4310

2009-08-17 シマトラWORLD、サントラ推奨!

shimizu43102009-08-17

[]島田虎之介ダニー・ボーイ』

ダニー・ボーイ

ダニー・ボーイ

待望のシマトラ先生長編第四作。

今回は「幻のミュージカルスター」を巡る偽史…ということで

ホラにもますます磨きがかかってます!

1976年トニー賞候補になった『極東組曲』」

 (敗戦戦後民主主義の到来を"わざわざ"ミュージカル化した

 「敗北を抱きしめて」みたいに素敵なストーリー)は

「当時のNET(現在テレビ朝日)から深夜に中継放送された」……

と言い切られてしまうと、もうホントにあったことに思えちゃいます。

こうしてでっかく広げられた風呂敷の中身は、

「彼」と出会った(すれ違った)様々な人々の思い出話から

戦後60年の「時代の片隅」が切り取られていく展開なので、

一度ならず二度、三度読むと「あっ、そうか!」という発見が続出。

なんとまあ濃厚な一冊。これから四回目に突入します(笑)


全9話にそれぞれテーマ曲的なサブタイトルがついているのですが、

先日、或る方の感想で「Youtubeで曲を聴きながら読んだ」とあって

なるほど!と思って「勝手サントラ」を作ることにしました。

特に第二話の「Cheek to Cheek」では、

フレッド・アステアの「♪I'm in Heaven…」という歌詞があると

32ページの「満鉄社員」さんの

ああ、これは 天国の… いや、「王道楽土」の歌だよ

というセリフがいっそう味わい深くなりましたよ!


勝手サントラ」案 by 4310

▽第一話「Come Sunday

幻のミュージカルスター、サチオ・イトーの登場。

シマトラ先生ご本人のナレーションBGMにはDuke Ellingtonを。

D


▽第二話「Cheek to Cheek」

サチオをとりあげた助産師・ツネ先生満州回想。

Fred Astaireおじさんの「心地の良い悪夢」のような歌声(笑)

D


▽第三話「Hänschen Klein(ちょうちょう)」

サチオくんの幼友達、女社長イケメンコレクター人生

男の子ソプラノ……こんな感じ?(不気味な映像ですみません)

D


▽第四話「Mustapha(悲しき六十才)」

会津若松での小学校時代、担任の女先生の60年安保の思い出。

同僚の大熊先生岸信介(晋三グランパ)=長州陰謀説を唱えるのがイイですね。

サチオくんが教室で歌い踊ってた「悲しき六十才」の原曲。

D

合唱コンクールで歌ったスコットランド民謡「Loch Lomond」。

D

曲はちがうけど、映像的にはこんな感じもアリでは。

D


▽第五話「Little Drummer Boy/Funiculi Funicula」

太鼓歴40年のドラマーケイトさんと西口地下広場ママ

安田講堂をバックにサチオがつぶやく

「ぼくのお祭りじゃないからね」ってセリフがグッときます。

ワタシは♪ラパパンパン…ってとこしか歌えません(1:35以降)

D

↑味わい深い人形アニメ日本製中村武雄氏らのビデオ東京制作)。

D

↑「みんなのうた」版。福島治さんの脱力アニメがぴったり。


▽第六話「Hello Dolly」

サチオと劇団の同期生だったユリコさん(現在明治座に出演中)。

劇団主宰が「誰」で、ユリコさんと「どういう関係」だったかは

次の回に明らかになるという周到さ(三周目にようやく気づきました)

サチオの下宿ポスターがあったBobby Darin版。

D

そしてLouis Armstrong & Barbra Streisand版。

D


▽第七話「Unforgetable」

35年前に日本でサチオを"発見"したイタリアの歌姫・ファブラ。

今やすっかりフォーゲッタブルな余生を送る彼女が垣間見せる

辛辣さと美学が味わい深いです。

Nat King Cole & Natalie Coleの父娘デュエット。

D


▽第八話「With a Little Bit O'Luck(運がよけりゃ)」

トニー賞ノミネート以後、消えていったサチオを目撃した

現役演出家アニーが眺める「現代のブロードウェイ」。

かつての名士・ダルトン氏がスピーチでこぼす

革命家絶滅したよ "猫"や"ライオン"の時代だものな」

ってセリフは絶妙なリアリティがありますね。

スタジオ録りが"いかにもショウビズっぽい"Julie Andrews版を。

D

サチオのモデルになった実在の俳優オーディションで歌ったという

On The Street Where You Live(君住む街角)」。

D


▽最終話「Danny Boy」

飛行士学校先生になったらしいサチオの歌声を聴いた

空港管制官・クロリスの記憶

FBI捜査官が見せた顔写真は、やっぱり9.11関連でしょうか。

空から聞こえるサチオの鼻歌……というイメージで考えた結果、

このRoy Orbison版はいかがでしょう。

D


もちろん、読み手それぞれの印象が違うように

選曲には異論反論が大いにあると思いますので、

「俺のサントラ(つまりシマトラのオレトラ)」を推奨します。


あー面白かった。感想を一言にまとめるとすれば、

コウイフ嘘ツキ二 ワタシモナタイ

f:id:shimizu4310:20090813010715j:image←75ページ。

shimatoraxshimatorax 2009/08/18 03:25 どうも作者です…。
毎度毎度ありがとうございます。今回は特に…。いや実はmixiの日記で同様のことをやろうかと思ってたのですが…これほど完璧にやられてしまうとは!読んでいて「なんていいマンガなんだ!」と涙が出そうになりました←バカ。正直申しましてオレよりオレのこと詳しいんじゃないかと(mixiの日記やコミュニティでこちらを紹介していいですかね)。

おそらくあえてUPなさらなかったのであろうイトウサチオのモデル氏の歌声(映像不鮮明)↓
http://www.youtube.com/watch?v=FyieJQlqKGc&feature=PlayList&p=DB67F6D94EDF90DB&index=16

shimizu4310shimizu4310 2009/08/18 15:41 あっ!shimatoraxさま、いつも勝手なことばかり書きましてすみません…。mixiのコミュニティにも自供致します。いまドイツ版『ちょうちょう』がお気に入りです(笑)

「Pacific Overture(太平洋序曲)」の映像、ありがとうございます!
この作品のことは、なんとなくしか知らなかったので、モデルになった方の詳しい経歴も、たった今はじめて知りました…(驚驚驚)

いやー、こうして実際の舞台の映像を見たり、モデルの方のことを知ったりすると、『ダニー・ボーイ』がぐっとドキュメンタリーっぽく感じられますね。『マン・オン・ワイヤー』っていう綱渡り師のドキュメンタリー映画を見た時、演出があまりにも流麗なためにほとんど劇映画を見ている錯覚に陥りましたけど、それに近い不思議な気分です。ありがとうございました!

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/shimizu4310/20090817