夏の準備

今年も夏の準備が始まった。

海の家の建設だ。
私の町の駅は海岸に隣接しており、駅改札を出てすぐのところに砂浜が広がっている。
仮設の家は、毎年のことながらあっという間に出来上がり、夏の間はホームから海が見えなくなる。


平日の朝7時半。
汗だくの通勤サラリーマンが呑みこまれてゆく改札から、ガングロ金髪ageメイクマキシワンピのギャルが浮き輪を抱えて涼しげに楽しげに出てきて海岸へ向かう。

コノヤロー!
と思わないでもないけれど。

浮き輪を抱えて「毎日が日曜日」なのは物心ついてから10年ぐらい、そしてその後40年は満員電車に揺られる日が続くのだ。

だから若者たちよ、今を存分に堪能してくれ、
と思って、ひがむのはやめにする。

そんな夏の毎朝が、もうすぐ始まる。