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清水正ブログ

2017-09-29

山崎行太郎著『ネット右翼亡国論』に寄せて 

清水正が薦める動画「ドストエフスキー罪と罰』における死と復活のドラマ」

https://www.youtube.com/watch?v=MlzGm9Ikmzk

これを観ると清水正ドストエフスキー論の神髄の一端がうかがえます。日芸文芸学科の専門科目「文芸批評論」の平成二十七年度の授業より録画したものです。是非ごらんください。

吉乃黄櫻さんのブログ清水正の著作に関する記事、ぜひご覧ください。

https://plaza.rakuten.co.jp/sealofc/13089/

清水正の著作(監修・編集した限定本や非売品など)入手困難な稀覯本・雑誌・カタログなどの刊行物がヤフオクで入手することができます。

是非ごらんください。

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山崎行太郎著『ネット右翼亡国論』に寄せて。

            

下原敏彦

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8月はじめ、清水正教授から厚い新刊書が届いた。『清水正宮沢賢治論全集 第2巻』である。難病を押しての出版にお礼かたがた電話した。その折り、山崎行太郎氏が『ネット右翼亡国論』(春吉書房2017.8.15)を刊行されたことを知った。「おもしろかった、すぐに完読した」清水教授は、既に読まれていて感想を述べられた。

ネット右翼とは何か !?  耳慣れない言葉に戸惑った。私は、パソコンは使うが、ツィッターブログは、やらない。ネット発信の政治や思想活動にも関心はない。そんなわけで「ネット右翼」と聞いても、すぐには理解できなかった。が、刊行を祝って、駅近くにある丸善で本書を手に入れた。とにかく読んでみよう。

はじめ帯文が目に入った。作家・佐藤優が「日本の現在を深く知るための必読書である」と推薦している。副題に「桜井誠廣松渉と佐藤優の接点」とある。佐藤優は流行作家でよく目にする。が、後の二人は、社会情勢に疎いのと近頃、政治・思想関係の評論書をほとんど読んでいないせいもあってどんな人たちか、よくは知らなかった。

山崎氏のHP「毒蛇山荘」が頭に浮かんだ。辛らつな批評が裁判沙汰になることもある、と聞く。過激な政治議論や思想論争を想像して逡巡した。

しかし、読んでみると、案外、読みやすかった。ドストエフスキーについて清水教授との対談も収録されていて、教授が評したように面白く読めた。二人のこともわかった。

本書は、現在日本の保守本流の人たちを批判する評論書といえる。が、同時に評論家・山崎行太郎とは何かについて語った自伝の書でもある。

本書の序文を飾る附論(1)が、それをよく表している。『「亡くなった兄の原理」こそ、我が「存在論」の原点である。――亡き我が兄・仏淵浩を追悼する』兄の死を悼む短い追悼だが万感の思いが伝わってくる。ここに批評家・山崎行太郎の全人生の元がある。

当時、山崎氏が兄のことで帰省されていることは、知っていた。帰京されたとき、葬儀の様子を、直接、聞いたような気がする。が、「小さいときから父親のような存在」とは知らず、その深い悲しみを忖度できなかった。お詫びするとともに改めて黙祷を捧げたい。

批評家・山崎行太郎の信条とは何か。清水教授が主催する飲み会「金曜会」で、ときどき話題になる。そんなとき氏は、薩摩隼人らしからぬソフトな語り口で皆をけむに巻いた。推測するに、批評姿勢は、常に勝ち馬にのらない。そこにあるようだ。

例えば「それでも小沢一郎を推す」とか、「あくまで小保方さんを擁護する」とかである。社会が、世間がそうなら、私は、反対の立場からこう弁護します。そう言ってウフフと忍び笑いを漏らす。そうした時の氏は、ときには滑稽に、ときには頼もしくみえた。凋落する者たちの擁護。もの静かな微笑みと温厚な話し方で、あくまでも弁護するのだ。そこに山崎行太郎の批評美学をみる。(それは常に敗者の側に味方した大西郷の信念でもあるが)

去りゆくものを応援する美学。そんな評論家人生には、逸話も多い。訴訟を起こされ、埼玉県警で調書をとられた時、別れ際、担当の刑事から「こんどは、こんな場所ではなく、居酒屋で会いたいですね」と言われたという。

この話にドストエフスキー作品『悪霊』のモデルとなったネチャーエフ(1847-1882)を思い出した。1872年逃亡先のスイスで逮捕された革命家はペトロバヴロフスク要塞監獄に収監された。が、なんと多数の看守を取り込み脱出を計画した。逃亡は未遂におわったが彼には、話術や策謀以外に、人を引き付ける魅力があったようだ。

本書は、多くの亡国論、存在論を発信している。「ネット右翼A」「ネット右翼B」そして「ネットの愛国」など。が、私が真に理解できたのは、二つの発信である。一つは、前述の山崎氏の生い立ち秘話。もう一つは、氏のドストエフスキー体験である。

ネット無知の私とネットプロの山崎氏だが、これまで共通する話題は一つあった。児童文学作家で鹿児島県立図書館長の椋鳩十(1905-1987)は、私の故郷伊那谷出身である。「鹿児島で唯一の文学者なんですよ」私が伊那谷出身と知って氏は、自虐的に感激された。私と氏を繋ぐものは、他になかった。ところが、今回本書で認識を新たにしたのは、なんと氏もまたドストエフスキーの人であったということだ。薩摩半島の寒村の家で生まれ育った兄と弟。「この兄がなければ現在の私はない」との追悼は、ドストエフスキーと兄ミハイルの兄弟愛を感じさせる。文学への道標となったやさしい母の愛は、ドストエフスキーの母マリヤを彷彿させる。そして氏に哲学を開眼させた兄嫁の深い教養は、ゾシマ長老を想像させる。

評論家・山崎行太郎は、旧家の期待と一族の希望を一身に背負って一人ドストエフスキー街道をひた走ってきたのだ。清水教授は17歳のときから一人孤独のなかで読みつづけてきた。ちなみに私は、ドストエーフスキイ全作品を読む会「読書会」に参加して歩んできた。共に50年になる。三者三様のドストエフスキー体験に不思議な因縁を感じる。

氏は、自身のドストエフスキー体験を本書でこう述べている。「大江の次に椎名麟三という作家も読むようになった」そして「それでドストエフスキーを読み始めたわけですが」「片つ端から読んだんですが/僕が真剣に読んだのは『地下室の手記』『罪と罰』『白痴』で/この三作を読んだだけで、ドストエフスキーに完全に参りましたね」

このような氏のドストエフスキー体験告白は、私が知る限り、(どこかで話しているかもしれないが)恐らく本書がはじめてではないだろうか。その意味において本書は、批評家・山崎行太郎ドストエフスキー論になっている。

このように理解し解釈すれば、「ネット右翼」という言葉も耳慣れてくる。ドストエフスキーもまた「雑誌右翼」と呼ばれるにふさわしい土着性右翼の人だった。ドストエフスキーが『作家の日記』で展開する批評、政治、思想、民族論争は、当時に留まらない。21世紀の現在の問題として今も世界を揺るがせている。

とまれ、文芸評論家山崎行太郎は、本書においてネット社会へ警鐘を鳴らしながらも、新しい時代を模索する希望を発信している。老いてゆく団塊世代にあって、一人勇敢にネット社会に挑んでいる。古希世代の旗手として挑戦をつづけている氏にエールを送りたい。

いつまでも消えゆく者の代表として活躍されんことを祈ります。改めてご出版、おめでとうございます。

本書は、多くの雑誌に掲載された氏のエッセイ、評論が大半だが、それらのなかで。目を引いたのは、『琉球新聞』に載せた記事「『沖縄ヘイト』の底流にあるもの」だった。ヘイトスピーチは、「そんなに単純なものだろうか」との問いに、ある出来事を思い出した。

もう30年近く前になる。たしかソウルオリンピックが開催された年だったかと思う。毎朝、総武線快速東京に出勤している知り合いの中年女性が、最近、腹の立つことがある、と、訴えた。ラッシュアワーでごった返す駅ホームに横暴な高校生がいるという。座席確保のため、どこも長蛇の列だったが、一か所だけ、数人の高校生が列を乱して陣取っているところがあった。彼らは、遅れてきた先輩の席を確保するために陣取っていた。始発のドアが開くと、後輩たちはわれを争って飛び込んで行って車両の一角を占拠した。あまりのマナーの悪さに「どこの高校」と聞いても、ただへらへら笑っているだけだった。彼女は、腹の虫が治まらず、新聞社に投書した。暫くして社会部の記者から電話があった。そのことを記事にしたというのだ。「横暴な高校生、通勤客と争う」そんな見出しだった。それだけだった。傍若無人な席取りは続いた。彼女は、義憤に駆られ駅長室に訴えた。ところが駅長は、先刻承知とばかりにニヤついて「彼らは朝鮮なんですよ」と言った。予期せぬ答えに彼女は唖然として、思わず「それがどうかしたんですか」と、聞き返した。駅長は、困った顔で失笑するばかりだった。大新聞も、JRも高校生たちも声なきヘイトスピーチ合戦をホームで繰り広げていたのだ。それから暫くして、高校生たちは去っていった。中年女性に騒がれたことが理由のようだった。思えば問題解決の道は情報公開にあったようだ。

2017-08-19

山崎行太郎『ネット右翼亡国論』お薦め

神経痛のため一日中部屋で横になっている。ここ一週間、動画で田端義夫の歌を聴いている。かえり船、大利根月夜、ふるさとの灯台、雨の屋台、どの曲も心に染みる。バタヤンの歌は日本人の魂にやさしくせつなく響いてくる。彼の歌の本源におふくろさんがいる。

さて、バタヤンの顔、だれかに似ている、なんと山ちゃんこと、山崎行太郎さんにそっくり。

山崎さんの今回の本『ネット右翼亡国論』も、根底に母親の存在を感じる。

山崎さんは日本第一党党首の桜井誠氏を評価するに当たって「思想家の土着化」「思想家の存在論化」といった難しい言葉を使っているが、平たく言えば思想家の抱えこんでいる「おふくろさん」ということである。桜井誠氏の演説には日本人が共通して抱え込んでいる母性に直接的に呼びかけてくる響きがある。彼は在特会会長の時からヘイトスピーチ左翼系の人達から厳しく批判されているが、わたしの耳には彼の言葉は優しく響いてくる。歴史的事実を相互にきちんと認識し合った上でのお付き合いをしましょう、できなければお付き合いはできませんという主張は素直に受け取れる。彼の表面上の言葉は過激であるが、過激な罵詈雑言が揺るぎなき信念と愛に立脚していることも確かである。自分が発する言葉にいっさい責任を持たない政治家が多すぎる。

桜井誠氏は今のところ、マスメディアから徹底的に無視され「反社会的」というレッテルを貼られているが、やがて彼の存在はおおきくクローズアップされてくるだろう。

わたしは山崎行太郎さんの『ネット右翼亡国論』を『ネット右翼興国論』として読んだ。今、どれ位の人がネット上で情報を得ているのか定かではないが、しかし新聞、テレビの偏向報道はひど過ぎだし、程度が低過ぎである。

それにしても、自からの政治的信念に命を賭ける政治家はいないのか。


清水正への原稿・講演依頼は  shimizumasashi20@gmail.com 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正が薦める動画「ドストエフスキー罪と罰』における死と復活のドラマ」

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これを観ると清水正ドストエフスキー論の神髄の一端がうかがえます。日芸文芸学科の専門科目「文芸批評論」の平成二十七年度の授業より録画したものです。是非ごらんください。

吉乃黄櫻さんのブログ清水正の著作に関する記事、ぜひご覧ください。

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清水正の著作(監修・編集した限定本や非売品など)入手困難な稀覯本・雑誌・カタログなどの刊行物がヤフオクで入手することができます。

是非ごらんください。

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NHK Eテレ「100分de名著 宮沢賢治スペシャル」にて指南役も務められた山下聖美教授による『清水正宮沢賢治論 解体・再構築批評によるケンジ童話論の革命』が刊行されました。</span

2017-08-03

山崎行太郎さんが『ネット右翼亡国論』を刊行した。



本日、「ドストエフスキー曼陀羅」8号用の原稿データ「ドストエフスキー罪と罰』再読」を印刷屋に送る。大学の研究室で「Д文学通信」1418号作成。


山崎行太郎さんが『ネット右翼亡国論』を刊行した。在特会・元会長として知られる「日本第一党」党首・桜井誠氏を取り上げている。桜井誠氏が都知事選に出馬した際には、新聞・テレビのマスコミは徹底的に無視しつづけた。今日の政治家の発言はまったく信用ならない。命がけの政治理念など微塵もない。桜井誠氏はここ十年あまりの活動において自らの政治理念を貫いている。やがて彼の主張や確固たる政治理念は日本人の多くに支持されていくだろう。山崎さんは桜井誠氏を存在論的ネット右翼の騎手として高く評価している。とにかく今日の政治家たちのあまりの無責任さにはほとほとあきれるが、ネット上で自らの信念を発信しているものは桜井誠氏以外にも何人かいる。わたしは彼らの発言に謙虚に耳を傾けている。彼らは<敵>とみなす者たちにたいして容赦のない罵詈雑言を投げつけているが、彼らのこういった言葉も、わたしはドストエフスキー文学におけるグロテスクなカーニバル空間に飛び交う言葉群としてとらえ、面白く拝聴している。

 山崎さんのブログやフェイスブックでの政治、社会に対する発言活動は、ドストエフスキーが『作家の日記』で書き続けた社会時評に通じるものがある。わたしはもっぱらドストエフスキー文学作品を批評し続けているが、山崎さんの近年の活動は政治、社会に関して積極的に取り組んでいる。が、山崎さんの発言は文学の深淵な世界と通底している。今回の著書でも椎名麟三、秋山駿、ドストエフスキーなどが取り上げられている。第二部は山崎さんの文学論をまとめたものともいえる。わたしが十年ほど前に鹿児島の毒蛇山荘を訪ねた折に対談した「現在進行形のドストエフスキー」も収録されている。

本書は「ネット右翼」の表層を文学の深層領域に引き入れて論じられた著作ともいえる。一読して、わたしはこの本は「ネット右翼興国論」にもなっていると思った。公平のコの字も体現していないマスコミに期待はまったくできない。ネットには様々な情報が発信されていて、いったい何が重要なのか判断がきわめて困難な状況にあるのも確かだが、マスコミよりはましだという思いがする。

 いずれにしても本書は一気に読める面白い、刺激的な本であった。

2017-01-21

安濃豊の話題の動画 山崎行太郎さんと飲む

山崎行太郎さんと飲む

昨日20日は久しぶりに山崎さんと二人きりで飲むことになった。

江古田駅近くの焼き鳥専門店「鶏ジロー」。山崎さんは瓶ビール、わたしはホッピー。

焼き鳥はうまかった。

二人の文芸批評家が顔を突き合わせて、現代日本文学にかんする話題はいっさい出ない。

話はドストエフスキーの『罪と罰』のラスコーリニコフの母親のこと。

わたしが今最も興味深く思っている安濃豊の動画について話した。安濃氏の歴史観(アジア解放戦争)は今後大きな影響力を発揮するだろう。日本人必見の動画。

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2013-11-10

山崎行太郎さんがブログで「曽野綾子研究」を連載

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。


清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

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四六判並製160頁 定価1200円+税


山崎行太郎さんがブログで「曽野綾子研究」を連載している。http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20131109/1383950817 辛口の曽野綾子批判であるが、当の曽野氏からは何の反論もないらしい。ところが、山崎行太郎さんの批判に賛同する読者は日々増えているようで、その一つを紹介しておこう。

http://tatsuya1956.blog48.fc2.com/blog-entry-1532.html