死に舞
shinimai
Hatena::Blog
hatenablog://blog/17680117127006613169
『ふしぎの城のヘレン』の座談会を開催します。
hatenablog://entry/17680117127006701536
2013-04-23T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:34:56+09:00 これまた告知だけのポストです。詳細はまたモズさんとこで http://nydgamer.blogspot.jp/2013/04/hotline-tokyo-2nd.html インディーゲームについて話し合う座談会。日時:2013年4月27日(土)15時〜(3時間程度を予定) 場所:都内某所(電話・メールで個別に指示!) Ustream URL:http://www.ustream.tv/channel/shinimai『To the Moon』、『Hotline Miami』と海外インディーゲームを渡り歩いた我々は、日本のゲームの奥底を探索する。今回、扱うのはRPGツクールで多数のゲームを発表…
<p>これまた告知だけのポストです。詳細はまたモズさんとこで<br />
<a href="http://nydgamer.blogspot.jp/2013/04/hotline-tokyo-2nd.html">http://nydgamer.blogspot.jp/2013/04/hotline-tokyo-2nd.html</a></p><p></p>
<blockquote>
<p>インディーゲームについて話し合う座談会。</p><p>日時:2013年4月27日(土)15時〜(3時間程度を予定)<br />
場所:都内某所(電話・メールで個別に指示!)<br />
<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Ustream">Ustream</a> URL:<a href="http://www.ustream.tv/channel/shinimai">http://www.ustream.tv/channel/shinimai</a></p><p>『To the Moon』、『Hotline Miami』と海外インディーゲームを渡り歩いた我々は、日本のゲームの奥底を探索する。今回、扱うのは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG%A5%C4%A5%AF%A1%BC%A5%EB">RPGツクール</a>で多数のゲームを発表してきたさつ氏の『ふしぎの城のヘレン』。2011年の大<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%A2%C6%FC">晦日</a>に開催された「VIPRPG紅白2011」の「マイベスト部門」1位を獲得するなど、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%EA%A1%BC%A5%B2%A1%BC%A5%E0">フリーゲーム</a>界隈ではすでに傑作と名高い。今年3月にはPLAYISMから配信されることになり、英語版の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A1%BC%A5%AB%A5%E9%A5%A4%A5%BA">ローカライズ</a>も決定している。</p><p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG%A5%C4%A5%AF%A1%BC%A5%EB">RPGツクール</a>というツールを使いながらも、シンプルかつ高度に洗練されたシステム。キュートなドット絵とサイドビューによるアニメーション。そして謎めいた物語。ちょっと触れただけでもその魅力は十分に伝わるが、せっかくなのでじっくり語ろう。</p><p>主催・司会 死に舞<br />
配信協力 松永( 9Bit <a href="http://9bit.99ing.net/">http://9bit.99ing.net/</a> )</p>
</blockquote>
<p>実はクリアしていないというのはここだけのお話。忙しいんだよ。。。</p>
shinimai
Hotline Miamiの座談会を開催します。
hatenablog://entry/17680117127006701635
2013-03-09T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:34:58+09:00 前回やった『To The Moon』の座談会が思った以上に面白かったので、ぜひ次もやりたいってことで、『Hotline Miami』でやろうってなって詳細はNYD Gamerさんの以下を参照。 http://nydgamer.blogspot.jp/2013/03/hotline-miamihotline-tokyo.htmlというかこういったネタをどこでやっていくかが、今後の課題でちょっといろいろバタバタしている。そんでも前の大塚ギチさんの本の紹介があんなにブクマ集めるとは思わなかった。自分でも自分のはてダの規模がよくわからんのですが、ともかく、こういうイベントとかして、インディーゲームを盛…
<p>前回やった<a href="http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20121231/p1">『To The Moon』の座談会</a>が思った以上に面白かったので、ぜひ次もやりたいってことで、『Hotline Miami』でやろうってなって詳細はNYD Gamerさんの以下を参照。<br />
<a href="http://nydgamer.blogspot.jp/2013/03/hotline-miamihotline-tokyo.html">http://nydgamer.blogspot.jp/2013/03/hotline-miamihotline-tokyo.html</a></p><p>というかこういったネタをどこでやっていくかが、今後の課題でちょっといろいろバタバタしている。そんでも前の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%C4%CD%A5%AE%A5%C1">大塚ギチ</a>さんの本の紹介があんなにブクマ集めるとは思わなかった。自分でも自分のはてダの規模がよくわからんのですが、ともかく、こういうイベントとかして、インディーゲームを盛り立てたいのは今年も一緒です。</p>
<blockquote>
<p>インディーゲーム『HOTLINE MIAMI』について話し合う座談会。</p><p>• 日時:2013年3月16日(土)15時〜(3時間程度を予定)<br />
• 場所:都内某所(電話・メールで個別に指示!)<br />
• <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Ustream">Ustream</a> URL:<a href="http://www.ustream.tv/channel/shinimai">http://www.ustream.tv/channel/shinimai</a></p><p>前回、単発企画として『To The Moon』についての座談会を行ったが、予想以上に楽しかったので、続編として企画する。</p><p>今回、扱うのはDevolver Digitalから昨年10月にリリースされたDennaton Gamesの『Hotline Miami』。北欧の著名クリエイターCactusことJonatan Soderstromの商業デビュー作であり、リリース後、すぐに各メディアから大絶賛された。シンプルかつハードなゲームとしての魅力はもちろん、バイオレンスに満ちた蠱惑的な世界観と謎めいたストーリーの本作は、1人でプレイするだけではなく、多くのプレイヤーと語るのに格好の素材だろう。</p><p>現在、座談会参加者を個別に連絡中。参加希望者は以下の死に舞のメールアドレスに連絡せよ! <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Ustream">Ustream</a>での配信を予定している、当日参加できない方も<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Twitter">Twitter</a>などでコメントも可能となるだろう。</p><p>また、事前にメールなどで感想、コメント、考察などを送ってもらえると、当日、紹介する予定でもある。</p><p>座談会終了後、打ち上げを行う。全体としてインディーゲーム・ファンのための軽いオフ会のようなものなので、気軽に参加してもらってよい。また前回扱った『To The Moon』についても時間があれば、話す予定。</p><p>打ち上げのみの参加もOK! 『Hotline Miami』の魅力と謎を語り明かすと共に、インディーゲームのファンが交流することが目的だ。 </p><p>• 主催・司会 死に舞(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Twitter">Twitter</a>:@shinimai mail aka.shinimaiアット<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/gmail.com">gmail.com</a>)<br />
• 配信協力 松永(9Bit <a href="http://9bit.99ing.net/">http://9bit.99ing.net/</a> )<br />
• 告知協力 ハヤニエモズ(NYD Gamer <a href="http://nydgamer.blogspot.jp/">http://nydgamer.blogspot.jp/</a>)</p>
</blockquote>
shinimai
かつてドラッグを通してバロウズが新たな文学を始めたように、ビデオゲームにアディクトすることでも文学は始まる。
hatenablog://entry/17680117127006701750
2013-03-06T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:01+09:00 Twitterでつぶやいてたっぽいことをタイトルに掲げたが、まあ実際にそうだと思う。きっかけは大塚ギチ氏の以下の小説に深く感銘を受けたこと。 THE END OF ARCADIA大塚ギチ UNDERSELL ltd. TOKYOHEAD RE:MASTERED大塚ギチ UNDERSELL ltd. もともと海猫沢めろんさんとゲームの話をしていて、「死に舞くん、これ読むべきだよ」って貸していただいた。不勉強ながら大塚ギチ氏のことは何にも知らず、ただシューター(2Dシューティングゲーマー)の小説と対戦格闘ゲーマーのルポルタージュという基本情報だけで読んでみたが、これが素晴らしい傑作だった。ほとんど…
<p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Twitter">Twitter</a>でつぶやいてたっぽいことをタイトルに掲げたが、まあ実際にそうだと思う。きっかけは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%C4%CD%A5%AE%A5%C1">大塚ギチ</a>氏の以下の小説に深く感銘を受けたこと。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/THE-END-OF-ARCADIA-%E5%A4%A7%E5%A1%9A%E3%82%AE%E3%83%81/dp/4990690508%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4990690508" target="_top">THE END OF ARCADIA</a><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%C4%CD%A5%AE%A5%C1">大塚ギチ</a> UNDERSELL ltd. <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/THE-END-OF-ARCADIA-%E5%A4%A7%E5%A1%9A%E3%82%AE%E3%83%81/dp/4990690508%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4990690508" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41l-K46-PlL._SL160_.jpg" alt="4990690508" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/TOKYOHEAD-RE-MASTERED-%E5%A4%A7%E5%A1%9A%E3%82%AE%E3%83%81/dp/4990690516%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4990690516" target="_top">TOKYOHEAD RE:MASTERED</a><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%C4%CD%A5%AE%A5%C1">大塚ギチ</a> UNDERSELL ltd. <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/TOKYOHEAD-RE-MASTERED-%E5%A4%A7%E5%A1%9A%E3%82%AE%E3%83%81/dp/4990690516%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4990690516" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/5149yNmIOZL._SL160_.jpg" alt="4990690516" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
もともと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%A4%C7%AD%C2%F4%A4%E1%A4%ED%A4%F3">海猫沢めろん</a>さんとゲームの話をしていて、「死に舞くん、これ読むべきだよ」って貸していただいた。不勉強ながら<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%C4%CD%A5%AE%A5%C1">大塚ギチ</a>氏のことは何にも知らず、ただシューター(2Dシューティングゲーマー)の小説と対戦格闘ゲーマーの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%DD%A5%EB%A5%BF%A1%BC%A5%B8%A5%E5">ルポルタージュ</a>という基本情報だけで読んでみたが、これが素晴らしい傑作だった。ほとんど<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%AB%C8%F1%BD%D0%C8%C7">自費出版</a>のような形の本ですが、少なくともシューターや格闘ゲーマーはすぐ買って読むべき!俺も改めて買い直します。</p><p>まず『THE END OF <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/ARCADIA">ARCADIA</a>』から読んだのですが、冒頭の文章からひきこまれました。長いですが、素晴らしく感じられたので引用する。</p>
<blockquote>
<p>文字どおり全身全霊を懸けた、たった一時間程度の攻防。息継ぎせず泳ぎ続けるかのように絶え間なく迫る攻撃をかわしながら壊せるものすべてを破壊し、得点を跳ね上げていくただそれだけの行為。すでに糖分を消費しきった脳は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%E8%CF%AB">疲労</a>した肉体から残った力を搾り取る。代替えのエネルギーを脳にぶちこみ、極限まで高めた集中力をさらに持続させようと試みる。時折湧き上がる高揚感を修行僧のように自分が内側に抑えこむ。精密機械のような冷静さでひたすらプログラムに挑み続ける。指先が知覚で認識するよりも速く動いているかのように感じられる。操っているはずの自分が操られているように錯覚する。まだやれるのかと老いぼれた身体で古びた筐体と対峙しながら互いへの問いを繰り返す。<br />
(11-12)</p>
</blockquote>
<p>何がすごいってこれがゲームの話なんですよ。それも横スクロールの伝説的なシューティング『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C0%A5%E9%A5%A4%A5%A2%A5%B9">ダライアス</a>』。まあ普通の人にはどんなゲームか、何がすごいのかわからないかもしれないが、シューターと呼ばれる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C6%A5%A3%A5%F3%A5%B0%A5%B2%A1%BC%A5%E0">シューティングゲーム</a>好きにとってはこの文章は非常にしっくりくる。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C6%A5%A3%A5%F3%A5%B0%A5%B2%A1%BC%A5%E0">シューティングゲーム</a>の本質をまさに的確に描写していると感じられるのだ。<br />
最後に出てくる「操っているはずの自分が操られているように錯覚する」という件は、個人的にも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C6%A5%A3%A5%F3%A5%B0%A5%B2%A1%BC%A5%E0">シューティングゲーム</a>の魅力として、いつも強調してきたこと。パターン性が強いシューティング、もしくは攻略の過程上、パターン性を強くしたゲームをプレイしていると、プレイヤーは自らがプログラムと対峙する1つの機械になったように感じる。その境地において<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C6%A5%A3%A5%F3%A5%B0%A5%B2%A1%BC%A5%E0">シューティングゲーム</a>はその音楽を背景としながらプレイヤーと一体となり、それはある種のダンスの楽しさに至るのだ。<br />
という風に、この冒頭部分(実はこの文章は後半でももう一度登場する)だけでもすごくひきこまれたのですが、友人の死をきっかけとして、40代になった仲間たちともう一度、ゲームを攻略してハイスコアを勝ち取るというストーリー自体も素晴らしい出来だと思う。このストーリーやプロットの部分は、「何かに打ち込んで達成する」という人間の普遍的な欲求に応えているため、ゲームをやらない人でも素直に面白い小説として読める。むしろ、打ち込む対象が「ゲーム」だからこそ、この欲求が非常にピュアで純粋無垢なものとして現れている。実際のところ私は3回くらいこの小説を読みながら涙を流したよ!WEB配信を含めて去年リリースされたそうだが、普通に現代の日本社会においてリアリティのある小説に仕上がっている。</p><p>一方、『TOKYOHEAD RE:MASTERED』は3D<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%CA%C6%AE%A5%B2%A1%BC%A5%E0">格闘ゲーム</a>の『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A1%BC%A5%C1%A5%E3%A5%D5%A5%A1%A5%A4%A5%BF%A1%BC">バーチャファイター</a>』が熱狂的に盛り上がっていた93年から95年の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%DD%A5%EB%A5%BF%A1%BC%A5%B8%A5%E5">ルポルタージュ</a>。当時既に出版されていたものを改稿したリマスターバージョンになっている。</p><p>これも冒頭からヤラれました(笑)。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%FB%BB%B3%BD%A4%BB%CA">寺山修司</a>の有名なエッセイの引用から始まり、文体のテンションが終始異様に高い!<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%C3%CC%EE%C0%A5">加野瀬</a>氏がギチ氏に対して「<a href="http://artifact-jp.com/archive/otsukagichi.html">彼の強みは、80年代を恥ずかしいなんて思わないところだ</a>」と評する理由が、この<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%DD%A5%EB%A5%BF%A1%BC%A5%B8%A5%E5">ルポルタージュ</a>から伝わるのだが、単に80年代だというわけではなく、60年代末から続く<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%A6%A5%F3%A5%BF%A1%BC%A5%AB%A5%EB%A5%C1%A5%E3%A1%BC">カウンターカルチャー</a>の一部としてゲーム文化を捉えているのだなぁと実感できた。その認識の是非はどうあれ、この文体の異様な暑さは当時の雰囲気を伝えることが大切な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%DD%A5%EB%A5%BF%A1%BC%A5%B8%A5%E5">ルポルタージュ</a>として評価できると思った。<br />
正直なところ、自分は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%CA%C6%AE%A5%B2%A1%BC%A5%E0">格闘ゲーム</a>に関しては2Dのものをそこそこやっている程度の人間だ。しかし、この<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%DD%A5%EB%A5%BF%A1%BC%A5%B8%A5%E5">ルポルタージュ</a>に出てくる人たちの感覚の一部を共有しつつ、一部は時代の違いを感じることができ、ゲーマーとしての相対化ができるのが面白いところ。言い方が悪いが、やはり90年代前半はまだまだ80年代的な雰囲気が強く、アーケードに集うゲーマーたちはどちらかというとヤンキー気質だったのだなーと感じる。<br />
でも今でもアーケードは中学生から水商売のお兄さんがフラっとやってきて対戦を始めるような可能性を秘した場所だ。そして、そこでのゲーム文化はソフトを所有したり、消費したりするということとは異なる価値観で作られていることを改めて確認した。最近、引越ししてあまりゲームができない自分も久しぶりにアーケードに足を運ぶと、ゲームに対する独特な感覚が蘇ってきた。(それについてはこちらで<a href="http://blog-ja.activegamingmedia.com/2013/03/blog-post.html">コラムなど</a>を書いた。)</p><p>ともあれ、冒頭に戻ると「ゲームについて語る」ということは本当に真面目に検討してもいい事柄だと思った。ゲームについて語るのは、現実のゲームを通して社会を語ると共に、ゲームという虚構について語ることもできる。『THE END OF <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/ARCADIA">ARCADIA</a>』はフィクションだが、現実に存在する『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C0%A5%E9%A5%A4%A5%A2%A5%B9">ダライアス</a>』に関する攻略方法についての記述があることで小説としてのリアリティが非常に高く感じる。他方、『TOKYOHEAD RE:MASTERED』はノンフィクションの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%DD%A5%EB%A5%BF%A1%BC%A5%B8%A5%E5">ルポルタージュ</a>なのだが、ゲームに関して異常に熱くなっている人々を描くのはやはり浮世離れした魅力を感じる。異なる視点からゲームを語る二作品はゲーマーならまずもって必読だ。(個人的には最近、<br />
「<a href="http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20130303/p1">ソーシャルゲームよりゲーセンのほうが「高コスト」問題</a>」というエントリを書いた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%CF%A4%C6%A4%CA%A5%C0%A5%A4%A5%A2%A5%E9%A1%BC">はてなダイアラー</a>のベテランシューターのシロクマ先生などにぜひとも読んでほしい。)</p>
shinimai
読んだ。
hatenablog://entry/17680117127006701911
2013-01-09T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:05+09:00 ほぼ本についてメモっているブログなのに、このカテゴリーは無意味になってきた。やっぱはやくはてなから引越しする!(でも書評だけははてなダイアリーつかうかもしれん。) 脳は美をどう感じるか: アートの脳科学 (ちくま新書)川畑 秀明 神経美学については以前、このシンポジウム(http://www.gcoe-cnr.osaka-u.ac.jp/?p=2954)に行っていたし、大体どういう研究しているのかは知っていた。だが、ちゃんと本とか論文読むのは始めてで、こういう新書は格好の一冊だ。 しかし残念ながら、全体としてはそれほど面白くもなく、内容も雑駁としていた。これは仕方ないことかもしれない。というの…
<p>ほぼ本についてメモっているブログなのに、このカテゴリーは無意味になってきた。やっぱはやく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%CF%A4%C6%A4%CA">はてな</a>から引越しする!(でも書評だけは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%CF%A4%C6%A4%CA%A5%C0%A5%A4%A5%A2%A5%EA%A1%BC">はてなダイアリー</a>つかうかもしれん。)<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E8%84%B3%E3%81%AF%E7%BE%8E%E3%82%92%E3%81%A9%E3%81%86%E6%84%9F%E3%81%98%E3%82%8B%E3%81%8B-%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E8%84%B3%E7%A7%91%E5%AD%A6-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%B7%9D%E7%95%91-%E7%A7%80%E6%98%8E/dp/4480066861%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4480066861" target="_top">脳は美をどう感じるか: アートの脳科学 (ちくま新書)</a><br />川畑 秀明 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E8%84%B3%E3%81%AF%E7%BE%8E%E3%82%92%E3%81%A9%E3%81%86%E6%84%9F%E3%81%98%E3%82%8B%E3%81%8B-%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E8%84%B3%E7%A7%91%E5%AD%A6-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%B7%9D%E7%95%91-%E7%A7%80%E6%98%8E/dp/4480066861%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4480066861" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41Tq4z95dcL._SL160_.jpg" alt="4480066861" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C0%B7%D0%C8%FE%B3%D8">神経美学</a>については以前、このシンポジウム(<a href="http://www.gcoe-cnr.osaka-u.ac.jp/?p=2954">http://www.gcoe-cnr.osaka-u.ac.jp/?p=2954</a>)に行っていたし、大体どういう研究しているのかは知っていた。だが、ちゃんと本とか論文読むのは始めてで、こういう新書は格好の一冊だ。<br />
しかし残念ながら、全体としてはそれほど面白くもなく、内容も雑駁としていた。これは仕方ないことかもしれない。というのも「本書のねらいは、あくまでも、アートの魅力を改めて感じてもらうのと同時に、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%BE%B2%CA%B3%D8">脳科学</a>に面白さを感じてもらうことだ」と書いているように、どちらかといえば、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%BE%B2%CA%B3%D8">脳科学</a>の入門的な部分が多い。そして実際に心理学の授業の教科書として作ったものらしい。美や芸術とは関係ないような話も多い。<br />
さらにもともと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CA%B2%BD%BF%B4%CD%FD%B3%D8">進化心理学</a>については以前から興味もあり、本も読んでいたので知っていた話は多い。特に音楽については。このへんでエントリも書いている。<br />
<a href="http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20070805/p3">http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20070805/p3</a><br />
<a href="http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20070505/p1">http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20070505/p1</a><br />
<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C0%B7%D0%C8%FE%B3%D8">神経美学</a>といえば、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/fMRI">fMRI</a>とかで脳の興奮やなんか計測したりする認知<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%BE%B2%CA%B3%D8">脳科学</a>的側面が強いと思うが、川畑さんは自身はどちらかと言えば心理学畑の人と言うとおり、たしかに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CA%B2%BD%BF%B4%CD%FD%B3%D8">進化心理学</a>的な話が多かったように思える。そして<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CA%B2%BD%BF%B4%CD%FD%B3%D8">進化心理学</a>に関してはピンカーなんかの面白い本がいろいろあるので、読み物としてはそっちを薦めるかな。<br />
とはいえ、芸術を扱った<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%A7%C3%CE%B2%CA%B3%D8">認知科学</a>というアプローチを今後も必要で、それが日本語で読めるのは喜ばしい。ただこの本を読んで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C0%B7%D0%C8%FE%B3%D8">神経美学</a>をやりたくなるのかというと、ちょっとどうも分からないっていうコメントをしたくなる。芸術は確かに多くの人を引きつけるテーマであるが、本書が扱っているのはかなり王道の美術ばかりなので、なんというかちょっと教科書的すぎるのだ。<br />
ただその点は川畑さんの師匠であり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C0%B7%D0%C8%FE%B3%D8">神経美学</a>の提唱者のゼキ由来のものだろう。ゼキは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%F3%A5%C9%A5%EA%A5%A2%A5%F3">モンドリアン</a>などの「優れた芸術家は優れた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C0%B7%D0%B2%CA">神経科</a>学者でもある」だと言う。「優れた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C0%B7%D0%B2%CA">神経科</a>学者でもある」という言葉の含意は「昔の芸術家であっても、現在明らかにされつつある最新の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%BE%B2%CA%B3%D8">脳科学</a>の知識を当時すでに知っていたかのように、脳の振る舞いを活かした表現をしているから」というが、それはそういう絵画が歴史的に残ってきただけであって、どちらかと言えば有名な芸術家を絶賛するための新しいレトリックのように感じる。<br />
特にあの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%F3%A5%C9%A5%EA%A5%A2%A5%F3">モンドリアン</a>のあの抽象画の偉大さ(!)についての説明において、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%BE%B2%CA%B3%D8">脳科学</a>者のラマチャンドラン(邦訳もある有名な学者だ)の「ピークシフト仮説」を持ち出すあたり、非常にレトリック臭く感じてしまう。ピークシフト仮説とは、動物の行動などで反応すべき特徴が誇張され、強大化されたものへと好みを形成していく現象を指し、ラマチャンドランは人間の芸術の中にもそのようなピークシフトされた表現があるという。具体的には<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D2%A5%F3%A5%C9%A5%A5%A1%BC">ヒンドゥー</a>の女神の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A1%BC%A5%EB%A5%F4%A5%A1%A5%C6%A5%A3%A1%BC">パールヴァティー</a>像のセクシーなプロ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A1%BC%A5%B7%A5%E7%A5%F3">ポーション</a>などに現れると。そこで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%F3%A5%C9%A5%EA%A5%A2%A5%F3">モンドリアン</a>や他の画家についても以下のように言う。</p>
<blockquote>
<p>このように、今から百年前に完成した<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%F3%A5%C9%A5%EA%A5%A2%A5%F3">モンドリアン</a>の画面の構成は、視覚脳の基本的な働きを最大化するような表現がなされている。というよりも、線分と色に対する脳の反応を最大化するように、ピークシフトの技法をとったといっても良いだろう。<br />
(222−223)<br />
このような特定の視覚的特徴の情報を処理する脳の場所を最大化するように作品を作り上げていったという意味で、ピークシフトの技法は多くの優れた美術家の表現において実践されてきたことだ。<br />
(223)</p>
</blockquote>
<p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%F3%A5%C9%A5%EA%A5%A2%A5%F3">モンドリアン</a>などの抽象画にピークシフトという概念を使うメリットはあまりわからない。また絵画表現において「誇張」があるのは珍しくないわけで、何がピークシフトで何がそうではないかがよく分からないのだ。また表現のレベルとして漸進的に進んだならばともかく、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%C0%A5%CB%A5%BA%A5%E0">モダニズム</a>の画家である<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%F3%A5%C9%A5%EA%A5%A2%A5%F3">モンドリアン</a>はそのような進化ではなく、かなり急激な変化である。人間が生得的に反応すべき特徴が誇張され、強大化されていく過程を示すならば、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%F3%A5%C9%A5%EA%A5%A2%A5%F3">モンドリアン</a>のような画家の芸術作品ではなく、日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%BF%A5%AF%CA%B8%B2%BD">オタク文化</a>における萌え絵の目の変遷とかのほうが納得がいくのではないかと思った。<br />
そして実際問題、そういった特定の反応すべき特徴の誇張は、広告の画像や写真の修正、ポルノなどのむしろあまり偉大ではない人たちの画像表現の常套手段ではないのかと思う。</p><p>だが、本書の美術の教科書臭さが気になるのは置いとくとして(多分に私のアートうぜぇ心が揺さぶられるわけだが笑)、本書で登場する面白かった実験について触れておこう。</p><p>ひとつは美醜の判断に関わる脳部位の話。</p>
<blockquote>
<p>美しいと感じるときと、醜いと感じているときとで脳の働きを比べてみて、同じ脳の場所(一つかもしれないし、複数かものしれない)が、一方には興奮的に、もう一方には抑制的に働くのであればそれは一つの尺度の両極であると捉えることができるだろう。しかし、美しいと醜いとでは、それぞれ別の脳の仕組みが反応を示す可能性がある。<br />
私たちが行った研究では、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%D3%C1%FC%B2%E8">肖像画</a>、風景画、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%C5%CA%AA">静物</a>画、抽象画それぞれ九六枚、計三八四の絵画の画像を観察者に見てもらい、「美しい」「どちらでもない」「醜い」という評定判断を行なっているときの脳の活動を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/fMRI">fMRI</a>で捉えようとした。そうすると、美しいという評定判断に応じて、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%E3%E3%DD%C1%B0%C6%AC%C8%E9%BC%C1">眼窩前頭皮質</a>内側部の活動が、一方、醜いという評定判断に応じて左脳運動野の活動が変化することが明らかになったのだ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%E3%E3%DD%C1%B0%C6%AC%C8%E9%BC%C1">眼窩前頭皮質</a>内側部は、美しいと感じるときには活動が高まるが、醜いと感じるときには活動が低くなる。一方、左脳運動野は、醜いと感じる時には活動が高まり、美しいと感じる時には活動が低くなる。つまり、美しいに対応する脳の場所と、醜いに対応する脳の場所はそれぞれ別でありながらも、それらが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A5%EC%A1%BC%A5%C9%A5%AA%A5%D5">トレードオフ</a>の関係にあることが分かる。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A5%EC%A1%BC%A5%C9%A5%AA%A5%D5">トレードオフ</a>というのは「一方を立てるとと他方が立たない」というように両立し得ない状態のことだ。つまり、美と醜とは、お互いに関係し合いながらも、独立した概念だと考えられる。<br />
(86−87)</p><p>脳<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C0%B7%D0%B2%CA">神経科</a>学者のマイケル・ガザニガは、私たちの研究で示された、醜さに対する運動野の働きについて「私たちが生まれつき危険を避けるのが最も得意ですばやいことを思い起こせば合点がいく。私ちはの情動は、危険を不愉快あるいはネガティブと分類する」と述べている。<br />
(87−88)</p>
</blockquote>
<p>これは分析美学でも時たま話題になる「美醜の概念が双極的か、単極的か」という議論にかなり強いデータを与えてくれる。脳の部位を見る限り、美醜は双極的とは言い切れず、異なるカテゴリーとしてみるの方が正しいようだ。この実験はかなり興味深いので今後も続けて欲しい。さらに美醜の判断に対して、エキスパートと素人でどう脳の状態が異なるのかを測れば、より面白そうだ。</p><p>もうひとつは「言語隠蔽効果」と呼ばれる現象が美的な判断にも関わるという話。</p>
<blockquote>
<p>ワインをふだん飲まない人、ワイン好きの素人、ワインの製造や販売を生業とするプロとで、顔の実験と同じようにワインの味を口に含んでその味を覚えてもらい、その後、味の特徴を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C0%B8%EC%B2%BD">言語化</a>した後にワインのリストから先に飲んだものを当ててもらうという課題だった。そうすると、ふだんワインを飲まない素人とプロとでは言語隠匿効果はないが、ワイン好きの素人においてのみ、言葉にすることの弊害が現れて、正しく思い出せなくなってしまうことが示されている。素人の場合には、ワインに関する感覚的経験も言語経験も乏しく、プロの場合には両方の経験が豊富だ。一方、ワイン好きの素人は、感覚的なものには熟練があるものの、言語的経験には乏しい。このような普段慣れている感覚を言葉にすることがないと、なおさら言葉にしたときに記憶が歪んでしまうのだろう。<br />
(203−204)</p>
</blockquote>
<p>これもなかなか興味深い実験である。普通、美的なものの鑑賞を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C0%B8%EC%B2%BD">言語化</a>することは、対象の選別能力を高めるものと考えがちだが、そうとも言い切れないことが示されている。むしろ素人は言葉にせず、ただ味わった方がいい(笑)。<br />
でも、おそらくこれは好悪や選好の判断と味の実質的な判断が異なることを示しているようにも思える。それこそ、ワインのソムリエはワインに対する「自分の好みの判断」を宙吊りにすることで、その質を弁別することに長けているのだろう。では、どちらが美的判断とみなすべきだろうか。これはなかなか面白い問題だ。</p><p>このように認知<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%BE%B2%CA%B3%D8">脳科学</a>が与える知見は、分析美学の基礎的な問題に取り組むには非常に有用なものだ。だから、私自身は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C0%B7%D0%C8%FE%B3%D8">神経美学</a>に対しては応援したい気持ちがある。ただし、それは芸術といった高次な人間の行動に対してよりも、快楽や美、調和など低次な美的性質に対する追求においてこそ威力を発揮すると思える。あと、やっぱ音楽だよ音楽。確かに認知<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%BE%B2%CA%B3%D8">脳科学</a>は視覚の研究が多いが、音楽は絵画に比べ、より人間の感情や認知の生得的な部分に訴えるように思えるので。</p>
shinimai
さやわか『僕たちのゲーム史』書評会&To The Moon座談会
hatenablog://entry/17680117127006702020
2012-12-31T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:07+09:00 年の瀬で大掃除も満足にできず、1年振り返るのもめんどくさい死に舞です。来年も不安定収入のため、どうなるかわかりませんが、新年のイベントのお知らせです。 こちらで(http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20121114/p1)感想も書きましましたが、さやわかさんの本を松永くん(@zmzizm http://9bit.99ing.net/)の勉強会で書評会を開きます。僕たちのゲーム史 (星海社新書)さやわか まあきっかけはこの本がすごく良く出来ていたので、アカデミックな勉強会やっている人たちとも議論したいと考えたからです。さやわかさんにも来ていただけるので当日は面白い話が聞…
<p>年の瀬で大掃除も満足にできず、1年振り返るのもめんどくさい死に舞です。来年も不安定収入のため、どうなるかわかりませんが、新年のイベントのお知らせです。<br />
こちらで(<a href="http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20121114/p1">http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20121114/p1</a>)感想も書きましましたが、さやわかさんの本を松永くん(@zmzizm <a href="http://9bit.99ing.net/)">http://9bit.99ing.net/)</a>の勉強会で書評会を開きます。</p><p><span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%83%95%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AE%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%8F%B2-%E6%98%9F%E6%B5%B7%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E3%81%95%E3%82%84%E3%82%8F%E3%81%8B/dp/4061385240%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4061385240" target="_top">僕たちのゲーム史 (星海社新書)</a><br />さやわか <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%83%95%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AE%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%8F%B2-%E6%98%9F%E6%B5%B7%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E3%81%95%E3%82%84%E3%82%8F%E3%81%8B/dp/4061385240%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4061385240" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/31fbuofYzbL._SL160_.jpg" alt="4061385240" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /></p><p>まあきっかけはこの本がすごく良く出来ていたので、アカデミックな勉強会やっている人たちとも議論したいと考えたからです。さやわかさんにも来ていただけるので当日は面白い話が聞けそうです。基本的には勉強会のメンバーでやりますが、有志の方は参加していただいてもかまいませんので、私の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Twitter">Twitter</a>やメール(aka.shinimaiじーめる)にでも言ってください。</p>
<blockquote>
<p>さやわか『僕たちのゲーム史』書評会<br />
場所:都内某所(連絡してくれた方に教えます。)<br />
日時:1/5(土)13:00〜</p>
</blockquote>
<p>当日、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Ustream">Ustream</a>での音声配信を予定していますが、機材の関係でそれほどクオリティの高いものにはならないと思います。なので、あまり期待せず、ぜひとも聞きたい人は連絡して直接くるのオススメ。</p><p>また同日の夕方(18:00くらい)から特別企画として、海外のインディーゲームTo The Moonについて(ネタバレ)座談会をやります。To The Moonは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG%A5%C4%A5%AF%A1%BC%A5%EB">RPGツクール</a>で作られた海外のアド<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D9%A5%F3%A5%C1%A5%E3%A1%BC">ベンチャー</a>(?)ゲーム。国内版はPlayismからリリース(<a href="http://www.playism.jp/games/tothemoon/">http://www.playism.jp/games/tothemoon/</a>)され、そのキャンペーンもあって日本でもブロガーさんたちのレビューが行われました(詳細:<a href="http://playism.blogspot.jp/2012/11/to-moon.html">http://playism.blogspot.jp/2012/11/to-moon.html</a>)。自分もプレイしてレビュー書こうと思いましたが、なんというか無駄に考察を重ねるばかりでなかなかレビューかけなかったのでいっそ座談会でもしようかと思いました。あと、このゲームはただ一人でやるより、人と話あったりするネタにすごく良い。プレイした後、レビューを読むのもすごく楽しかったです。この楽しみを続けるためにも座談会するのはありかなと思いまして、さやわかさんの書評会の後に開こうと思います。</p>
<blockquote>
<p>To The Moon座談会(ネタバレしまくり)<br />
場所:都内某所(連絡してくれた方に教えます。)<br />
日時:1/5(土)18:00〜</p>
</blockquote>
<p>こちらも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Ustream">Ustream</a>する予定ですが、参加したい人、To The Moonについて話したい人など歓迎などで連絡いただけるとうれしいです。</p><p>===追記===<br />
こちらのURLで放送予定です。<br />
<a href="http://www.ustream.tv/channel/shinimai">http://www.ustream.tv/channel/shinimai</a></p>
shinimai
読んだというか、買ったというか、行ったというか
hatenablog://entry/17680117127006702157
2012-12-02T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:11+09:00 早くはてなダイアリーから足を洗い、どこかで個人ブログの砦を築きたい死に舞です。 とりあえず、優先順位的に本についてはここで書いておこうと思う。本当は見た映画、聞いた音楽(まあちょっとこれは多すぎて無理かも、でも過去のはてなダイアリーを見たら図書館で借りた音源についてはメモしてましたね)、やったゲーム(仕事の都合上、これもすべては無理だけど、押していきたいゲームは紹介したい。というかゲームをブログで書くことにすごくためらいあったのは、そもそも私はバンドの宣伝としてブログを始めただけなのだ。)についても報告していきたいと思っている。 ツイッターでなんか書くよりもやっぱブログもいいもんだなとか思って…
<p>早く<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%CF%A4%C6%A4%CA%A5%C0%A5%A4%A5%A2%A5%EA%A1%BC">はてなダイアリー</a>から足を洗い、どこかで個人ブログの砦を築きたい死に舞です。<br />
とりあえず、優先順位的に本についてはここで書いておこうと思う。本当は見た映画、聞いた音楽(まあちょっとこれは多すぎて無理かも、でも過去の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%CF%A4%C6%A4%CA%A5%C0%A5%A4%A5%A2%A5%EA%A1%BC">はてなダイアリー</a>を見たら図書館で借りた音源についてはメモしてましたね)、やったゲーム(仕事の都合上、これもすべては無理だけど、押していきたいゲームは紹介したい。というかゲームをブログで書くことにすごくためらいあったのは、そもそも私はバンドの宣伝としてブログを始めただけなのだ。)についても報告していきたいと思っている。<br />
<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C4%A5%A4%A5%C3%A5%BF%A1%BC">ツイッター</a>でなんか書くよりもやっぱブログもいいもんだなとか思っているから。あー余計な能書きが長くなった。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/WIRED-VOL-6-GQ-JAPAN-2012%E5%B9%B412%E6%9C%88%E5%8F%B7%E5%A2%97%E5%88%8A/dp/B009KCIY20%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB009KCIY20" target="_top">WIRED VOL.6 GQ JAPAN.2012年12月号増刊</a><br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/WIRED-VOL-6-GQ-JAPAN-2012%E5%B9%B412%E6%9C%88%E5%8F%B7%E5%A2%97%E5%88%8A/dp/B009KCIY20%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB009KCIY20" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51AaGA9sYAL._SL160_.jpg" alt="B009KCIY20" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
これ『WIRED』誌なんですが、このイベントに行ってきたのでそこで買いました。</p><p><a href="http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=7195">「いま"ゲーム"はどんなメディアを必要とするか?」 WIREDとGameBusiness.jpの編集長が対談</a></p><p>いつのまにやらゲームライターしている俺はなんだってのはあるけど、そもそも『WIRED』がこういう特集やるってことがまず私にとっては新鮮なこと。いや必然だろうと思うんだよね。ここ数年で間違いなく一番クリエイティブな業界がゲームであるわけだから。<br />
内容は、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%E5%B8%FD%C5%AF%CC%E9">水口哲也</a>氏の業界予測、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Minecraft">Minecraft</a>のNotchのインタビュー、エピックゲームズのUnreal4、アングリーバードのRovio社、韓国のプロゲーマーたち、そしてフランスの超おしゃれゲーム雑誌『AMUSEMENT』の話とそれなりに盛りだくさん!?いやまあ、正直ゴリゴリのゲーム好き<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AB%A4%E9%A4%B7">からし</a>たら、こんなで特集したことにはならないよって言いたい気持ちがわかるが、少なくともこういう一般紙でゲームの特集がやられること自体を評価してもいいと思う。それにNotchのインタビューとか日本語ではあんまり読めるものないもんね。<br />
特集の中でも一番おもしろいのは、編集長の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%E3%CE%D3%B7%C3">若林恵</a>氏が取材したゲーム雑誌『AMUSEMENT』の話。この雑誌数年前に創刊されたそうなんですが、「ゲーマーのための『Vanity Fair』」、「ナード・カルチャーと『VOGUE』の融合」とか言われているらしい。イベント当日、若林さんは実物を持ってきてくれてたけど、はっきりいって表紙だけからはゲーム雑誌ってわからないレベル。<br />
創刊したアブデル・ブナンはゲームがもっとカルチャーとして扱われ、開かれたものにするために作ったらしいが、ちょうど『WIRED』におけるテク<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A5%ED">ノロ</a><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A1%BC">ジー</a>との関係にほぼ同じ感じですね。私も以前からゲームは決していわゆるゲーマーの人のためだけではない魅力を持っていて、一般紙、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%ED%B9%E7%BB%EF">総合誌</a>として可能性があるだろうとか思っていた。実際に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/4gamer">4gamer</a>のグラフィックの記事なんか、ゲームやらない<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%FE%C2%E7">美大</a>生とかにぜひとも読んでほしい内容が詰まっているから、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%F8%BA%DF%C5%AA">潜在的</a>には日本でもこういうことは可能だと思うのだけども。</p>
shinimai
さやわか『僕たちのゲーム史』
hatenablog://entry/17680117127006702259
2012-11-14T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:13+09:00 いろいろと立て込んでいて、読んだ本についてだけでもブログを更新するのがだんだん厳しくなってきた。来年からもうちょっとブログについて見直すことにするが、とりあえず今は低空飛行の状態で後追いでもほそぼそなんとか更新。 これ読了したのだいぶ前ですが。僕たちのゲーム史 (星海社新書)さやわか さやわかさんがゲームの本を書いているという話は聞いていた。新聞なんかでもゲームのレビュー書いていて「すげー(原稿料いくらなんだろう羨ましい…」などと思っていたりもした。 ちなみに僕はさやわかさんと直接お会いしたことがあり、多少ゲームの話もしたりした。その時はちょっとしか話してなかったのですが、さやわかさんがPla…
<p>いろいろと立て込んでいて、読んだ本についてだけでもブログを更新するのがだんだん厳しくなってきた。来年からもうちょっとブログについて見直すことにするが、とりあえず今は低空飛行の状態で後追いでもほそぼそなんとか更新。<br />
これ読了したのだいぶ前ですが。</p><p><span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%83%95%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AE%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%8F%B2-%E6%98%9F%E6%B5%B7%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E3%81%95%E3%82%84%E3%82%8F%E3%81%8B/dp/4061385240%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4061385240" target="_top">僕たちのゲーム史 (星海社新書)</a><br />さやわか <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%83%95%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AE%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%8F%B2-%E6%98%9F%E6%B5%B7%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E3%81%95%E3%82%84%E3%82%8F%E3%81%8B/dp/4061385240%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4061385240" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/31fbuofYzbL._SL160_.jpg" alt="4061385240" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
さやわかさんがゲームの本を書いているという話は聞いていた。新聞なんかでもゲームのレビュー書いていて「すげー(原稿料いくらなんだろう羨ましい…」などと思っていたりもした。<br />
ちなみに僕はさやわかさんと直接お会いしたことがあり、多少ゲームの話もしたりした。その時はちょっとしか話してなかったのですが、さやわかさんが<a href="http://www.platinedispositif.net/">PlatineDispositif</a>のヒトガタハッパを絶賛していたのを覚えいている。逆に僕は<a href="http://sanagimaru.nobody.jp/">Hellsinker.</a>を布教していた(笑)。我ながら微笑ましい光景だ。<br />
だからさやわかさんのゲームの本は期待していたのだ。でも、実のところそこまで期待してもいなかった。というのも「ゲーム史」などというものをマジで書こうとすればどんだけ大変になるのかということを理解していたからだ。多分、このかなりよく出来た本でも「これについての記述がおかしい」、「これについて触れてないのはどうなのか」というツッコミは入りまくりだろう。<br />
ただこれ自体はある程度しかたない。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%D6%A5%AB%A5%EB%A5%C1%A5%E3%A1%BC">サブカルチャー</a>の中でも軽視されがちなゲームについては体系だった歴<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%CB%B5%AD">史記</a>述なんてそこまで期待できない。でも、この本はかなりいい線を言っている。本当にかなりいい線だ。<br />
その理由は一つは、冒頭で述べられる「ボタンを押すと反応するもの」というあまりにも素朴な定義(ちなみに冒頭はウェブで試し読みできる。<a href="http://ji-sedai.jp/works/book/publication/game/01/01.html">http://ji-sedai.jp/works/book/publication/game/01/01.html</a>)。もちろん、これはゲームの定義の決定版でもなんでもないのだが、少なくとも本書の歴<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%CB%B5%AD">史記</a>述を非常に分かりやすいものとしている。ともすれば、めんどうな定義の議論だけでお話が終わってしまうような哲学畑の人間としてはこのプラグラマティックな判断は見習いたいところ。哲学の話をしたい場合は別として、普通は定義とは何かの役に立てるべきものであり、それ自体はそんなに重要ではないのだ。<br />
第二の理由は、反対に本書の「あとがき」で述べられている部分だ。</p>
<blockquote>
<p> ゲームはまだ歴史が浅く、しかもデジタルでデータが残されているものが多いです。また昔を知る人たちも多いです。だから僕たちは、わりと容易に過去のゲームを手に入れてプレイできますし、現在の視点から様々に語ることもできます。しかし、今の僕たちが語れる内容は、そのゲームが初めてプレイされた当時のものとは、絶対に異なるはずなのです。<br />
だったら、当時の人たちが書いた文献にあたって、彼らがその時に考えていたことを確認していく本を作ればいいんじゃないだろうか。それは意味のあることだと思いました。</p>
</blockquote>
<p>事実、本書は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C7%A5%AA%A5%B2%A1%BC%A5%E0">ビデオゲーム</a>それ自体以上に、ゲーム雑誌やクリエイターの書籍、企画書などがたくさん登場する。つまりこれは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C7%A5%AA%A5%B2%A1%BC%A5%E0">ビデオゲーム</a>雑誌と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C7%A5%AA%A5%B2%A1%BC%A5%E0">ビデオゲーム</a>に関する書籍や文献から見た歴史本なのだ。あえてアカデミックな立場からこの方法論を説明すれば、メディアの言説分析ともいえなくない(アカデミックな仕事とジャーナリスティックな仕事のどちらが価値があるなんてことは言わないが、本書はアカデミックな立場からも十分に評価できる本だと、個人的には思う)。<br />
この後者のアプローチには、音楽雑誌の分析で卒論を書いた立場からは非常に共感を持てる。本書の帯には「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A1%BC%A5%D1%A1%BC%A5%DE%A5%EA%A5%AA">スーパーマリオ</a>はアクションゲームではなかった!」と幾分センセーショナルに書かれているが、何のことはない、これはただ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%DC%CB%DC%CC%D0">宮本茂</a>が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A1%BC%A5%D1%A1%BC%A5%DE%A5%EA%A5%AA%A5%D6%A5%E9%A5%B6%A1%BC%A5%BA">スーパーマリオブラザーズ</a>の企画書でそう書いてはいないというだけのことだ。しかしながら、当時の企画書やゲーム雑誌の言説を丁寧に分析するさやわかの議論は非常に納得がいくものであり、現在ではジャンプアクションの古典的名作(海外で言えば2D<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D7%A5%E9%A5%C3%A5%C8%A5%D5%A5%A9%A1%BC%A5%DE%A1%BC">プラットフォーマー</a>)の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A1%BC%A5%D1%A1%BC%A5%DE%A5%EA%A5%AA">スーパーマリオ</a>は、当時は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%C9%A5%D9%A5%F3%A5%C1%A5%E3%A1%BC%A5%B2%A1%BC%A5%E0">アドベンチャーゲーム</a>であり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A1%BC%A5%EB%A5%D7%A5%EC%A5%A4%A5%F3%A5%B0%A5%B2%A1%BC%A5%E0">ロールプレイングゲーム</a>であったのだ。</p><p>細かな部分でツッコミを入れたり、それは違うんじゃないかなという部分は幾多とある。だが、それを指摘するのは今後に置いといて(書き出すときりがない...)、とりあえずこの本は現状、日本語で読める<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C7%A5%AA%A5%B2%A1%BC%A5%E0">ビデオゲーム</a>史としては最初に手に取るべき本であることは間違いない。あと単純にさやわかさんの文章は非常に読みやすい。プロのライターとして尊敬できるところである。</p><p>最後にこれは多少愚痴になる部分だが、最近ポピュラーカルチャーの本を読んでいるとアカデミシャンの著作に落胆することが多く、在野のライターさんやジャーナリストさんの本には感銘を受けることが多い。どちらにもそれぞれ良い部分があるはずなのであるが、現状はやはりポピュラー文化のアカデミックな研究の難しさを痛感している。自戒の意味もこめて、「ポピュラー文化の研究とは、すでに存在していた既存の文化の研究である」ということを再確認したい。</p>
shinimai
久しぶりに本を読んだものなど
hatenablog://entry/17680117127006702431
2012-10-05T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:17+09:00 いろいろ忙しくて読書ぜんぜんしてなかった。翻訳の仕事、研究の論文、書評のためでちょろっと読むことはあっても、ほとんど本を読まない生活を何ヶ月か過ごした。多分、こんなの人生初だった。 まあ読書をしなくても、ネットやゲームや映画やアニメを消費することで、人生の無駄などしていない自身はあるけど、やっぱり本の良さもあると、最近、読書して再確認しておる。なんというか思考のペースが穏やかというか、ちゃんと考えられるのが本の良さだ。 といっても読んだのエンタメ小説や新書なんだけど。あぁじっくりと哲学の本とか読める生活したいなぁ、本当に。 機龍警察(ハヤカワ文庫JA)月村 了衛 機龍警察 自爆条項 (上) (…
<p>いろいろ忙しくて読書ぜんぜんしてなかった。翻訳の仕事、研究の論文、書評のためでちょろっと読むことはあっても、ほとんど本を読まない生活を何ヶ月か過ごした。多分、こんなの人生初だった。<br />
まあ読書をしなくても、ネットやゲームや映画やアニメを消費することで、人生の無駄などしていない自身はあるけど、やっぱり本の良さもあると、最近、読書して再確認しておる。なんというか思考のペースが穏やかというか、ちゃんと考えられるのが本の良さだ。<br />
といっても読んだのエンタメ小説や新書なんだけど。あぁじっくりと哲学の本とか読める生活したいなぁ、本当に。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%A9%9F%E9%BE%8D%E8%AD%A6%E5%AF%9F-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%ABJA-%E6%9C%88%E6%9D%91-%E4%BA%86%E8%A1%9B/dp/4150309930%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4150309930" target="_top">機龍警察(ハヤカワ文庫JA)</a><br />月村 了衛 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%A9%9F%E9%BE%8D%E8%AD%A6%E5%AF%9F-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%ABJA-%E6%9C%88%E6%9D%91-%E4%BA%86%E8%A1%9B/dp/4150309930%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4150309930" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51MUo8RgeqL._SL160_.jpg" alt="4150309930" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%A9%9F%E9%BE%8D%E8%AD%A6%E5%AF%9F-%E8%87%AA%E7%88%86%E6%9D%A1%E9%A0%85-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%ABJA-%E6%9C%88%E6%9D%91-%E4%BA%86%E8%A1%9B/dp/4150310750%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4150310750" target="_top">機龍警察 自爆条項 (上) (ハヤカワ文庫JA)</a><br />月村 了衛 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%A9%9F%E9%BE%8D%E8%AD%A6%E5%AF%9F-%E8%87%AA%E7%88%86%E6%9D%A1%E9%A0%85-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%ABJA-%E6%9C%88%E6%9D%91-%E4%BA%86%E8%A1%9B/dp/4150310750%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4150310750" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/512Uo%2BWINeL._SL160_.jpg" alt="4150310750" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%A9%9F%E9%BE%8D%E8%AD%A6%E5%AF%9F-%E8%87%AA%E7%88%86%E6%9D%A1%E9%A0%85-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%ABJA-%E6%9C%88%E6%9D%91-%E4%BA%86%E8%A1%9B/dp/4150310769%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4150310769" target="_top">機龍警察 自爆条項 (下) (ハヤカワ文庫JA)</a><br />月村 了衛 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%A9%9F%E9%BE%8D%E8%AD%A6%E5%AF%9F-%E8%87%AA%E7%88%86%E6%9D%A1%E9%A0%85-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%ABJA-%E6%9C%88%E6%9D%91-%E4%BA%86%E8%A1%9B/dp/4150310769%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4150310769" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51an4YsLYzL._SL160_.jpg" alt="4150310769" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%A9%9F%E9%BE%8D%E8%AD%A6%E5%AF%9F-%E6%9A%97%E9%BB%92%E5%B8%82%E5%A0%B4-%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89-%E6%9C%88%E6%9D%91-%E4%BA%86%E8%A1%9B/dp/4152093218%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4152093218" target="_top">機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド)</a><br />月村 了衛 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%A9%9F%E9%BE%8D%E8%AD%A6%E5%AF%9F-%E6%9A%97%E9%BB%92%E5%B8%82%E5%A0%B4-%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89-%E6%9C%88%E6%9D%91-%E4%BA%86%E8%A1%9B/dp/4152093218%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4152093218" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51bUj1CC8vL._SL160_.jpg" alt="4152093218" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
がががと一気に三巻分!<br />
何を隠そう私はアニメの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Noir">Noir</a>の大ファンなのだが、その良さをあまりうまく説明できなかった。ともあれ、あの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AD%A5%EA%A5%B9%A5%C8%B6%B5%B8%B6%CD%FD%BC%E7%B5%C1">キリスト教原理主義</a>マフィア百合ガンアクションというすごいキメラのようなストーリーを作った<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%EE%C2%BC%CE%BB%B1%D2">月村了衛</a>にはずっと興味があったわけだ。だからこの機龍警察はずっと気になっていた。<br />
そして、なぜだか<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Twitter">Twitter</a>の一部では既にこの機龍警察の人気がすごくて結果読んで、それなりにハマったわけ。確かにこれは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Noir">Noir</a>の雰囲気ありますよ。百合とかBLとかそういった側面ばかり強調されがちですが、因縁のあるバディもの、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D8%A5%C6%A5%ED">ヘテロ</a>セクシャリズムを乗り越えた先にあるプロ意識、ガンアクションシーンだけはやたら細かい描写など、ある意味、期待していた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%EE%C2%BC%CE%BB%B1%D2">月村了衛</a>の世界がそこにあった!<br />
部分的というか、全体的にB級っぽさは否めないのですが、それも味のうちだと思います。特に最初の巻は小説を書き慣れていない感じもあり、戯画的にすら思える警察組織の軋轢具合が表現された居酒屋のシーンは大爆笑してしまった。<br />
だがそんなB級感は話が進むにつれて消えて(慣れた?)第二作の「自爆条項」の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%A4%A5%EB%A5%E9%A5%F3%A5%C9">アイルランド</a>紛争史を元にしたライザ・ガードナーの人生や、第三作の「暗黒市場」のロシアマフィアと政府の堕落の中で翻弄されるユーリ・オズノフの物語はエンタメ小説としてはとても良かったです。正直、ハリウッド映画とかにしてもそこそこ戦えるストーリーではないかと思う。<br />
あとSF部分(?)とでも言うべき機龍警察の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%B6%B5%B3">龍騎</a>兵という機甲兵装ですが、謎テク<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A5%ED">ノロ</a><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A1%BC">ジー</a>が多くてやはりB級感があるものの、銃器のセレクトや長さなどに関してはしっかり考証している感もあって楽しいです。個人的に「自爆条項」でのライザ機バンシーのスパスの8丁ほど背中に抱えて二丁拳銃で戦うなど並の発想を超えた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B1%A5%EC%A5%F3%CC%A3">ケレン味</a>です。ぜひとも映像化してほしい。<br />
続編が読みたいですね。あと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Noir">Noir</a>ももっと再評価されて欲しいですね。</p>
shinimai
■
hatenablog://entry/17680117127006702534
2012-07-05T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:19+09:00 口は災いの元だ。 アニメ『氷菓』の第十一回を見て、米澤穂信の書きたい部分の核心に触れて、ちょっと思ったことを言ったら、それをブログに書くべきだと言われた。本当ならばこのようなテマティックな物言いはしたくないし、何よりも私は原作を読んでない。つまりこれから書くのはアニメの批評でもなく、小説の批評でもない。少なくとも憶測、もっと悪く邪推のレベルに等しいわけだ。 第十一話「愚者のエンドロール」の主題は明らかに、米澤穂信のデビュー作をもとにした5話までのストーリー、つまり「氷菓」とオーバラップする。要するに、作者の言いたいことはこれだ。 「どんな文章にもそれを書かざるをえないそれ相応の作者の事情がある…
<p>口は災いの元だ。<br />
アニメ『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C9%B9%B2%DB">氷菓</a>』の第十一回を見て、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%C6%DF%B7%CA%E6%BF%AE">米澤穂信</a>の書きたい部分の核心に触れて、ちょっと思ったことを言ったら、それをブログに書くべきだと言われた。本当ならばこのようなテマティックな物言いはしたくないし、何よりも私は原作を読んでない。つまりこれから書くのはアニメの批評でもなく、小説の批評でもない。少なくとも憶測、もっと悪く邪推のレベルに等しいわけだ。<br />
第十一話「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%F2%BC%D4%A4%CE%A5%A8%A5%F3%A5%C9%A5%ED%A1%BC%A5%EB">愚者のエンドロール</a>」の主題は明らかに、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%C6%DF%B7%CA%E6%BF%AE">米澤穂信</a>のデビュー作をもとにした5話までのストーリー、つまり「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C9%B9%B2%DB">氷菓</a>」とオーバラップする。要するに、作者の言いたいことはこれだ。<br />
「どんな文章にもそれを書かざるをえないそれ相応の作者の事情がある。たとえ、それが凡庸な文章であっても。」<br />
「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C9%B9%B2%DB">氷菓</a>」のエピソードも「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%F2%BC%D4%A4%CE%A5%A8%A5%F3%A5%C9%A5%ED%A1%BC%A5%EB">愚者のエンドロール</a>」も、多数の人たちの意見や主張を守るために個人が犠牲となる。主人公たちが明らかにするのは、その事件であるというよりも、その犠牲となった個人の心だ。すごくナイーブな意味で心や心情としかいいようがない。もちろん、推理の過程において主人公たちは「浅はか」にも事件の真相自体も暴いてしまう。しかし、その先の作者の心に踏み込んだ瞬間、文章(ここは「テクスト」といったドライな言葉や「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%AF%A5%EA%A5%C1%A5%E5%A1%BC%A5%EB">エクリチュール</a>」などのような高踏な物言いより「文章」がしっくりくる)のもっているプライベートな性格に気づき、非常に後味の悪い気分になる。しかも、その文章はダジャレであったり、陳腐なミステリーであったり、凡庸極まりない。というか、この「凡庸さ」こそが、推理や詮索(というか20世紀的な文学批評)の「土足で踏み込む感」を強く演出している。一方で、主人公たちが常に作者の本心を突き止めようとする欲求の滑稽さを浮き上がらせる。<br />
<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%C6%DF%B7%CA%E6%BF%AE">米澤穂信</a>の小説は『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B5%A4%E8%A4%CA%A4%E9%CD%C5%C0%BA">さよなら妖精</a>』しか読んだことがなかった。もちろん、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B5%A4%E8%A4%CA%A4%E9%CD%C5%C0%BA">さよなら妖精</a>』も素晴らしい小説であり、読みようによってはよりシリアスな物語であるが、どちらかといえば「戦争」という大きなテーマを扱うせいで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%C6%DF%B7%CA%E6%BF%AE">米澤穂信</a>の意識の高さに気づけなかった。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C9%B9%B2%DB">氷菓</a>』はどちらかといえば面白みに欠けたり、地味な作品とされているようだが、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%F2%BC%D4%A4%CE%A5%A8%A5%F3%A5%C9%A5%ED%A1%BC%A5%EB">愚者のエンドロール</a>』と重ねて読めば、おそらくより切実な作者の気持ちが表現されているのだろうと思ったのである。愚かにもアニメを見て。<br />
重ね重ね書くようにこの文章は、アニメの批評でもなく、小説の批評でもない。作画や絵コンテ、背景や声優の演技に関して何ら参照していないし、小説にいたっては読んですらないのだ。ただ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%C6%DF%B7%CA%E6%BF%AE">米澤穂信</a>の原作を読むには十分なきっかけを持ったという感想であり、本当は書きたくなかったけど、つい第十一話を見て人に思ったことを話した結果として、書かざるをえない事情を得たのだ。これを書いている私はまったく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%DE%CC%DA%CA%F4%C2%C0%CF%BA">折木奉太郎</a>と同じ立場にいるわけで、それ相応に苦々しいんだ、まったく。<br />
照れ隠しのために常日頃しているように<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%D5%A5%A3%A5%EA%A5%A8%A5%A4%A5%C8">アフィリエイト</a>のリンクも貼っておく。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%B0%B7%E8%8F%93-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%B1%B3%E6%BE%A4-%E7%A9%82%E4%BF%A1/dp/4044271011%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4044271011" target="_top">氷菓 (角川文庫)</a><br />米澤 穂信 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%B0%B7%E8%8F%93-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%B1%B3%E6%BE%A4-%E7%A9%82%E4%BF%A1/dp/4044271011%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4044271011" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51U8UI99w0L._SL160_.jpg" alt="4044271011" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /></p><p><span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%84%9A%E8%80%85%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%B1%B3%E6%BE%A4-%E7%A9%82%E4%BF%A1/dp/404427102X%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D404427102X" target="_top">愚者のエンドロール (角川文庫)</a><br />米澤 穂信 高野 音彦 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%84%9A%E8%80%85%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%B1%B3%E6%BE%A4-%E7%A9%82%E4%BF%A1/dp/404427102X%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D404427102X" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51EnPaLanCL._SL160_.jpg" alt="404427102X" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /></p>
shinimai
講義した:聴覚文化論の射程(2012年度)横浜国立大学
hatenablog://entry/17680117127006702618
2012-05-28T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:21+09:00 横国の中川さんから一般教養向けのオムニバス授業を一回分頼まれまして、無事に(?)終わりましたので報告。いろいろと忙しくて、満足のいく準備はとれなかったのですけど、自分がやっている研究をある程度分かりやすく、事例をいれて説明するみたいな感じになりました。後半の事例がまあなんというか暴走気味(笑)なんですが、中川さんには何やってもいいよって言われたから以前から興味を抱いていたデス声について扱いました。本当はロックのサブジャンルとかギターの音とか細かい話をいくらでもしたかったのですが、時間の関係上、デス声に限ったというわけです。学生はどう思ったかわかりませんが(笑)、30分くらいで10曲くらいのデス…
<p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%A3%B9%F1">横国</a>の中川さんから一般教養向けのオムニバス授業を一回分頼まれまして、無事に(?)終わりましたので報告。</p><p>いろいろと忙しくて、満足のいく準備はとれなかったのですけど、自分がやっている研究をある程度分かりやすく、事例をいれて説明するみたいな感じになりました。後半の事例がまあなんというか暴走気味(笑)なんですが、中川さんには何やってもいいよって言われたから以前から興味を抱いていたデス声について扱いました。本当はロックの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%D6%A5%B8">サブジ</a>ャンルとかギターの音とか細かい話をいくらでもしたかったのですが、時間の関係上、デス声に限ったというわけです。</p><p>学生はどう思ったかわかりませんが(笑)、30分くらいで10曲くらいのデス声の曲、まあ必然的にハードコア/グラインド系になるんですが再生しましたが、中川さん曰く「どれも一緒に聞こえる…」とのこと。まあそうですよね(笑)。</p><p>ただ声の探求自体は21世紀に入ってからのロックでもかなり幅広いジャンルでなされているので、無視できないなと思います。細かい話ですが、メタル/ハードコア経由のデス声とインディー/エモ(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AF%A5%EA%A1%BC%A5%E2">スクリーモ</a>)経由のシャウトというか<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AF%A5%EA%A1%BC%A5%E2">スクリーモ</a>は分けて考えるべきだと感じましたが、とりあえずは無視しました。</p><p>本当は動画で見せたいやつもあったけど、動画みせるとヤバイのも多かったので音源だけでよかった気がしますね。しかしプレイリストを見てもらえれば、ちょっとやりすぎた感じでもあります。</p><p><script src="http://gmodules.com/ig/ifr?url=http://gimite.net/rails/iframe_gadget/xml%3Fparams%3Dscrolling%3Dtrue%21url%3Dhttps://docs.google.com/presentation/embed%253Fid%253D15-oxZX4YTk2uSVjaApD-YZVBMwbWEmEzueKsbfKgpGw%2526start%253Dfalse%2526loop%253Dfalse%2526delayms%253D3000&synd=open&w=310&h=250&title=&border=%23ffffff%7C3px%2C1px+solid+%23999999&output=js"></script></p><p>なお授業についてはこのブログにも書いてあります。<br />
<a href="https://sites.google.com/site/nakagawa1503/class-lectures/the-scope-of-auditory-cultural-studies-2012">https://sites.google.com/site/nakagawa1503/class-lectures/the-scope-of-auditory-cultural-studies-2012</a></p>
shinimai
書評を書いた。
hatenablog://entry/17680117127006702698
2012-04-23T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:23+09:00 JASPMでもお世話になっている井手口彰典さんのこの本について、以下の『ミュージックマガジン』2012年5月号で書評を書きました。 同人音楽とその周辺: 新世紀の振源をめぐる技術・制度・概念井手口 彰典 ちなみに表紙は有馬啓太郎の絵というナイスセンスです! ちなみに私の書評は何の関係もないですがマガジンは小沢健二の特集です。 MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2012年 05月号 [雑誌] 井手口さんの前作についてはここで書きましたが(http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20100617/p1)、ゼロ年代後半から秋葉原の同人ショップや同人音楽のイ…
<p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/JASPM">JASPM</a>でもお世話になっている井手口彰典さんのこの本について、以下の『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A1%BC%A5%B8%A5%C3%A5%AF%A5%DE%A5%AC%A5%B8%A5%F3">ミュージックマガジン</a>』2012年5月号で書評を書きました。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%90%8C%E4%BA%BA%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%91%A8%E8%BE%BA-%E6%96%B0%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E6%8C%AF%E6%BA%90%E3%82%92%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8B%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%83%BB%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%83%BB%E6%A6%82%E5%BF%B5-%E4%BA%95%E6%89%8B%E5%8F%A3-%E5%BD%B0%E5%85%B8/dp/4787273175%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4787273175" target="_top">同人音楽とその周辺: 新世紀の振源をめぐる技術・制度・概念</a><br />井手口 彰典 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%90%8C%E4%BA%BA%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%91%A8%E8%BE%BA-%E6%96%B0%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E6%8C%AF%E6%BA%90%E3%82%92%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8B%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%83%BB%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%83%BB%E6%A6%82%E5%BF%B5-%E4%BA%95%E6%89%8B%E5%8F%A3-%E5%BD%B0%E5%85%B8/dp/4787273175%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4787273175" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51C3SzdxKgL._SL160_.jpg" alt="4787273175" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
ちなみに表紙は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%AD%C7%CF%B7%BC%C2%C0%CF%BA">有馬啓太郎</a>の絵というナイスセンスです!<br />
ちなみに私の書評は何の関係もないですがマガジンは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AE%C2%F4%B7%F2%C6%F3">小沢健二</a>の特集です。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/MUSIC-MAGAZINE-%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3-2012%E5%B9%B4-05%E6%9C%88%E5%8F%B7/dp/B007R5TV10%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB007R5TV10" target="_top">MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2012年 05月号 [雑誌]</a><br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/MUSIC-MAGAZINE-%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3-2012%E5%B9%B4-05%E6%9C%88%E5%8F%B7/dp/B007R5TV10%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB007R5TV10" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51UO7FpWe3L._SL160_.jpg" alt="B007R5TV10" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
井手口さんの前作についてはここで書きましたが(<a href="http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20100617/p1">http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20100617/p1</a>)、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BC%A5%ED%C7%AF%C2%E5">ゼロ年代</a>後半から<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%A9%CD%D5%B8%B6">秋葉原</a>の同人ショップや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>のイベントに足を運んでいる身としては「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>の初の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%D8%BD%D1%BD%F1">学術書</a>」となるこの本をとても期待して読みました。残念ながら前作が傑作すぎたのか、どうも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>の魅力や他の音楽文化との違いをうまく表せていないように思えました(むしろ、最終章で示唆されるのが「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>が他の音楽とは違う」という「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>神話」の脱神話化なので、これは井手口さんの意図するところかもしれません)。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A1%BC%A5%B8%A5%C3%A5%AF%A5%DE%A5%AC%A5%B8%A5%F3">ミュージックマガジン</a>』の書評は800字足らずなので、無駄に偉そう、かつ断定的な書評に思える気もして、ここで少しだけコメントしたいと思います。<br />
総じて日本のポピュラー音楽研究の蓄積をうまく生かして、各論の内容も現代的なので大学のポピュラー音楽研究の授業なので扱うには良い本だと思います。前半は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>の概要や概念、文化環境、批評のあり方などを描き、後半は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%E9%B2%BB%A5%DF%A5%AF">初音ミク</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CB%A5%B3%A5%CB%A5%B3%C6%B0%B2%E8">ニコニコ動画</a>、ア<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%C1%A5%E5%A5%A2">マチュア</a>音楽という「その周辺」について考察するというのはタイトル通り(最初は「その周辺」とかなんか投げやりなタイトルだと思ってしまいました、すみません。。。)。<br />
後半部の各論はそれぞれ面白いのですが、残念ながら<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>とのつながりちょっと希薄なのが気になります。前半部は概要としては良かったですが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>における二次創作のあり方などはあまり語られていないように感じました。とくに「ジャンル」に関する第三章では、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>を既存の音楽ジャンルなどとの比較において論じますが、いわゆる「アレンジ系<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>」における元ネタとしての「ジャンル」の話などはほとんどないのが不思議に思えます。確かに井手口さんが中心的に調査をした<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>イベントM3などは、そういうジャンルにこだわらない表現の場としての性格が大きいとは思いますが、今の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>は「東方」などのコンテンツを中心とした二次創作という面を語らないわけにいかないように思えます。<br />
さらに『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A1%BC%A5%B8%A5%C3%A5%AF%A5%DE%A5%AC%A5%B8%A5%F3">ミュージックマガジン</a>』の書評でも書きましたが、最終章で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>を以下のようにまとめるのが甚だ疑問であります。</p>
<blockquote>
<p>だが、この「妨げられない」というポイントは、単にM3という特定イベントの理念や制度のなかに息づいているだけではなく、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>文化全般に通底するキーワードとして捉え返すことができるものでもあるようだ。たとえば我々は第2章で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>を「環境」から考察した際、主要な四つの要因(同人イベント、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/DTM">DTM</a>、録音可能なCD、インターネット)がいずれも「排他性のなさ」によって特徴付けられるものであることを見た。(・・・)対照的に、従来の音楽活動がなにがしかの制約を受けていた、というのはある程度まで事実なのだろう。(・・・)そうした状況に比べれば、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>がもろもろの制約に器用にかいくぐるものであるように見えるのは確かだ。<br />
(253)</p><p>我々はここまでの議論を通じて、「妨げられない」実践としての<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>がもつ可能性を、成長や個性をめぐる競争に駆り立てられない点、あるいはその帰結としてやめたいときにやめることができる点に見いだした。<br />
(266)</p>
</blockquote>
<p>確かに「プロムナード」と題されたM3の立役者、相川・寺西両氏のインタビューからは、音を使った自由な表現の場というM3のポリシーははっきり伝わってきます。しかしながら、このポリシーは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>全体を通底するとは思えません。個人的には同人ショップや同人イベントには、ある種の近寄りがたさがあり、その(ある意味での)「閉鎖性」こそが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>の特殊性や魅力を作っているようにも感じます。また「インターネット」が「排他性のなさ」として特徴付けられていますが、都内のア<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%C1%A5%E5%A5%A2">マチュア</a>/インディーバンドの調査をしている身としては、ミュージシャンたちの間にある「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B8%A5%BF%A5%EB%A5%C7%A5%D0%A5%A4%A5%C9">デジタルデバイド</a>」はかなり大きいように思えます。<br />
総じて、調査の中心となったM3の考え方などに論点が引っ張られすぎているように思えるところがあります。逆に言えば、M3の立役者たちのインタビューは本書の最大の魅力であるとともに、彼らが現在の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>に多少なりとも距離を置いていることが分かったのが大きな収穫でした。特に寺西氏のインタビューは、彼がかなり明確なビジョンのもとにM3というイベントを築いてきたことがわかり非常に面白かったです。</p>
<blockquote>
<p>寺西氏<br />
ただ、先に言ったようなサークルの数的な増加も確かにあるんですか、1998年のM3の立ち上げに際しては、音系<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B3%E8%C6%B0">同人活動</a>を「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%FD%CF%C0%C9%F0%C1%F5">理論武装</a>」する、という目的もありました。ちょうど<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%DF%A5%B1%A5%C3%A5%C8">コミケット</a>が同人誌に対してその役割を担ってきたように、です。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%DF%A5%B1%A5%C3%A5%C8">コミケット</a>という場所は、ちゃんと秩序があるし決して無法地帯ではないんだけど、それでもスレスレの表現がグレーゾーンとして生き残れる場所であると、僕の目には映っていました。でも、組織としてある程度まとまっていないと、そうしたグレーゾーン上のサークルは各個破壊されてしまうわけです。<br />
(159)</p>
</blockquote>
<p>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%FD%CF%C0%C9%F0%C1%F5">理論武装</a>」という言葉やその後のインタビューで出てくるフランスのパロディー法や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D7%A5%E9%A1%BC%A5%B2%C0%FB%C9%F7">プラーゲ旋風</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/JASRAC">JASRAC</a>の話題から察せるとおり、寺西氏のビジョンやポリシーは非常に志が高く、感動的ですらありました。<br />
他にも様々な論点があり、ここでは論じ切れないです。よかったら井手口さんの著書、または『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A1%BC%A5%B8%A5%C3%A5%AF%A1%A6%A5%DE%A5%AC%A5%B8%A5%F3">ミュージック・マガジン</a>』の私の書評などを読んでいただけたらとおもいます。</p>
shinimai
俺が関わっているぜ的な勉強会リスト
hatenablog://entry/17680117127006702790
2012-04-20T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:26+09:00 今年度も学部生のTAを受け持つことになって、学生さんたちの先人として「研究とはなんぞ」、「大学院とはひどいところです」的な話をしたのであるが、そこで「人文系の研究は基本的に孤独であり、学問的にもプライベート的にもヤバイ。そこで救いになるのが勉強会だったりする」的な話をしました。実際にそうです。勉強会はただ研究のために役に立つというわけではなく、友人づくり、漫画の貸し借り、大学の事務手続き、学会での振る舞いなど、いろんな意味で役に立つ大学院生活のライフラインです。いやマジで。 そこで大学院進学を少しでも考えている人に、既存の勉強会を教えてあげようと思ったところ、いいデータベースがあるわけでもない…
<p>今年度も学部生のTAを受け持つことになって、学生さんたちの先人として「研究とはなんぞ」、「大学院とはひどいところです」的な話をしたのであるが、そこで「人文系の研究は基本的に孤独であり、学問的にもプライベート的にもヤバイ。そこで救いになるのが勉強会だったりする」的な話をしました。実際にそうです。勉強会はただ研究のために役に立つというわけではなく、友人づくり、漫画の貸し借り、大学の事務手続き、学会での振る舞いなど、いろんな意味で役に立つ大学院生活の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%A4%A5%D5%A5%E9%A5%A4%A5%F3">ライフライン</a>です。いやマジで。<br />
そこで大学院進学を少しでも考えている人に、既存の勉強会を教えてあげようと思ったところ、いいデータベースがあるわけでもないので、自分で知っている範囲で公開しようと思ってます。いちおう主催の方に許可を取ってからにするので、また追記するかもしれません。<br />
本当は勉強会のためのウェブポータルサービスなどあったら良いのでしょうが、現状ありません。誰か作ってよ、まじで。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%CF%A4%C6%A4%CA">はてな</a>さんとかよ!</p><p>以下、興味がある人が連絡できるように、会の名前と主催者の連絡先、会の雰囲気をまとめてみますた。なにか問題があれば言ってください。</p>
<blockquote>
<ul>
<li>現代美学研究会
<ul>
<li>主催:私(@shinimai)aka.shinimaiじいめいる, 森( @conchucame)morinorihideほっとめいる</li>
<li>会を立ち上げたのは私でありましたが、実質、森君が積極的にやってくれています。基本的にはいわゆる「分析美学」、つまり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%D1%B8%EC%B7%F7">英語圏</a>の現在の美学についての論文などを読む会になっています。おそらく日本で分析美学や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%D1%B8%EC%B7%F7">英語圏</a>の美学について勉強するには一番素晴らしい人材が集まっているという自負があります。というか他にないねん。参加者は大学院生や学部生、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D7%A5%ED%A5%B0%A5%E9%A5%DE">プログラマ</a>など多様です。</li>
</ul></li>
<li>ロックの美学研究会
<ul>
<li>主催:私(@shinimai)aka.shinimaiじいめいる</li>
<li>これは完全に私が私の都合で今のところやっている勉強会です。Theodore Gracykの<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0822317435/shinimai-22/" target="_top">Rhythm and Noise: An Aesthetics of Rock</a>という本を読んでいます。名前の通りロックの美学です。音楽に関心がある様々な人が参加者です。</li>
</ul></li>
<li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BE%CD%CE%B2%BB%B3%DA">西洋音楽</a>美学研究会
<ul>
<li>主催:柴田 shibata_67kほっとめいる</li>
<li>これは私は参加していないですが、私の研究室で行われている、主にクラシックの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%BB%B3%DA%B3%D8">音楽学</a>、音楽美学の勉強会です。参加者は研究室の内部の人中心です。</li>
</ul></li>
<li>ゆるふわ(モテ)<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%C1%BC%A9%BE%E5%B3%D8">形而上学</a>研究会
<ul>
<li>主催:高田 nightlyあっとat-akada.org</li>
<li>ノリで付けた名前が結果として定着した悪い例ですね(笑)。私も初期から参加している<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%D1%B8%EC%B7%F7">英語圏</a>の現代の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%C1%BC%A9%BE%E5%B3%D8">形而上学</a>についての論文などを読む勉強会です。関わっている人は多岐に及び、哲学界隈の学会では妙な存在感を最近、放っています(笑)。基本的には<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%C1%BC%A9%BE%E5%B3%D8">形而上学</a>の文献を読むのですが、参加者は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%C1%BC%A9%BE%E5%B3%D8">形而上学</a>を学ぶ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D7%A5%ED%A5%B0%A5%E9%A5%DE">プログラマ</a>(笑)、メレオロジカルニヒリストの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D7%A5%ED%A5%B0%A5%E9%A5%DE">プログラマ</a>(笑)、優秀な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C0%B8%EC%B3%D8%BC%D4">言語学者</a>、某法学者(笑)などよく分からない優秀なメンツです。「ゆるふわ(モテ)<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%C1%BC%A9%BE%E5%B3%D8">形而上学</a>は現代の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%A3%A1%BC%A5%F3%B3%D8%C7%C9">ウィーン学派</a>なんだぉ」私は最近あまり参加出来ていないですが。</li>
</ul></li>
<li>ゲーム<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%BF%A5%C7%A5%A3%A1%BC">スタディー</a>ズ
<ul>
<li>主催:松永(@zmzizm) matsunagashinjiじいめいる</li>
<li>昨今のゲーム業界の現状を見て、私が人文系<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C7%A5%AA%A5%B2%A1%BC%A5%E0">ビデオゲーム</a>研究の発展のために松永くんをせっついて作らせた勉強会。人文系のゲーム研究者が集まっている勉強会はおそらくここだけ。今はGrant Tavinorという人の<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/Art-Videogames-New-Directions-Aesthetics/dp/1405187883%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D1405187883" target="_top">The Art of Videogames (New Directions in Aesthetics)</a></span>を読んでいる。分析美学系の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C7%A5%AA%A5%B2%A1%BC%A5%E0">ビデオゲーム</a>研究初の本だ。</li>
</ul></li>
</ul>
</blockquote>
<p>主催者に許可とれ次第、追記します。<br />
というか、みんなも勉強会晒ししようぜ!</p>
shinimai
ナード・サマー・オブ・ラブとしてのシュタインズゲート
hatenablog://entry/17680117127006702882
2012-04-10T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:28+09:00 このカテゴリでエントリを書くのは久しぶりだが、そもそもこの日記自体も久しぶり(最近はこっちで書いているhttp://shinimai.hatenablog.com/)。というかこのカテゴリを俺の妄想でしかないので間にウケないように。「ナード・サマー・オブ・ラブ」とは俺がことあることに提唱してきたタームであるが、本当のところいわゆる「特に意味はない」わけであるが、ゼロ年代の日本のユースカルチャーがドメスティックになっていた現状をそれなりに照らしているといえば聞こえがいいか。まあ個人的にこの文化のドメスティック・ターン自体には複雑な感想を抱いている私であるが、そしてそもそもお前が「ナード」とか言う…
<p>このカテゴリでエントリを書くのは久しぶりだが、そもそもこの日記自体も久しぶり(最近はこっちで書いている<a href="http://shinimai.hatenablog.com/">http://shinimai.hatenablog.com/</a>)。というかこのカテゴリを俺の妄想でしかないので間にウケないように。</p><p>「ナード・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%DE%A1%BC%A1%A6%A5%AA%A5%D6%A1%A6%A5%E9%A5%D6">サマー・オブ・ラブ</a>」とは俺がことあることに提唱してきたタームであるが、本当のところいわゆる「特に意味はない」わけであるが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BC%A5%ED%C7%AF%C2%E5">ゼロ年代</a>の日本のユースカルチャーがドメスティックになっていた現状をそれなりに照らしているといえば聞こえがいいか。まあ個人的にこの文化のドメスティック・ターン自体には複雑な感想を抱いている私であるが、そしてそもそもお前が「ナード」とか言うなとかニワカCINEとか言われても仕方ない立場だが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BC%A5%ED%C7%AF%C2%E5">ゼロ年代</a>末のいろいろな日本のユースカルチャーをそう呼ぼうがいいだろうと思う。</p><p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%A9%CD%D5%B8%B6">秋葉原</a>という土地が良い意味でも悪い意味でも象徴になったのは間違いなく、ネット発のレーベルが出て、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%A9%CD%D5%B8%B6">秋葉原</a>のクラブでアニソンで踊る人間が増え、ミクが海外でも天使だとか言われたとか、そんなの全部ウソくさくも思えるけど、末代の若者には「いや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BC%A5%ED%C7%AF%C2%E5">ゼロ年代</a>末はたしかにナード・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%DE%A1%BC%A1%A6%A5%AA%A5%D6%A1%A6%A5%E9%A5%D6">サマー・オブ・ラブ</a>だったんだよ」とか平気で嘘を言ってみたいのである<a href="#f-01adabaa" name="fn-01adabaa" title="もちろんその文化を支えた多くの人が地方在住者であることを忘れてはいけない。ただそれはウッドストックにはロック世代の極僅かしか参加できなかっただけなのかもしれない。">*1</a>。そしてその象徴の1つとして、09年リリースで10年が舞台の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E5%A5%BF%A5%A4%A5%F3%A5%BA%A5%B2%A1%BC%A5%C8">シュタインズゲート</a>があり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%DF%C6%F3%C9%C2">厨二病</a>がヒーローとして輝く瞬間があり、現実にラジ館に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CD%B9%A9%B1%D2%C0%B1">人工衛星</a>は表れたんだよと、ホラを吹きたいのだよ。そもそもアニメさえリアルタイムで見ていない自分がさも世紀の瞬間を目の当たりにしたかのように、「ああたしかにナード・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%DE%A1%BC%A1%A6%A5%AA%A5%D6%A1%A6%A5%E9%A5%D6">サマー・オブ・ラブ</a>はあった」とつぶやき、その頃には白衣がお洒落で語尾には必ず訳のわからない合言葉を話していたとか(さすがにそれはねーえよ)。</p><p>まあ本家の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%DE%A1%BC%A1%A6%A5%AA%A5%D6%A1%A6%A5%E9%A5%D6">サマー・オブ・ラブ</a>とかも実際のところ、後からの伝説化があってこそなんだろうから、こういう妄想ってそれなりに素敵なもんじゃないのかな。</p>
<div class="footnote">
<p class="footnote"><a href="#fn-01adabaa" name="f-01adabaa" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">もちろんその文化を支えた多くの人が地方在住者であることを忘れてはいけない。ただそれは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%C3%A5%C9%A5%B9%A5%C8%A5%C3%A5%AF">ウッドストック</a>にはロック世代の極僅かしか参加できなかっただけなのかもしれない。</span></p>
</div>
shinimai
■
hatenablog://entry/17680117127006702977
2012-01-20T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:30+09:00 迅速な対応に対するさらなる対応。 もとの書評とはいちおう切り離した議論として、すこしばかり意見をさしはさませてもらう。 ああ、最後に、一応もしかしたら万が一、ということで山形氏をフォローしておくと、山形氏は「物理的に判別できないものは、美的性質も同じになる」と考えているのかもしれません。これへの応答は、その「判別できない」をどう捉えるかによって二通りにわかれます。(1)「カテゴリーが違うけれども、見た目に差がない」という風に捉えるならば、もう上記の議論でその立場は退けられます。この立場にまだ固執するんなら、もうすこししっかりした議論が必要になります。かなり苦しい立場ですが、まぁやりたい人は頑張…
<p>迅速な対応に対するさらなる対応。<br />
もとの<a href="http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20120120">書評</a>とはいちおう切り離した議論として、すこしばかり意見をさしはさませてもらう。</p>
<blockquote>
<p>ああ、最後に、一応もしかしたら万が一、ということで山形氏をフォローしておくと、</p><p>山形氏は</p><p>「物理的に判別できないものは、美的性質も同じになる」と考えているのかもしれません。</p><p>これへの応答は、その「判別できない」をどう捉えるかによって二通りにわかれます。</p><p>(1)「カテゴリーが違うけれども、見た目に差がない」という風に捉えるならば、もう上記の議論でその立場は退けられます。この立場にまだ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C7%BC%B9">固執</a>するんなら、もうすこししっかりした議論が必要になります。かなり苦しい立場ですが、まぁやりたい人は頑張ってください。。</p><p>(2)「カテゴリー的にも判別不可能」というのであれば、美的性質は同じになりえますが、その場合、「それがプラスチックの木<である>かぎり」という西村の限定の外に出る話なので、西村への反論にはなりません。その場合、もう「プラスチックの木」とは見てないでしょ。<br />
<a href="http://d.hatena.ne.jp/conchucame/20120120">http://d.hatena.ne.jp/conchucame/20120120</a></p>
</blockquote>
<p>「物理的に判別できないものは、美的性質も同じになる」という主張は、もう少し洗練された言い方をすると「美的性質は物理的性質にスーパーヴィーンする」ということになる。スーパーヴィーニエンスについては適当に調べてもらうとして、あとスーパーヴィーニエンスをどう解釈するかに関してもとりあえず、置いておく。<br />
なんにせよ「美的性質は物理的性質にスーパーヴィーンする」と言いなおされた場合、上記の1、2の応答がどうなるかチェックしよう。<br />
1の場合、「もう上記の議論でその立場は退けられます」と言っているが、これがどの議論か実はブログではあまりよくわからない(オレが悪いのかもしれないが)。おそらく当該本のこの部分「そもそもプラスチックの木は、それがプラスチックの木<である>かぎり、たとえ完全なレプリカだとしてもその非美的で形式的、感覚的な面から見ても自然の木とはまるで違っており、それがひとをぎょっとさせ狼狽させるのである」(p.172)ということから、カテゴリーが異なる対象に対して、「非美的で形式的、感覚的な面から見ても」見た目が違うという議論を指しているのであろう。<br />
しかしそうだとすると、これは法外な主張といえる。なぜならば「完全なレプリカ」という表現は普通、「非美的で形式的、感覚的な面から見て」見た目が同じであることを含意すべきであるからだ。それ以外に「完全なレプリカ」を解釈する方法はないように思える。もしも、いや本当にもしもですが、「完全なレプリカ」が「物理的性質において同一」であることを意味すれば、これはさらに法外な主張になっているだろう。それは美的性質の物理的性質へのスーパーヴィーンを認めないばかりか、非美的性質、つまり単なる三角や四角(に見える)という形や赤や白といった色などの感覚的な性質が物理的性質にスーパーヴィーンしないということになる。もちろんこういう立場はないわけではない(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%D4%A5%A2%A1%E1%A5%A6%A5%A9%A1%BC%A5%D5%A4%CE%B2%BE%C0%E2">サピア=ウォーフの仮説</a>とか)。でも西村の主張は、本当にそんな主張をしているのだろうか?かなり疑問である。<br />
2に関して。そもそもこの「カテゴリー的にも判別不可能」という自体をどう解釈するかがちょっと文意的に読めない。もしも当該対象となるものが、どういうカテゴリーに属するのかが、物理的には判別できないという意味であるならば、カテゴリーとは当然、非物理的なものによって決定されているはずだ。当該ブログで「「自然の樹木」と「プラスチックの人工の木」では、そこに備わる歴史がまったく異なる」ということから推論して、対象の来歴に関することは物理的組成では判別できないということを認めるとしよう。(これはこれでじつは突っ込める問題であるかもしれない。多くの対象の来歴は物理的組成の分析で判別可能であるかもしれない。さらにはいわゆる関係的性質もまた物理的だとも言い得るかもしれない。)この場合、美的性質の物理的性質のスーパーヴィーニエンスを認めている場合、当然、美的性質は同じになるだろう。だがやはり西村の「非美的で形式的、感覚的な面から見ても」見た目がことなるという主張は、感覚的な性質の物理的性質へのスーパーヴィーンを認めないという上述の法外な主張になるだろう。<br />
以上から「美的性質は物理的性質にスーパーヴィーンする」ということがたとえ成り立たなくても、西村の主張していることは1や2では対応できない、というか美的性質以前の問題の「非美的で形式的、感覚的な面から見て」という表現がかなり問題含みだと思う。要は美的性質が来歴や文脈、またはカテゴリーといった単純な意味での物理的性質以外によって左右されることは認めても、普通の感覚的性質の物理的性質へのスーパーヴィーニエンスを認めないのはちょっと大胆すぎる主張だと思う。</p>
shinimai
■
hatenablog://entry/17680117127006703056
2011-12-24T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:32+09:00 お知らせはてなブログを始めました。 今後、どういう風に運用するかなぞだけど(ダイアリーは続けるのか?)とりあえずせっかくいろいろエンベットできるようになったので音楽ネタをブログでやっております。 http://shinimai.hatenablog.com/
<p>お知らせ</p><p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%CF%A4%C6%A4%CA%A5%D6%A5%ED%A5%B0">はてなブログ</a>を始めました。<br />
今後、どういう風に運用するかなぞだけど(ダイアリーは続けるのか?)とりあえずせっかくいろいろエンベットできるようになったので音楽ネタをブログでやっております。<br />
<a href="http://shinimai.hatenablog.com/">http://shinimai.hatenablog.com/</a></p>
shinimai
日々の糧
hatenablog://entry/17680117127006703111
2011-11-12T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:33+09:00 はてなブログ招待されないけど、更新する。はよ招待せえ、誰か。。。 Don't You Know Who I Think I Was: The Best ofReplacements まず買ったもの。相変わらずUSインディーの旅路についたまま、俺の一生は終わりそうだ。リプレイスメンツのベスト盤。ベスト盤以上の何ものでもないが、かなり安かったので買ってしまった。これでX世代のアンセムのBastards Of Youngやパワーポップアイドルを歌ったAlex Chiltonなどの名曲がいつでも聞ける。まじこれらの曲はおすすめ。今でも通用するかっこいいギターリフとポール・ウェスターバーグのパンク声にし…
<p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%CF%A4%C6%A4%CA%A5%D6%A5%ED%A5%B0">はてなブログ</a>招待されないけど、更新する。はよ招待せえ、誰か。。。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/Dont-You-Know-Who-Think/dp/B000ESSTNS%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB000ESSTNS" target="_top">Don't You Know Who I Think I Was: The Best of</a><br />Replacements <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/Dont-You-Know-Who-Think/dp/B000ESSTNS%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB000ESSTNS" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/5119GHoyNCL._SL160_.jpg" alt="B000ESSTNS" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
まず買ったもの。相変わらずUSインディーの旅路についたまま、俺の一生は終わりそうだ。リプレイスメンツのベスト盤。ベスト盤以上の何ものでもないが、かなり安かったので買ってしまった。これでX世代のアン<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%E0">セム</a>のBastards Of Youngや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%EF%A1%BC%A5%DD%A5%C3%A5%D7">パワーポップ</a>アイドルを歌ったAlex Chiltonなどの名曲がいつでも聞ける。まじこれらの曲はおすすめ。今でも通用するかっこいいギターリフとポール・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%A7%A5%B9%A5%BF">ウェスタ</a>ーバーグのパンク声にしびれる。<br />
<iframe width="420" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/6RYQ8Y-ObMw?wmode=transparent" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><br />
<iframe width="420" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/fl9KQ1Mub6Q?wmode=transparent" frameborder="0" allowfullscreen></iframe></p><p>CDはこのように特定の年代の特定のものしか聴かないが、その他では結構いろいろ聞いている。特に最近はBandcampから適当に音楽を発見するのが面白くなってきた。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/i%A5%A2%A5%D7%A5%EA">iアプリ</a>も無料で作られていて、ストリーミングだけでも楽しめる。なんと昨年、話題になったSufjan Stevensのこれも無料できける。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%BA-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%9B%A4%E3%81%AE%E3%81%BF-%E6%AD%8C%E8%A9%9E-%E5%AF%BE%E8%A8%B3%E4%BB%98-%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%83%B3%E3%82%B9/dp/B00400PSKI%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB00400PSKI" target="_top">ジ・エイジ・オブ・アッズ [日本盤のみ 歌詞/対訳付]</a><br />スフィアン・ス<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C6%A5%A3%A1%BC">ティー</a>ヴンス <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%BA-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%9B%A4%E3%81%AE%E3%81%BF-%E6%AD%8C%E8%A9%9E-%E5%AF%BE%E8%A8%B3%E4%BB%98-%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%83%B3%E3%82%B9/dp/B00400PSKI%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB00400PSKI" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51P0ATThppL._SL160_.jpg" alt="B00400PSKI" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
思ったほど気に入らなかったけど、このアルバム。というかせっかくBandcampで音楽を聴くなら、もっと変なものとか、コアなものとか、誰だかわからない音源のほうがたのしい。Bandcampの検索枠に好きなアニメとかゲームとか音楽と関係ないもので検索するのが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%CC%A5%CC%A5%E1">オヌヌメ</a>。よくわからん感じにヒットして面白い。<br />
そういったなかで見つけたのがコレとか。<br />
<a href="http://projectdolphin.bandcamp.com/">http://projectdolphin.bandcamp.com/</a><br />
<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Project%20Dolphin">Project Dolphin</a>という日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B2%A1%BC%A5%E0%B2%BB%B3%DA">ゲーム音楽</a>のバカテク<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%E5%A1%BC%A5%B8%A5%E7%A5%F3">フュージョン</a>カヴァーバンド。たぶん<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%C3%C8%B7">斑鳩</a>とか適当に好きな<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/STG">STG</a>の名前を検索してヒットしたと思われる。基本的に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%E5%A1%BC%A5%B8%A5%E7%A5%F3">フュージョン</a>が嫌いな俺だが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B2%A1%BC%A5%E0%B2%BB%B3%DA">ゲーム音楽</a>というくくりだと素直に受け入れられる、というかすごく新鮮な感じ。ライブビデオもあった。<br />
<iframe width="420" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/Dt-KQ1Vbu2o?wmode=transparent" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><br />
スト2のメドレーなのだが、素晴らしい。だがお客の盛り上がりから誰得感満載な雰囲気(笑)本人たちの真剣な演奏が逆にシュールだわ。<br />
しかしこういうとき、そのままBandcampの音源ぶち込めないのがはてダ終わってるなと、せっかくエンベットのフォーマットがいろいろ用意されているのだが・・・はやく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%CF%A4%C6%A4%CA%A5%D6%A5%ED%A5%B0">はてなブログ</a>使いたい。。<br />
ともあれ。</p>
shinimai
献本頂いたもの
hatenablog://entry/17680117127006703239
2011-11-02T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:36+09:00 前の著作に引き続き、大和田さんから献本。お金がないので非常に助かります。買う前でよかった(笑) 文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)長谷川町蔵 大和田俊之 すでに私のツイッター周りでは話題になっているこの本ですが、話題通り良い本でした(http://togetter.com/li/198779などを参照)。 もちろん、こういう音楽本は細かいこと言い出すとキリがないツッコミが入るので入門というところでバッサリわかりやすく切ってくれるのは本当に助かることだと思います。おおよそのヒップホップ/ラップの歴史については自分が知っているものとは特に違わなかったけど、ゲームやコンペティ…
<p><a href="http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20110517/p1">前の著作</a>に引き続き、大和田さんから献本。お金がないので非常に助かります。買う前でよかった(笑)<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%96%87%E5%8C%96%E7%B3%BB%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%83%92%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%9B%E3%83%83%E3%83%97%E5%85%A5%E9%96%80-%E3%81%84%E3%82%8A%E3%81%90%E3%81%A1%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%B9002-%E9%95%B7%E8%B0%B7%E5%B7%9D%E7%94%BA%E8%94%B5/dp/4903951472%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4903951472" target="_top">文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)</a><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C4%B9%C3%AB%C0%EE%C4%AE%C2%A2">長谷川町蔵</a> 大和田俊之 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%96%87%E5%8C%96%E7%B3%BB%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%83%92%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%9B%E3%83%83%E3%83%97%E5%85%A5%E9%96%80-%E3%81%84%E3%82%8A%E3%81%90%E3%81%A1%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%B9002-%E9%95%B7%E8%B0%B7%E5%B7%9D%E7%94%BA%E8%94%B5/dp/4903951472%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4903951472" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51drgAbu%2BDL._SL160_.jpg" alt="4903951472" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
すでに私の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C4%A5%A4%A5%C3%A5%BF%A1%BC">ツイッター</a>周りでは話題になっているこの本ですが、話題通り良い本でした(<a href="http://togetter.com/li/198779">http://togetter.com/li/198779</a>などを参照)。<br />
もちろん、こういう音楽本は細かいこと言い出すとキリがないツッコミが入るので入門というところでバッサリわかりやすく切ってくれるのは本当に助かることだと思います。おおよそのヒップホップ/ラップの歴史については自分が知っているものとは特に違わなかったけど、ゲームや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%F3%A5%DA%A5%C6%A5%A3%A5%B7%A5%E7%A5%F3">コンペティション</a>という部分を強調する長谷川、随所に黒人研究の視点を入れてくれる大和田の対談はわかりやすいし、刺激的。これを気にヒップホップ/ラップに入門というのもまんざらでもありません。<br />
大和田さんの前著からのながれでいうと、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%BB%B3%DA%BB%CB">音楽史</a>』の90年代以降の増補とも読める部分も多いです。例えば「アフロ=アジア的想像力」とか「ラテン化」あたりの議論は。<br />
残念なところは日本のラップ/ヒップホップにまったく触れられていないこと。まあこれは入門書として割り切るとしても、やっぱ今の若者にとっては<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CB%DC%B8%EC%A5%E9%A5%C3%A5%D7">日本語ラップ</a>のほうが入りやすいと思うし、それに見合うだけの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CB%DC%B8%EC%A5%E9%A5%C3%A5%D7">日本語ラップ</a>があるのになんだかもったいない気がする。続編に期待!<br />
以下、特別に面白かった場所をピックアップ。</p>
<blockquote>
<p>長谷川 <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EC%B3%A4%B4%DF">東海岸</a>のようにコンプレッションがかかったこもった音ではなくて、隙間を活かしたリヴァーブが効いた音なんです。これはロサンゼルスという地域性が大きいでしょうね。ニューヨークと違って、音楽が圧倒的にカーステレオで聴かれていますから。車で気持ちよく響く<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A6%A5%F3%A5%C9">サウンド</a>を志向したことで、音楽性が変質したところがあるんです。その点も郊外に住む白人にウケた理由なんでしょう。<br />
(126-127)</p><p>長谷川 それと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/BPM">BPM</a>が遅い。NWA時代の曲は110前後の曲が多いけど、このアルバムは90前後なんじゃないかな。最初に聴いたときはぜんぜんピンとこなかったんですけど、偶然カーステで聴いて、これは車で聴くための音楽なんだって分かったんです。<br />
(128)</p>
</blockquote>
<p>NWAから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C9%A5%AF%A5%BF%A1%BC%A1%A6%A5%C9%A5%EC%A1%BC">ドクター・ドレー</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E3%A5%F3%A5%B0%A5%B9%A5%BF">ギャングスタ</a>・ラップにおける<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A6%A5%F3%A5%C9">サウンド</a>・プロダクションの特徴の話。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/BPM">BPM</a>の低下については僕も同じ事を考えていたのだが、それがカーステであうっていう観点はなかった。むしろ、不良がダラダラとダラシなく歩くのにふさわしいのではと思っていたので。まあ実際にゴージャズなプロダクションのドレーの曲は確かにカーステに合いそう。というか完全に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GTA">GTA</a>的な気分にマッチするので、やっぱ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E3%A5%F3%A5%B0%A5%B9%A5%BF">ギャングスタ</a>という想像力は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C7%A5%AA%A5%B2%A1%BC%A5%E0">ビデオゲーム</a>と切り離すことはできないのでは?って思いますね。<br />
ところで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E3%A5%F3%A5%B0%A5%B9%A5%BF">ギャングスタ</a>系ラップの遅いテンポって、日本のヘッズに見られる手の上下運動に最適化されているという話もあって、この辺の感覚は日本と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カでは違うのかなーって思いますね。</p>
<blockquote>
<p>長谷川 とにかく90年代に起きた、ヒップホップ・ソウルから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C6%A5%A3%A5%F3%A5%D0%A5%E9%A5%F3%A5%C9">ティンバランド</a>の登場という出来事は、黒人の歌ものの歴史でも50年に1回くらいの革命的な事件だったと思うんです。日本のR&Bっぽい人の曲を聴いて残念なのは、この時代に起きた変化を分かっていないことなんですよ。漫然とニュージャック・スウィングから感覚がつながっちゃっている。<br />
(195-196)</p>
</blockquote>
<p>これはまったく同意なのだけど、例えばコレとか完全にソカってるんですが、どうなんでしょうかね(笑)。映像は関係ありませんよ。<br />
<iframe width="420" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/bGI5y0-91oA?wmode=transparent" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><br />
まあそれでも日本のヒットチャートに乗る音楽のほとんどは、良い意味でも悪い意味でもなく、ちゃんとAメロBメロサビみたいな構成まもってますよね。誰のためなんかと思いますが、正直、広告主のためだと思います。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EA%A5%EB%A1%A6%A5%A6%A5%A7%A5%A4%A5%F3">リル・ウェイン</a>の「アミリ」みたいな曲でタイアップとっても「どこがサビなんだ、どこをCMで使うのか」とキレられるだけですからね(笑)</p><p>あとリズムにおけるクラーベや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AB%A5%F3%A5%C9%A5%E9%A5%A4%A5%F3">セカンドライン</a>の導入は、ロックでも同時期やそれ以前から取り組まれていたことは、ロックオタとしては言及しておかなければいけないでしょう(笑)<br />
例えば<br />
<iframe width="420" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/nVCMLWtVN5E?wmode=transparent" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><br />
ドラムの手数が多い上に、音質のせいで聞き取りにくいとは思いますが、ここからカリブのビートを思い起こすのは無理ではないでしょう。そもそもロックンロールの初期の曲「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A1%A6%A5%D0%A5%F3%A5%D0">ラ・バンバ</a>」やガレージロックの名曲「ルイルイ」は明確にカリブ由来のものなので、それらに影響を受けている<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カのパンク/ハードコアはイギリスのスカ系とはまた違った形でカリブのビートが入っていると思います。なんたってブラックフラッグもルイルイはカヴァーしているし。<br />
<iframe width="420" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/tlMQKv0KbRE?wmode=transparent" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><br />
ドラムはともかく、このギターリフにはカリブを感じます。</p><p>あとこの本で取り上げられていたこれ<br />
<iframe width="420" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/7s7IbV3HCYg?wmode=transparent" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><br />
<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AB%A5%F3%A5%C9%A5%E9%A5%A4%A5%F3">セカンドライン</a>のリズムを延々と強弱だけ変えるという驚きの発想。<br />
これ聞いて思い出すのはやっぱこれ<br />
<iframe width="420" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/hTWKbfoikeg?wmode=transparent" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><br />
いちおうBメロらしきものがあるにしろ、イントロとAメロ、サビはほぼ同じコード・ベース進行。この楽曲において一番の魅力は結局のところ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%D5%A5%A7%A5%AF%A5%BF%A1%BC">エフェクター</a>のオンとオフで、サビに入るまえの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%D5%A5%A7%A5%AF%A5%BF%A1%BC">エフェクター</a>の踏み込みこそ命っていうのはコピーするとなおさらわかる。<br />
録音物で音楽を表現するようになったとき、我々は五線譜では表されない<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A6%A5%F3%A5%C9">サウンド</a>を味わうようになったわけだけど、端的に音量や音圧ってものも表現の一部なんじゃないってこの二つの例から十分言えそう。</p><br />
<p>なんか全般的にラップの新しいところ、ロックにもあるぞ、みたいなイヤラシいツッコミになってしまったが(笑)、実際のところロックを研究している人が少ない以上、見逃すことはできないのである。</p>
shinimai
読んだもので書いてない読書メモまとめてどーん
hatenablog://entry/17680117127006703319
2011-10-01T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:38+09:00 読書メモっていっても思い出して書いてるからメモじゃないかも パチンコがアニメだらけになった理由(わけ)安藤 健二 某パチンコファンに借りて読んだ本。ネットでも話題になったから読んだ人も多かろうが、なかなか興味深い本であった。どちらも共に斜陽産業であるパチンコとアニメ制作が結託してサバイブしているってのは予想していたどおりだけど、一番感銘を受けたのはパチンコ化するアニメを選ぶところ。当たり前だけどただ売れているアニメを手当たり次第に版権勝手パチンコにしているわけではない。パチンコ制作会社はパチンコ化しやすいアニメに話を持っていくのこと。要するにバトル要素が強くてパチンコの演出になじむものってこと…
<p>読書メモっていっても思い出して書いてるからメモじゃないかも<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%91%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%81%8C%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1%E3%81%A0%E3%82%89%E3%81%91%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%90%86%E7%94%B1%EF%BC%88%E3%82%8F%E3%81%91%EF%BC%89-%E5%AE%89%E8%97%A4-%E5%81%A5%E4%BA%8C/dp/4862485081%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4862485081" target="_top">パチンコがアニメだらけになった理由(わけ)</a><br />安藤 健二 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%91%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%81%8C%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1%E3%81%A0%E3%82%89%E3%81%91%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%90%86%E7%94%B1%EF%BC%88%E3%82%8F%E3%81%91%EF%BC%89-%E5%AE%89%E8%97%A4-%E5%81%A5%E4%BA%8C/dp/4862485081%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4862485081" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/415MS%2BLed7L._SL160_.jpg" alt="4862485081" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
某パチンコファンに借りて読んだ本。ネットでも話題になったから読んだ人も多かろうが、なかなか興味深い本であった。どちらも共に斜陽産業であるパチンコとアニメ制作が結託してサバイブしているってのは予想していたどおりだけど、一番感銘を受けたのはパチンコ化するアニメを選ぶところ。当たり前だけどただ売れているアニメを手当たり次第に版権勝手パチンコにしているわけではない。パチンコ制作会社はパチンコ化しやすいアニメに話を持っていくのこと。要するにバトル要素が強くてパチンコの演出になじむものってことなんだけど、これって完全に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B2%A1%BC%A5%E0%A5%C7%A5%B6%A5%A4%A5%F3">ゲームデザイン</a>のためにふさわしい物語を探すってことで、最近の私のテーマに非常になじむ。しかも現在のパチンコは完全にただの電子ルーレットになっているから、ゲームのシステム自体をデザインすることはほぼできない。あるのは演出、演出、演出。これってジャンル化の極みにある和ゲーと同じじゃんと納得しました。だからかー!一部の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%D1%A5%ED%A5%DC">スパロボ</a>とか和<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>はとかコンボゲーとか<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%C6%CB%EB">弾幕</a><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/STG">STG</a>のパチ臭さはクサさだけではなく、コアの部分に同じものがあったのだ。つまり、「ゲームはこれまでと同じで良い。必要なのは派手な演出だ!」というよくもわるくも日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B2%A1%BC%A5%E0%A5%C7%A5%B6%A5%A4%A5%F3">ゲームデザイン</a>のあり方を図らずも抉った本でした。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%BA-%E5%8D%98%E8%A1%8C%E6%9C%AC-%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%B3/dp/4903951405%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4903951405" target="_top">音楽のカルチュラル・スタディーズ [単行本]</a><br />マーティン・クレイトン <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A5%EC%A5%F4">トレヴ</a>ァー・ハーバート リチャード・ミドルトンほか 若尾裕 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%BA-%E5%8D%98%E8%A1%8C%E6%9C%AC-%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%B3/dp/4903951405%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4903951405" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51NaHfbn7XL._SL160_.jpg" alt="4903951405" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
かなり前に読んだ。論集であるわけだから個別のことまでここでかけないが、正直あまりいい訳ではない。アルテスさんはこういう本を訳してくれるのはうれしいのだが、正直出来がすこしわるい。自分はこの原著を大学のゼミで読んだのだが、そもそも良くない論文もあるけど、全体の趣旨を訳者らが理解していないのではないかというところがちらほら。なによりも原題が「The Cultural Study of Music」って「カルチュラル<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%BF%A5%C7%A5%A3%A1%BC">スタディー</a>ズ」にあえてしていないことをあまり踏まえていない。ミドルトンの書く序論を読めば、90年代以降のニューミュージコロ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A1%BC">ジー</a>やカルチュラル<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%BF%A5%C7%A5%A3%A1%BC">スタディー</a>ズにこの本が一定の批判的立場や距離をおく姿勢が分かるはずだ。だからこそイアン・クロスのような進化論と音楽の関係のような今までのカルスタではありえない視点があるのに・・・良い論文だけまたこんどコメントしたいが、論文の内容をゆがめる日本語サブタイトルはやめていただきたい。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%95%99%E9%A4%8A%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%AE%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%8F%B2-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%A4%9A%E6%A0%B9-%E6%B8%85%E5%8F%B2/dp/4480066233%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4480066233" target="_top">教養としてのゲーム史 (ちくま新書)</a><br />多根 清史 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%95%99%E9%A4%8A%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%AE%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%8F%B2-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%A4%9A%E6%A0%B9-%E6%B8%85%E5%8F%B2/dp/4480066233%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4480066233" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41n4z0RCSjL._SL160_.jpg" alt="4480066233" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
これは最近の新書。ようやくこの手の本が出てきたかという日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C7%A5%AA%A5%B2%A1%BC%A5%E0">ビデオゲーム</a>文化なのであるが、まあよくも悪くも新書としての新書。そもそもゲームのことよく知っている人にとっては当たり前のことしか書いてはないが、それでもなにかゲームについて書く時、ブログを引用するのではなく、こうして書籍になっているものを引用できるのはありがたい。それが書籍化される意義だが、参考文献リストくらいは欲しかった。</p>
shinimai
失敗のデザイニング:アングリーバードの成功から学ぶ。
hatenablog://entry/17680117127006703441
2011-09-12T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:41+09:00 とある事情で今、スマホ向けのアプリをかなりやっているわけだが、いわゆる「カジュアル革命」(Juulの言葉)以降のゲームデザインにとって何が重要か、クソみたいなアプリを100はプレイしてきたのでちょっとわかってきた。もちろん一つのゲームデザインの方向だけが重要だと言うわけではなく、いかに広いターゲットにゲームをプレイしてもらうかに関して日本のゲームデザインが忘れがちであることを指摘しておく。 今回の事例はアングリーバード。さすがに名前くらいは知っているだろうが、2010年でもっとも成功したゲームと言われている。クロームで無料で遊べるので、知らない人ややったことない人はひとつやってみてほしい。 h…
<p>とある事情で今、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A5%DB">スマホ</a>向けのアプリをかなりやっているわけだが、いわゆる「カジュアル革命」(Juulの言葉)以降の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B2%A1%BC%A5%E0%A5%C7%A5%B6%A5%A4%A5%F3">ゲームデザイン</a>にとって何が重要か、クソみたいなアプリを100はプレイしてきたのでちょっとわかってきた。もちろん一つの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B2%A1%BC%A5%E0%A5%C7%A5%B6%A5%A4%A5%F3">ゲームデザイン</a>の方向だけが重要だと言うわけではなく、いかに広いターゲットにゲームをプレイしてもらうかに関して日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B2%A1%BC%A5%E0%A5%C7%A5%B6%A5%A4%A5%F3">ゲームデザイン</a>が忘れがちであることを指摘しておく。<br />
今回の事例はアングリーバード。さすがに名前くらいは知っているだろうが、2010年でもっとも成功したゲームと言われている。ク<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A1%BC%A5%E0">ローム</a>で無料で遊べるので、知らない人ややったことない人はひとつやってみてほしい。<br />
<a href="http://chrome.angrybirds.com/">http://chrome.angrybirds.com/</a><br />
やった方にはこう質問してみたい。「これ簡単なゲーム?難しくない?」と。<br />
私自身ももちろんやったことあるんだが、正直難しいと思う。もちろん、最初の方のステージは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C1%A5%E5%A1%BC%A5%C8%A5%EA%A5%A2%A5%EB">チュートリアル</a>的に作ってあるから簡単なのだが、途中で必ず詰まるというか、「オイ、どうやったらクリアできるんだよ」的な状況に陥る。もちろん、ゲームバランスはかなりうまく調整されているため、一つのレベルで30分も悩むことは稀だが、30回はやり直しすることは普通なのだ。<br />
さて問題はこうだ。「どちらかといえばヌルゲーというより、ムズゲーのアングリーバードがなんでこんなにヒットしたのか?」もちろんいろんな理由はあるだろう。言語依存しないシンプルなルール、キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ター性やボリュームの多さなど。でも本質的なことはおそらくそういった問題ではない。これほど手間というかぶっちゃけ全部クリアするのに時間がかかり、完全に現代人の生産性を削いでいるゲームには何か秘密があるはずだ。それが今回のタイトル「失敗のデザイニング」だ。<br />
ゲームには当然、ルールと目的があり、ある目的を達成することによって我々はゲームに楽しみを覚える。もちろん思ったとおりに目的を達成できないことは多く、そのようないわゆる焦らしもゲームの重要な楽しみだ(というかやすやすと目的を達成できすぎると楽しみを感じない。ルドロ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A1%BC">ジー</a>でいうところのチャンクとかいうやつが必要なのだ)。そしてこの焦らしの一つのあり方として、あるゲームのプレイに失敗した状況をいかに演出するかということが、この「失敗のデザイニング」なのである。<br />
思うに、アングリーバードは純粋にステージをクリアすることだけを目標にすると、ひたすら地味なゲームである。やることは変な顔のトリをブタに投げつけるだけで、何度のも試行錯誤によってクリアにいたる。(まあトリの種類の使い分けっていう要素があるにせよ、これが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A5%E9%A5%A4%A5%A2%A5%F3%A5%C9%A5%A8%A5%E9%A1%BC">トライアンドエラー</a>によって攻略するものにはかわりはない。)私も何十ステージかやってみて「ああ不毛だな(だって同じことの繰り返しだし、これ上手くなるとかそういう要素は薄い。というか上手くなっても嬉しくねえっ)」とは思いながらも、これほど単純なゲームをここまで続けさせられるとは想定していなかった。そこでなんでこんな「不毛な」ゲームに人はハマるのだろうと、考えた結果、これはクリアする楽しみのためにゲームがデザインされているというよりも、失敗する楽しみのためにゲームがデザインされているのだろうと結論したのである。<br />
アングリーバードは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%AA%CD%FD%A5%A8%A5%F3%A5%B8%A5%F3">物理エンジン</a>を採用している。そのため、ある一つのプレイが及ぼす状況が非常に多彩なわけである。だがこれ自体は、現在のカジュアルなゲームでありがちな「単純なインプットにリッチなレスポンス」という発想であって、とりたてて特別なことはない。しかしアングリーバードが特別なのは、目標の達成に対してリッチなレスポンスを行うというよりも、失敗も含めた状況、というか普通にやっていてたら失敗のほうが圧倒的に多いその状況に対して、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%AA%CD%FD%A5%A8%A5%F3%A5%B8%A5%F3">物理エンジン</a>が結果として巧みな演出を行っていると解釈できるのである。たぶんどちらかといえば、これは狙って作られたというよりも、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%AA%CD%FD%A5%A8%A5%F3%A5%B8%A5%F3">物理エンジン</a>というゲームシステムのユニットの本質が偶発的に生み出した面白さなのであろうが、アングリーバードはあるレベルで詰まったとしても、クリアができない状況にいらいらしない。というか、クリアできなくても、なんとなく面白いし、「あっミスった!」と思っても「えっ!?」という感じに偶発的にクリアしてしまうことも多いのである。</p><br />
<p>この失敗したときにどうなるのかという観点は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B2%A1%BC%A5%E0%A5%C7%A5%B6%A5%A4%A5%F3">ゲームデザイン</a>、特にカジュアルなゲームにとって非常に重要だと思うのだが、日本の伝統的な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C7%A5%AA%A5%B2%A1%BC%A5%E0">ビデオゲーム</a>はこの点をあまり考えてこなかったように思えるのだ。例えば、古典的な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/STG">STG</a>だと自機がやられると、1ミスになって復帰するだけで、ミスしたことによる演出はあっても爆発とかそのくらい。さらに全機ミスった場合はなんとなくムカつくBGM(笑)と「GAME OVER」なる文字が見えるだけで、際立った演出がないのが普通である。これはアクションや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>でもだいたい一緒で、ミス時の復帰ポイントで難易度調整したりすることはあっても、ミスそのものを楽しむ要素として見せてくれるゲームって少なかったように思える。<br />
一方、クリア時に関しては壮大なエンドロールやエンディングを作ることでプレイヤーに餌をばらまいてきた感があった。だから、多くのプレイヤーはクリアすることを目標にやっていて、ミスはなるべくさけるもの、できればないものだとみなしがちだ。一方、アングリーバードに関して、クリアすることが最終的な楽しみになっている人はそんなにいないのではないだろうか?だいたいが半端ないボリュームであるわけだし、たとえクリアしてもロビオ社がどんどんステージを開発してきやがる(笑)。熱心なファンはその全てをクリアしているんだろうけど、多くのプレイヤーはたいていどこかの段階で飽きるわけだ。でも全ステージをクリアする前に飽きたとしても、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>などにありがちな残尿感(?)は希薄で、別にどうったことない。というか、こんなもの全クリするほうがおかしいわいというようなデザインが最初から仕込まれているわけである。</p><br />
<p>ところでこの「失敗のデザイニング」については、アングリーバードをプレイするだけで気づいたわけではない。もう一つのきっかけがあったのである。それは有名な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E3%A5%F3%A5%B0%A5%B9%A5%BF">ギャングスタ</a>ゲーム<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GTA">GTA</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/iPhone%A5%A2%A5%D7%A5%EA">iPhoneアプリ</a>版『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Grand%20Theft%20Auto">Grand Theft Auto</a>: Chinatown Wars』である。</p><p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GTA">GTA</a>の革新性として言われることはその自由度の高さであったのであるが、それがどういう意味でゲームとしての楽しさを作っているのかに謎だったのである。というのも、ゲームにおける自由度の高さって逆に目標の希薄さにつながるため、いいところばっかりではないはずだから。もちろん、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/iPhone">iPhone</a>版の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GTA">GTA</a>がオリジナルの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GTA">GTA</a>の楽しさをどの程度、反映させているかは分からないが、コアの部分は一緒だろうと推測すると、その楽しさは何かを達成するというよりも、まさにギャングになるというロールプレイ、どちらかといえば<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B4%A4%C3%A4%B3">ごっこ</a>遊び、それもかなりリッチでクールな<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B4%A4%C3%A4%B3">ごっこ</a>遊びにあるのだという結論に至った。<br />
というのも、いわゆるクリアを目標とするゲームとしては<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/iPhone">iPhone</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GTA">GTA</a>はつまらないというか、単調。基本的にはなんか頭が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%AB">イカ</a>れているボスに酷い命令を指示されて、人殺したり、車ぶっ壊したりするだけ。なんだかやっててトホホ感が強い。(だたこのめんどくささは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%BC%BE%E5%BD%D5%BC%F9">村上春樹</a>的な「やれやれ」に通じる、ハードボイルドな俺がクソなミッションにつきあってやってる感をうまく出しているわけだ。)それでも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GTA">GTA</a>がリアルな<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B4%A4%C3%A4%B3">ごっこ</a>遊びとして通用するのは、その一つ一つの作り込みの細かさであり、それはカーステレオで選局を行ったり、セーブからコンフィグに至るまで「ゲーム内の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PDA">PDA</a>」を使って操作するという徹底的な箱庭感である。<br />
そして失敗のデザイニングである。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GTA">GTA</a>は基本的にはミッションをクリアすることで話が展開していくが、あるミッションに失敗するケースは複数ある。ポリ公につかまってブタ箱に入れられるか、事故なんかにあって病院送りにされるかである。しかしどういう失敗のケースでも、単なる「ゲームオーバー」は存在しない。常に「ゲーム内世界」の失敗としてそれが演出されているのだ。このことには驚いたのである。</p><br />
<p>思うに、日本の古典的なゲームはプレイヤーとゲーム側の勝負に重きを置いているため、あるミスや失敗がゲーム内でどのようなものであるかに自覚的ではなかった。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/STG">STG</a>、アクションでは端的にゲームオーバーやなんらかのペナルティが課されるぐらいであり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>も似たり寄ったり。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C9%A5%E9%A5%AF%A5%A8">ドラクエ</a>でもよくわからんプロセスによって主人公が復活させられ、王様にお叱りをうけるくらいだ。本当はもっとゲーム内で説明してもいいのかもしれない。なぜ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/STG">STG</a>の自機は数機ストックがあるのか、主人公はなぜ死んでも生き返るのか。そういうゲームジャンルごとのルールを暗黙の了解として慣習法化してきたのが日本のゲームであるならば、少なくとも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GTA">GTA</a>などの海外ゲームは一から「セーブとはプレイヤーキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターがコンピューターにログインデータを残すことだ」というように考えている感を強く感じる。そして失敗のデザイニングにおいても、単なるゲームオーバー以上の演出がなされている。<br />
このようにアングリーバードと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GTA">GTA</a>という極端に違ったゲームでも、クリアを目標とする以外のところに対するデザイニングに明確なセンスを感じるものは、一部のコアゲーマー以外にも比較的にアピールしやすいように思える。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%B8%A5%E5%A5%A2%A5%EB%A5%B2%A1%BC%A5%E0">カジュアルゲーム</a>という言葉で何が意味されているのかは、たいてい曖昧であるが、ゲームに慣れていない多くの人にやってもらうためにはこういった失敗のデザインに費やすことが必要だと思う。</p><p>===追記(2013/03/10)===<br />
いくつかの表現を改めた。理由は現在から見て、私とゲームの関わりが変化していることによる。正直言えば、今から見るといろいろと浅はかさが目立って恥ずかしかった部分もある。逆に言えば人は成長するものだ。ただエントリの内容は特に変わっておらず、この時に考えたことは今でもそれなりに意味を持つ。ただ今の自分から見ると、表現として気に食わない部分があったのだ。</p>
shinimai
サイバーバロックの系譜2:弐瓶勉とサイバーバロック?
hatenablog://entry/17680117127006703602
2011-07-21T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:45+09:00 前回のエントリ(http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20110609/p1)が好評だったら続き書くとか行ってたけど、実際には自分の好き勝手やってるだけで、サイバーバロックという空想概念を駆使して自分の好きなものを他人に勧める俺ワールドを展開したいだけです。ともあれ、期待してお読みいただいた方々にも納得行けるようなお話をデッチあげられればと思い、今回は弐瓶勉について。 正直、私は弐瓶ファンとしてはかなりのニワカでして、そもそもあんまりマンガを読まないせいもあるんですが、ふとしたきっかけ(実はそのきっかけこそ、このエントリのシリーズの要だったりするんですが、それはまだ隠し…
<p>前回のエントリ(<a href="http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20110609/p1">http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20110609/p1</a>)が好評だったら続き書くとか行ってたけど、実際には自分の好き勝手やってるだけで、サイバー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>という空想概念を駆使して自分の好きなものを他人に勧める俺ワールドを展開したいだけです。ともあれ、期待してお読みいただいた方々にも納得行けるようなお話をデッチあげられればと思い、今回は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%F5%C9%D3%CA%D9">弐瓶勉</a>について。<br />
正直、私は弐瓶ファンとしてはかなりのニワカでして、そもそもあんまりマンガを読まないせいもあるんですが、ふとしたきっかけ(実はそのきっかけこそ、このエントリのシリーズの要だったりするんですが、それはまだ隠しときます(笑)に弐瓶作品を読み、すぐに虜になりました。<br />
そうこう読む内に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%F5%C9%D3%CA%D9">弐瓶勉</a>作品がどういう系譜にあるのかも当然考えて、まあ作品から明白に取れる意匠はたくさんあれど(例えば<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/BLAME%21">BLAME!</a>のセーフガードが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EA%A5%B9%A1%A6%A5%AB%A5%CB%A5%F3%A5%AC%A5%E0">クリス・カニンガム</a>のロボットデザインだとか。でもそもそもああいうアンドロイド的デザインの元ってなんでしょうね。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%EA%A5%C3%A5%C4%A1%A6%A5%E9%A5%F3%A5%B0">フリッツ・ラング</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%C8%A5%ED%A5%DD%A5%EA%A5%B9">メトロポリス</a>あたりだと思うんですが。あとこの手のデザインはアニメだと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Ergo%20Proxy">Ergo Proxy</a>がモロやってますよね。あれはむしろ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%F5%C9%D3%CA%D9">弐瓶勉</a>デザインだわって。)自分的には何に位置づけるかを考えてきました。<br />
まあそもそも今は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%C9%A5%CB%A5%A2%A4%CE%B5%B3%BB%CE">シドニアの騎士</a>で、何故か王道(萌え)ロボット漫画をやっているわけで、弐瓶作品を一つの軸でくくるのが暴挙である(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/BLAME%21">BLAME!</a>学園もあるし…)のを承知しつつ考えていっても、実のところ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/BLAME%21">BLAME!</a>にしてもあれを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>っていうのは無理があるのではないだろうかって思います。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/BLAME%EF%BC%81%EF%BC%882%EF%BC%89-%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%BF%E3%83%8C%E3%83%BC%E3%83%B3KC-%E5%BC%90%E7%93%B6-%E5%8B%89/dp/4063141942%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4063141942" target="_top">BLAME!(2) (アフタヌーンKC)</a><br />弐瓶 勉 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/BLAME%EF%BC%81%EF%BC%882%EF%BC%89-%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%BF%E3%83%8C%E3%83%BC%E3%83%B3KC-%E5%BC%90%E7%93%B6-%E5%8B%89/dp/4063141942%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4063141942" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/2116YH6M0GL._SL160_.jpg" alt="4063141942" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
<span class="deco" style="font-size:large;color:#CC3300;">デビュー作(?)の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/BLAME%21">BLAME!</a> 拳銃いや違った<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%C5%CE%CF%BB%D2%CA%FC%BC%CD%C0%FE%BC%CD%BD%D0%C1%F5%C3%D6">重力子放射線射出装置</a>(笑)がフィーチャー</span></p><p><span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%89%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%81%AE%E9%A8%8E%E5%A3%AB%EF%BC%883%EF%BC%89-%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%BF%E3%83%8C%E3%83%BC%E3%83%B3KC-%E5%BC%90%E7%93%B6-%E5%8B%89/dp/4063106802%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4063106802" target="_top">シドニアの騎士(3) (アフタヌーンKC)</a><br />弐瓶 勉 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%89%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%81%AE%E9%A8%8E%E5%A3%AB%EF%BC%883%EF%BC%89-%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%BF%E3%83%8C%E3%83%BC%E3%83%B3KC-%E5%BC%90%E7%93%B6-%E5%8B%89/dp/4063106802%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4063106802" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/61lNUdOjcXL._SL160_.jpg" alt="4063106802" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
<span class="deco" style="font-size:large;color:#CC3300;"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%C9%A5%CB%A5%A2%A4%CE%B5%B3%BB%CE">シドニアの騎士</a>!ついに大々的に萌えに走った(笑)</span><br />
もちろん、「日本的な文脈」における<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>の要素は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/BLAME%21">BLAME!</a>にはあると思います。なによりも主人公が無口で孤独で、一人で拳銃をぶっ放すあたりが、まさに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%EC%A1%BC%A5%C9%A5%E9%A5%F3%A5%CA%A1%BC">ブレードランナー</a>というか、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%EC%A1%BC%A5%C9%A5%E9%A5%F3%A5%CA%A1%BC">ブレードランナー</a>以外のなにものでもない。でも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>にとっての拳銃ってたまたま<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%EC%A1%BC%A5%C9%A5%E9%A5%F3%A5%CA%A1%BC">ブレードランナー</a>がそうであっただけなような気がして本質的な要素だとは思えない。もちろんハードボイルドの要素はもともとの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>にもあるとは思いますが、なんで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%C3%A5%AB%A1%BC%A5%C9">デッカード</a>はそんな貧素な武器で大層な任務を遂行せなならんのか(笑)とつっこみいれたくなります。<br />
で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/BLAME%21">BLAME!</a>なんですが、この話、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>的にというかそもそも電脳世界を描いた物語のなかでもかなり異質です。ってのは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/BLAME%21">BLAME!</a>における<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%B9%A5%DA%A1%BC%A5%B9">サイバースペース</a>にあたる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CD%A5%C3%A5%C8%A5%B9%A5%D5%A5%A3%A5%A2">ネットスフィア</a>は、そもそも誰もアクセスできない状態で、実際に物語の描写においても、描かれるのは荒廃した遠未来の現実世界、あのメガスト<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>チャーばかりだから。つまり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/BLAME%21">BLAME!</a>とはどちらかといえば反転した<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>というか、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%B9%A5%DA%A1%BC%A5%B9">サイバースペース</a>に入れないけどよくわからん現実世界におるっていう話なのであり、その現実世界がすべて機械で作られているという逆説的設定なのだ。そしてこの設定でこそ「大地って何だ。」という霧亥のセリフが生きて、シボが垣間見る<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CD%A5%C3%A5%C8%A5%B9%A5%D5%A5%A3%A5%A2">ネットスフィア</a>の映像がすごく感動的なんだけど、あれってつまりウィンドウズOSの背景だよねっていうドライな笑いをさそっている。<br />
なんか脇道それたけど、つまり言いたいことは一番<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>に近そう(っていうかそう言われるときもある)<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/BLAME%21">BLAME!</a>にあっても<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>とは違うなにか成分の方が大きいってことが言いたかったわけです。そうして<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>にこだわらず弐瓶作品を考えると実際には、なんだかわからんけどカッコイイ豪華なガジェット、ヒロイックな主人公と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%E4%C2%D0%B2%A6%C0%AF">絶対王政</a>的権力、個人の内面を描く以上に全体のシステムを描く、そういった意味ではサイバー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>として読めてこないか?っとなるのです。<br />
<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%C9%A5%CB%A5%A2%A4%CE%B5%B3%BB%CE">シドニアの騎士</a>にしても、あれは確かに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%F5%C9%D3%CA%D9">弐瓶勉</a>にとってはかなり大胆な作風の転換なんだと思うけど、サイバー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>として見た場合(まあどこがサイバーなんだよwwっていうツッコミは置いといて)、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EF%A5%A4%A5%C9%A5%B9%A5%AF%A5%EA%A1%BC%A5%F3%A1%A6%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">ワイドスクリーン・バロック</a>的なヒロイックストーリーってことに収まる。だいたいのところ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%F5%C9%D3%CA%D9">弐瓶勉</a>のキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターはもともとの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>的な一人称的語りや個人の内面の探求というよりも、もっと様式化された見た目のカッコ良さ成分が強めであったわけだから、それがちょっとコミカルな要素に触れて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%C9%A5%CB%A5%A2%A4%CE%B5%B3%BB%CE">シドニアの騎士</a>の主人公の谷風長道になってもおかしくもない。そもそもが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/BLAME%21">BLAME!</a>の主人公の霧亥だってどこか可笑しさを誘うキャラであったわけであるから。<br />
と、そういう表層的な意味での類似性を置いといても、やはり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%F5%C9%D3%CA%D9">弐瓶勉</a>作品の一貫したモチーフは巨大建築であることはまちがいない。そしてその意味においてもやはりこれは個人というミクロの内部の広大な領域を描く傾向にある<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>というよりも、絶対的な巨大な建築(権力)の中で翻弄させられるミクロなヒーローというサイバー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>的要素(というのをまあ俺が言ってるだけなんだけど)に溢れていないだろうか?<br />
ちなみに以前、このサイバー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>の話をしたとき<a href="http://blog.hatena.ne.jp/inumash/">id:inumash</a>さんに「こういう話をするなら『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/CASSHERN">CASSHERN</a>』(というか<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%AA%CE%A4%C3%AB%CF%C2%CC%C0">紀里谷和明</a>)を外すことはできないと思うんだ」という指摘を受けて、映画版<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/CASSHERN">CASSHERN</a>のカッコイイシーンだけネットでみたんだけど(全部見なくてすみませぬ…)、あったしかにこれは自分が思っている意味でのサイバー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>だと感じた。確かに紀里谷のPVとかSF的要素が異常にど派手なビジュアルと混合していて、まああくまでも表面的な意味でサイバー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>的要素に満ちていると思うし、前回触れたアニメ『岩窟王』にも近いと感じた。<br />
それでまたこれが運命のヘンテコな出会いみたいんだけど、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%F5%C9%D3%CA%D9">弐瓶勉</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%AA%A5%E1%A5%AC">バイオメガ</a>をちょっと読んで、あれこれ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AD%A5%E3%A5%B7%A5%E3%A1%BC%A5%F3">キャシャーン</a>じゃないって思ったら、非常に腑に落ちたわけです。まあそもそもオリジナルのアニメの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AD%A5%E3%A5%B7%A5%E3%A1%BC%A5%F3">キャシャーン</a>を見てないからちょっとよくわからないんだけど、たぶんオリジナルの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AD%A5%E3%A5%B7%A5%E3%A1%BC%A5%F3">キャシャーン</a>の設定にもサイバー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>の要素ってのがあって、それが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%F5%C9%D3%CA%D9">弐瓶勉</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%AA%A5%E1%A5%AC">バイオメガ</a>に影響を与え、オリジナルの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AD%A5%E3%A5%B7%A5%E3%A1%BC%A5%F3">キャシャーン</a>を映画化するに当たって紀里谷が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%F5%C9%D3%CA%D9">弐瓶勉</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%AA%A5%E1%A5%AC">バイオメガ</a>をモチーフとした当たりの流れがかなりありそう(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%A7%C2%BF%C5%C4%A5%D2%A5%AB%A5%EB">宇多田ヒカル</a>は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%AA%A5%E1%A5%AC">バイオメガ</a>の帯を書いているんだけど、どうも当時の夫に勧められて読んだ可能性があるらしいから)。<br />
まあ本当にザレゴトなんで別に落ちとかないんだけど、俺のなかではこれからは「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%F5%C9%D3%CA%D9">弐瓶勉</a>はサイバー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>!」ということになりました(笑)。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/BIOMEGA-6-%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%97%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E5%BC%90%E7%93%B6-%E5%8B%89/dp/4088776224%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4088776224" target="_top">BIOMEGA 6 (ヤングジャンプコミックス)</a><br />弐瓶 勉 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/BIOMEGA-6-%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%97%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E5%BC%90%E7%93%B6-%E5%8B%89/dp/4088776224%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4088776224" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51qEzRqG6NL._SL160_.jpg" alt="4088776224" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
<span class="deco" style="font-size:large;color:#CC3300;">圧倒的な巨大さがまさに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>!</span><br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/CASSHERN-DVD-%E7%B4%80%E9%87%8C%E8%B0%B7%E5%92%8C%E6%98%8E/dp/B0001A7D0O%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB0001A7D0O" target="_top">CASSHERN [DVD]</a><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%AA%CE%A4%C3%AB%CF%C2%CC%C0">紀里谷和明</a> <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/CASSHERN-DVD-%E7%B4%80%E9%87%8C%E8%B0%B7%E5%92%8C%E6%98%8E/dp/B0001A7D0O%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB0001A7D0O" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51BKQF40X5L._SL160_.jpg" alt="B0001A7D0O" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
<span class="deco" style="font-size:large;color:#CC3300;">今見ると思った以上にデザインが弐瓶的だった件ww</span></p>
shinimai
とうのむかしに読んだ
hatenablog://entry/17680117127006703707
2011-07-13T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:47+09:00 いろいろと忙しくてブログの更新が滞るが、一応読書メモくらいつけておきたいので。まあそもそも文章書くような仕事に付くものであるから、ブログが滞るのは本業が充実しているってことです。でも金無い・・・ ルールズ・オブ・プレイ(上) ゲームデザインの基礎ケイティ・サレン エリック・ジマーマン 山本 貴光 かなり前に読んだけど、これは良い本だと思ったので、ぜひ皆さんに読んでいただきたい。ゲームとは関係なくモノづくりやデザイン一般に役立つものだと思う。 ゲームに関しては最近このようなものhttps://sites.google.com/site/akashinimai/workshops/irohaなどを…
<p>いろいろと忙しくてブログの更新が滞るが、一応読書メモくらいつけておきたいので。まあそもそも文章書くような仕事に付くものであるから、ブログが滞るのは本業が充実しているってことです。でも金無い・・・<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%EF%BC%88%E4%B8%8A%EF%BC%89-%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E-%E3%82%B1%E3%82%A4%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%AC%E3%83%B3/dp/4797334053%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4797334053" target="_top">ルールズ・オブ・プレイ(上) ゲームデザインの基礎</a><br />ケイティ・サレン エリック・ジマーマン 山本 貴光 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%EF%BC%88%E4%B8%8A%EF%BC%89-%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E-%E3%82%B1%E3%82%A4%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%AC%E3%83%B3/dp/4797334053%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4797334053" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/31xzeoSHXkL._SL160_.jpg" alt="4797334053" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
かなり前に読んだけど、これは良い本だと思ったので、ぜひ皆さんに読んでいただきたい。ゲームとは関係なくモノづくりやデザイン一般に役立つものだと思う。<br />
ゲームに関しては最近このようなもの<a href="https://sites.google.com/site/akashinimai/workshops/iroha">https://sites.google.com/site/akashinimai/workshops/iroha</a>などをしたり(<a href="http://togetter.com/li/141293">http://togetter.com/li/141293</a>も参照)ただのプレイヤーとしてではなく、興味持っているんだけど、正直今のところはまだただのプレイヤーとしていたい(笑)。ゲームについて考えるより、ただもうひたすらゲームうまくなりたいって思っていて、それは音楽研究している自分がそれなりの音楽聴取の体験を基礎としているならば、もしもゲームを研究するならば、自分の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EA%A5%C6%A5%E9%A5%B7%A1%BC">リテラシー</a>がまだまだ足りないって思うからだ。<br />
この本の内容は分厚すぎるから紹介するには手にあまるけど、著者が最初のほうに述べるように、これはやっぱりゲーム美学の本であって、実際に美学と似たような問題があって興味深かった。特にどんなゲームが良いゲームかはやってみるまで分からないってのは、芸術作品にも当てはまることであり、美的な価値や楽しみの価値ってのは根本的に実際にやってみたり、鑑賞したりしないと根拠付けられないような振る舞いをするようだ。<br />
まだ上巻なので下巻出て読んだらさらに書き加えようと思うのでこれくらいにしておく。豆知識としてサドナウがゲーム小説を書いていたという事実はEM系の人たちにも知られていなくて、ちょっとおもしろかった。というか、自分が鍵盤を駆ける手のゲーム版を書きたいと思っていたけど、サドナウやってたんやwwみたいな。。</p>
shinimai
サイバーバロックの系譜
hatenablog://entry/17680117127006703792
2011-06-09T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:50+09:00 比較的、仕事・研究活動に余裕がある時期なので、久しぶりに駄文を書いてみる。 個人的に私は、何事かの余暇や趣味において物事を鑑賞したり楽しんだりするとき、その趣味(tasteという意味での)の中枢や系譜が何であるのかを意識する。音楽において自分のUSインディーの系譜はアメリカのビート文学的メンタリティとイギリスのパンクのインパクトから産まれた一つの潮流として自分では把握しているし、ある程度、説明もできる気がする。今回は最近、私が欲しているような世界観や物語のあるテイストについて書いてみようと思う。 タイトルに「サイバーバロック」なる言葉を題したが、これは私の造語であって、特にそういうものや様式(…
<p>比較的、仕事・研究活動に余裕がある時期なので、久しぶりに駄文を書いてみる。<br />
個人的に私は、何事かの余暇や趣味において物事を鑑賞したり楽しんだりするとき、その趣味(tasteという意味での)の中枢や系譜が何であるのかを意識する。音楽において自分のUSインディーの系譜は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カのビート文学的メンタリティとイギリスのパンクの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D1%A5%AF">インパク</a>トから産まれた一つの潮流として自分では把握しているし、ある程度、説明もできる気がする。今回は最近、私が欲しているような世界観や物語のあるテイストについて書いてみようと思う。<br />
タイトルに「サイバー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>」なる言葉を題したが、これは私の造語であって、特にそういうものや様式(スタイル)が既にあるわけではない。ただここ数年の私がとりつかれている物語やゲーム、そうったものが持つある種の雰囲気をサイバー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>という言葉で表現したいだけである。<br />
「サイバー」という言葉はわかるとおもうが、SFにおける「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>」からとった用語である。私はSFについてそれほど詳しくないのであるが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>のモチーフとはごく大雑把にいって、高度情報技術、世界や宇宙よりも個人の内面、組織から外れた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%A6%A5%C8%A5%B5%A5%A4%A5%C0%A1%BC">アウトサイダー</a>(パンク)、私的な独白によるハードボイルドタッチといったモチーフが挙げられる。ところが日本で「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>」という言葉の使われ方は、以上のような元々の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>SFが持っていたモチーフというよりも、映画『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%EC%A1%BC%A5%C9%A5%E9%A5%F3%A5%CA%A1%BC">ブレードランナー</a>』の持っている雰囲気に影響されているように思われる。</p><p><span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BC-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%88-%E8%A3%BD%E4%BD%9C25%E5%91%A8%E5%B9%B4%E8%A8%98%E5%BF%B5%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-Blu-ray-%E3%83%AA%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88/dp/B003GQSXUY%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB003GQSXUY" target="_top">ブレードランナー ファイナル・カット 製作25周年記念エディション [Blu-ray]</a><br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BC-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%88-%E8%A3%BD%E4%BD%9C25%E5%91%A8%E5%B9%B4%E8%A8%98%E5%BF%B5%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-Blu-ray-%E3%83%AA%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88/dp/B003GQSXUY%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB003GQSXUY" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/61MywSAGEUL._SL160_.jpg" alt="B003GQSXUY" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%EC%A1%BC%A5%C9%A5%E9%A5%F3%A5%CA%A1%BC">ブレードランナー</a>が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>か否かとかそういった問題はまあ難しいし、SF好きの中でも議論されているだろうが、少なくとももともとの80年代<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>ムーヴメントが持っていたモチーフとは異なるものとして日本人の想像力に影響を与えたように思える。(参照:<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%AF">サイバーパンク - Wikipedia</a>)<br />
その<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%EC%A1%BC%A5%C9%A5%E9%A5%F3%A5%CA%A1%BC">ブレードランナー</a>的なモチーフとは、退廃的な近<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%A4%CD%E8%BC%D2">未来社</a>会、テク<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A5%ED">ノロ</a><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A1%BC">ジー</a>の発達の先にあるゴシック的廃墟美とか、実際のところ情報技術とか関係ないある種の映像的イメージ、世界観にあると思う。つまり物語形式や思想、メッセージよりももっと漠然とした雰囲気や様式(スタイル)にその主眼があるのだ。<br />
そういった「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%EC%A1%BC%A5%C9%A5%E9%A5%F3%A5%CA%A1%BC">ブレードランナー</a>的雰囲気」を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>として表現するのは、やっぱり角が立つというか、ミ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%EA%A1%BC%A5%C9">スリード</a>であると思うので、個人的には「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>」というより「サイバーゴシック」とか「サイバー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>」とか呼びたい。まあサイバーってなんねんって思う人もいるだろうが、そこは言葉のあやとしてお許し頂きたい。<br />
例えば、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%A1%B0%E6%BC%E9">押井守</a>版<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%B6%B3%CC%B5%A1%C6%B0%C2%E2">攻殻機動隊</a>は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>としてのモチーフの極めて優秀な実例だと思うけど、第二作「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%CE%A5%BB%A5%F3%A5%B9">イノセンス</a>」は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>的要素と同じくらい「サイバーゴシック」的要素が豊富である<a href="#f-53d91e03" name="fn-53d91e03" title="ちなみに同じ攻殻機動隊でもSACはサイバーパンクだとは思わない。なぜなら、SACの素子は単なる組織の犬であって、原作のマンガや押井守版にあるような個人的な知的好奇心による探求やアウトサイダー的振る舞いをしないからだしかしながら、このことは作品としてのSACの出来を貶めるものではにない。">*1</a>。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B9-%E3%82%A2%E3%83%96%E3%82%BD%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-Blu-ray-%E6%8A%BC%E4%BA%95%E5%AE%88/dp/B0018BL6SU%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB0018BL6SU" target="_top">イノセンス アブソリュート・エディション [Blu-ray]</a><br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B9-%E3%82%A2%E3%83%96%E3%82%BD%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-Blu-ray-%E6%8A%BC%E4%BA%95%E5%AE%88/dp/B0018BL6SU%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB0018BL6SU" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51B6IZOmSML._SL160_.jpg" alt="B0018BL6SU" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%CE%A5%BB%A5%F3%A5%B9">イノセンス</a>の映像描写の美しさは、どちらかといえば<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%B9%A5%DA%A1%BC%A5%B9">サイバースペース</a>の表現というより、あの未来の日本の退廃的美しさや択捉特区の巨大なビル群、汎東アジア的な混交文化にあるように思われる<a href="#f-0a22b9f4" name="fn-0a22b9f4" title="もちろん、イノセンスの面白いところは、そのような現実と思われた映像描写が実はサイバースペースの中であったことを示す場面にあるが。コンビニでの襲撃シーンやキムの館のシーンなどのループ構造である。">*2</a>。<br />
実際にその世界観の描写において<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%A1%B0%E6%BC%E9">押井守</a>自身が建築様式に意識的であったと言われる。押井自身の言葉によると、たしかチャイニーズ・ゴシックという仮想建築様式があの世界観の基礎ということだ。<br />
周知の通り、「ゴシック」というスタイルを表す用語は、美術史の様式の中でも極めて人気が高く、何度も何度も<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EA%A5%D0%A5%A4%A5%D0%A5%EB">リバイバル</a>され、現代では端的に「ゴス」と呼ばれるファションやスタイルに完全に定着している。もちろん、オリジナルの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B4%A5%B7%A5%C3%A5%AF%B7%FA%C3%DB">ゴシック建築</a>とゴスのスタイルがどれほど共通点を持っているかは、かなり謎ではあるが、現代においてもゴシックの系譜は根強くポピュラー文化に残っているのは間違いない。<br />
一方、美術史の様式においてゴシックと並ぶほど重要な「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>」に関してはそれほどの人気はない。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF%CD%CD%BC%B0">バロック様式</a>が他の地域に影響を及ぼし、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%EB%A5%C8%A5%E9%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">ウルトラバロック</a>」と呼ばれる特異な建築様式を生み出したこともあるが、現代の文化において<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>は少なくともゴシックほどのポピュラリティはないのである。この人気の差異自体、理由が気になるところだが、おそらくゴシックよりも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>というものの雰囲気やイメージが掴み難いのであるように思える。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>の持つ特徴は、建築や音楽、絵画などでかなり異なるし、廃墟美のような典型的な美的範疇を持ちにくいようだ。せいぜい「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>的」と表現することによって意味されることは、その派手さやケバケバしさ、巨大さ、荘厳さなどといったものであろう。ただ多くの美術史家たちが共通しているのは、これらの美的要素が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%E4%C2%D0%B2%A6%C0%AF">絶対王政</a>という権力のシステムや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%E1%A5%F3%A5%C8%A1%A6%A5%E2%A5%EA">メメント・モリ</a>といった<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%FE%C2%E5%C0%BA%BF%C0">時代精神</a>を反映しているということであって、端的な見た目に現れるものではないのかもしれない。<br />
以上のように現代のポピュラー文化において<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>的なものはそれほど人気がないわけであるが、以下では例外的に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>的モチーフ、しかも近未来的なSFと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>的なモチーフが融合している事例、つまり私が「サイバー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>」と呼ぶ事例を紹介していってみよう。<br />
まずかなり意図的に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>的なモチーフを利用しているように思えるのは、ゴンゾ制作のアニメ『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%E0%B7%A2%B2%A6">巌窟王</a>』(2004)だろう。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%B7%8C%E7%AA%9F%E7%8E%8B-Blu-ray-BOX-%E5%89%8D%E7%94%B0%E7%9C%9F%E5%AE%8F/dp/B005014DB6%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB005014DB6" target="_top">巌窟王 Blu-ray BOX</a><br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%B7%8C%E7%AA%9F%E7%8E%8B-Blu-ray-BOX-%E5%89%8D%E7%94%B0%E7%9C%9F%E5%AE%8F/dp/B005014DB6%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB005014DB6" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51GZ%2BpJQkgL._SL160_.jpg" alt="B005014DB6" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%E0%B7%A2%B2%A6">巌窟王</a>はアニメーションの出来としてかなり素晴らしいし、この時期のゴンゾのアニメには注目すべきものが多いのではあるが、ここでは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%E0%B7%A2%B2%A6">巌窟王</a>のサイバー要素と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>要素について簡単に紹介したい。周知の通り、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%E0%B7%A2%B2%A6">巌窟王</a>とはデュマの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%F3%A5%C6%A1%A6%A5%AF%A5%EA%A5%B9%A5%C8%C7%EC">モンテ・クリスト伯</a>であり、このアニメはその翻案なのであるが、複雑なことにもともとこの企画は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%EB%A5%D5%A5%EC%A5%C3%A5%C9%A1%A6%A5%D9%A5%B9%A5%BF%A1%BC">アルフレッド・ベスター</a>の『虎よ、虎よ』のアニメ化を目指していたのだ。ベスターをアニメにしようとするゴンゾの気概には目を見張るものがあるが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%F8%BA%EE%B8%A2">著作権</a>上の理由から結果として、実際にはベスターの『虎よ、虎よ』がモチーフにしていた『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%F3%A5%C6%A1%A6%A5%AF%A5%EA%A5%B9%A5%C8%C7%EC">モンテ・クリスト伯</a>』を原作としたアニメ化になった。<br />
しかしながら、もちろん<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%F3%A5%C6%A1%A6%A5%AF%A5%EA%A5%B9%A5%C8%C7%EC">モンテ・クリスト伯</a>を忠実に再現するというより<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%E0%B7%A2%B2%A6">巌窟王</a>は大胆な翻案がなされており、舞台は月への植民や惑星間移動が可能になった未来であり、ロボットによる戦闘シーンがあったり(一回だけだけどw)、ベスターの作品にあった要素も取り入れようとしている。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%F3%A5%C6%A1%A6%A5%AF%A5%EA%A5%B9%A5%C8%C7%EC">モンテ・クリスト伯</a>が屈辱から復讐を目指す主人公の視点から描かれるのにたいして、アニメの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%E0%B7%A2%B2%A6">巌窟王</a>は復讐される側の貴族の息子アルベールの視点で描かれるなど、物語自体の翻案の巧みさなど素晴らしい部分はいろいろがあるが、ここではその映像的イメージと世界観に言及する。<br />
<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%E0%B7%A2%B2%A6">巌窟王</a>は非常に興味深い世界観を、ベスターの翻案にももともとあった近未来的要素と原作の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E8%C6%F3%C4%EB%C0%AF">第二帝政</a>期の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%EB%A5%B8%A5%E7%A5%EF%A5%B8%A1%BC">ブルジョワジー</a>と貴族の社会を融合(そもそもベスターの作品自体「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EF%A5%A4%A5%C9%A5%B9%A5%AF%A5%EA%A1%BC%A5%F3%A1%A6%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">ワイドスクリーン・バロック</a>」と呼ばれる)を映像によって表現している。クラシックな車とサイバーなガジェットの同居、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A1%BC%A5%C8%A5%AF%A5%C1%A5%E5%A1%BC%A5%EB">オートクチュール</a>の衣装に投射されるテキスタイルのイメージなど、SF的要素とフランスの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E8%C6%F3%C4%EB%C0%AF">第二帝政</a>期の雰囲気の融合の果てにある意匠は「サイバー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>」と呼ぶにふさわしいように思える。もちろん、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E8%C6%F3%C4%EB%C0%AF">第二帝政</a>期はオリジナルの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>時代の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%E4%C2%D0%B2%A6%C0%AF">絶対王政</a>とは時代がかなり異なるが、その権力の集中と奢侈の文化は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>と呼ぶにふさわしい。何よりもアニメ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%E0%B7%A2%B2%A6">巌窟王</a>の公式のキャッチコピーはそのジャンルを「幻想の未来都市パリを舞台に復讐のパンクオペラが幕を開く」(参考HP<a href="http://www.gankutsuou.com/">KADOKAWAオフィシャルサイト</a>)と呼んでいる通り、やはりこの作品には<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>的要素が根強いのである(オペラと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%E4%C2%D0%B2%A6%C0%AF">絶対王政</a>のつながりについては適当に調べてください。)。<br />
絶対的な権力の元にある近未来的世界、奢侈の文化、視覚的な未来的派手さ、こういった雰囲気全体がサイバー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%ED%A5%C3%A5%AF">バロック</a>の特徴だと勝手に妄想している。ただし<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%E0%B7%A2%B2%A6">巌窟王</a>のサイバーな部分は端的に未来的であるという以上にはなく、その点はちょっとうすいけど、まあ長くなったので今回はこのへんで。<br />
この話、反響があればまた書きます。</p>
<div class="footnote">
<p class="footnote"><a href="#fn-53d91e03" name="f-53d91e03" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">ちなみに同じ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%B6%B3%CC%B5%A1%C6%B0%C2%E2">攻殻機動隊</a>でもSACは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%D1%A5%F3%A5%AF">サイバーパンク</a>だとは思わない。なぜなら、SACの素子は単なる組織の犬であって、原作のマンガや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%A1%B0%E6%BC%E9">押井守</a>版にあるような個人的な知的好奇心による探求や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%A6%A5%C8%A5%B5%A5%A4%A5%C0%A1%BC">アウトサイダー</a>的振る舞いをしないからだしかしながら、このことは作品としてのSACの出来を貶めるものではにない。</span></p>
<p class="footnote"><a href="#fn-0a22b9f4" name="f-0a22b9f4" class="footnote-number">*2</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">もちろん、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%CE%A5%BB%A5%F3%A5%B9">イノセンス</a>の面白いところは、そのような現実と思われた映像描写が実は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A5%B9%A5%DA%A1%BC%A5%B9">サイバースペース</a>の中であったことを示す場面にあるが。コンビニでの襲撃シーンやキムの館のシーンなどのループ構造である。</span></p>
</div>
shinimai
読んだ
hatenablog://entry/17680117127006703964
2011-05-17T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:54+09:00 献本いただきましたが、本当に素晴らしい本でした。 アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで (講談社選書メチエ)大和田 俊之 大和田さんとはポピュラー音楽学会を通じてお付き合いいただいたり、私の卒論や修論も読んでいただいたり、いろいろお世話になっていますが、この著作はそういう恩義とは関係なく絶賛すべき内容であり、日本の全ポピュラー音楽研究者は必読書なのは当然、アメリカ研究、文化史、ブラックスタディーズに興味を持っている方も是非とも読んでいただきたい。アメリカ研究などに詳しくないのでわからないのですが、こういった類のアメリカ音楽史の著作って英米圏にすでにあるのだろうか。…
<p>献本いただきましたが、本当に素晴らしい本でした。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E5%8F%B2-%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%80%81%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%81%8B%E3%82%89%E3%83%92%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%9B%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%BE%E3%81%A7-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E9%81%B8%E6%9B%B8%E3%83%A1%E3%83%81%E3%82%A8-%E5%A4%A7%E5%92%8C%E7%94%B0-%E4%BF%8A%E4%B9%8B/dp/4062584972%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4062584972" target="_top">アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで (講談社選書メチエ)</a><br />大和田 俊之 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E5%8F%B2-%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%80%81%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%81%8B%E3%82%89%E3%83%92%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%9B%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%BE%E3%81%A7-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E9%81%B8%E6%9B%B8%E3%83%A1%E3%83%81%E3%82%A8-%E5%A4%A7%E5%92%8C%E7%94%B0-%E4%BF%8A%E4%B9%8B/dp/4062584972%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4062584972" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51f1r1LtAML._SL160_.jpg" alt="4062584972" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
大和田さんとは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%D4%A5%E5%A5%E9%A1%BC%B2%BB%B3%DA%B3%D8">ポピュラー音楽学</a>会を通じてお付き合いいただいたり、私の卒論や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%A4%CF%C0">修論</a>も読んでいただいたり、いろいろお世話になっていますが、この著作はそういう恩義とは関係なく絶賛すべき内容であり、日本の全ポピュラー音楽研究者は必読書なのは当然、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カ研究、文化史、ブラック<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%BF%A5%C7%A5%A3%A1%BC">スタディー</a>ズに興味を持っている方も是非とも読んでいただきたい。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カ研究などに詳しくないのでわからないのですが、こういった類の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%BB%B3%DA%BB%CB">音楽史</a>の著作って<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%D1%CA%C6">英米</a>圏にすでにあるのだろうか。ないとしたら、翻訳して逆輸入されてもいいくらい濃い内容だと思った。<br />
非常に内容が濃く、情報量は多いことも特筆すべき点ですが、なによりも本書の歴<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%CB%B5%AD">史記</a>述は「偽装」というキーターム、特に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カ・ポピュラー音楽の源流である<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%F3%A5%B9">ミンス</a>トレル・ショーにおける人種や階級、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A5%A7%A5%F3%A5%C0%A1%BC">ジェンダー</a>の越境という観点によって貫かれており、客観性を重視する以上に著者の歴史への<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A1%BC%A5%B9%A5%DA%A5%AF%A5%C6%A5%A3%A5%D6">パースペクティブ</a>が色濃く反映している点も面白い。そういった意味ではポスト・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%EB%A5%C1%A5%E5%A5%E9%A5%EB%A1%A6%A5%B9%A5%BF%A5%C7%A5%A3%A1%BC%A5%BA">カルチュラル・スタディーズ</a>的内容と言っていいかもしれない。</p>
<blockquote>
<p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%F3%A5%B9">ミンス</a>トレル・ショウにみられるこうした〈擬装〉の重層性こそが、その後の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カ音楽文化における<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%A4%A5%C7%A5%F3%A5%C6%A5%A3%A5%C6%A5%A3">アイデンティティ</a>のあり方を決定づける点に留意しよう。それは、しばしば1960年代のカウンター・カルチャーの音楽を語る際に言及される<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%A4%A5%C7%A5%F3%A5%C6%A5%A3%A5%C6%A5%A3">アイデンティティ</a>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%BF%CA%B8%B2%BD%BC%E7%B5%C1">多文化主義</a>にもとづいて展開される<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%A4%A5%C7%A5%F3%A5%C6%A5%A3%A5%C6%A5%A3">アイデンティティ</a>・ポリティクス――とは異なる、幾重にも偽装され、仮構された虚構の主体である。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カの音楽文化にみられる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%A4%A5%C7%A5%F3%A5%C6%A5%A3%A5%C6%A5%A3">アイデンティティ</a>の様態をこのように理解することではじめて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%EB%A5%F4%A5%A3%A5%B9%A1%A6%A5%D7%A5%EC%A5%B9%A5%EA%A1%BC">エルヴィス・プレスリー</a>や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%DF%A5%CD%A5%E0">エミネム</a>の存在を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%BB%B3%DA%BB%CB">音楽史</a>に正統に位置づけることができるのだ。<br />
(19)</p>
</blockquote>
<p>特に勉強になったのはやはりロックンロール以前の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%BB%B3%DA%BB%CB">音楽史</a>について。今まで漠然とティンパン・アレーのシートミュージックからスウィングジャズ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%C0%A5%F3%A5%B8%A5%E3%A5%BA">モダンジャズ</a>の発展、ブルースとリズム・アンド・ブルース、白人のフォーク・ミュージックの伝統からカントリー、そしてようやくロックンロールという<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%F2%BB%CB%B4%D1">歴史観</a>を描いていたけど、この本を読むことによってそれらの系譜、さらに系譜の創造過程もはっきり理解できた。感銘を受けた部分は多岐にわたるが、中でも興味深かった部分を引用しよう。</p>
<blockquote>
<p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BD%CF%A2">ソ連</a>との間に冷戦が始まり、国内の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%A6%BB%BA%BC%E7%B5%C1%BC%D4">共産主義者</a>に対する<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%E2%BD%F7%BC%ED%A4%EA">魔女狩り</a>が吹き荒れるなか、ジョセフ・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%C3%A5%AB%A1%BC%A5%B7%A1%BC">マッカーシー</a><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%E5%B1%A1%B5%C4%B0%F7">上院議員</a>は「フォーク」という用語を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%A6%BB%BA%BC%E7%B5%C1">共産主義</a>と結びつけて攻撃した。彼は「フォーク・ミュージック」を演奏するウィーヴァーズを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%A6%BB%BA%BC%E7%B5%C1">共産主義</a>のシンパと断定し、メンバーの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D4%A1%BC%A5%C8%A1%A6%A5%B7%A1%BC%A5%AC%A1%BC">ピート・シーガー</a>を非米活動委員会に召喚して過去の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%A6%BB%BA%BC%E7%B5%C1">共産主義</a>敵な活動をすべて問いただしたのである。同じ時期にメディアは一斉に「フォーク」という用語の使用を控え、その代わりに「カントリー」という言葉が流通するようになった。(・・・)ここで重要なのは、同じカテゴリーの音楽を指していたはずの「フォーク・ミュージック」と「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%F3%A5%C8%A5%EA%A1%BC%A1%A6%A5%DF%A5%E5%A1%BC%A5%B8%A5%C3%A5%AF">カントリー・ミュージック</a>」がこれを機に政治的に離反する点である。<br />
(62-63)</p>
</blockquote>
<p>カントリーというジャンルが保守的な白人文化、俗にいう「レッドネック」という言葉に代表されるイメージを持つこと、フォークが左翼的なイメージを持つことは、洋楽好きにとってはある程度、当たり前だけど、その由来が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%D6%BC%ED%A4%EA">赤狩り</a>にあったことは知らなかった。ジャンルに関するイメージや用語が当時の社会状況によって構築された極めて特徴的な事例だと思う。そしてこのカントリーの保守性を理解することによって、アンクル・テュペロ以降の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%EB%A5%BF%A5%CA%A1%A6%A5%AB%A5%F3%A5%C8%A5%EA%A1%BC">オルタナ・カントリー</a>の革新性がより良く理解できる。</p><br />
<p>さてここまで手放しで絶賛ばかりしてきたが、あえて不満を少しあげるとするならば、後半のヒップホップやパンクについての記述が極めて少ない点である。まあそういう新しめのポピュラー音楽についての本は他にもあるから別にいいといえばいいのだが、パンクやメタルなどのロックの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%D6%A5%B8">サブジ</a>ャンルが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カ全体でローカルに根付いたことは少しは言及されても良いと思った。パンクの扱いもNYの先鋭的なアートシーンに含まれるものとして描かれているが、実際には50年代からのガレージロックの伝統から80年代のインディーロック、90年代の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%E9%A5%F3%A5%B8">グランジ</a>/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%EB%A5%BF%A5%CA">オルタナ</a>ティヴという<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カ独特な系譜がほとんど触れられてないのがちょっと不満。最終章のヒスパニック・インヴェンションでチカーノ・ロックの見直しとかが記述されているのならば、ガレージロックやパンクのスタンダード曲になったルイルイのラテン性とか、もともとヒスパニック系だったがそれこそ「偽装」して当時極めて白人的なジャンルであったemoバンドをやっていた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/At%20the%20Drive%20in">At the Drive in</a>がMars Voltaで一気にラテン性を開花させたことなど触れて欲しいと。まあこれは俺の完全な趣味なんですけど。<br />
あともう一つ難点というか納得いかないのは、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カのポピュラー音楽における様々な現象を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%EC%A5%C7%A5%EA%A5%C3%A5%AF">フレデリック</a>・ジェイムソンの「空間化」(spatialization)や「深さのなさ」(depthlessness)の概念に結びつける議論。これもある程度、自分の趣味なんだけど、モダンと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%E2%A5%C0%A5%F3">ポストモダン</a>に断絶を描く議論ってのは基本的に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B8%A5%C6%A1%BC%A5%B7%A5%E7%A5%F3">アジテーション</a>にはなるとしても、事実的問題としては多分に疑わしい議論が多いので、そのような記述は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%BD%C2%E5%BB%D7%C1%DB">現代思想</a>好きの興味をそそる一方で、歴<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%CB%B5%AD">史記</a>述の恣意性を強く印象づけられる。もちろん客観性ということにこだわるべきというわけではなく、著者のオリジナルな観点である「擬装」というキータームだけで十分に魅力的だと思ったということだ。<br />
とはいえ、この本はやはり素晴らしい。本当に勉強になった。<br />
ってことで最後にブラックフラッグのルイルイでも。ハードコアバンドにもやはりカリブのリズムが入っている。<br />
<iframe width="420" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/tfDQDMSbK-w?wmode=transparent" frameborder="0" allowfullscreen></iframe></p>
shinimai
最近買ったのとか
hatenablog://entry/17680117127006704071
2011-05-16T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:56+09:00 一ヶ月くらいのスパンだが。New Day RisingHusker Du なんというか綺麗なモーターヘッド(笑)といえばわかりやすいサウンド。人によってはこれをベストと呼ぶフシもあるが、個人的には迷う。この独特に爽やかなギターサウンドはシュガーにつながる音ではあるが、もっとハードコアっぽいのが好みの人も多いと思う。でもまあ名盤であることは確か。有名すぎて特別になにも言えない。今回、中古で発掘したから即買ですね。SSTは基本買いですから。Scream Dracula ScreamRocket From The Crypt これも名盤。というか俺、中年のロックオヤジになってるおそれあり。まあでもこ…
<p>一ヶ月くらいのスパンだが。</p><p><span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/New-Day-Rising-Husker-Du/dp/B000000M03%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB000000M03" target="_top">New Day Rising</a><br />Husker Du <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/New-Day-Rising-Husker-Du/dp/B000000M03%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB000000M03" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51NVC5oyORL._SL160_.jpg" alt="B000000M03" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
なんというか綺麗な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A1%BC%A5%BF%A1%BC%A5%D8%A5%C3%A5%C9">モーターヘッド</a>(笑)といえばわかりやすい<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A6%A5%F3%A5%C9">サウンド</a>。人によってはこれをベストと呼ぶフシもあるが、個人的には迷う。この独特に爽やかなギター<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A6%A5%F3%A5%C9">サウンド</a>はシュガーにつながる音ではあるが、もっとハードコアっぽいのが好みの人も多いと思う。でもまあ名盤であることは確か。有名すぎて特別になにも言えない。今回、中古で発掘したから即買ですね。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SST">SST</a>は基本買いですから。</p><p><span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/Scream-Dracula-Rocket-Crypt/dp/B000024KM1%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB000024KM1" target="_top">Scream Dracula Scream</a><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Rocket%20From%20The%20Crypt">Rocket From The Crypt</a> <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/Scream-Dracula-Rocket-Crypt/dp/B000024KM1%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB000024KM1" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51XS4SAPN5L._SL160_.jpg" alt="B000024KM1" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
これも名盤。というか俺、中年のロックオヤジになってるおそれあり。まあでもこの辺が中古にあったら買っちゃうよね普通。RFTCは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%EB%A5%BF%A5%CA">オルタナ</a>/ハードコアにとってのロックンロールとは何かを考えるための重要なバンドだ。西海岸では彼ら、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EC%B3%A4%B4%DF">東海岸</a>ではジョンスペンサーだな。この辺のロックンロール傾向が強い<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%EB%A5%BF%A5%CA%B7%CF">オルタナ系</a>バンドは日本人にはかなり受け入れられやすいんだけど、彼らとかかなりの方向転換をしたから、向こうのファンにはどう思われていたのだろうか。</p><br />
<p><span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/Flight-Wounded-Locust/dp/B00005O56T%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB00005O56T" target="_top">Flight of the Wounded</a><br />Locust <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/Flight-Wounded-Locust/dp/B00005O56T%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB00005O56T" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41Het25HnkL._SL160_.jpg" alt="B00005O56T" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
変態バッタ。ロカストはロカストだなっていう感想を抱き、気がつくとアルバム一枚終わっていたって感じになる(笑)。密度が濃い分、短いのはファストコアやグラインドでは当然なんだけど、鑑賞の方法としてアルバム一枚聞くという態度はどうなのだろうかと最近思っている。なんかこういう音楽はイライラしたときに、一発キメルみたいな、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%C3%A5%C9%A5%D6%A5%EB">レッドブル</a>感覚かもしれない。実際に、よく研究室でナパームデスとかブルータルトルースとか<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/youtube">youtube</a>で探して聴いているけど、まあ周りに迷惑ですよね(笑)。<br />
<span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><a href="http://f.hatena.ne.jp/shinimai/20110517235453" class="hatena-fotolife" itemprop="url"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/shinimai/20110517/20110517235453.jpg" alt="f:id:shinimai:20110517235453j:image" title="f:id:shinimai:20110517235453j:image" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></a></span><br />
ジャケ写はここからお借りしました。<a href="http://kyokutou-outbreak.net/ktob2/">http://kyokutou-outbreak.net/ktob2/</a><br />
東方ロックアレンジ系<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>のコンピ第二弾。しかも二枚組。しかし二枚になった結果、クオリティが薄まった感じが否めない。もっとセレクトというか磨いた一枚を聞きたい。まあこの辺、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>的なシガラミがあるのかもしれない。やはり目当ては鉄腕トカゲ探知機。ほかにもポスト<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%C3%A5%AF%B7%CF">ロック系</a>でよさげなバンドがあるのでそのうちチェックしてご紹介したい。</p><br />
<p>しかし見事に中古でUSインディーを買いあさり、同時代の音楽は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%BF%CD%B2%BB%B3%DA">同人音楽</a>というなんというか恥ずかしいことになっている(笑)。もちろんCD以外で音楽は聴いているのだが、買うとなると思い入れが強いノスタルジックなものか、今買っておかなきゃなくなりそうなものになっちゃうんだよな。</p>
shinimai
震災が与える音楽業界への影響
hatenablog://entry/17680117127006704164
2011-03-28T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:35:58+09:00 といってもすごく産業規模にはミクロな話。多少脊髄反射的なエントリになるが、バンドをやってきた人間としてどうしても書きたくなったので書く。 問題のブログは 音楽人・バンドマンに警告!ライブハウスが潰れます! | らふすけっちのブログ 要約すれば地震の影響でイベントやライブが中止になり、また主催者に被災者が含まれるためにライブハウスがキャンセル料をもらうことができずに、資金繰りに困っている。ヘタをすれば2,3ヶ月で倒産するライブハウスも多くでるだろう。 ここまではまあ分かる。実際に、イベントが中止になっている現状をみているし、私は調査のためにライブハウスやスタジオなどに出向いている。そして停電…
<p>といってもすごく産業規模にはミクロな話。多少<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%D4%BF%F1%C8%BF%BC%CD">脊髄反射</a>的なエントリになるが、バンドをやってきた人間としてどうしても書きたくなったので書く。<br />
問題のブログは<br />
<a href="http://ameblo.jp/hanadora/entry-10835354133.html">音楽人・バンドマンに警告!ライブハウスが潰れます! | らふすけっちのブログ</a><br />
要約すれば<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%BF%CC">地震</a>の影響でイベントやライブが中止になり、また主催者に被災者が含まれるためにライブハウスがキャンセル料をもらうことができずに、資金繰りに困っている。ヘタをすれば2,3ヶ月で倒産するライブハウスも多くでるだろう。<br />
ここまではまあ分かる。実際に、イベントが中止になっている現状をみているし、私は調査のためにライブハウスやスタジオなどに出向いている。そして停電など震災の影響のため、営業時間が短くなったりしていることは知っているし、ライブハウスが零細企業で2,3ヶ月の資金繰りでいっぱいいっぱいであるのは知っている。<br />
問題はその後である。イベントの主催者側(ブログでは関係者という曖昧な言葉であるが)に東北出身の人がいるという理由で、あるライブハウスはキャンセル料を免除しているという。しかも、この時期になぜかキャンセルする人々で東北関係者が多いという。もしかしたら、本当は震災と関係ない人間がキャンセル料を払いたくないために東北出身を語っているのではないか。<br />
最後の不謹慎かどうかとかは置いとくとする。問題はこの記事はライターの方が取材の上で書いているというのだが、このエントリで分かる事実は「あるライブハウスはイベントの主催者が東北出身なために、キャンセル料を請求しなかった」ということぐらいである。そして以下で述べられることは、ほとんど伝聞や推定に基づいた根拠がないものである。</p>
<blockquote>
<p>ここにきて、東北出身の関係者が急増なのだという。</p><p>東北出身と言えばキャンセル料が取られない、という噂が<br />
どこかで蔓延しているのだろうか?</p><p>本当に東北出身なのならまだしも、そのことに便乗して<br />
キャンセル料を免除してもらっている者たちが<br />
いるのだとしたら、これはもう、被災地域で犯罪を<br />
犯す犯罪者と同じではないだろうか?</p>
</blockquote>
<p>ライブハウスの証言、それも曖昧な推定を一方的にとりあげて、悪いバンドマンやイベント主催者がいるがのうような主張しているが、そもそもそのような事実があるかどうかさえ不明である。ライターを名乗るぐらいなら、せめて複数のライブハウスの証言をまとめるとか、キャンセルしたバンドの証言を聞くくらいのことをしてもいいだろう。この発言の不公平さはバンドをやっていた人間として無視できない。<br />
さてこのエントリとは離れて、そもそもがキャンセル料がもらえないからライブハウスが潰れるという事態そのものについて考えてみよう。この事態はつまり、ライブハウスは基本的にイベント主催者からのお金をその経営・運営の主要な財源としていることを意味する。ここで言うイベント主催者っていうのは、メジャーな大手のアーティストのライブを運営する興行会社をのぞくと、ほとんどの場合、ア<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%C1%A5%E5%A5%A2">マチュア</a>やインディーのミュージシャンたちのことである。つまり、ライブハウスは基本的に出演するミュージシャンやバンドマンからのお金、いわゆるノルマをもらわなければ経営できないのである。<br />
ちょっとでもライブハウスでバンドしたことがある人には百も承知だろうが、日本の多くのライブハウスのお客さんとは、箱に来るオーディエンスではなく、そこに出演するバンドマンやミュージシャンなのだ。つまり、震災によって潰れる危機がある多くのライブハウスはノルマ制やイベントの箱貸ゆえに資金繰りが苦しくなっているともいえるのだ。そういう経営方針してきた側から、バンドマンにその経営問題を押し付けるのは笑止千万といえる。キャンセル料を免除してやったとか、お涙頂戴のようにいわせるが、そもそもライブハウスが自らの箱を使ってイベントを企画したり、本当のお客さんを呼んだりすることができないことが問題だって、10年くらい前から言われてきただろうに。<br />
バンドマンからお金を取ること以外で商売できない箱は潰れてもらって構わないです。キャンセルするならキャンセル料を払わせるとか普通に契約上できることはすればいいと思うが、この機会を使って懇意にしているバンドのチャリ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C6%A5%A3%A1%BC">ティー</a>企画とか積極的にブッキングするとか、バー営業でライブハウス側が何か出し物でもすればいいだろうとも思う。<br />
たしかに不謹慎の合唱でイベントが休止になることはあまり楽しいことではない。しかしそんなことと関係なく、自らの経営手段にあった問題点をバンドマンに押し付けるような書き方をするライターは何を守りたいのだろうか?明らかにバンドやミュージシャンではなく、ライブハウスだろう。どっちが音楽文化にとって重要か良く考えてみてほしい。</p><p>ちなみにノルマ制についての議論は2ちゃんレベルで<a href="http://music2chnews.blog123.fc2.com/blog-entry-318.html">http://music2chnews.blog123.fc2.com/blog-entry-318.html</a>されている。<br />
日本の「ライブハウス」という特殊な文化についてはこの本が参考になる。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E6%96%87%E5%8C%96%E8%AB%96-%E9%9D%92%E5%BC%93%E7%A4%BE%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC-53-%E5%AE%AE%E5%85%A5-%E6%81%AD%E5%B9%B3/dp/4787232851%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4787232851" target="_top">ライブハウス文化論 (青弓社ライブラリー 53)</a><br />宮入 恭平 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E6%96%87%E5%8C%96%E8%AB%96-%E9%9D%92%E5%BC%93%E7%A4%BE%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC-53-%E5%AE%AE%E5%85%A5-%E6%81%AD%E5%B9%B3/dp/4787232851%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4787232851" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41k%2B2KKQfNL._SL160_.jpg" alt="4787232851" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
これまた少しバンドやっている人には常識だが、ノルマ制は日本独自な制度であって、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%D1%CA%C6">英米</a>の箱は基本的にバンドからお金を取ることはない。むしろ売上のバックがある。なぜなら、そのような箱(ライブハウスとは呼ばない、ライブハウスは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CF%C2%C0%BD%B1%D1%B8%EC">和製英語</a>)はバーでの飲食物の売上が基本的な財源であるからだ。<br />
<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%CF%A4%C6%A4%CA%A5%D6%A5%C3%A5%AF%A5%DE%A1%BC%A5%AF">はてなブックマーク</a>でも「東北出身者や関係者を語るバンドマンが多い」とか間に受けている人がいたりするが、全然、不明瞭なことなので、もう少し考えてみてほしい。たとえそのような人がいても、多くのバンドマンはきちんとライブハウスに金を払っているし、バンドマンの金と集客でライブハウスは経営されていることを良く考えてほしい。</p><p>追記:<a href="http://ameblo.jp/hanadora/entry-10835354133.html">音楽人・バンドマンに警告!ライブハウスが潰れます! | らふすけっちのブログ</a>に関する他の反論<br />
<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Facebook">Facebook</a>内だがライブスペースを経営する側からの意見です。<a href="http://www.facebook.com/notes/bar-isshee/%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E4%BA%BA%EF%BE%8A%EF%BE%9E%EF%BE%9D%EF%BE%84%EF%BE%9E%EF%BE%8F%EF%BE%9D%E3%81%AB%E8%AD%A6%E5%91%8A%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%81%8C%E6%BD%B0%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%81%AB%E9%81%95%E5%92%8C%E6%84%9F%E3%82%92%E8%A6%9A%E3%81%88%E3%82%8B/150561561675345">「音楽人・バンドマンに警告!ライブハウスが潰れます!」に違和感を覚える | Facebook</a><br />
バンドとレーベルをやっている方の意見です。概ね納得が行くものであり、「東北関係者」であることでキャンセルするイベンターもキャンセル料を免除するライブハウスもそんなにいないのは確かでしょう。<a href="http://blog.livedoor.jp/wonderground/archives/52775884.html">レーベル運営の悲喜交々:ツイート「音楽人・バンドマンに警告!ライブハウスが潰れます!」に対する激烈で徹底的な反論。</a></p>
shinimai
最近買ったもの
hatenablog://entry/17680117127006704334
2011-03-23T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:36:03+09:00 音楽に溢れている現代だが、なんか飢餓感を感じる毎日です。 勉強、研究、作業中はニコニコやYouTubeでゲーム音楽聞いてます。主にSTG。作業に向くけど、中には買いたいCDはあるものの、ゲームのOSTって結構入手困難であったり、高かったり、買っても結局聞かない可能性もある。でもいつか買う。いつか買うっていうものが多くて困るなー。 で、結局買っているのはUSインディーをユニオンでってかんじに収まっている。Post Mersh 1Minutemen Post Mersh 2Minutemen まずはMinutemen!おおSSTが中古であるぞ、と即買い。SSTは基本的に買えるだけ買うことにしている…
<p>音楽に溢れている現代だが、なんか飢餓感を感じる毎日です。<br />
勉強、研究、作業中はニコニコや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/YouTube">YouTube</a>で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B2%A1%BC%A5%E0%B2%BB%B3%DA">ゲーム音楽</a>聞いてます。主に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/STG">STG</a>。作業に向くけど、中には買いたいCDはあるものの、ゲームの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/OST">OST</a>って結構入手困難であったり、高かったり、買っても結局聞かない可能性もある。でもいつか買う。いつか買うっていうものが多くて困るなー。<br />
で、結局買っているのはUSインディーをユニオンでってかんじに収まっている。</p><p><span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/Post-Mersh-1-Minutemen/dp/B000000M2H%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB000000M2H" target="_top">Post Mersh 1</a><br />Minutemen <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/Post-Mersh-1-Minutemen/dp/B000000M2H%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB000000M2H" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51RekDWYBCL._SL160_.jpg" alt="B000000M2H" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /></p><p><span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/Post-Mersh-2-Minutemen/dp/B000000M2J%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB000000M2J" target="_top">Post Mersh 2</a><br />Minutemen <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/Post-Mersh-2-Minutemen/dp/B000000M2J%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB000000M2J" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/519NDhyblrL._SL160_.jpg" alt="B000000M2J" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
まずはMinutemen!おお<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SST">SST</a>が中古であるぞ、と即買い。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SST">SST</a>は基本的に買えるだけ買うことにしているが、ミニッツメンの編集盤が見つかるのはラッキーだと思った。Post Mershは彼らのオリジナルアルバムを含む編集盤で、vol.1がファーストとセカンド、vol.2はEPが二つ入っている。詳しくは<a href="http://en.wikipedia.org/wiki/Minutemen_discography">http://en.wikipedia.org/wiki/Minutemen_discography</a><br />
オリジナルアルバムはたった四枚しか出してないけど、伝説の不思議ハードコアバンドの彼らなんだが、時期によって音楽性は特に変わらん。スリーピースというロックの基本の形式でいかに音楽をやるかを原始的に考えたらこうなったみたいな。ある意味で、初期のレッドクレイオラの正当進化ハードコアバージョンといえば分かりやすい(誰にww!)。<br />
慌ただしいGeorge Hurleyのドラムに、変なリフを繰り返すMike Wattのベースに16ビートのカッティングを決めながら騒ぐ<del datetime="2011-03-23T23:40:19+09:00">デブ</del>D・ブーン。まさにUSハードコア/インディーバンドの懐の深さを実感する不思議音楽。以前、彼らの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C9%A5%AD%A5%E5%A5%E1%A5%F3%A5%BF%A5%EA%A1%BC%B1%C7%B2%E8">ドキュメンタリー映画</a>が日本で公開されたとき見たが、カリフォルニアの田舎でインタビューに答えながら、自らの音楽をなんの臆面も無く「アートだ」と言い切る姿は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カ人のふてぶてしさを実感した。彼らの音楽は、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%BD%C2%E5%A5%A2%A1%BC%A5%C8">現代アート</a>や現代音楽の歴史的文脈とは絡むことはほとんどなく、結果として斬新な表現を生み出しているわけだが、それがもうなんか奇跡的に眩しい。好きなことやれ、やった、やったら変なもんできた!ただそれだけの音楽。そういう勘違いみたいなところで出来るUSインディーはやっぱり知れば知る程、奥が深いわけです。<br />
まあ結局のところ、彼らは伝説のバンドとして評価され、ブーンは死んでしまったけどマイク・ワットもジョージ・ハーレイも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%EB%A5%BF%A5%CA">オルタナ</a>や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%BB%B6%C1%C7%C9">音響派</a>までの広いアーティストのサポートとかで引っ張りダコになったわけであります。そういえば、ドキュメンタリーでもジョージのリーゼントの映像は狂ってたなwwその後、レッドクレイオラのドラマーになるとは思えないハードコアっぷりで。</p><p><span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/Sorry-Forgot-Take-Trash-Reis/dp/B0014IH1OA%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB0014IH1OA" target="_top">Sorry Ma Forgot to Take Out the Trash (Reis) (Dlx)</a><br />Replacements <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/Sorry-Forgot-Take-Trash-Reis/dp/B0014IH1OA%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB0014IH1OA" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/61D%2BpH0TkbL._SL160_.jpg" alt="B0014IH1OA" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/All-Shook-Down-Exp-Replacements/dp/B001CI41R2%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB001CI41R2" target="_top">All Shook Down (Exp)</a><br />Replacements <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/All-Shook-Down-Exp-Replacements/dp/B001CI41R2%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB001CI41R2" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41wrvSdceeL._SL160_.jpg" alt="B001CI41R2" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
Minutemenよりさらに古く、Replacementsのファーストとラストのアルバム。どっちも投げ売られていた!というかラストアルバムは日本盤で500円くらいで、まず日本盤があることにビックリ、その安さにまたビックリしたが。<br />
Replacementsは日本では未だ評価されていない古参<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%EB%A5%BF%A5%CA">オルタナ</a>バンドというか、元祖<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%EB%A5%BF%A5%CA">オルタナ</a>バンドというか。簡単にいえば、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%EC%A1%BC%A5%B8%A5%D0%A5%F3%A5%C9">ガレージバンド</a>が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SEX%20PISTOLS">SEX PISTOLS</a>にモロ影響をうけながら、Big Starなどで活躍した伝説のミュージシャン、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%EC%A5%C3%A5%AF%A5%B9%A1%A6%A5%C1%A5%EB%A5%C8%A5%F3">アレックス・チルトン</a>から引き継いだオリジナル・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%EF%A1%BC%A5%DD%A5%C3%A5%D7">パワーポップ</a>とパンクの微妙な距離感つーかなんかそんな感じ。ともかく、USインディーの源流としか言いようのない荒々しいパンクでありロックンロール成分もあり、カントリーやフォークの雰囲気をあわせ持つ。<br />
ソリッドなギターリフがかっこいんだよな。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CA%A5%F3%A5%D0%A1%BC%A5%AC%A1%BC%A5%EB">ナンバーガール</a>にも通じるようなコードリフ主体の楽曲に、ポール・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%A7%A5%B9%A5%BF">ウェスタ</a>ーバーグのハスキーな声がかっこいい。とりあえず全部のアルバム揃える予定だ。</p>
shinimai
趣味
hatenablog://entry/17680117127006704434
2011-03-20T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:36:05+09:00 なんとなく地震で家にこもっているので、たまには雑文を書いている。 特段に聞かれるわけでもないが、現在、趣味は何と聞かれたら、たぶんゲーム、アニメ、犬と応えるだろう。 もちろん音楽が私の文化的バックボーンとして多大なのであるが、すでに趣味といっていいのかよくわからないため、便宜的にこの三つを趣味として、そして趣味としてまもり通そうと思う。 犬は恋人と同居をするようになって飼い始めたが、とても懐いてくれてかわいいヨークシャーテリアである。これは趣味にしかならない趣味で安全圏である。 問題は前二者。ゲームは基本的に今は2DSTGをPCかゲーセンでちょこちょこやるだけなので、ハードゲーマーではなく、ジ…
<p>なんとなく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%BF%CC">地震</a>で家にこもっているので、たまには雑文を書いている。<br />
特段に聞かれるわけでもないが、現在、趣味は何と聞かれたら、たぶんゲーム、アニメ、犬と応えるだろう。<br />
もちろん音楽が私の文化的バックボーンとして多大なのであるが、すでに趣味といっていいのかよくわからないため、便宜的にこの三つを趣味として、そして趣味としてまもり通そうと思う。<br />
犬は恋人と同居をするようになって飼い始めたが、とても懐いてくれてかわいい<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E8%A1%BC%A5%AF%A5%B7%A5%E3%A1%BC%A5%C6%A5%EA%A5%A2">ヨークシャーテリア</a>である。これは趣味にしかならない趣味で安全圏である。<br />
問題は前二者。ゲームは基本的に今は2DSTGをPCかゲーセンでちょこちょこやるだけなので、ハードゲーマーではなく、ジャンル特化型。ただ極端にジャンル化した<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/STG">STG</a>という文化やそれをやることでゲーム文化全体を考えるきっかけになると思っている。まあそう辺に考えすぎると仕事になっちゃうし、実際、Ustなんかでゲームの話したので、これが純粋な趣味の牙城として持つか不安なのである。現状、ゲームについて考察するよりも正直<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/STG">STG</a>もっとうまくなりたい。今年は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B1%A5%C4%A5%A4">ケツイ</a>と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%C3%C8%B7">斑鳩</a>をなんとかと思っているけどきつい。特にこういうのはある程度、知人から教わるのが一番だとおもうけど、周りにそういう友人がいないんだよな。<br />
アニメに関してはリアルタイムで2本くらいと、古いアニメをディグしている。正直、今のテレビアニメの現状は非常に守りに入っている感じで面白くないと思っている。やっぱ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%F4%A5%A1">エヴァ</a>でアニメバブルなった2000年前半から中盤のほうがいろいろと精力的なことしてた作品が多くて萌えとか考えない人にとっては面白い。問題は良いアニメを探す方法がなくて、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Twitter">Twitter</a>なんかではやっぱりリアルタイムのアニメしか話題にならないのね。この点、つくづくテレビアニメ文化は週刊誌的な続きものというか、連載的な文化であって、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A1%BC%A5%AB%A5%A4%A5%D6">アーカイブ</a>されたものからディグするような志向を持った人はすくなく感じる。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%F4%A5%A1">エヴァ</a>以外にも本当に面白い物、斬新なモノもあるのだが、海外のアニメファンはともかく日本の視聴者はあまりそういう感覚、つまり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A1%BC%A5%AB%A5%A4%A5%D6">アーカイブ</a>としてアニメ文化を見るということをしていないように感じる。つまり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%F3%A5%B0%A5%C6%A1%BC%A5%EB">ロングテール</a>が成り立たないというか。<br />
すごく単なる要望を言えば、アニメを見るときに参考となるデータベースや批評のサイトの決定版みたいなのがあまりないんですよね。だから自分としても次見るアニメとかさがすのが困難。制作会社、監督、演出、脚本あたりで検討をつけるけど、基本的に非常に産業の都合と集団制作という構造のため、同じスタッフでも必ずしも同じテイストにはなりづらい。この点、アニメはマンガとかに比べて作品文化としては未成熟というか、そういう文化を目指していないのかもしれない。またそんなにアニメを見ない人に勧めるのも困難なんだよね。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%B6%B3%CC%B5%A1%C6%B0%C2%E2">攻殻機動隊</a>のSACなんかは海外ドラマ好きとかにはかなり受け入れやすく、ライトな視聴者は多いと思うんだけど、SAC見た後何見るべきか、という問いに明確に応えるのは難しい。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%A3%C9%D2">今敏</a>なんかを無難に勧めるとか<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%C5%C7%BE%A5%B3%A5%A4%A5%EB">電脳コイル</a>とか勧めるとかくらいで、アニメの入り口にたったものも、その後の地図がないというのが、アニメ文化の拡大を阻んでいると思われる。だからアニメのレビューとかデータベースの決定版あればいいんだけど、現状ほとんど機能しているものないんだよね。誰かつくってほしいや。<br />
という感じの戯言でした。</p>
shinimai
研究関連で読んだ本
hatenablog://entry/17680117127006704591
2011-03-15T00:00:01+09:00
2019-04-03T03:36:09+09:00 長らく更新が滞ったのは私が学会発表を控えていたためであり、地震の影響ではないが、学会発表は3/12であって地震の影響がモロに出た。主に私の発表内容に(笑)。そもそも地震の直前までちゃんと準備していなかったことが悪いのだが、余震の中、発表の準備とかできないし、まさか行わないだろうと思ってたところ10時ころから指導教官から電話「今日やるみたいですよ。ちなみに私はいけません」なんだってーていうか本当に強行開催すぎて、学会発表した後に安否確認のメールがくるとか意味不明な展開であった。まあ私の発表の内容のひどさも地震ということで言い訳することにして、ゆっくりしっかりと勉強したいと思った。特に現代における…
<p>長らく更新が滞ったのは私が学会発表を控えていたためであり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%BF%CC">地震</a>の影響ではないが、学会発表は3/12であって<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%BF%CC">地震</a>の影響がモロに出た。主に私の発表内容に(笑)。そもそも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%BF%CC">地震</a>の直前までちゃんと準備していなかったことが悪いのだが、余震の中、発表の準備とかできないし、まさか行わないだろうと思ってたところ10時ころから指導教官から電話「今日やるみたいですよ。ちなみに私はいけません」なんだってーていうか本当に強行開催すぎて、学会発表した後に安否確認のメールがくるとか意味不明な展開であった。まあ私の発表の内容のひどさも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%BF%CC">地震</a>ということで言い訳することにして、ゆっくりしっかりと勉強したいと思った。特に現代における<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B8%BA%DF%CF%C0">存在論</a>の応用的問題とメタ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B8%BA%DF%CF%C0">存在論</a>について考えることがいろいろとある。これ自分で考えても仕方ないからいろんな人と話し合う必要があると思われる。<br />
前置きが長くなったがこの本、研究と関連して読んでたけど一応メモってく。</p><p><span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E7%A9%B4%E3%81%A8%E5%A2%83%E7%95%8C%E2%80%95%E5%AD%98%E5%9C%A8%E8%AB%96%E7%9A%84%E6%8E%A2%E7%A9%B6-%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E5%93%B2%E5%AD%A6%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%8B%9B%E5%BE%85-%E5%8A%A0%E5%9C%B0-%E5%A4%A7%E4%BB%8B/dp/4393329066%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4393329066" target="_top">穴と境界―存在論的探究 (現代哲学への招待)</a><br />加地 大介 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E7%A9%B4%E3%81%A8%E5%A2%83%E7%95%8C%E2%80%95%E5%AD%98%E5%9C%A8%E8%AB%96%E7%9A%84%E6%8E%A2%E7%A9%B6-%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E5%93%B2%E5%AD%A6%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%8B%9B%E5%BE%85-%E5%8A%A0%E5%9C%B0-%E5%A4%A7%E4%BB%8B/dp/4393329066%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4393329066" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51pCVrGWsoL._SL160_.jpg" alt="4393329066" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
本書の「存在」は以前から知っていたが、好事家的関心しかなかったが、自分も<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B8%BA%DF%CF%C0">存在論</a>をやっていると言っている限り現代の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B8%BA%DF%CF%C0">存在論</a>について日本語で読めるものはなんでも読んでおけと思い、それに倉田さんの入門のやつにもいちおうこの本にも入門についての「部分」はあるとかで手にしたわけである。内容については1章が現代の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B8%BA%DF%CF%C0">存在論</a>についての概説、2章が穴、3章が境界、あと付論。前書きのこれが分かりやすいというかぶっちゃけている。</p>
<blockquote>
<p>したがって、すでに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B8%BA%DF%CF%C0">存在論</a>的諸概念には習熟しており、ひたすら穴と境界にのみ興味がある人(そんな人はあまりいそうにないが)は、第2章から読み始めても構わない。また、逆に穴と境界などというマイナーな対象に関心が無く、むしろ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B8%BA%DF%CF%C0">存在論</a>を中核とした現代(分析)<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%C1%BC%A9%BE%E5%B3%D8">形而上学</a>の概要だけ知りたい人(そんな人は本書を買わないだろうが)は、第1章に続いてただちに付論を読む方が効率的だろう。<br />
(v)</p>
</blockquote>
<p>まっさきに思うわけですよ「別々の本にしろよなーーー」(笑)<br />
まあ私は後者のことが知りたい人なので1章と付論を参考にさせてもらおうと思ったけど、やっぱり入門にはちょっと記述が少ない。なので2,3章を読むことで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B8%BA%DF%CF%C0">存在論</a>的な議論の仕方の作法を学ぼうとは思って読んだけど、3章の後半はちょっと難しい。ちゃんと読めばわかりそうな話をしているが、境界への愛が足りないのかな(笑)<br />
まあそれでも1章では<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%C1%BC%A9%BE%E5%B3%D8">形而上学</a>と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B8%BA%DF%CF%C0">存在論</a>の関係、現代的な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B8%BA%DF%CF%C0">存在論</a>の流れなどが分かりやすく記述されている。ちょうど別で読んでいたAndrew Kaniaの論文でストローソンの記述的<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%C1%BC%A9%BE%E5%B3%D8">形而上学</a>の話が出てきたので参考になったところもある。</p>
<blockquote>
<p>実際、少なくとも直接的には「存在」に関わらない形での現代における「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%C1%BC%A9%BE%E5%B3%D8">形而上学</a>」の定義がいくつか存在する。例えば、ストローソン(P. F. Strawson)は、自らもその構築を企てた「記述的<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%C1%BC%A9%BE%E5%B3%D8">形而上学</a>(descriptive metaphysics)」の課題を、「世界にかんする我々の思惟の現実の構造を記述すること」と規定し、その目的を「われわれの概念構造のもっとも一般的な特色を明らかにすること」に求めた。<br />
(5)</p>
</blockquote>
<p>音楽作品の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B8%BA%DF%CF%C0">存在論</a>についてのKaniaのメタ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B8%BA%DF%CF%C0">存在論</a>的主張は非常に雑に言えば、「音楽作品なんてどう考えても文化に依存した概念やから、そのためにやるべきことは我々の概念をより明確にすることであって、『本当の』世界のあり方を求めるものではない。そのためストローソンが言っているような記述的<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%C1%BC%A9%BE%E5%B3%D8">形而上学</a>という方法論がふさわしく、またその路線では根源的には音楽作品など存在しないというフィクショナリズムをシリアスに受け止めるべき」というものだ。これよくわかるんだが、その場合、音楽作品の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B8%BA%DF%CF%C0">存在論</a>っていうよりもそれは概念分析なんじゃないかと突っ込まれるが、まあ別に方法の名前なんてどうでもいいのかもしれない。<br />
ただいろいろ読んでいて、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B8%BA%DF%CF%C0">存在論</a>を議論することはいったいなんなのか、どう議論すべきか、その目的は、というメタ的な疑問ばかりとめどもなく溢れてきて、私の頭は結構ごっちゃになってきたかんじがあったので、発表の準備が滞ったのであった。<br />
音楽については、とりあえず作品という概念は後においておき(友人からの指摘によれば、そもそも作品とは何かというような評価的・価値的問題は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B8%BA%DF%CF%C0">存在論</a>の問題ではないのではという意見もある)、我々の現代人が日常接する「音楽的な物事」(とりあえず音楽的は未定義語でいいだろう)をうまく分類して、それらの関係を明確に記述することが先決だろうと。そのような対象として「楽譜musical notation」、「録音物track」、「楽曲piece or song」、「演奏performance」、「再生playback」があるんじゃないかというところまで考えたけど、まとめ切れず発表には活かせなかった。今後の課題とする。</p><p>なんかゴチャゴチャしたが、以上。抽象的なことばかり考えてたときに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%BF%CC">地震</a>とかきてマジ焦ったわ。</p>
shinimai
停電居て
hatenablog://entry/17680117127006704532
2011-03-15T00:00:00+09:00
2019-04-03T03:36:07+09:00 東京電力からのお願い回文。
<p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EC%B5%FE%C5%C5%CE%CF">東京電力</a>からのお願い回文。</p>
shinimai
社会学的読書
hatenablog://entry/17680117127006704783
2011-02-16T00:00:01+09:00
2019-04-03T03:36:14+09:00 最近たてつづけて読んだもの。入手経路が全て異なるが偶然にも全てにおいてエスノメソドロジーが関わる本であった。 概念分析の社会学 ─ 社会的経験と人間の科学酒井 泰斗 ことばと身体 「言語の手前」の人類学 (講談社選書メチエ)菅原 和孝 「あたりまえ」を疑う社会学 質的調査のセンス (光文社新書)好井 裕明 まず『概念分析の社会学』は著者さんから直接購入。分厚いし、高い本だけど、濃密であった。ところどころ入るナビゲーションがあるのでなんとか読めたけど、まあ難しい部類にはいる。とはいえ、概念分析という事自体は哲学的なことなので、なんなく理解できるし、それが社会と関係あることは別に言われなくても分か…
<p>最近たてつづけて読んだもの。入手経路が全て異なるが偶然にも全てにおいて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%B9%A5%CE%A5%E1%A5%BD%A5%C9%A5%ED%A5%B8%A1%BC">エスノメソドロジー</a>が関わる本であった。<br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%A6%82%E5%BF%B5%E5%88%86%E6%9E%90%E3%81%AE%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%AD%A6-%E2%94%80-%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E7%9A%84%E7%B5%8C%E9%A8%93%E3%81%A8%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%AE%E7%A7%91%E5%AD%A6-%E9%85%92%E4%BA%95-%E6%B3%B0%E6%96%97/dp/4779503140%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4779503140" target="_top">概念分析の社会学 ─ 社会的経験と人間の科学</a><br />酒井 泰斗 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%A6%82%E5%BF%B5%E5%88%86%E6%9E%90%E3%81%AE%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%AD%A6-%E2%94%80-%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E7%9A%84%E7%B5%8C%E9%A8%93%E3%81%A8%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%AE%E7%A7%91%E5%AD%A6-%E9%85%92%E4%BA%95-%E6%B3%B0%E6%96%97/dp/4779503140%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4779503140" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51BRPDINpUL._SL160_.jpg" alt="4779503140" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%B0%E3%81%A8%E8%BA%AB%E4%BD%93-%E3%80%8C%E8%A8%80%E8%AA%9E%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%89%8D%E3%80%8D%E3%81%AE%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E5%AD%A6-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E9%81%B8%E6%9B%B8%E3%83%A1%E3%83%81%E3%82%A8-%E8%8F%85%E5%8E%9F-%E5%92%8C%E5%AD%9D/dp/4062584816%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4062584816" target="_top">ことばと身体 「言語の手前」の人類学 (講談社選書メチエ)</a><br />菅原 和孝 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%B0%E3%81%A8%E8%BA%AB%E4%BD%93-%E3%80%8C%E8%A8%80%E8%AA%9E%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%89%8D%E3%80%8D%E3%81%AE%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E5%AD%A6-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E9%81%B8%E6%9B%B8%E3%83%A1%E3%83%81%E3%82%A8-%E8%8F%85%E5%8E%9F-%E5%92%8C%E5%AD%9D/dp/4062584816%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4062584816" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/418huryX2%2BL._SL160_.jpg" alt="4062584816" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
<span class="g-tools_title"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E3%81%82%E3%81%9F%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%88%E3%80%8D%E3%82%92%E7%96%91%E3%81%86%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%AD%A6-%E8%B3%AA%E7%9A%84%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%81%AE%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B9-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%A5%BD%E4%BA%95-%E8%A3%95%E6%98%8E/dp/4334033431%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4334033431" target="_top">「あたりまえ」を疑う社会学 質的調査のセンス (光文社新書)</a><br />好井 裕明 <br /></span><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E3%81%82%E3%81%9F%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%88%E3%80%8D%E3%82%92%E7%96%91%E3%81%86%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%AD%A6-%E8%B3%AA%E7%9A%84%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%81%AE%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B9-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%A5%BD%E4%BA%95-%E8%A3%95%E6%98%8E/dp/4334033431%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dshinimai-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4334033431" target="_top"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41X8DSRW8PL._SL160_.jpg" alt="4334033431" /></a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shinimai-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br /><br />
まず『概念分析の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%D2%B2%F1%B3%D8">社会学</a>』は著者さんから直接購入。分厚いし、高い本だけど、濃密であった。ところどころ入るナビゲーションがあるのでなんとか読めたけど、まあ難しい部類にはいる。とはいえ、概念分析という事自体は哲学的なことなので、なんなく理解できるし、それが社会と関係あることは別に言われなくても分かると(むしろ哲学を社会と関係ないものだと捉えるほうがおかしい)。一番、重要な概念である「ループ効果」(科学の概念と、その概念によって記述される人々との間で相互作用)に関しても、その路線で理解できるが、問題はそれが各々論文でどういうふうに記述されているのかを理解するのは難しい。分かりやすく「ループ効果」について書かれているものがあるものと、そうではないものとばらつきがあるように感じられた。<br />
さて、この「概念分析」というメソッドが向かう先の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%D2%B2%F1%B3%D8">社会学</a>はどういったものだろうか。自分としては取り立てて「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%D2%B2%F1%B3%D8">社会学</a>」と名乗る必要もないとは思うが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%B9%A5%CE%A5%E1%A5%BD%A5%C9%A5%ED%A5%B8%A1%BC">エスノメソドロジー</a>的な研究が哲学的な洗練を受けることで得るものは大きいと思う。個人的には、さらに現代的な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B8%BA%DF%CF%C0">存在論</a>考え方を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%D2%B2%F1%B3%D8">社会学</a>ないし<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%B9%A5%CE%A5%E1%A5%BD%A5%C9%A5%ED%A5%B8%A1%BC">エスノメソドロジー</a>的研究に取り入れるといいのではと思っている。<br />
次はたまたま関係者から頂いた書籍であったが、目を通してみると私の関心に近いことが書かれていた『ことばと身体』。菅原先生は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%B8%B2%BD%BF%CD%CE%E0%B3%D8">文化人類学</a>の専門家であるのだが、この本に出てくる事例は、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%B8%B2%BD%BF%CD%CE%E0%B3%D8">文化人類学</a>的なアフリカでのフィールドワークから大学生のコミュニケーションのビデオ分析、日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%C1%C5%FD%B7%DD%C7%BD">伝統芸能</a>の継承など様々なものに及ぶ。正直、個々のテーマについて書かれた論文や書籍を読まないとよく理解できないところが多かったが、それでも「ことばの手前」としての身体におけるコミュニケーションの相互行為を扱っているという点は一貫している。<br />
特に自己<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%DC%BF%A8">接触</a>に関するビデオ分析が非常に面白かった。後、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%C1%C5%FD%B7%DD%C7%BD">伝統芸能</a>の伝承の研究は、私が今調査しているロックバンドのスタジオでの相互行為の分析に有用な先行研究がありそうだと思った。とはいえ、ロックバンドがやっているのはある知識を持った熟練の者が若い衆に何かを教えるという<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A1%BC%A5%C1%A5%F3">コーチン</a>グとはちょっと異なるゆえに、いろいろと自らで立論せねばならぬとひしひしと感じている。<br />
最後は好井先生の新書だが入手経路が不明で、おやじの本棚から抜いてきたものかもしれぬ。読み始め当初はなんだかぬるい新書だなと思っていたが、全部読むと良い質的な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%D2%B2%F1%B3%D8">社会学</a>の入門の入門書だと思える。特に挙げられた文献はどれも価値が高そうだ。しかしながら、この好井先生が念頭に置く「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%D2%B2%F1%B3%D8">社会学</a>」ってのが多少偏りがあるようには思えた。もちろん<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%D2%B2%F1%B3%D8">社会学</a>が学問的にも公共的にも価値があるのは、それが「社会問題」の学問であることによるのは大きいと思えるけど、何もそれだけではないように思える。あとグラウンデッド・セオリーにかなり否定的なことが書かれているけど、この辺ちゃんと調べなきゃ本当につまらない研究かどうかちょっと分からない。<br />
しかしながら、最近こうして読んでくるとすっかり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%B9%A5%CE%A5%E1%A5%BD%A5%C9%A5%ED%A5%B8%A1%BC">エスノメソドロジー</a>になれた感覚が出てきたな。</p>
shinimai