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雑想ノオト - 良いモノに触れたときの感動は代替不可能だから このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-08-09

エロゲを語る、ということ。

「エロ」+「ゲーム」=「エロゲー!!!」(なんじゃそりゃ・・)

久々のブログ更新ですが、正直、気が重いです。

何せエロゲですから。エロゲ

ギャルゲーエロゲー美少女ゲーム18禁ゲーム・・。

言い方は色々ありましょうが、要はPC向けに作られたアダルト・ゲームのことです。「アダルト」って言い方がどうも紗にくるんだようでアレですが、この場でこれ以上具体的に説明するのも嫌なのでご容赦願います。

で、何だってエロゲなのか。フ○ンス書院でも、快○天でも、ソ○トオン○マンドでもなく、なぜPC用アダルトゲームを語ろうとするのか。確かに、同人発の「月姫」は大ヒットしたし、「Fate/stay night」は来年映画化だし、懐かしいところで言えば「ときメモ」の実写映画なんてのもありました(しかも結構豪華なキャスト)。まぁ最近のTYPE-MOONだけが別格なのかもしれませんが。

けれど、エロゲだって本来はフ○ンス書院などと同様、コンテンツ産業の最底辺を担う「下半身」組だったはず。それがいつの間にか、一部のエロゲはコミックスやティーンズ文庫と肩を並べる、「日なた」扱いになっていやしませんか。もっとも先ほど挙げたTYPE-MOON作品に関して言えば、そういう目的の為に作られたゲームではないことは確からしいですが・・。あくまでオタク産業の中で、というカッコつきではありますが、昨今のメディアミックス礼賛の流れの中、一部の有名エロゲの扱いは他の「下半身」組とは一線を画しているように思えてなりません。


月姫読本 Plus Period

月姫読本 Plus Period

Fate/stay night Blu-ray BOX <期間限定生産>

Fate/stay night Blu-ray BOX <期間限定生産>


またさらに、アカデミック方面では、東浩紀などを筆頭にした現代思想サブカルチャーの衝突が起きてて、何故かそこでもエロゲ市民権を得ちゃってるから不思議ですねー。言わば「エロゲを語る」の総本山ですw 別にエロマンガを論じても良さそうなものですが。


動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)

ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)

ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)

「おたく」の精神史 一九八〇年代論

「おたく」の精神史 一九八〇年代論

戦闘美少女の精神分析 (ちくま文庫)

戦闘美少女の精神分析 (ちくま文庫)


「我流」オタク文化・産業史

で、話は微妙にそれますが、最近(90年代中盤〜00年代頃)のオタク・コンテンツの隆盛について、私なりにまとめてみたいと思います。例の如くごく私的な認識で、学術的な裏づけも何もありませんので、フーンと読み流していただければ結構です。年代とか数値はほぼwikiが情報源なので、気になる方はリンクを埋め込んどきましたので、適当にたどってみてください(手抜きw)。

多分他の人も言ってるかもしれませんが、キーとなる年代は「1995年」だと思ってます。


1.大メディア「週刊少年ジャンプ」時代の終焉(1995年の「ドラゴンボール」終了から、650万部超の発行部数は初めて減少に転じます。現在何と280万部)。

2.TVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の放映開始(1995年〜1996年、TXN系列。「エヴァが? 何で?」という問いかけは、今回は棚上げにしといてください)。


こっから2000年頃までに、ブロードバンドインターネット接続の急速な環境整備が進み(1995年の流行語に「インターネット」)、コンテンツ数の増大と個人の嗜好の細分化が広がってゆきます。

職業柄、出版方面が得意なので、コミックスに着目してみると結構分りやすいです。色んなマンガが来る日も来る日も量産され続けてきていますが、この10年で起こったことは、要は、音羽一ツ橋グループ講談社小学館集英社白泉社はどうだろう?)の縮小と、角川グループ(メディアワークスエンターブレイン含む)の伸張です。そう、「ジャンプ」「マガジン」「サンデー」は減って、逆に伸びたのはヲタ向け版元な訳ですね。あと、エニックススクウェア・エニックス)、マッグガーデン一迅社とかが伸びてきてるのも、ここ数年の話です。

独立U局によるいわゆる「UHFアニメ」の増大により、メディアミックス化される作品は、より細かく多岐に渡る(=オタク向けになっていく)ようになります。これまでの19時台のNTV(サンデー)とか、同じく19時台のCX(ジャンプ)とかは、まだあるにはあるけど影響力は落ちてきているんじゃないでしょうか(つか、ジャンプ系のアニメ化はかなりTXNが増えてきてますが)。

これにはティーンズ文庫、ライトノベル市場の伸張とも縁が深いです。「涼宮ハルヒの憂鬱」なんてのはこの辺の典型例じゃないでしょうか。ちなみに現在の文庫市場の2割はラノベが占めており、そのラノベ市場の8割は角川グループの刊行です。ちなみに現在、ラノベの新刊発行部数の2割は「電撃文庫」と言われております。すごいね角川。 

また、「アキバ」「萌え」「メイド喫茶」等のオタク文化・用語がマスコミに取り上げられ、社会の表面に出てきたことも影響としては大きいと思います。海外での日本のマンガ・アニメの評価の高まりももちろんありますね。

で、「月姫」(および一連のTYPE-MOON作品)、「ひぐらしのなく頃に」の大ヒット&メディアミックス⇒メジャー化が、個人的には、00年代以降のオタク文化史における、ひとつの到達点だと思っています。「エロゲ」「同人」というコンテンツ産業の最末端が源流というのが、これぞまさに00年代的、と言いたくなります。支流から起きた大氾濫とでも言いますか。メディアミックスに関しては主に角川グループががっちり捕まえていますが、講談社BOX奈須きのこ竜騎士07)とか、スクエニによる「ひぐらし」シリーズのコミック化とか、あと二次創作ものとかも含めると膨大な刊行点数にのぼり、何ともはやうらやましい限りです。


真月譚月姫 1 (電撃コミックス)

真月譚月姫 1 (電撃コミックス)

Fate/stay night 1<通常版> [DVD]

Fate/stay night 1<通常版> [DVD]

空の境界 上  (講談社ノベルス)

空の境界 上 (講談社ノベルス)

ひぐらしのなく頃に 第1話 鬼隠し編 上 (講談社BOX)

ひぐらしのなく頃に 第1話 鬼隠し編 上 (講談社BOX)


何となーくまとめてみると、「全体」から「個」へ、「メーカー主体」から「ユーザー主体」へ、という流れが見えてくるような気がします。大メディアによる川上からの「供給」という感じはもう薄れてきているし、ましてや皆が同じものを見て感動を共有するという単一的な文化状況でもない。で、ひとたび「流行る」ということになれば、メディアミックスの名の下、再生産・再消費が繰り返されていく・・と。


今昔エロゲ事情

そうした00年代的な文化事情を尻目に、一部の優等生を輩出したエロゲ界ですが、殆どの作品は、まぁ言ってみれば、エロを主眼に置いた実用本位な訳ですよね。運良くアニメ化されたとしても、力を入れたであろうエロシーンはカットされ(当たり前ですが)、残骸である「萌え」とか「ハーレム」とかの路線一本槍・・と言ったら言いすぎでしょうか。あぁ「泣き」ってのもありましたっけ。

他方、エロシーン込みでアニメ化だったりノベライズされていくモノも沢山あります。でも、何故かコミカライズだけはされない謎。成人向けコミック市場を担う版元はそのあたりどう考えてるんでしょうか?・・と思ったらこの問題、結構皆さん感じてるようですねぇ。こちらとか。ページが見つかりません | 無料ブログ作成サービス JUGEM

ノベライズに関して言えば、パ○ダイム出版なんて、エロゲノベライズ専門版元まであるぐらいなんですがねぇ・・。まぁ当然ですが、ここでメディアミックスといった場合、そういうエロ目的の再生産・再消費は除外されますので悪しからず。あくまで「エロ」という垣根を飛び越え、一般向けに作り直されていること自体を重視します。

このあたりの事情は、「野良犬の塒」という押井守関連サイト内にある、コラム「初心者のためのギャルゲー・エロゲー講座」に詳しいので一読をオススメします。とあるライターさんによるコラムだったようで、かつてはHPの管理もされていたようですが、現在は他の個人の方よる更新が続いているようです(現在、トップページからそのコラムに行くことはできないようです)。

あとはですねー、これを読んどけば完璧でしょうw


超エロゲー

超エロゲー


フロッピーディスク時代から00年代中期まで(「Fate」とか「つよきす」とかまで)の主要エロゲを、1本1本レビューしていきます。相当にアホな本であること請け合いなのですが、エロを知らずして日本のコンテンツ産業を理解することもまた出来ないと思いますので、資料としての価値はごく一部の人にはあるんじゃないでしょうか。


マブラヴ」論やります。

つー訳で、ここからが本題です。

えー、これから「マブラヴ」論を始めるわけですが、先に断っとくと、今まで延々と書いてきたような社会的な背景は、一切関係ありませんので。じゃあ何であんなにダラダラと書いたのかと申しますと、単に面白かったから・・じゃなくてですね、いきなり何の前置きもなく「『マブラヴ』論やりますっ!」って言ったら、大抵の人間は引きますよね。オタク文化の最奥部・エロゲを「論」ずるなど、一般の人はもちろん、一般のヲタの人からしてみても、(゚Д゚)ハァ?と言われても当然のこと。それらを回避すべく、現代日本のコンテンツ産業の一翼を担うオタク文化(ここでいう「オタク」とは、マンガ・アニメぐらいの意味で思っていてください)の大枠を提示し、あくまでその中で起きたいち現象として対象化していきますよ、というポーズが必要だったからからなんですね。

という訳なので、「エロ」であることもとりあえず無視します。大体、先に挙げた「Fate/stay night」などと同様、PC用18禁ゲームという流通に乗りながら、エロシーンが「ついで」のようにしか扱われていないので、まぁこれに関してはあまり気に揉む必要もないかと。そういう既存のコードを破壊することを許容してくれるのがPCゲーム・エロゲ業界の体質なのかもしれず、だからこそこういう実験的な作品が出来たとも思えますが。物語の構成上、オーソドックスなエロゲ(学園モノ)である必要のあった「マブラヴ エクストラ」にはそれ相応のシーンがありはしますが、全体からしてみれば大した問題ではないと思います。今後の「マブラヴ」論では、もういちいち「出来のいいエロゲ」というカッコつきで物を言うことはしません。

なので、このような需要のされ方(http://trackback.blogsys.jp/livedoor/geek/50785469)とも関係はありませんw つーかいいクルマなんだから普通に乗れよと。

あと、何で今さら「マブラヴ」なのですか? という問いにはこう答えます。「単に好きだから。」(どーん)

僕は本を読むことが好きで、よく、と言うかほぼ毎日、何かしらの本は読んでいます。一方、それらと同じベクトルでマンガもゲームも消費しています。「マブラヴ」に入れ込んじゃったのは、だから「たまたま」なんですね。そこを誤解なきように・・というのを伝える為に、こんなにもかかってしまった。まぁこれはこのブログ全体を貫く姿勢でもありますが。

マブラヴ」を、エロゲが勃興していく過程で生まれたノベルゲームという形式で作成された、エロゲという殻を着たいち作品として捉え、純粋に物語分析の対象として、(次回いつになるか未定ですが)論を開始していこうと思います。


マブラヴ(全年齢版)

マブラヴ(全年齢版)

マブラヴ オルタネイティヴ(全年齢版)

マブラヴ オルタネイティヴ(全年齢版)

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