西東京市都市伝説探検隊▶石神井川にかかる幻の橋!を探す

西東京市都市伝説探検隊▶石神井川にかかる幻の橋!を探す】
 西東京市の中央部を西東に流れる石神井川には、24基の名前のついた橋が架かっている。青梅街道橋(仮名)をいれると25基あるが、実はもう1基、一度も地図に載ったこともない橋がある。

 戦争末期の1944(昭和19)年の秋から1945(昭和20)年の終戦にかけて、1年足らずの間でしたが、中島航空金属の工場から中島飛行機製作所武蔵工場まで、軍用軽便鉄道が敷かれた期間があった。この路線は、当時の日本の地図には全く掲載されていないらしく、つい最近まで幻の引込み線と言われていたが、1946年に旧米国陸軍地図局が制作した地図に路線図が残されていた。この地図に記されていたため存在が確認できた鉄道が、石神井川を渡るために造られた鉄道橋が、26番目の橋・石神井川鉄道橋(仮名)だ。


 南町1丁目に路線跡と思われる路地(写真❶)がある。南進すると金網フェンス(写真❷)に囲われた石神井川で中断されるが、川向こうには土地の境界部分に路地の続きらしき細い路地を確認することができる。この路地を繋ぐ橋があっただろうことは容易に想像できるだろう。




旧米国陸軍地図局が制作した地図(写真❸)には「wood」とあるので木製の鉄道橋があったものと思われる。



❹軍用軽便鉄道路線跡の路地を川の南側から振返って眺めたところ。ここに鉄道橋が架かっていたものと推察する。



境橋から上流を眺める。奥の右側に木が生い茂っているところが鉄道橋があったと思われる場所。



中島飛行機は、1917年から1945年まで存在した日本の航空機・エンジンのメーカー。ンジンや機体の開発を独自に行う能力と、自社での一貫生産を可能とする高い技術力を備え、第二次世界大戦終戦までは陸軍・海軍の戦闘機の製造に携わる東洋最大、世界有数の航空機メーカーであった。中でも1941年製造の一式戦闘機「隼(はやぶさ)」や、三菱製の「零式艦上戦闘機」(いわゆる「零戦」)に搭載された航空機エンジン「栄(さかえ)」などが有名。零戦三菱重工製、隼は後の富士重工となる中島飛行機製。