小林リズムの紙のむだづかい(連載469)


清水正ドストエフスキー論全集』第七巻。2014年7月30日刊行予定。
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載469)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru)から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
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小林リズムの紙のむだづかい(連載469)

【モテ衝動!】


 「モテたい!」という欲求って、中学生の頃にピークを迎えて、あとは徐々にさがっていくんじゃないかなぁって思う。ていうか、実際に私はそうだった。中学生のころはやたらとモテたくて、ティーン誌のモテ仕草なるものを読み込んだり、ネットでキレイカフェというサイト内を検索して、モテ子になるべくさらさらヘアを手に入れようと試みたりしていた。チヤホヤされたりモテたりしたら信じられないくらいハッピーな気持ちになって、それだけで脳内がお花畑へと瞬間移動する。ぽわわわーん。ああ、おめでたい。そしてなんて懐かしい話なんだろう。もう10年も前のことになるなんて。

 高校生になってからモテたい衝動はゆるやかに下降していった。モテたい願望はあっても彼氏がほしいとは思ってなかった。なんかもう、あらゆる人からモテたい、でも彼氏はつくりたくない、みたいな。その頃からすでに私はどっか頭がおかしかったんだと思う。万人受けとか、みんなに好かれることが何よりもの目標だったから、ひとりの人を決めたいと思えなかったのだ。愛されたいばっかりで自分が愛することなんてちっとも考えてなかった。素敵な恋がしたい願望はあったけど。

 そういえば高校の頃に通っていた予備校で、他校の人から突然、惚れたので仲良くしてくださいという内容のメールが送られてきたことがあった。アドレスも教えていないのになぜ。私はその人の顔をうっすらとしか思い出せず、不審なこともあいまって「若気の至りですね。やめてください」と返信したら三十分後くらいに「は? 若気のいたり? お前ふざけんじゃねーよ」という逆切れメールが返ってきた。あまりの豹変ぶりにびっくりした。ていうかホント怖かった。もう予備校行けないと思った。
 でも数日経てばなんでそんなこと言われなきゃなんないのって苛々した。中村くんだかミックンだか知らないけど、私の視界から消えてほしい。そんなふうに呪ったそのせいで、逆に彼の名前やあだ名は今でも覚えているという。皮肉なものだ。私にも非があったことや、彼を傷つけたのだということに気づいたのはそれからもうずっと後の話。

 口では「彼氏ほしい」と言っていたけれど、実際に心からほしかったことなんてないんじゃないかと思う。ステータスとか、いないと寂しいとか、表面上ではそう振る舞っていたけれど、本当はものすごくどうでもよかった。でもそんな自分の本心に気づかないくらいに、私は表面上の世界におぼれていた。みんなから好かれたいということが大前提にあるがゆえの「彼氏がほしい」という台詞。

 彼氏がほしいと言っているのに合コンに参加すれば茶番みたいって思い、紹介された相手にはメールの返信さえしない。自分の言動が一致していないことに気づいていなかったから、私は単に自分が恋愛が苦手なだけなんだと思っていた。

 みんなから愛されたかったし、嫌われたくないなんて我ながら欲張りすぎ。いったい何を手に入れようとしていたのやら。そうやって中学生の頃からマグマのようにどろどろと発生してきた「愛されたい欲求」によって、長い間葬られていた自分を、掘り起こしている作業が、今。ようやく氷山の一角がみえてきた感じ。だけどまだまだ、気のしれない人を相手に自分の感情を表に出すことは苦手。

 そして「モテること」対してはすっかり興味がなくなってしまった。不特定多数の人に「いい子だな」って思われて得られるもののなんて生ぬるいし、そんな好かれ方をしたところで何より虚しい。いろんなところに種をまいたのに水やりを怠るどころかまいた場所さえわからずに、結局ひとつも芽を出さずに死ぬ。人知れずに死んでいくからお墓で思い出話も話せやしない。

 だからわかるよ。「モテ」の定義が不特定多数の人に好かれることだとしたら、モテって超くだらない。恋愛している友達みて思った。ひとりの人ときちんと愛し合うことのほうがずっと価値がある。

 
 

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