NHKとテレ朝が自民党の呼び出しに応じたことの問題はなにか

毎日新聞 4月17日(金)11時43分配信
自民党の情報通信戦略調査会(会長・川崎二郎厚生労働相)は17日午前、党本部で会合を
開き、NHKとテレビ朝日の報道番組で、「やらせ」や政治的圧力があったとされる問題について、
NHKの堂元光副会長、テレビ朝日の福田俊男専務ら幹部から説明を聴取した。

やっぱり、出かけたんだ。そうすると思っていた。

≪NHKの「クローズアップ現代」では昨年5月、多重債務者がブローカーを介して出家の儀式を受
け、戸籍名を変え融資などをだまし取る手口を紹介したが、ブローカーとされた男性が「自分はブロ
ーカーではない」と訂正を要求。NHKは今月9日に調査の中間報告を公表し、一部に誤りを認めた
ものの、「やらせ」の判断は見送った。テレビ朝日の「報道ステーション」では、コメンテーターだった
経済産業省出身の古賀茂明氏が3月27日の生放送中、自身の降板を巡り官邸から圧力があった
と発言。菅義偉官房長官「全くの事実無根」と否定している。≫

これを自民党の国会議員が確認することに何の意味があるのか? 放っておいてよかったのでは
ないか。

≪政権与党による聴取に対しては、野党から言論の自由に触れる恐れがある」民主党安住淳
国対委員長代理)などと批判の声が上がっているが、自民党佐藤勉国対委員長は「各局の判断
を聞くだけ
で、政治介入どうこうではない」と説明している。≫

言論の自由に触れる恐れがある」?
そうだろうか。呼び出しに応じなかったらどんな嫌がらせが待っているというのだ。そんなものはない
だろう。もともと、記者クラブに入っている新聞社やテレビ局は権力と親密な関係を形成しているく
らいだから、断わろうと思えば断われるはずだ。出席したのも、出席しても自分たちが考える言論
の自由を侵害されることはないと、自分たちなりの判断をしたからにちがいない。
だから、野党が目くじらを立てるようなことではない。

問題はこの先。節度なく呼び出しに応じていると、呼び出しに応じるのが当たり前、政治家の意見
を聞くのが当たり前、政治家の要望を受け容れるのが当たり前、と発展してしまうのではないか。

NHKもテレ朝もその線引きを明確に持っていて今回の対応になったのか。