Hatena::ブログ(Diary)

清水正ブログ

2014-06-02

ソジョンのため息(連載4)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

f:id:shimizumasashi:20120829170256j:image

四六判並製160頁 定価1200円+税



ソジョンのため息(連載4)

f:id:shimizumasashi:20140530204503j:image

【恋のアイロニー】

どんな人に出会った時、恋に落ちるのだろう。当然本人が好きなタイプの異性が現れた時でしょうけど、不思議なことにいつも私が好きだった魅力的な異性は私を好きではなくて、必ず関心がない第三者に好かれる場合が多かった。

最近バイトをしながら気がついたことがあった。先に来て座っていた常連さんを見つけた私は、お客様との繋がりを大事にするお店の特性上、ただの嬉しさの表現として、明るく声をかけたら、その常連さんは勝手にナンパだと誤解し、私に携帯番号を聞いた。その翌日ラインを通じて、私が声をかけた理由について説明すると、幸い誤解がとけて良かったけど、問題はそれ以降まったくお店にいらっしゃらなくなった。ナンパだと勝手に勘違いしたことが恥かしかったのだろうか…。(私は大丈夫ですが…。)

ともかく何でだろう。関心のない相手に好かれやすい理由。.私が好きではない人には、何の感情がないからクールで、平気に私を見せられるから? そう,それが答えのようだ。どうしても相手はそういう姿で魅力を感じるようになるらしい。切ないことに急に私の失敗した初恋の先輩が思い浮かんだ。先輩の前では感情が入って顔も赤くなって、声も震え、どもるようになり、ミスばっかりして魅力的な姿を見せてあげられなかったような気がした。愛情のない人には自分の姿を率直にさらけ出せるのに、好きな人にはむしろしきりに隠せるようになる。

「はぁ」

まもなく来る今年の夏、そしてその夏がすぎる前、必ず恋したいのに・・・。今日も深い夜、恋の理論ばかりが増していく。

肖像写真は本人の許可を得て撮影・掲載しています。無断転用は固くお断りいたします。

2014-05-31

ソジョンのため息(連載3)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

f:id:shimizumasashi:20120829170256j:image

四六判並製160頁 定価1200円+税



ソジョンのため息(連載3)

f:id:shimizumasashi:20140530204550j:image

【運命を信じますか?】

私には彼氏がいる。3年目になった頃、私との約束を破った彼氏に信頼を失うことになって、しばらくの間別れたときもあったけど、運命のためか、また会うようになって、現在4年ほど付き合っている。

彼氏と別れた時のことだった。急いで日藝にまた再入学するようになった私は、留学ビザをあらかじめ受ける時間がなかったため、3ヶ月くらいは観光ビザで過ごしながら、留学ビザが出るまで日本で携帯電話は作れなかった。同じく韓国人留学生の彼氏も私と同様の状況だったけど、携帯電話を2つ持っている知人からビザが出るまで携帯電話を貸してもらったので、私よりは遥かに良い状況だった。携帯電話もないし、2年ぶりに戻ってきた日本に知り合い一人もいなかった私に比べ、彼氏は連絡も自由にできたし、まだ友達も日本にたくさん残っていたため余裕があったせいか? 淋しかった私の状況を全然理解してくれなかった。自分のことだけ思う彼氏にますます寂しさだけが積もっていき、軍務に服したときとは違って、自由の身になった彼氏は私との約束までついに破ってしまった。信頼を失い、私は別れを決心した。

別れた日の翌日、待ちわびていたビザが出た。私はすぐ携帯電話から作りに行った。後ろの番号は以前からabcdにしようと決めたから躊躇いなく後ろの希望番号はabcdを書いて渡し、真ん中の番号が出てくるのを待った。3ヶ月ぶりに携帯電話を持てると思ったら、存分に浮いていた。別れの悲しみなんか眼中にもなかった。そして、ついに私の新しい携帯電話番号が出た!

080−「4006」−abcd

…。

私は今もその瞬間を忘れられない。4006は彼氏と私が日本にまた一緒に来るようになった時、もらった再入学受験番号。また、彼氏が韓国でもともと使っていた携帯電話番号…。私は2度も重なったこの数字が私たちはまるで別れちゃだめだと言うような気がして苦しく感じ始めた。自分の選択が間違ったのかな、と3週間ほど悩んだ挙句、彼氏に結局連絡するようになった。幸い彼氏もまだ私の事を忘れられなかったのか新たに作った携帯電話番号を4006にして使っていた。お互いの努力ではなく、予想外の偶然によって再びつながるようになった。信頼を失って会った1年前から実はラブラブより、激しい倦怠期を経験している羨ましいカップルではないけど、運命ってなんだろう、私は彼氏とそのせいで別れない。

たまには本当に神がいると感じる時がある。たとえ神がないとしても運命くらいはあるべきで、今のこの状況が説明できるのではないかって感じるときがある。この絶妙な偶然性と見事なタイミングと予想以外の展開。もしかすると、今、私の運命は私にいたずらをしているかもしれない。



2014-04-26

ソジョンのため息(連載2)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

f:id:shimizumasashi:20120829170256j:image

四六判並製160頁 定価1200円+税



ソジョンのため息(連載2)

f:id:shimizumasashi:20140426003156p:image

【振り返ってみること】

修学旅行に行くための高校生など476人が乗った旅客船が沈没してから10日になった。激しい水流に対抗して、民・官・軍の捜索・救助作業が続いているが、行方不明者の生還を願った国民の希望はもどかしさを超え、絶望に変わっていた。沈没の直後に、素早い対応で脱出の案内を受けることができたのであれば、もっと多くの人々が家族のもとに帰ることができたはずなのに…本当に残念でならない。

インターネットから、その当時ある高校生がお母さんに送ったカカオトークの内容を見て涙を流した。

4/15の 午後5:35 母: 「雨に降られると風邪引くからね」

  午後5:35 息子: 「オッケー」

4/16  午前9:27 息子: 「お母さん 私が話しできないかもしれないから、送っておくよ 

愛してる」

   午前9:34 母:  「なんで...? カカオトークを見ない? したら…]1

 9:36 母:  「私も息子..~ 愛してる」1

お母さんが送ったこのメッセージをこの息子が読めたのかはわからない。とても悲しくてならない。まだ夢も咲けてない若い子たちが、こんなに団体で予告もなく去って行くなんて…。残った家族の気持ちを考えると、眠れなくなるくらいだ。まさかこんなことが自分に起きるとは、普通は考えることもできないだろう。絶対ないと思うからこそ、さらに衝撃で言葉にし切れないほど心が痛くなった。

在留カードを忘れてしまうこと、お金を忘れること、指輪を落とすこと、携帯電話を忘れてしまうことは、忘れてすぐに分かる。

純粋さを忘れてしまうこと、私が好きな自分の姿を失ってしまうこと、近くにいる人の大切さを忘れてしまうことは、忘れたのも知らないまま過ぎることが多い。

忘れてすぐ分かる物よりも、忘れていたのも知らずにいたものの方が、実は人生ではもっと大事である。

だから、私たちは一度ずつ、振り返らなければならない。予告なく訪ねる人生において、さらに大切なもののために。


2014-04-19

ソジョンのため息(連載1)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

f:id:shimizumasashi:20120829170256j:image

四六判並製160頁 定価1200円+税



ソジョンのため息(連載1)


f:id:shimizumasashi:20140419212936j:image

【私たちを苦しめるのは、現実ではなく、ほとんど想像力である】

今日4月14日、結局戻って来なかった在留カードを再交付するために入国管理局に向かった。準備する書類は警察署からもらった紛失届書とパスポートだけ。紛失した当日から14日の間に入国管理局に行って、再交付の手続きをすれば、簡単にその日に再交付をしてくれると言う。すごく簡単だけど、不安だ。紛失届けをしてからもう2週間以上経っていたためだった。もうちょっと待ったら戻ってきそうで、根拠なくひたすら待ったのが誤りだった。在留カードは、今回の奨学金申請に必ず必要な書類だったため、締め切りまで残りの時間はなかった。だから、今日必ず再交付を成功しなければならない。そんな理由で、紛失の日付が明確に書かれている紛失届書は、もやもやしたから、持って行かないようにした。紛失届書がない人はその理由を書いて提出すれば良いと、インターネットに説明してあったから、言葉を少し回して書けば問題はないと安心した。ところが、実際に入国管理局に到着して聞いてみると、紛失届書がない人は警察署に直接電話して、紛失届書の番号を教えてもらって、理由書と一緒に書いて提出しなければならないという。

「はぁ...」

その時から、すべての計画は崩れて不安が始まった。今回の事とは関係ないことまで、全部思い浮かんで、最近大変だった色んな事がいっぺんに押し寄せて、私を苦しめた。わざと起きなくていい事なのに、どうして私には敢えて起きて(在留カードを電車の中で忘れた事)苦労するようになるんだろう...。私はここで一人で何してる...。

外国で一人暮らしをするのは本当に緊張感の連続だ。ちょっとでも緊張感をゆるくすると、自分も知らずにどんな誤りが起こるか分からない。ここでは誰も保護してくれない。一から百まで全部一人でしなければならない。常に緊張しなければならない。

そう、私はもう心が疲れていた。

14日以上経った人も再交付申請ができるのか、ずっと聞いて見たかったけど、余計な疑いを起こすのではないかって怖くて聞けなかった。「14日以上経ったから異なる手続きが必要なので、当日再交付は不可能です」と言われたらどうしょう...。すると、奨学金は申請もできずに受けなくなるんだけど、父との約束はどうしよう...。

番号札を取って椅子に座ってそうやって3時間を待つ間、一人でいらいらする気持ちを耐え辛かった私は、友達にこの状況についてラインを送った。一時期、頼もしい友達だったが、お互い忙しくなってきて、連絡するのは本当に久しぶりだっだ。それで返事が来ないとどうしようと、また心配しながら、少し待ってたら、幸いに早く返事がきた。

「できるよ、もちろん! してくれないと、どうする!」

私も知っている。本人の事ではないから、あんなふうに簡単に言えるのかも。しかし、その論理的な根拠を離れて、今の自分には一番嬉しい言葉であった。焦りがだんだん消えてゆく。「そう、今日中で手続きしてくれないと、どうするんだ!」まだ起きてもない事に、自らを苦しめていたのに気づいた。

私たちを苦しめるのは、現実ではなく、ほとんど想像力である。

そうやって30分後、いよいよ私の順番になった。やはり心配とは違って、再交付申請は何の問題もなくスムーズに終わった。むしろ誰よりも早く終わったような気がする。

ほっと安堵のため息をつく。

今が不幸だと思うなら、新たな心配事ではなく、新しくて楽しいことに自分の想像力を使ってみよう。取りあえず、想像の苦痛を止めてみること!

肖像写真は本人の許可を得て撮影・掲載しています。無断転用は固くお断りいたします。