この門をくぐる者、一切の希望を捨てよ

 なんとなく秋葉原へ足を運んだついでに、以前から欲しいと願っていた布団乾燥機を購入。私の住む部屋は、日当たりこそ悪くないものの、建物の面している駐車場が今どき砂利敷きなので風のある日などは砂埃が舞ってしまい、とてもじゃないが布団など干せないのである。
 購入したのは三菱製のAD-R50というモデルなのだが、なによりもまずその小ささに驚く。家庭用の空気清浄機程度の大きさしかない。こんなものでほんとにお布団フカフカにできるんだろうかと思ってしまった。というのも私、布団乾燥機というのはみんな業務用の乾燥機のようにどでかい袋のようなものに布団を丸ごとぶち込んで、強烈な熱風で乾かすなんてものを想像していたんである。違うんですね。本物の布団乾燥機っていうのは、敷き布団と掛け布団のあいだにマットを挟み込んで、そこに熱風を通すことで内側から乾燥させる非常にエレガントな仕組みになっていたのでした。たしかにこれならば実際の布団以上の面積を必要としないし、外側からごうごう熱風吹きかけることによる生地の痛みも気にしなくてよさそうだ。
 帰宅後、さっそく布団にセット。タイマー式で、1時間たったらかってに電源が切れるとのことなので、そのあいだに風呂などをすませる。
 夜、わくわくしながら布団にもぐりこみ、感動の肌触りを楽しむ。さすがに新品同様のふっくらさとまではいかないまでも、季節柄なんとなくしっとりしていた布団が生地の繊維まで感じとれるほどさらりとしている。ますますお布団が楽園に近づいた感じ。
 うーん、朝起きるのがさらに大変になってしまった。