Kurobe

今さらながら、夏休みに行った旅行の記録をしておきたい。
山梨県、長野県、富山県、新潟県、群馬県を鈍行電車、バス、レンタカーを使って一人で回ってきた。

中でも最も行きたかったのは、富山と長野の県境にある黒部ダム。
このダム建設の壮絶さはドキュメンタリー番組の代表であるNHK『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』の中でも最も人気のある回として有名である。
僕の父もプロジェクトXが大好きで、ビデオで一つの回を何度も何度も見てその度に泣いていたが、とりわけ黒部ダムについては繰り返し見ており、僕はほとんど覚えていないが、黒部ダム＝感動するというイメージだけ小さい頃に刷り込まれていた。

そして毎日、風景写真をトップページで見せてくれる検索エンジンのBingでその存在を思い出し、なんじゃこれあああ綺麗やあああってなって即、行くことを決めた。

もちろんプロジェクトXも見直した。

電気で走るバス(電車のように電線でつながってる)に揺られながら向かうと、そこにはBingで見た絶景があった。


人間の力が結集して切り開かれたその風景に、サングラスの下で泣いた。

戦後、復興とともに関西における電力の供給不足が深刻で経済成長に追いつかず、関西電力の命運をかけたダムプロジェクト。
当時、ダムは高さが増すと共に、工事に伴う死者数が増えるのが常だったが、日本一の高さを誇るダム建設というこのプロジェクトには一千万人以上が関わり、結果として171名が命を落とした。
いつ死ぬかわからない中で、食事は凍ったおにぎりやキャベツ、水分はその辺の雪を食べる。

国家、ないし何かのために命を懸けた仕事が自分には出来るだろうか。
今のところ出来る自信はない。

しかし、死ぬこともなく、美味しい食べ物をいつでも好きなだけ食べることが出来る恵まれた環境の中で働いていることを自覚し、生きるために生きたら駄目だってことを忘れないようにしたい。

今年残りは、ビジネスとプライベート旅行含め、マニラ、上海、台北に行って終了予定。
年越しは一人で台北だけど、何しようか考え中。