無縁社会を乗り越える映画「縁(えにし)」

一条真也です。
新年を迎えたばかりと思っていたら、もう今日から2月ですね。
わたしは、 終活WEB「ソナエ」で「一条真也のハートフル・ライフ」を連載しています。「日本の心」や「心ゆたかな生き方」をテーマに月に2回、コラムをお届けしております。その第26回目が本日アップされました。



終活WEB「ソナエ」



第26回のタイトルは「無縁社会を乗り越える映画『縁(えにし)』」です。日本映画「縁(えにし))The Bride of Izumo」を観ました。昨年9月26日から出雲で先行ロードショーを行い、今年の1月16日から全国で順次公開している作品ですが、わたしは小倉で鑑賞しました。今や日本を代表する美人女優である佐々木希がヒロインに迎え、出雲出身の新鋭堀内博志が監督を務めています。撮影監督は巨匠クリストファー・ドイルです。「神話の国」として日本の原風景を残す島根県出雲市を舞台に、時間や空間を超えた人間同士の不思議なつながりを描いています。



無縁社会を乗り越える映画『縁(えにし)』



この映画のテーマは「縁」ですが、まず夫婦の縁について描いています。そもそも縁があって結婚するわけですが、「浜の真砂」という言葉があるように、数十万、数百万人を超える結婚可能な異性のなかからたった1人と結ばれるとは、何たる縁でしょうか!
また、「縁(えにし)」という映画タイトルには「夫婦の縁」の他にも、さまざまな縁が込められています。たとえば「家族の縁」などがそうですが、中でも特に「親子の縁」がよく描かれていました。いま、「無縁社会」などと呼ばれています。わたしは冠婚葬祭会社を経営していますが、「縁こそは冠婚葬祭業界のインフラである」と、ことあるごとに言っています。



この世にあるすべての物事や現象は、みなそれぞれ孤立したり、単独ではありません。他と無関係では何も存在できないのです。すべてはバラバラであるのではなく、緻密な関わり合いをしています。この緻密な関わり合いを「縁」と呼びます。そして、縁ある者の集まりを「社会」と呼びます。ですから、「無縁社会」という言葉は本来おかしいのであり、明らかな表現矛盾なのです。「社会」とは最初から「有縁社会」なのです。そして、この世に張り巡らされている縁は目に見えませんが、それを可視化するものこそ冠婚葬祭ではないでしょうか。結婚式や葬儀には、その人と縁のある人々が集まって、目に見えるからです。ちなみに、この映画は結婚式がテーマですが、冒頭では名作「おくりびと」を彷彿とさせる葬儀のシーンが流れました。ちなみに「おくりびと」とは葬祭業に携わる人々を指すことが一般的ですが、わたしは冠婚業に携わる人々のことを「むすびびと」と呼んでいます。



『むすびびと』(三五館)が紹介されています



次回は2月15日にアップの予定です!



次回の「一条真也のハートフル・ライフ」は、2月15日(火)にアップされる予定です。タイトルは「ブッダの教えを求めてインドへ」です。もうすぐ、「アジア冠婚葬祭業国際交流研究会」の副座長としてインドを視察します。現地では聖なるガンジス河をはじめ、サルナート、ブッダガヤ、ラージギルなどの仏教聖地を回っています。言うまでもなく、インドはブッダ世界宗教である仏教を開いた土地です。その布教のルートを追いながら、ブッダの教えというものを振り返ります。仏教は、正義より寛容の徳を大切にします。いま世界で求められるべき徳は正義の徳より寛容の徳、あるいは慈悲の徳です。この寛容の徳、慈悲の徳が仏教にはよく説かれているのです。わたしは、仏教の思想、つまりブッダの考え方が世界を救うと信じています。次回はそんなことを書きます。どうぞ、お楽しみに!


*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2016年2月1日 一条真也