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2011-05-20 67年前の問題解決フレームワーク―『道は開ける』D・カーネギー

この記事を読むのにかかる時間:約3分

マッキンゼーやらボスコンやら、経営コンサルの方々の書籍には数多くの問題解決フレームワークというものが挙げられています。実はこうした問題解決フレームワークは60年以上前のベストセラーにも与えられていた、ということをご存知ですか?


今回はその今から67年前の1944年初版のベストセラー『道は開ける』を紹介します。大体どこの本屋さんにも置いてあるので見たことがある方も多いと思いますが、問題解決フレームワークの元祖としても非常に有用な本です。


道は開ける 新装版

道は開ける 新装版


人の悩みは今昔一緒

本書の中では人々のあらゆる悩み、そしてその解決に至までを事細かに、100以上のストーリーと共に紹介しています。これらの人々の悩みというものは、時代・場所が違えどさほど異なりません。


例えば、テッド・ベンジャミーノという若い軍の下士官は「仕事で失敗するのではないか」という悩みにさいなまれ神経衰弱を起こしてしまいます。

レオン・シムキンという出版社の支配人は勤務時間の半分が会議に費やされるという悩みを抱えていました。


こうした悩みは現代日本でも同じように存在します。根本的な悩みというものは、人間関係、仕事の不安から生じているものであり、キリストや孔子の時代から変わりません。よって、60年前の人々の悩みを解決してくれた『道は開ける』は現代でも十分に通用する問題解決フレームワークとして有用だと解ります。


ベターはワーストから

本書で紹介されているフレームワークには色々な種類がありますが、大まかに区切ると以下の一つに集約されます。

1.「起こりうる最悪の事態とは何か」を自問する
2.やむを得ない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をする
3.それから落ち着いて最悪状態を好転させるよう努力する

本ブログのテーマは「ゲッティング・ベター」、つまり生活、人生、人間関係を”より良く”することですが、その為にはワーストな事態を想定し、受け入れることから始めなくてはなりません


中途半端な状態で悶々と悩み続けるということは良くあることで、我慢できないほどじゃないけどベストとは思えない!そんな頭も足もどこにも付かないという状況が続くと悩みは解決しません。

それなら思い切って仕事を辞めてみるということもあるでしょうが、本フレームワークを使うことで、実際に物事をワーストにせずとも事態をベターにする準備を整えることができます


1と2のステップに関しては、最悪の状況想定というのは自分に正直になれば誰でもできます。ステップ3は「努力する」とかなり抽象的なものになっていますので、もう少し詳しく紹介します。


悩みを書き出せたら半分解決

以下のフレームワークは上記のステップ3をより詳しく示したものです。

1.悩んでいる事柄をくわしく書き記す
2.それについて自分にできることを書き記す
3.どの解決策が望ましいか決断
4.その決断をすぐ実行

頭の中でぐるぐる考えていたのでは何も解決しませんし、時間と精神的な疲労だけが積み重なっていきます。悩んで切る事柄を書き出して、その事実を客観的に見る必要があります。事実は書き記してから分析する方がずっと簡単です。

『問題を手ぎわよく表現したときには、半分は解決されている』ということです。こうした実際に体を動かすプロセスを経ることで、”ワースト”を受け入れることができ、ネガティブなエネルギーを解放することができます。


実行してみたこと

実際に私が仕事であるプランを思いついて、それを実行に移すかあれこれ悩んでいる際に本書を読み、このフレームワークを用いてみました。

自分で考えたプランが失敗した場合の最悪の状況を自分で整理すると、最悪の状況でも現場の仕事で手間が一つ増えるだけでした。もちろん一つの手間と言っても多くの人を巻き込んでしまうため、リスクも大きいものです。しかし、うやむやになっていた最悪の場合のリスクと、得られるかも知れないリターンを定量的に比べることができるようになりました。


こうしたステップを踏むことによって定量的に物事を表せるようになるため、自分の中の悩みがすっきりと解決されたのみならず、人を説得力を持って説得できると解りました。「ワーストとベターを比べて実行する」という本書のフレームワークは非常に有用です。みなさんも良ければどうぞ。


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