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2012-05-28

[][]講義した:聴覚文化論の射程(2012年度)横浜国立大学 講義した:聴覚文化論の射程(2012年度)横浜国立大学 - 死に舞 を含むブックマーク

横国の中川さんから一般教養向けのオムニバス授業を一回分頼まれまして、無事に(?)終わりましたので報告。

いろいろと忙しくて、満足のいく準備はとれなかったのですけど、自分がやっている研究をある程度分かりやすく、事例をいれて説明するみたいな感じになりました。後半の事例がまあなんというか暴走気味(笑)なんですが、中川さんには何やってもいいよって言われたから以前から興味を抱いていたデス声について扱いました。本当はロックのサブジャンルとかギターの音とか細かい話をいくらでもしたかったのですが、時間の関係上、デス声に限ったというわけです。

学生はどう思ったかわかりませんが(笑)、30分くらいで10曲くらいのデス声の曲、まあ必然的にハードコアグラインド系になるんですが再生しましたが、中川さん曰く「どれも一緒に聞こえる…」とのこと。まあそうですよね(笑)

ただ声の探求自体は21世紀に入ってからロックでもかなり幅広いジャンルでなされているので、無視できないなと思います。細かい話ですが、メタルハードコア経由のデス声とインディー/エモ(スクリーモ)経由のシャウトというかスクリーモは分けて考えるべきだと感じましたが、とりあえずは無視しました。

本当は動画で見せたいやつもあったけど、動画みせるとヤバイのも多かったので音源だけでよかった気がしますね。しかしプレイリストを見てもらえれば、ちょっとやりすぎた感じでもあります

なお授業についてはこのブログにも書いてあります

https://sites.google.com/site/nakagawa1503/class-lectures/the-scope-of-auditory-cultural-studies-2012

2012-04-23

[][][]書評を書いた。 書評を書いた。 - 死に舞 を含むブックマーク

JASPMでもお世話になっている井手口彰典さんのこの本について、以下の『ミュージックマガジン2012年5月号で書評を書きました。

同人音楽とその周辺: 新世紀の振源をめぐる技術・制度・概念
井手口 彰典
4787273175

ちなみに表紙は有馬啓太郎の絵というナイスセンスです!

ちなみに私の書評は何の関係もないですがマガジン小沢健二の特集です。

MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2012年 05月号 [雑誌]
B007R5TV10

井手口さんの前作についてはここで書きましたが(http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20100617/p1)、ゼロ年代後半から秋葉原の同人ショップ同人音楽イベントに足を運んでいる身としては「同人音楽の初の学術書」となるこの本をとても期待して読みました。残念ながら前作が傑作すぎたのか、どうも同人音楽の魅力や他の音楽文化との違いをうまく表せていないように思えました(むしろ、最終章で示唆されるのが「同人音楽が他の音楽とは違う」という「同人音楽神話」の脱神話化なので、これは井手口さんの意図するところかもしれません)。『ミュージックマガジン』の書評は800字足らずなので、無駄に偉そう、かつ断定的な書評に思える気もして、ここで少しだけコメントしたいと思います

総じて日本のポピュラー音楽研究の蓄積をうまく生かして、各論の内容も現代的なので大学ポピュラー音楽研究の授業なので扱うには良い本だと思います。前半は同人音楽概要概念文化環境批評のあり方などを描き、後半は初音ミクニコニコ動画アマチュア音楽という「その周辺」について考察するというのはタイトル通り(最初は「その周辺」とかなんか投げやりなタイトルだと思ってしまいました、すみません。。。)。

後半部の各論はそれぞれ面白いのですが、残念ながら同人音楽とのつながりちょっと希薄なのが気になります。前半部は概要としては良かったですが、同人音楽における二次創作のあり方などはあまり語られていないように感じました。とくに「ジャンル」に関する第三章では、同人音楽既存音楽ジャンルなどとの比較において論じますが、いわゆる「アレンジ系同人音楽」における元ネタとしての「ジャンル」の話などはほとんどないのが不思議に思えます。確かに井手口さんが中心的に調査をした同人音楽イベントM3などは、そういうジャンルにこだわらない表現の場としての性格が大きいとは思いますが、今の同人音楽は「東方」などのコンテンツを中心とした二次創作という面を語らないわけにいかないように思えます

さらに『ミュージックマガジン』の書評でも書きましたが、最終章で同人音楽を以下のようにまとめるのが甚だ疑問であります

だが、この「妨げられない」というポイントは、単にM3という特定イベント理念や制度のなかに息づいているだけではなく、同人音楽文化全般に通底するキーワードとして捉え返すことができるものでもあるようだ。たとえば我々は第2章で同人音楽を「環境から考察した際、主要な四つの要因(同人イベントDTM、録音可能なCDインターネット)がいずれも「排他性のなさ」によって特徴付けられるものであることを見た。(・・・)対照的に、従来の音楽活動がなにがしかの制約を受けていた、というのはある程度まで事実なのだろう。(・・・)そうした状況に比べれば、同人音楽がもろもろの制約に器用にかいくぐるものであるように見えるのは確かだ。

(253)

我々はここまでの議論を通じて、「妨げられない」実践としての同人音楽がもつ可能性を、成長や個性をめぐる競争に駆り立てられない点、あるいはその帰結としてやめたいときにやめることができる点に見いだした。

(266)

確かに「プロムナード」と題されたM3立役者、相川・寺西両氏のインタビューからは、音を使った自由な表現の場というM3ポリシーははっきり伝わってきます。しかしながら、このポリシー同人音楽全体を通底するとは思えません。個人的には同人ショップ同人イベントには、ある種の近寄りがたさがあり、その(ある意味での)「閉鎖性」こそが同人音楽特殊性や魅力を作っているようにも感じます。また「インターネット」が「排他性のなさ」として特徴付けられていますが、都内のアマチュア/インディーバンドの調査をしている身としては、ミュージシャンたちの間にある「デジタルデバイド」はかなり大きいように思えます

総じて、調査の中心となったM3の考え方などに論点が引っ張られすぎているように思えるところがあります。逆に言えば、M3立役者たちのインタビューは本書の最大の魅力であるとともに、彼らが現在同人音楽に多少なりとも距離を置いていることが分かったのが大きな収穫でした。特に寺西氏のインタビューは、彼がかなり明確なビジョンのもとにM3というイベントを築いてきたことがわかり非常に面白かったです。

寺西氏

ただ、先に言ったようなサークルの数的な増加も確かにあるんですか、1998年M3の立ち上げに際しては、音系同人活動を「理論武装」する、という目的もありました。ちょうどコミケット同人誌に対してその役割を担ってきたように、です。コミケットという場所は、ちゃんと秩序があるし決して無法地帯ではないんだけど、それでもスレスレの表現グレーゾーンとして生き残れる場所であると、僕の目には映っていました。でも、組織としてある程度まとまっていないと、そうしたグレーゾーン上のサークルは各個破壊されてしまうわけです。

(159)

理論武装」という言葉やその後のインタビューで出てくるフランスのパロディー法やプラーゲ旋風JASRACの話題から察せるとおり、寺西氏のビジョンポリシーは非常に志が高く、感動的ですらありました。

他にも様々な論点があり、ここでは論じ切れないです。よかったら井手口さんの著書、または『ミュージック・マガジン』の私の書評などを読んでいただけたらとおもいます

2011-02-07 寒暖の差、飲んだんか?

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発売されてもうだいぶ立ちます

ユリイカ2011年2月号 特集=ソーシャルネットワークの現在 Facebook、twitter、ニコニコ動画、pixiv、Ustream・・・デジタルネイティブのひらく世界
小林弘人 濱野智史 東浩紀
4791702190

ユリイカの「ソーシャルネットワーク」特集で論考「ランキングとレイティング ビルボードとピッチフォークに見るポップの美学のゆくえ」というのを寄稿しました。Twitter上では告知してたので、すでに買ってくださった方もいるかと思いますが、再度、宣伝。意外にネット上での反応がとぼしいと、加野瀬さんと共にグチてたので(笑)、買ったかたを感想を書いてくれたらうれしいです。

全体としては、件の映画『ソーシャルネットワーク』の話が2本くらいで、あとはソーシャルネットとゲーム、詩、音楽に関する論考、対談3つというかんじ。個人的には対談がどれも面白かったです。特にpixivの中の人の話は貴重な感じでしたが、この人たちもうちょっと商売のこと考えた方がいいんじゃないかと(笑)思ったりです。

私の文章はタイトルに現れているように、ソーシャルメディアとかFacebookとか完全無視でwwビルボードランキングのシステムとピッチフォークについて書きました。最初は、一応、音楽のソーシャル的なサービスをいろいろ物色したものの、正直、音楽のソーシャル化は一定完了しているし、それ以上のものははっきりいって全然魅力感じないことがわかったので、あえてソーシャルメディアの話を取り上げず、むしろそれより古いシステムであるランキングやレイティングというものを見直す形にしました。実際、iTunes Pingsとか本当に誰が使ってるんだろうって感じであります。意外と他の書き手ささんがソーシャルネットワークとかFacebookの話を集中的に取り上げていたので違った方向のものとしてよかったかなと思ってます



それとゲーム研究の井上明人さんの企画RGN-uでUstreamで話をしました。

http://www.critiqueofgames.net/rgn/u/

http://togetter.com/li/97227

録画もしているので、今からでも見れます動画はやっぱりちょっと恥ずかしいですがね。

内容は僕がゲームをやりつつ、考えてきたことを素朴にまとめたものです。とはいえ、ゲームについて考えている時間が長かったので、なんというか自分の妄想を爆発させた感があります(笑)。正直、趣味であるゲームを研究の課題にする気持ちは薄いのですが、ゲーム研究に少しでも寄与することができればと。あとHellsinker.信者として布教活動を行ったりしたのですが、これはまた違うときにエントリでまとめたいものです。

個人的にはゲームについては考える以上、シューターとしてもっと上達したいと思ってます。今年はケツイをワンコインクリアとか目指しているのですが、やれるゲーセンも少ないので、もうあきらめモードorz…箱○さっさと買えって気もしますが。

動画その他取ってくださった井上さんとTogetterにまとめてくださったtrickenさんに感謝です。

あとレジメ公開URL忘れてた。

https://docs.google.com/document/d/1dGVVAWuw7qXZsBOXcTLscAy3N_iAC-IukDZ_Ixq5srM/edit?hl=ja&authkey=CLaqycAC#

適当に批判、コメントあったらヨロ

hiyokoyahiyokoya 2011/02/07 14:06 こちらこそありがとうございました!

shinimaishinimai 2011/02/07 18:06 RGN-uの打ち上げとかでゲームパーティしたいです。

hiyokoyahiyokoya 2011/02/14 11:09 いいですね。人狼とかやりたいです。