小林リズムの紙のむだづかい(連載283)

小林リズムの紙のむだづかい(連載283)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
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四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載283)
小林リズム
   【無味無臭推奨】  

 
 金木の香りが好きで、秋になると「この香りを瓶に詰めたい!」と思っていた。けれどあるとき「金木犀の匂いを嗅ぐと、公衆トイレを思い出すんだよねえ」と、母が言っていたのを聞いてから、金木犀の香水が欲しいとは思わなくなった。きっと、始めのうちは公衆トイレの匂いを消すための取り組みとして金木犀が全国各地の公衆トイレ付近に植えられていたと思う。しかしあまりにもそれがイメージとして定着してしまったため、公衆トイレ=金木犀。公衆トイレ=汚い。金木犀=汚い。…というようにマイナスなイメージへと運ばれていったのだろう。香りの良し悪しではなく、イメージで損をしている。そして、公衆トイレを好印象にすることはかなり厳しい…。
 これまで私は“環境ではなく、その人自身を評価する人間でいないといけない”という正義感を振りかざしていた。親七光りや犯罪者の家族の話をテレビで見ても「こんなことを理由に正当に評価されないなんて…」と簡単に同情することができた。けれど思っていたよりもずっとバックグラウンドにあるものは強烈で「周りの人でなくワタシを評価して!」というのはとても難しいことなのだ。

 たとえば、うちの実家のトイレには、ブルガリのプールオムの香水が置いてある。母が勤めていた会社の人にお土産でもらい、使わないからたまたまトイレに置かれることとなった。たまにしゅっと吹きかけられ、トイレの中にこの香りが充満する。もちろん初めから『トイレ用』などと決められていたわけではない。使わないし、どうせなら…という自然な成り行きだ。けれど、私のなかでこの香りは間違いなく「実家のトイレの匂い」になるのだ。それはもう、理解する間もなく嗅いだ瞬間に反射的に思う。友達がつけていようが通りすがりの人の香りだろうが関係ない。「あ、うちのトイレの匂い…」。まさか、この香りが好きでつけている人にそんなことを言うわけにもいかないし。けれどどうしても実家のトイレが思い出されるものだから戸惑う。それも、結構前から続く人気な香水ゆえに、今も愛用している人の多いこと。「あの、あなた…実家のトイレの香りがして…落ち着くんです♡」という恋の始まり方とか…ないかなぁ…。
      
 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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