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一条真也の新ハートフル・ブログ

2013-10-28

宇宙葬

一条真也です。
ブログ「送魂」ブログ『魂の送りかた』でも紹介したように、葬儀のスタイルにはさまざまな種類がありますが、中でも「宇宙葬」が大きな関心を集めています。

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インタビューに答えるトマ・シベCEO



宇宙葬といえば、今日はとても嬉しいことがありました。
ムーンギャラリーの終活アドバイザーでグリーフカウンセラーでもある進藤恵美子さんからの情報です。あるお客様が宇宙葬を希望され、進藤さんがいろいろと調べていたところ、エリジウム・スペース社のCEOのインタビュー記事を見つけたそうです。アメリカに本社を置く同社は、宇宙葬を今までよりも安く提供し、より多くの人にサービスを届けようとしているそうです。
低価格の宇宙葬はアメリカで大ヒット商品となり、日本にも上陸してきました。
そのニュースは、10月1日付の「毎日」、「朝日」、「産経」といった各全国紙のサイトでも大きく紹介されています。
エリジウム・スペースのトマ・シベ(Thomas Civeit)CEOは、元NASAの技術者で、なんとハッブル望遠鏡の開発者でもあります。その彼が、宇宙に関する情報サイトとして有名な「astropreneur.jp」でインタビューに答えています。



記事は、「【インタビュー】宇宙葬を手がけるスタートアップ『エリジウム・スペース』」というタイトルで、まず、「はじめにエリジウム・スペースの事業内容について教えて下さい」との質問に対し、トマ・シベCEOは次のように答えています。
「私達のサービスは宇宙葬です。とはいえ宇宙葬は新しいものではなく、既に15年以上行われてきました。しかしこれまでは一回あたり50万円ほどかかっていました。そこで私達は20万円以下(1,990USD)というより手頃な価格でこの宇宙葬を実現します。 ちょうど、アメリカでも8月初旬にサービスを開始しました。そもそも、なぜ私達が宇宙葬という事業を始めようと思ったかというと、今日、葬送に求めるものが宗教的なものから、故人の名誉や誇りといったものに移行しつつあるためです。多くの人にとって宇宙葬はとても真新しい経験だということはわかっています。それでも死後美しい宇宙空間に行くことは人間にとって意義深いことではないでしょうか。 そう思った私達は、宇宙葬を誰もが利用できるようにするべく、アメリカと日本で事業を始めました」


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宇宙葬を手がけるスタートアップ「エリジウム・スペース」



また、「事業を国際展開する上で、なぜ二番目の国として日本を選んだのですか?」という質問に対しては、以下のように答えています。
「日本市場はアメリカと同じくらい魅力的だからです。アメリカでは一年間に250万人の人が亡くなっています。そのうちの40%が火葬です。つまり、100万人がサービスの潜在顧客となります。(宇宙葬では重さを軽くするため遺灰の一部を宇宙に持っていくスタイルをとる。そのため火葬以外の葬儀方法の場合はサービスの対象外となる)その点、日本では毎年100万人の人が亡くなり、ほぼ全ての人が火葬です。 とはいえ、日本には日本独自の葬儀文化があるので、日本市場への参入はとても繊細な問題でした。しかし、日本から『宇宙葬のサービスを日本でもやって欲しい』とのリクエストを貰ったため、こうして始めることにしました」



「日本で宇宙葬を広めるために、どのような戦略を考えていますか?」という質問には、以下のように答えています。
「宇宙葬というサービスはとても真新しいものなので、それがどういうものなのか人々にわかってもらう必要があります。 そこで私達はとてもシンプルでわかりやすいアプリをリリースしました。App StoreやGoogle Playを通じて今すぐ手に入れることができます。そして、葬儀会社のパートナーを見つけることにも注力しています。私達は宇宙葬を既存の葬儀形態とうまくフィットさせることが可能だと信じています。故人の一族が故人を弔うため、棺桶や花といったものを使うのと同じように宇宙葬を利用して欲しいと思っています」


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宇宙葬が日本人の葬送の文化にどのような影響をもたらすか?



そして、ここがポイントですが、「宇宙葬が日本人の葬送の文化にどのような影響をもたらすと考えていますか?」という質問に対し、次のように答えています。
「日本人の宗教観においては仏教というものが大きく影響していると思います。仏教では死後の世界というものに対して既に一定の世界観があります。クリスチャンよりも遺体を大事にするように思われますが、その一方、日本文化では散骨がとても自然に行われています。 実際、私が調査したところ、日本人の中に最も早く宇宙葬を考えた一人がいます。一条真也という作家で、1980年代にとても素晴らしい本を書いています。 彼は日本の葬儀の未来に対してビジョンを抱いていました。死というものを地上から天へと解き放つ時期が来た、と。 死に対する価値観を変えていくという面で、私は彼に共感し『よしやろう』と思いました。人は死後、宇宙や月に行き、意義深く詩的な最期を迎えるということです」


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なんと、わたしの名前が登場!



なんと、ここで「一条真也」という名前が登場したので、非常に驚きました。
そして、しみじみと感動しました。『ロマンティック・デス〜月と死のセレモニー』(国書刊行会)の中で、わたしが述べた「死のロマン主義」にNASAの重要人物が共感してくれたという事実に。そして、彼が起業した宇宙葬のビジネスが実際にアメリカで大成功したという事実に・・・・・。

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宇宙葬を提唱した『ロマンティック・デス〜月と死のセレモニー



おそらくは、サンレー小倉紫雲閣で葬儀実務を研修した鈴木光さんがハーバード大学大学院在籍中に英文で書いた「葬儀」についての著書で『ロマンティック・デス』を大きく紹介して下さったので、それをNASAの関係者が読んだのでしょう。その鈴木さんは現在、オーストラリアのシドニー大学で研究員(死生学)を務められていますが、今回の日本での宇宙葬スタートについての「毎日新聞」の取材に対して、「日米共に、宗教に縛られず自分らしい死への道筋を考える動きが広がっている。その時の新しい選択肢の一つになる」と語っています。




宇宙葬において、エリジウム・スペースには「セレスティス」という競合がいます。上の動画は、セレスティス社の宇宙葬を紹介したプロモーション映像です。
じつは、サンレーは代理店のセキセーを通じて、セレスティスの宇宙葬を取り扱っています。でも、今後は場合によっては、エリジウム・スペースとも提携したいと思っています。いろんな宇宙葬があっていいし、いろんな選択肢があっていいと思うからです。「選択肢の多さ」が「豊かさ」につながるのではないでしょうか。

ロマンティック・デス―月を見よ、死を想え (幻冬舎文庫)

ロマンティック・デス―月を見よ、死を想え (幻冬舎文庫)



それにしても、かつては「SF」の世界の話であった宇宙葬が、いよいよ現実的になってきました。宇宙葬とは、いわゆる散骨の形態の1つです。故人の遺骨などを納めたロケットを宇宙空間に打ち上げるというものですが、初の宇宙葬はもう15年以上前に行われました。1997年4月21日、空中発射型ロケットのペガサスロケットによって行われました。このロケットには24人分の遺骨が格納されており、カナリア諸島の上空11kmから発射されました。ロケットは遠地点578km・近地点551kmで公転周期96分の楕円軌道に乗り、2002年5月20日にオーストラリア北部に落下しています。
2014年7月には、エリジウム・スペースが最初のロケットを打ち上げるそうです。ぜひ、わたしはアメリカまで打ち上げを見に行きたいと思っています。そして、トマ・シベCEOにお会いすることを楽しみにしています。ブログ「月への送魂」で紹介した宇宙時代のセレモニーも、いつか見ていただきたいですね。




*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2013年10月28日 一条真也