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一条真也の新ハートフル・ブログ

2018-07-15

コミュニティセンター化に挑む! 

一条真也です。
15日の日曜日、サンレー本社と小倉紫雲閣では映画「君は一人ぼっちじゃない」の撮影が行われ、多くの社員がエキストラ出演します。
17日には松柏園ホテルでの撮影が行われ、恥ずかしながら、わたしも出演いたします。鶴田真由さん演じる芸者の馴染み客の役だそうです。
さて本日、「毎日新聞」の朝刊に、わが社の新しい取り組みと拙著を全面で大きく紹介する記事&広告が掲載されました。

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「毎日新聞」2018年7月15日朝刊



記事は、「サンレー 紫雲閣 コミュニティセンター化に挑む!」の大見出しで、「冠婚葬祭の施設というと、どのようなイメージだろうか。『家族や親戚絡みでたまに行くことはあっても、普段は縁遠い』というのが大半の意見かもしれない。そんなセレモニーホールの概念を変えようとしている会社がある。紫雲閣などを運営するサンレー(本社・北九州市小倉北区、佐久間庸和社長)だ。『寺離れ』『神社離れ』といわれるようになって久しい。『セレモニーホールからコミュニティセンターへ』。かつては寺や神社が果たしていた地域の交流の場としての役割を担うべく、果敢な挑戦を続ける同社の取り組みを紹介する」というリード文が書かれています。

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「毎日新聞」2018年7月15日朝刊



リード文に続いて、本文が以下のように書かれています。
「同社は1966年に設立された北九州市冠婚葬祭互助会が前身。安い掛け金で葬祭費用をまかなえる画期的な内容で会員数を伸ばし、74年には株式会社に改組した。78年に日本初の都市型総合葬祭会館(現在の小倉紫雲閣)を設立。94年に新生の株式会社サンレーが誕生し、現在に至っている。先駆的な取り組みを次々と進め、99年には、業界内で初めて品質保証の国際規格ISO9002を取得した。ISOは、国境を超えた品質保証で、国際標準化機構の略称。スタッフの教育・育成から総合的な葬祭サービスに至るまで、広範囲な品質の信頼を満たしている企業として評価された。
その後、現在の佐久間社長は『直接的な葬儀の場面以外で、コミュニティケアに葬祭業者が関わっていく可能性はあるか』との問題意識から、これからは葬祭会館は『葬儀をする』から『葬儀“も”できる』地域コミュニティの代替施設として多機化すべきだと考えた。同社長は『セレモニーホールからコミュニティセンターへ。そして、それはセレモニーホールの寺院化でもある』と考えたという。こうしたことから同社は、九州各地などに約80ある紫雲閣を、葬儀や法要などのセレモニーだけでなく、地域住民の寄り合いの場や発表会など、地域の交流の場として開放することを決めた。音響設備も利用できることから、趣味の演奏会や地域のカラオケ大会、町内会や老人会の集まりの場として、基本的には無料で使用できる」



また、「『心のケア』『生の楽しみ』充実も」として、こう続きます。
「また同社は、もともと寺院などが果たしてきた遺族に寄り添い、悲しみを癒すという役割を担うことも目指している。単なる葬祭運営の手伝いだけではなく、残された人たちの心のケアが極めて重要と考えているからだ。遺族などが入会できる『月あかりの会』では、『癒やし』『集い』『学び』『遊び』の4つのテーマのもと、イベントやセミナーなどを通じて、悲しみを癒やすためのきっかけ作りや、人生を前向きに捉えていけるように支援をする。会員が自由に集って楽しめる『うさぎの会』では、写経やフラワーアレンジメントなどの活動を実施している。こうした活動の場として北九州市小倉北区と八幡西区にムーンギャラリーを設置している。
高齢者の生き生きとした暮らしを支援する『ともいき倶楽部』の活動も見逃せない。会社の研修施設である天道館を地域に無料開放して、毎月第2木曜には『ともいき倶楽部笑いの会』を開催している。同会ではマジックや落語、フラダンスなどさまざまなエンターテイメントが催され、延べ2000人余りが来場し、生きる楽しみを実感している。『良き生を送ることが良き死を迎えることにつながる』という同社の一貫した考え方が、今後の葬祭業の可能性を探る上で、重要な指針と言えるかもしれない」

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「毎日新聞」2018年7月15日朝刊



わたしの最新刊も大きく紹介されています。「幸福に生きるためのヒント『人生の四季を愛でる』出版」の見出しで、以下のように書かれています。
一条真也のペンネームで執筆活動をする、冠婚葬祭業サンレー社長、佐久間庸和(つねかず)さん(55)が新著「人生の四季を愛でる〜「こころ」を豊かにする「かたち」』を毎日新聞出版から上梓した。『年中行事や冠婚葬祭という儀式には、心を安定させる力、人生を肯定する役割がある』と言い、幸福に生きるためのヒントをつづっている。経営者として多忙な日々を送る傍ら、これまでに90冊以上のエッセーや経営論などを刊行した。4月からは上智大学グリーフケア研究所の客員教授に就任。社内で取り組んできた『グリーフ・ケア(悲嘆にある人のケア)』の実践をもとに、医療、宗教の専門家と連携して人材育成や研究に力を注ぐ。
新著は2015年10月から2年半にわたって週刊誌『サンデー毎日』に連載し、好評だったコラムをまとめたものだ。週刊誌での連載は初めてで、『得難い体験だった』と振り返る。取り上げたテーマは四季折々の行事や世間を騒がせた事件、有名人の死など幅広く、趣味の映画や読書も『日本人を幸せにするセレモニー』について考える材料とした。
バレンタインデーに想うこと』と題したコラムでは「いまわの際に氷砂糖やチョコレートなどを口に含ませるとほほ笑んで旅立ってゆくという」とインドの言い伝えを紹介する。『成人式をなめるなよ!』では、派手さで注目される地元・北九州市の成人式に触れた。『葬儀は人を永遠の存在にする』では、通夜・告別式なしで火葬場へ直行する『直葬』や、遺骨・遺灰を火葬場に捨てる『0葬』などを死者を軽んじる行為として、警鐘を鳴らす。
一方、最も反響あったのは、長崎原爆忌を前に『小倉に落ちるはずの原爆』と題し、死者のまなざしに照らされた生について書いたコラムだったという。
『仕事を通じて日々、多くの「愛する人を亡くした人」にお会いする。すべての人間は自分だけの特別な使命や目的をもってこの世に生まれてきている。長く生きた方でも、短い方でも人生の四季がある』と佐久間社長。
超高齢化による多死社会に突入し、今ほど老いる覚悟、死ぬ覚悟が求められる時代はないと見る。『死への不安を解消するには、自分自身の理想の葬儀を思い描くのが一番いい。人生を修める覚悟が人生を美しくする。死生観は究極の教養だと思います』
本の帯には『儀式こそ人間らしい輝きの時』とある。そして『冠婚葬祭は、人生の味わいを深くしてくれる。豊富な経験と深い教養で、折々の儀式を語る珠玉のエッセー』と続いている。また、本の扉には『儀式によって、人生の四季は彩られる。儀式において、人と人との縁は取り戻される』と、したためられている。不安に満ちた現代を幸せに生きていく鍵は、まさに儀式にあると説いている一冊だ」

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「毎日新聞」2018年7月15日朝刊



これらの記事に続いて、下にはサンレーの広告が掲載されています。「セレモニーホールandコミュニティセンター」「地域をつなぐ みんなの紫雲閣ひろば」として、「地域の皆様にもっと親しんでいただき、地域コミュニティのさらなる活性化を目指して、セレモニーホール紫雲閣は地域のコミュニティセンターとしての役割をもった施設へと進化を遂げます。ご葬儀・ご法要などのセレモニーだけでなく、近所の寄り合いや、憩いの場として、また、発表会など様々な用途でご利用いただけます」と書かれています。
イラスト入りで、「趣味の演奏会やカラオケ大会に(音響設備もご利用頂けます)」「囲碁や将棋の大会に(テーブルや椅子もご利用できます)」「幼稚園の発表会に(大人数収容可能で駐車場も完備!)」「町内会や老人会の集まりに」「なつかしの映画上映も」などなど、さまざまな使い方が紹介されています。ご利用を希望される場合は、まずはフリーダイヤル(0120−303−930)へ、「広告を見た」と、お気軽にお電話ください。



2018年7月15日 一条真也

「ルームロンダリング」  

一条真也です。
久々に映画館を訪れ、日本映画「ルームロンダリング」を観ました。霊の姿を見ることができる20歳の女性が、この世に未練を残した幽霊たちの悩みを解決するべく奔走させられるスピリチュアル・コメディです。




ヤフー映画の「解説」には、以下のように書かれています。
「いわくつきの物件に住んで部屋を浄化するアルバイトをしながら、幽霊たちの望みをかなえるために奔走するヒロインを描いたコメディー。孤独なヒロインがワケありの部屋にいる幽霊たちの世話を焼く様子を活写する。主演を『映画 みんな!エスパーだよ!』などの池田エライザが務め、渋川清彦やオダギリジョーらが共演する。監督はテレビドラマ『増山超能力師事務所』などの片桐健滋

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また、ヤフー映画の「あらすじ」には、以下のように書かれています。
「幼いころに父が亡くなり母は行方をくらまし、さらに祖母がこの世を去ってふさぎ込んでいた八雲御子(池田エライザ)。そんな御子に叔父の雷土悟郎(オダギリジョー)は、住むところとアルバイトを紹介してくれた。アルバイトは、いわく付き物件に入居する“ルームロンダリング”の仕事だった。自殺して幽霊になった春日公比古(渋川清彦)と生活するようになった御子は、彼のデモテープをレコード会社へ送るよう頼まれ・・・・・・」




この映画、まあまあ面白かったですが、ちょっと中途半端な感じがしました。霊が登場しますが、そんなに怖くもない。コメディということですが、そんなに笑えない。そして、ラストなどは観客に感動の涙を流させようとしているように思えましたが、そんなに感動できませんでした。なにもかも中途半端で、残念な作品でした。せっかくオダギリ・ジョーや田口トモロヲといった名優が出演しているのに、彼らをじゅうぶんに使い切っていない点には「もったいない!」感がありました。




ルームロンダリング」は人が亡くなった訳ありの部屋に幽霊が出没する話ですが、ブログ「残穢―住んではいけない部屋―」で紹介した映画を連想しました。小野不由美の本格ホラー小説を、「予告犯」などの中村義洋監督が映画化した作品です。読者の女子大生から「今住んでいる部屋で、奇妙な音がする」という手紙を受け取った女流ミステリー作家が、一緒に異変を調査するうちに驚くべき真実が浮かび上がってくるさまを描いています。




残穢―住んではいけない部屋―」でも、「ルームロンダリング」でも、「事故物件」という言葉が何度も登場します。事故物件とは、その名の通り、何らかの事故が起こった不動産物件です。一般的に忌み嫌われる傾向にあり、実際に物件価格が安くなる傾向にあります。一方で、それらの事実を気にしない人にとってはお値打ちな物件と見られています。
一般に、事故物件は以下のような物件を指します。
1.自殺や殺人事件、死亡事故、孤独死などがあった物件
2.過去に火災や水害による被害
3.指定暴力団組織が近隣に存在する
4.宗教的施設の跡地に建てられた
5.過去に井戸が存在し、埋め戻して建てられた
6.火葬場やゴミ処理施設などの嫌悪施設が近在する
7.登記簿謄本に記載された権利関係がややこしい物件




1の「自殺や殺人事件、死亡事故、孤独死などがあった物件」ですが、自殺や孤独死は日本中で日々起こっていますので、事故物件も猛烈な勢いで増殖していることになります。これは「死」をケガレと見る考え方から来ていると言えるでしょう。これらの場所は、幽霊話を生みます。
ブログ「呪怨―終わりの始まり―」ブログ「呪怨―ザ・ファイナル―」で紹介した一連の「呪怨」シリーズは殺人事件、ブログ「クロユリ団地」で紹介した作品は孤独死が起った場所を舞台としたホラー映画でした。




2の「過去に火災や水害による被害」があった場所というのは違和感があります。というのも、そんなことを言ったら、東日本大震災の被災地はみんな事故物件になってしまうではないですか。6の「火葬場やゴミ処理施設などの嫌悪施設が近在する」というのも納得できないし、他にも「おかしいな」と思えるものがあります。まあ、わたしが本当に嫌うのは3、7ぐらいです。
しかしながら、場所というものに「良い場所」「悪い場所」があるというのは知っています。一般に「イヤシロチ」「ケガレチ」などと呼ばれます。イヤシロチの代表は、なんといっても神社です。いま、若い人たちの間で、神社が「パワースポット」として熱い注目を浴びています。いわゆる生命エネルギーを与えてくれる「聖地」とされる場所ですね。




ブログ「サウルの息子」にも書いたのですが、以前読んだ本の中に「天国では、儀式も祈りも存在しない」という言葉を見つけ、大きな気づきを与えられました。天国では、そこに神がおわします。天国から遠く離れた地上だからこそ、儀式や祈りが必要であるというのです。人間は、儀式や祈りによって、初めて遠隔地である天国にいる神とコミュニケーションができるというのです。もしかすると、天国というのは大いなる情報源であって、そこにアクセスするために儀式や祈りがあるのかもしれません。いわば、Wi−Fiのような存在です。儀式や祈りとは、神に「接続」するための技術なのではないでしょうか。わたしは、そう思います。




そして、この地上には空港やホテルやスターバックスなどのようにWi−Fiが即座につながりやすい場所があります。神社や寺院や教会などが建っている聖地とは、そのような場所ではないでしょうか。イヤシロチも同様です。そこは、すべての情報の「おおもと」である神仏にアクセスしやすい場所なのです。逆に、まったくWi−Fiがつながらない場所というのもあります。それがケガレチではないでしょうか。神仏どころか、魔とアクセスしやすい場所がケガレチであると思います。




ルームロンダリング」の主人公である御子は「巫女」を連想させますが、本物の巫女のように神とコミュニケーションができるわけではなく、代わりに死者とコミュニケーションができます。この映画でも、自殺や他殺によって命を失った死者たちと会話を繰り広げます。
また殺人事件では、御子の能力を駆使して真犯人も突き止めます。このあたりは、小栗旬主演のTVドラマ「BORDER」を連想しました。死者と会話ができる刑事の物語でしたが、死者からの情報によって得た真犯人の情報を警察当局に伝えることの難しさがリアルに描かれていました。この難題は、「ルームロンダリング」にも共通しています。




ルームロンダリング」のテーマの1つとして「隣人」があります。
部屋を浄化するためにビジネスとして住んでいる御子にとって「隣人との交流は御法度」なのですが、伊藤健太郎演じる虹川亜樹人には心を許します。この亜樹人は、前に隣人の女性が助けを求める声を聞いたにもかかわらず殺人の被害者にしてしまったことに悔いを抱いていました。そして彼は、「今度こそ、隣の部屋の人を救いたくて・・・」と言うのです。




ルームロンダリング」で御子が出会った死者たちの死因はさまざまです。自殺、孤独死、餓死、事故死、他殺・・・・・・「死は最大の平等である」とはわが信条ですが、死に方は平等ではありません。
わたしは、京都大学こころの未来研究センターの共同研究員を務めていた頃、日本人の「こころの未来」のためには「うつ」と「自殺」の予防が必要であると考え、自分のテーマとして取り組んでいました。現在、上智大グリーフケア研究所の客員教授として、また本業である冠婚葬祭サービスの延長線上にあるものとして取り組んでいる「グリーフケア」も、つまるところ、「うつ」と「自殺」の予防に直結しています。

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隣人の時代』(三五館)



また、「自殺」とともに日本人の死に方の大問題として「孤独死」があります。拙著『隣人の時代』(三五館)に詳しく書いたように、それらの不平等な死に方をなくすために生まれたものこそ、「隣人祭り」なのです。わたしたちは一人では生きていけません。誰かと一緒に暮らさなければなりません。
では、誰とともに暮らすのか。まずは、家族であり、それから隣人です。考えてみれば、「家族」とは最大の「隣人」かもしれません。現代人はさまざまなストレスで不安な心を抱えて生きています。ちょうど、空中に漂う凧のようなものです。そして、わたしは凧が最も安定して空に浮かぶためには縦糸と横糸が必要ではないかと思います。




縦糸とは時間軸で自分を支えてくれるもの、すなわち「先祖」です。この縦糸を「血縁」と呼びます。また、横糸とは空間軸から支えてくれる「隣人」です。この横糸を「地縁」と呼ぶのです。この縦横の二つの糸があれば、安定して宙に漂っていられる、すなわち心安らかに生きていられる。これこそ、人間にとっての「幸福」の正体ではないでしょうか。 
そして、その「幸福」を得る方法こそが「隣人祭り」なのだと思います。




いたずらに「無縁社会」の不安を煽るだけでは、人類滅亡予言と変わりません。それよりも、わたしたちは「有縁社会」づくりの具体的な方法を考え、かつ実践していかなければなりません。 自殺、うつ、グリーフケア、葬儀の簡素化、孤独死、高齢者の所在不明、生涯非婚、墓じまい、無縁社会、隣人祭り・・・・・すべては、密接に関わり合っているのです。



2018年7月15日 一条真也