ALI PROJECT『聖少女領域』レビュー

ランティス MellowHead、二〇〇五年

通称アリプロとも呼ばれるアリ・プロジェクトはボーカル兼作詞の宝野アリカと作・編曲の片倉三起也による音楽ユニットで、他にヴァイオリニストやドラァグ・ダンサーがライヴをサポートする。八〇年代から活動してきた彼らのブレイクはゼロ年代の音楽的事件のひとつ。早すぎた才能に時代が追いついたとはまさにこのことだ。巽孝之プログレッシヴ・ロックの哲学(Serie′aube′)』(〇二年/平凡社)ではジャンル越境的なプログレの系統として紹介されている。クラシックとテクノの融合した幻想的なサウンドと文学的な歌詞、そしてゴシックなファッションセンスはゴスロリ少女から絶大な支持を得てきた。そこに『ローゼンメイデン』主題歌だった本作などの影響からアニメファンも加わり、三年間でライヴ会場も五百人規模の渋谷O-WESTから三八〇〇人収容のNHKホールにまで増大。ゼロ年代はアニメとプログレゴスロリの融合した時代だった。(400字)

※批評誌『新文学04 現代文化のセクシュアリティ原発事故へのアクション』寄稿レビューと同じです。
松平耕一編(主催者ブログ:文芸空間
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単行本:A5版、256ページ
出版社:文芸空間社(バックナンバー通販:文芸空間社購買部 )
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