島田裕巳氏と再会しました

一条真也です。

ブログの再開以来、多くの方々からお祝いのメールなどを頂戴して、感激しています。また、人気ブロガーの岸邦晴さんが自身のブログで「お帰りなさい! 一条真也の新ハートフル・ブログ」という記事を書いて下さいました。感謝!!
新しいオフィシャル・ブログを開始して、まず、みなさまにお伝えしたいことがあります。最近、あの島田裕巳さんと再会しました。


島田裕巳氏と再会しました



島田さんとわたしには、知る人ぞ知る縁(因縁?)があります。
なにしろ、島田さんが書いた『葬式は、要らない』(幻冬舎新書)に対抗して、わたしは『葬式は必要!』(双葉新書)を書いたのです。
それぞれ「葬式無用論」と「葬式必要論」の代表的論者として、島田さんとわたしは多くのメディアに揃って取り上げられ、ついにはブログ「NHK収録」に書いたように、テレビの討論番組でも意見を激突させました。
そんな関係の島田さんと、どこで、どのように再会したのか。
再会のキーマンは、「バク転神道ソングライター」こと鎌田東二さんでした。
東京の小田急線の梅ヶ丘駅前のライブハウスで開かれた鎌田さんのライブに出掛けたところ、わたしの席のすぐ隣が島田さんの席だったのです。


NHKの討論番組収録後、互いの著書を持って記念撮影

「FLASH」2010年8月3日号                 

「週刊 東洋経済」2010年12/25−1/1号



先に最後列の端の席に着いていたわたしの目が、ドアを開けて店内に入ってきた島田さんの姿をとらえました。その瞬間、わたしは声をかけていました。
島田さんは、わたしの顔を見ても、すぐに誰だかわからなかったようです。
そのとき、わたしが哀川翔デザインのデコラティブなメガネをかけていたせいかもしれません。それで、わたしは大きな声で「一条真也です。ご無沙汰しております!」と言ったところ、島田さんは「あちゃー!」といった顔をされました。(笑)
その上、なんと席が隣同士でしたので、必然的に会話が交されました。
なんでも、島田さんは前日に行われた島薗進(元・東京大学大学院教授)さんの最終講義で鎌田さんに会われたそうで、そこでライブに誘われたとのこと。ご自宅がすぐ近くの経堂でもあり、島田さんは奇特にも鎌田ライブを訪れたのです。


なんと席が隣同士。縁は異なもの!



鎌田さんは、ライブの開始時間になっても姿を現わしませんでした。
ケータイも持っていないので、現在どこにいるかもわかりません。
いつまで経っても、鎌田さんからは何の連絡もありません。
主催者は困り果て、集まったお客さんたちも不安そうにしていました。
島田さんは、「いっそ、ぼくたち2人でトークショーでもやりますか?」と笑いながら言われました。それも面白かったかもしれませんね。
それでも、鎌田さんからはいっこうに連絡がありません。
会場のライブハウスには非常に重苦しい雰囲気が漂いましたが、そのおかげで、わたしは島田さんとたっぷり話ができました。



島田さんは「今度、こういうことをやるようになったんですよ」と言いながら、名刺を下さいました。そこには、自然葬を普及するという趣旨の団体である「NPO法人 葬送の自由をすすめる会」「日本自然葬協会」の会長と書かれていました。わたしは「散骨」と呼ばれる海洋葬や樹木葬などには大いに賛成していますので、島田さんの新しい活動を好意的に受け止めました。そもそも「葬送の自由をすすめる」という時点で「葬式は、要らない」とは考えていないことは明白です。



それから、わたしたちは浄土真宗ミャンマー仏教の話などを少しだけした後、映画の話題で盛り上がりました。
ブログ『映画は父を殺すためにある』に書いたように、わたしは島田さんの書いた映画論に深い感銘を受けました。そのことをお知らせすると、翌日の島田さんのツイッターで早速紹介されていました
わたしが「最近はどんな映画を御覧になりましたか?」と尋ねると、島田さんは「最近の映画はつまらないから、あまり観ていないんですよ」と言われました。
そこで、わたしがブログ「ライフ・オブ・パイ」で紹介した映画のことをお話すると、島田さんは「それは面白そうだな。ぜひ観てみます」と言われました。
島田さんの「ライフ・オブ・パイ」の感想、非常に興味がありますね。


サイン入りの著書をプレゼントされました



それから、島田さんは、わたしに新刊の著書をサイン入りでプレゼントしてくれました。『神道はなぜ教えがないのか』(ベスト新書)という本です。
本当は鎌田さんに渡すつもりの本だったようですが、その当人が来ないので、居合わせたわたしが頂戴することになりました。ラッキー!
「この本は好評でね、結構売れているんですよ」と島田さんは笑顔で言われました。なんでも今年1月に発売してすでに3刷で、2万部だとか。うらやましい!
結局40分も遅刻して到着した鎌田さんには『小説 日蓮』上・下巻(東京書籍)を渡されていました。宗教学者でありながら小説も書かれるとは、すごい!
それだけでなく、島田さんは歌舞伎やジャズにも造詣の深いことで知られます。
ご自身は「学者ってタイプじゃないんですよ」と言われていましたが、本当にマルチな才能をお持ちなのでしょう。


「フンドシ族ロック」に聴き入る島田さん



その後、わたしたち2人は、それぞれに注文した赤ワインを飲みながら、レポートの採点とライブで使用するサングラス探しのために遅刻したという鎌田さんのライブを聴きました。久しぶりに聴く鎌田さんの音楽世界は、相変わらずの頭がクラクラするほどのディープさでした。
島田さんは初めて鎌田さんの歌を聴かれたそうですが、鎌田さんの愛猫の死を悼む「なんまいだー節」や、世界中の宗教のマントラが満載の「君の名を呼べば」、そしてフンドシ一丁になって熱唱した「フンドシ族ロック」など、天下の名曲(迷曲?)を神妙な顔で聴かれる姿が印象的でした。
わたしは、そんな島田さんの横顔を赤ワインを飲みながら眺めながら、「この人は、とても優しい人なのではないか」と思いました。そして、島田さんのことが好きになりました。それにしても、一時は「天敵」のように世間から思われていたわたしたちが並んで談笑する姿を誰が想像したでしょうか?



わたしは、「まんが日本昔ばなし」のエンディングの歌ではありませんが、「にんげんっていいな」と心から思いましたよ。いや、ほんとに。これも、40分も遅刻して会話の時間を作ってくれた鎌田さんのおかげです。(苦笑)
鎌田さんは「現代の縁の行者」と自称しておられます。人々の縁を結ぶための行動を起こす人という意味でしょうが、まさにその通りですね!


島田さん、楽しい夜をありがとうございました!



島田さん、このたびは不思議な御縁で再会し、たくさんお話できて嬉しかったです。まさに「縁は異なもの」、この世は「有縁社会」であると痛感しますが、これを御縁に今後ともよろしくお願いいたします。
また、はからずも御高著を頂戴し、本当にありがとうございました。
必ず読ませていただきます。わたしの本も送らせていただきますね!
なお、この日の様子は、島田さんも自身のブログに書かれています



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2013年2月15日 一条真也