映画『蛇にピアス』レビュー

・監督:蜷川幸雄、原作:金原ひとみギャガ・コミュニケーションズ、二〇〇八年

蛇にピアス [DVD]

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芥川賞を受賞した金原ひとみのデビュー小説が原作。十九歳のフリーター中沢ルイは、舌を蛇のように裂いてしまう「スプリット・タン」を持つ男・アマと同棲し、自らも舌にピアスを付ける。スプリット・タンはコアマガジンの雑誌『BURST』や高橋源一郎の小説『君が代は千代に八千代に』や山本英夫の漫画『殺し屋1』にも出ていたが、僕は去年初めて実際にやっている女性に会った。ググると実際の映像も結構ある。モダン・プリミティブとも呼ばれるピアスやタトゥーなどの身体改造は、ヒトを辞めモンスター化を望むマゾヒズムの極致である。主演の吉高由里子は体当たり演技どころか、ほぼ全篇に渡り脱ぎ続けている。本当に舌を裂く覚悟さえあると言っていたが実際にはCGにて表現された。とはいえデビュー間もない吉高の乳首が舐めまわされるシーンまであるのには驚く。脱いでからドラマやCMで活躍する流れは宮沢りえ菅野美穂も同じだが最近では珍しい。(400字)

※批評誌『新文学04 現代文化のセクシュアリティ原発事故へのアクション』寄稿レビューと同じです。
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