2015年7月16日 下川倫子氏 (終了)

日時: 2015年7月16日(木)17:00〜19:00
場所: 首都大学東京 8号館303号室 
講師: 下川倫子氏(福岡工業大学
題目: 重力不安定性によって形成される表面パターンの遷移現象

要旨: 小さな密度の溶液(LDS:Lower Density Solution)の上に密度の大きな流体(HDS:Higher Density Solution)を一滴置くと、二流体界面で重力不安定性による界面の運動が起こり、HDSは沈みはじめる。このHDSの沈みこみ過程で、LDSの表面にHDSはフラクタルパターンもしくはセルパターンを自発的に形成することを我々は実験で観察した[1]。フラクタルパターンからセルパターンへの遷移は容器半径rとLDSの深さhによるアスペクト比r/hによって決定する。この遷移点AcはLDSの粘度に依存していることを実験で示した[2]。表面パターンの遷移が起こるAcを境に、鉛直方向の流れの構造が変化することから、鉛直方向のマクロな流れが表面パターンを決定しているといえる。セミナーでは実験結果を元に、パターンの形成機構について議論する。

[1] M. Shimokawa, J. Phys. Soc. Jap. 81, 094003 (2013).
[2] M. Shimokawa and T. Takami, Mod. Phys. Lett. B, accepted (2015).