2013年11月21日 千葉文野氏 (終了)

日時: 2013年11月21日(木)11:00〜12:30
場所: 首都大学東京 8号館302号室
講師: 千葉文野氏(慶應義塾大学
題目: 液体・液体転移:単体から溶融高分子まで

要旨:我々は、単体液体が圧力誘起で構造変化する様子を、高温・高圧下のX線回折測定によって研究してきた。液体リンの圧力誘起液体・液体転移は良く知られているが、リンと同族のヒ素について同様の実験を行うと、構造は連続的に変化する。導入として、これらの実験結果をごく簡単に紹介し、本セミナーでは主として、同様な現象の、高分子系における探索についてお話ししたい。圧力‐温度相図において、高分子 isotactic P4MP1の融解曲線が、圧力に対し極大を持つこと、低圧域で圧力誘起アモルファス化を示すことを手掛かりとし、この高分子の溶融体の構造が圧力で変化するのではないかと考えて実験を行った経緯と、構造が大きく変化することを示す実験結果についてお話しする。他の高分子についての実験結果や、2種類のガラスの探索についても、簡単に実験結果を示す。またごく最近、液体GeTe系におけるGeの拡散の温度依存性を中性子準弾性散乱によって測定し、興味深い結果を得たので、この系の水との類似性、実験結果の意味について簡単にご紹介したい。