明治時代のボタニカルアート掲載誌『園藝の友』

【明治時代のボタニカルアートが出てきた】
 探し物をしながら書庫(というほどのものではないが)で本の山をひっくり返していたら、明治時代のボタニカルアートが掲載されている雑誌『園藝の友』(園藝研究会、明治38年)が出てきた。明治時代のカラー印刷がこんなにレベルが高かったとは、今更ながら驚いている。
 針金綴じ製本の原稿を書いていた頃に集めたものらしいが、その頃は、雑誌の内容など見向きもせずただひたすら針金綴じ製本が日本でいつ始まったのかを追求していた。



  写真は「玉利博士発見の野生の梨 甲、長善寺梨又核無雄梨 乙、西洋梨又雌梨…」との説明があり、梨の新種発見の報告か? 切り取り線が付いているので、額装することを念頭に作られたものと思われる。印刷は、精度の高さから、当時の最新の印刷術である玻璃板(コロタイプ)と呼ばれる写真製版法を使っているのではないかと思われる。コロタイプは1870年代にドイツのアルベルトJ.Albertによって実用化された印刷術で,日本でも1889(明治32)年ころから使用されている。ガラスの板を原板に使用することから、日本では玻璃(はり)版とも呼ばれている。
 実家の裏山にも小さな梨が実っていましたが、あまり美味しいものではありませんでした。


 その他の記事も、植物画を描き始めた今読むとなかなか興味ふかい。