています。これは、固液界面での脂質分子の自己組織化現象により、逐次的に支持膜が形成される動的なプロセスです。
セミナーでは、固体表面に作製した親水・疎水パターンにより、自発展開位置を完全に制御できることを紹介します。この技術を基に、新規マイクロ流路デバイス、支持膜アレイ、分子ゲート、などのデバイスを提案し、動作実証してきた実験結果について、あわせて紹介します。

2016年7月29日 藪中俊介氏 (終了)

日時: 2016年7月29日(金)16:00〜17:30
場所: 首都大学東京 8号館301号室 
講師: 藪中俊介氏(京都大学基礎物理学研究所)
題目: Self-propelled motion of a fluid droplet under chemical reaction

要旨: We study self-propelled dynamics of a droplet due to a Marangoni effect and chemical reactions in a binary fluid with a dilute third component of chemical product which affects the interfacial energy of a droplet. The equation for the migration velocity of the center of mass of a droplet is derived in the limit of an infinitesimally thin interface. We found that there is a bifurcation from a motionless state to a propagating state of droplet by changing the strength of the Marangoni effect. We also carry out direct numerical integration of our theoretical model. We investigate the effect of convection of the third dilute component and collision between two self-propelling droplets, which are not easy to investigate theoretically.

[1] S. Yabunaka, T. Ohta and N. Yoshinaga, JCP (2012)
[2] S. Yabunaka and N. Yoshinaga, submitted to JFM (2016)

2016年6月29日 Prof. David Andelman (終了)

日時: 2016年6月29日(水)14:30〜16:00
場所: 首都大学東京 8号館301号室 
講師: Prof. David Andelman (Tel Aviv University)
題目: 100 years of electrified interfaces: the Poisson-Boltzmann theory and some recent developments

要旨: The Poisson-Boltzmann theory is a mean-field description of ionic solutions and charge interfaces, and has been instrumental during the last century to predict charge distributions and interactions between charged macromolecules. While the electrostatic model of charged fluids, on which the Poisson-Boltzmann description rests, and its statistical mechanical consequences have been scrutinized in great detail, much less is understood about its probable shortcomings when dealing with various aspects of real physical, chemical and biological systems. After reviewing the important results of the Poisson-Boltzmann theory, I will discuss several modern extensions and modifications as applied to ions in confined geometries. They include the effect of ion-dipole interaction on dielectric properties, the finite size of ions and other short-range interactions, and correction to the classical Onsager-Samaras theory of surface tension of electrolyte solutions.

2016年6月27日 Prof. Xingkun Man (終了)

日時: 2016年6月27日(月)11:00〜12:30
場所: 首都大学東京 8号館304号室 
講師: Prof. Xingkun Man (Beihang University)
題目: Ring to mountain transition in deposition pattern of drying droplets

要旨: When a droplet containing a nonvolatile component is dried on a substrate, it leaves a ringlike deposit on the substrate. We propose a theory that predicts the deposit distribution based on a model of fluid flow and the contact line motion of the droplet. It is shown that the deposition pattern changes continuously from a coffee ring to volcanolike and to mountainlike depending on the mobility of the contact line and the evaporation rate. An analytical expression is given for the peak position of the distribution of the deposit left on the substrate.

2016年1月26日 公開シンポジウム (終了)

平成27年度 首都大学東京 公開シンポジウム
「ソフトマターを基盤とするバイオ系の構築」

日時:2016年1月26日(火) 12:30から受付開始
会場:首都大学東京 南大沢キャンパス 11号館204号室
参加費:無料

プログラム:
13:00-13:10 ご挨拶
13:10-14:10 近藤滋(大阪大学
「動物の模様が解き明かす生物と数学の深い関係」
シマウマの模様と、サバの背中の模様はそっくりです。しかし、この両者に類縁関係は有りません。その一方で、グッピーやディスカスなどの観賞魚では、斑点、縞、網目、迷路などの様々な模様の品種が有りますが、それらは同種であり、模様の違いもわずか数個の遺伝子の変異でできる事が解っています。どうして、このようなことが起きるのか?それは、模様ができる原理を解明することによって、一挙に解決します。原理の背後には数学の原理が有り、それを使うと、色々なあっと驚く予言もできてしまいます。考えてみてください。白い斑点模様と黒い斑点模様の個体を、交配した時にできる子供の模様はどんなものでしょう?あっと驚く答えは、当日の講演で。

14:10-14:50 春田伸(首都大学東京)
「糸状性細菌Chloroflexus aggregansの滑走運動様式」
固体表面を動く滑走運動は、細菌界に広く見られ、細菌の環境応答機構のひとつである。Chloroflexus aggregansは、3μm程度の桿状細胞が直列に連なった長さ数十〜数百μmの糸状性細菌で、滑走細菌のなかでも速い滑走運動速度を示す。本菌は、直線的に滑走運動し、時折、その方向を転換する。このような運動様式は、多角的な解析の結果、糸状体を構成する個々の細胞表面の独立した運動によって説明されると考えている。

(休憩)

15:20-16:20 佐藤勝彦(北海道大学
「上皮細胞の集団運動」
一つの受精卵から複雑な形の多細胞生物が形成されること(形態形成)は生物学の一大問題であ るが、そのメカニズムはいまだ解明されていない。形態形成の本質は初期胚を覆っている上皮細胞(シート)の集団的挙動にあるといわれている。本研究では初期胚や形態形成で頻繁に観測される上皮細胞の集団運動に注目し、上皮細胞が何故隣との細胞と接着を保持したまま(シート状の構造を保持したまま)一方向にグループとなって動けるのかを力学の立場から説明することを試みる。

16:20-17:00 好村滋行(首都大学東京)
「細胞のレオロジー」
マイクロレオロジーとは、コロイド粒子などの微粒子のブラウン運動を測定することによって、極めて微小量の物質の粘弾性的性質を調べる新しい実験手法である。この方法を用いると、例えば生きた細胞一個のレオロジーを調べることができる。その結果、細胞のレオロジーにはある種の普遍性が存在することがわかりつつある。このような近年と研究動向と、我々が提唱する「生体膜マイクロレオロジー」について説明する。


主催:平成27年度 傾斜的研究費(全学分)学長裁量枠 ミニ研究環
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2016年1月7日 渡辺千穂氏 (終了)

日時: 2016年1月7日(木)16:30〜18:30
場所: 首都大学東京 8号館301号室 
講師: 渡辺千穂氏(パリ第7大学)
題目: スフィンゴシンとスフィンゴシン一リン酸が脂質膜特性に与える影響

要旨: スフィンゴシン(Sph)とスフィンゴシン一リン酸(S1P)はセラミド(Cer)を前駆体として生成される、酵素反応により互いに変換可能な、酵母から植物、哺乳類まで普遍的に存在する生理活性脂質である。この2つの脂質は、ともに一本鎖の、生理的pHにおいて反対の電荷を持つ。興味深いことに、Cer, Sph, S1Pはそれらの存在比により、細胞の運命(cell fate)を決めることが知られており、その性質から、このシステムはスフィンゴ脂質レオスタット(sphingolipid rheostat)と呼ばれる。例えば、セラミドとスフィンゴシンは細胞死を、S1Pは細胞増殖を促進することが知られているが、これらの効果は、スフィンゴシン、S1Pのセカンドメッセンジャーとしての機能の他に、これらの脂質が生体膜特性に与える影響にもよっている可能性がある。そこで、本研究ではスフィンゴシンとS1Pが別々に、また共に膜に存在する際、膜特性に与える影響を脂質密度、脂質二分子膜双極子ポテンシャル、膜表面電位およびマイクロドメイン形成に着目して調査した。その結果、SphとS1Pを混合した際、脂質密度では相乗効果が、静電的特性では相助作用が確認された。これらの結果から、スフィンゴシン、S1Pが膜脂質として生理活性に与えうる影響を考察した。

[1] C. Watanabe, N. Puff, G. Staneva, M. Seigneuret, and M. I. Angelova, Langmuir 30, 13956 (2014).
[2] C. Watanabe, N. Puff, G. Staneva, M. I. Angelova, and M. Seigneuret, Colloids Surfaces A Physicochem. Eng. Asp. 483, 181 (2015).

2015年12月11日 小原弘道氏 (終了)

日時: 2015年12月11日(金)11:00〜13:00
場所: 首都大学東京 8号館300号室 
講師: 小原弘道氏(首都大学東京)
題目: 細胞移植治療のためのソフトマター研究

要旨: 幹細胞研究の進展のなか細胞移植治療への期待は高い。臨床での治療としてすすめられている膵島移植や、臨床研究の進む細胞自身の修復治癒能力に期待する間葉系幹細胞移植、肝疾患を対象にした肝細胞移植など、精力的な研究がすすめられている。特に、肝臓に関する疾患は生命維持に直結しており、一部の肝臓機能が低下するだけでも発育や発達に大きく影響を与えることから、肝細胞移植は新生児治療の切り札として期待されている。しかしながら、こうした臓器から分離される肝細胞は非常に弱く、また移植においては生着、機能維持、閉塞の予防など様々な課題が存在している。本研究では、この肝細胞移植に対してより安全で効果の高い医療とするために、ソフトマターの一つである細胞流動に着目し、細胞の分離プロセス、移植プロセスの高度化を目指し取り組んでいる研究成果[1][2]をふくめ、工学的な視点からのソフトマター研究の活用事例を幅広く紹介する。


[1] Toshitaka Yasuda, Hiromichi Obara, et. al., Journal of Artificial Organs 18, pp.236-42, 2015
[2] Sandi Sufiandi, Hiromichi Obara, Shin Enosawa, et.al., Cell Medicine 7, pp.59-66, 2015

2015年11月27日 Prof. Alexander S. Mikhailov (終了)

日時: 2015年11月27日(金)11:00〜13:00
場所: 首都大学東京 8号館300号室 
講師: Prof. Alexander S. Mikhailov(Fritz Haber Institute of the Max Planck Society)
題目: Hydrodynamic collective effects of active proteins in biological cells

要旨: Recent in vivo experiments with optical tracking of particles in living
biological cells indicate that active forces strongly dominate thermal Brownian forces in the cellular environment, impacting motion of objects from nanometers to microns in scale. As we show [PNAS 112, E3639 (2015)], such non-thermal fluctuating forces can arise from hydrodynamic stirring of the cytoplasm by various protein machines, enzymes and molecular motors that densely populate the cell. Independent of their specific functions, all such macromolecules are repeatedly changing their conformations and act as oscillating stochastic force dipoles. Numerical estimates reveal that hydrodynamic collective effects of active proteins may account for the experimentally observed dramatic diffusion enhancement in the cytoplasm under ATP supply.

2015年11月19日 菱田真史氏 (終了)

日時: 2015年11月19日(木)16:30〜18:30
場所: 首都大学東京 8号館302号室 
講師: 菱田真史氏(筑波大学
題目: リン脂質二重膜の物性に対する添加物の効果

要旨: リン脂質二重膜を基本構造としている生体膜中には、ステロール類やステロイド類、イソプレノイド、タンパク質など様々な有機分子が含まれている。これらの膜内有機分子はリン脂質二重膜の物性を制御しており、それによって膜の機能が発現していると考えられている。例えば代表的な膜内有機分子であるコレステロールは無秩序相(液晶相)にあるリン脂質二重膜を秩序化し、秩序相(ゲル相)にある膜を無秩序化することが知られる。無秩序相をとる脂質、秩序相をとる脂質とコレステロールを混ぜると、それぞれの相の秩序度合が近くなり、液-液相分離構造が現れる。それによって生体膜中でのラフト構造が誘起されていると考えられている。しかし一方で、コレステロール以外の分子が膜の物性にどのような影響を持つのかはほとんど明らかになっていなかった。本研究ではまず直鎖状のアルカンを添加し、柔軟な分子が膜に与える影響を調べた[1,2]。すると、コア状で硬い分子であるコレステロールとは全く正反対の効果を持つことが分かり、特に秩序相において膜がより秩序化することが分かった。このことは添加分子の分子形状が膜物性に与える影響を左右していることを示している。そこで分子内にコア状の部位と柔軟な部位を両方持つ分子を添加し、膜への影響を調べることで、分子形状が膜物性にどのように関わるのかを調べた。また、光照射によって分子形状が変化する分子を用いることでも分子形状の影響を調べた[3]。

[1] Mafumi Hishida, et al., Chem. Phys. Lipids, 188, 61-67 (2015).
[2] Mafumi Hishida, et al., submitting
[3] Koyomi Nakazawa, et al., Chem. Lett., 43, 1352-1354 (2014).

2015年11月10日 Shawn McGlynn氏 (終了)

日時: 2015年11月10日(火)16:30〜18:30
場所: 首都大学東京 8号館307号室 
講師: Shawn McGlynn氏(首都大学東京)
題目: Direct electron transfer for efficient coupling of microbial metabolism

要旨: Microbes often grow in contact with other microbes, but it is unknown how the particular arrangement of cells in an ecosystem is related to biological activity. I will present some new analytical tools for understanding some of the consequences of cell-cell contacts, and also present data which suggests a new way of direct electron transfer between two different species. The process seems to be mediated by a surface layer of protein which contains bound heme (an iron co-factor) groups. This mode of interaction seems to be a more efficient path to couple metabolism than the exchange of a diffusible compound, since electrons are faster and only diffuse easily along conductors.

2015年7月27日 Dr. Jean Wolff (終了)

日時: 2015年7月27日(月)11:00〜12:30
場所: 首都大学東京 8号館304号室 
講師: Dr. Jean Wolff(Institut Charles Sadron)
題目: Budding of domains in mixed bilayer membranes

要旨: We propose a model that accounts for budding behavior of domains in lipid bilayers, where each of the bilayer leaflets has a coupling between its local curvature and local lipid composition. The compositional asymmetry between the two monolayers leads to an overall spontaneous curvature. The membrane free energy contains three contributions: bending energy, line tension, and a Landau free-energy for a lateral phase separation. Within a mean-field treatment, we obtain various phase diagrams which contain fully-budded, dimpled and flat states. In particular, for some range of membrane parameters, the phase diagrams exhibit a tricritical behavior as well as three-phase coexistence region. The global phase diagrams can be divided into three types and are analyzed in terms of the curvature-composition coupling parameter and domain size.