「堀の中のジュリアス・シーザー」と銀座テアトルシネマ

昨日は早い時間から起き出し、シャカシャカ怒りながらブログを書いて、仕事の準備を脇目も振らずこなしていき、バリバリ現場で楽しく収録を終えたら、まだ2時前。
昨日は1日、映画の日だったので「堀の中のジュリアス・シーザー」を見に、銀座テアトルシネマへまっしぐら。銀座駅から暖かいといわれながらも、それなりに寒い道をチャンチャン歩きましたよ。
映画館に着いたらじんわり身体の内側から温かくなってきてほんわり。少し酔っ払ったような気分。

1日はどの映画館もおばさま、おじさまで混みます。とりあえず私はおじさまには入っておりません。
評判の高い映画をここは掛けるので、よく足を運ぶんだけど、毎回こんな感じ。
ほぼ満席の中、すっかり気が緩んじゃって、映画が始まる前から「ねむーい」。

そう、このどうでもいい前ふりは、言い訳のためのものである。

映画が始めり、なんだか凄く切羽詰った迫力、というところまでは覚えているんだけど、後は予告編のように映像のかけらが頭の中をよぎるが、どうしても映画全体が再構成できない。半睡という幽体離脱のような状況だったと思われる。ふわっと自分の身体に戻ると「お、凄い場面だ・・・」、とまた離脱してしまう。何度この気色の悪いことを繰り返しただろう。
完全復活したらエンドロールが流れていた。

やってしまった。
オレは死んだほうがましだった。
まさかイビキかいてないだろうな、と隣の方にお聞きするわけにもいかず、そーっとロビーに出て、長い映画評が貼られていたので、じっくり読み込む。
あー、なんてことをしてくれたんだね。超面白そうじゃん。
まずいよ。点数つけられないじゃん。
もう一度行かなきゃ。

猛省したのだが、実はこの事件については映画館も悪い。
入場時に渡された紙をよく見てみたら、「銀座テアトルシネマ さよならカウントダウン」とある。何のことなのかしら?とよーく読んでみたら5月末で閉館します、なんて書いてあるじゃん。
「は〜?」でしょうが。シネパトスが3月末で閉館、浅草全滅、恵比寿ガーデンシネマもすでにない、シアターNも私に断りなしに閉めていた。
えー、一体どういう了見をしてるのだね。
誰を責めりゃいいんだ。
客が悪いか?
いい映画でも人が入んなきゃ閉めるしかないんだよ。
と憤慨してしまい、映画を見る前から体力を失っていたのである。

寝てしまったことは仕方がない。わたしが何とかしよう。
しかし、勝手に閉めないでよ。
どうも去年からここも閉めるんだってよ、という話は映画好きの間では話題になっていたらしいが、孤高の映画館通いの私には伝わっていなかった。

頼むよ。
映画で栄養つけてんだから。

そもそも、この銀座テアトルシネマが1987年にできる前は、この地にはテアトル東京というバカでかいドーンとした劇場があったのよ。これは人が入るぞ、でかいスクリーンで見ないと、という映画は必ずテアトル東京だったんだよ。
1955年にオープンして、1981年に閉館するまでとんでもない数の客が足を運んだのよ。
私も大学生の時には何度も行きましたよ。お金もないのに。

銀座、有楽町で日劇かテアトル東京かと聞かれたら、テアトル東京を取ったね。私は。
映画の聖地なの。

もう一度映画館作んないと許さん。

最後の上映作品はケン・ローチ監督の「エンジェルズ・シェア」。
すでに試写で見ましたが、最後を飾るには申し分のない作品です。
公開前にまたお知らせします。

しかし、マジでやばいよ。
映画館がなくなるよ。
ゲームやってる場合じゃないって。

下関。駅前の誰も歩いていない空中回廊。
昔はこの町にもたくさん映画館があったが、今は2スクリーンの小屋がひとつだけ。