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一条真也の新ハートフル・ブログ

2018-07-16

ワールドカップに学ぶ

一条真也です。
サッカーW杯ロシア大会決勝のフランス対クロアチア戦をTV観戦しました。連休中の深夜ですので、日本ではすごい視聴率ではなかったでしょうか。わたしは親仏派ですのでフランスを応援しましたが、見事に98年以来、20年ぶりの2回目の優勝を飾りました。クロアチアもよく頑張りました。さすが決勝戦だけあって、両チームとも最高レベルの応酬でした。

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フランスが2回目の優勝!



世界中を熱狂のウズに巻き込んだワールドカップがようやく終了しました。わたしも日頃はサッカーの試合を見ないのですが、今回ばかりは世界のスーパースターのスーパープレーに大いに酔いました。
かえすがえすも、日本がベルギーに惜敗した試合が残念でした。
さて、ワールドカップを観戦して、気づいたことがいくつかあります。

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サッカーは戦争の代用品?



まず、よく言われることですが、数あるスポーツの中でもサッカーほど戦争の代用品となるものはないこと。各国の愛国心に基づくテンションはオリンピックの比ではなく、11人がそれぞれの役割を果たすべく一斉に動き出す様は、まさに戦争のようです。サポーターも熱狂します。
今大会、もしもフランスとイギリス、ロシアとクロアチアなどが決勝で激突していたら、政治的背景もあって凄まじい緊張感を伴ったことでしょう。

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サポーターも大熱狂!



2002年のワールドカップの際、日本対ロシア戦の後では、日本に敗れたロシア人が母国で暴れ、死者まで出る騒ぎになったといいます。ロシアの人々にとっては、サッカーでの敗戦が「日露戦争以来の屈辱」と映ったのかもしれません。いずれにしても、愛国心、ナショナリズム、経済的格差から来るストレスなどのガス抜きとして、ワールドカップはすぐれた疑似戦争システムになっていると言えるのではないでしょうか。毎日ワールドカップをやっていれば、世界中で戦争は起きないのではないかとさえ思います。

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「相互扶助」を形にしたスポーツ



また、サッカーのチームというのは国家の軍隊だけでなく、会社にもよく似ています。サッカーは言うまでもなく団体競技であり、個人競技ではありません。会社もしかり。個人の力だけではやれることに限界があり、すぐれた業績をあげるには必ずチームプレーを必要とするものなのです。特にサッカーほど選手間の協力が必要なスポーツはなく、パスし合ってガードし合って、初めてゴールという結果になる。まさに「相互扶助」を形にしたものの1つがサッカーだと思います。スポーツにおける相互扶助がサッカーで、社会における相互扶助がボランティア。そして、経済における相互扶助システムこそ、わが社のような冠婚葬祭互助会ではないでしょうか?互助会という職種も相互扶助そのものですが、わが社も相互扶助の心で、社員がお互いにパスやガードをし合って、見事にゴールを決めたいものです。

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「スピード」のスポーツ



サッカーは「スピード」のスポーツでもあります。90分以上を全速力で走り回るのもすごいことですが、単にスピードということだけなら、陸上や水泳もそうでしょう。しかし、サッカーが陸上や水泳と違うのは「変化への対応のスピード」を必要とすることです。攻守の状況は一瞬にして変化する。それに応じてすばやく動く。まさに、わが社の「S2M」にある「スピード・トゥー・マーケット」そのものです。市場の変化への迅速な対応なのです。

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「情報ネットワーク」のスポーツ



なぜ、サッカー選手は変化への迅速な対応が可能なのか。それは、サッカーが「情報ネットワーク」のスポーツだからです。各人がそれぞれに情報を得たら、すばやく他の選手に伝える。サッカーとは、11角形の情報ネットワークが常にアメーバのように形を変えながら動いている競技だと思います。先ほどの「相互扶助」とも重なりますが、わが社も社員全員が必要な情報を共有して、互いが得た情報をすばやく交換して、市場の変化に対して迅速に対応できる会社でありたいものです。ワールドカップの決勝戦を見て、そんなことを考えました。



2018年7月16日 一条真也

2018-07-03

涙の色はサムライ・ブルー

一条真也です。
本当に残念でした。ワールドカップ決勝トーナメントで、日本は2−3でベルギーに惜敗しました。後半になって2点を先取したときは、ベスト8は確実だと思いました。1点目のゴールから2点目のゴールまでの4分間は、日本のサッカーの歴史の中で最も輝いた時間でした。

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原口が1点目を入れた!(NHKより)
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乾が2点目を入れた!(NHKより)


しかし、世界ランキング3位のベルギーはやはり強かった!
最後は、悪夢のような幕切れでした。でも、日本はよくやりました。
強豪ベルギーが相手で、正直、もっと大量の点差で惨敗するのではないかと思っていましたが、実際は大接戦でした。

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最後の最後に惜敗!(NHKより)
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涙の色はサムライ・ブルー(NHKより)
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夢をありがとう!(NHKより)



選手たちは泣いていました。観客も泣いていました。多くの日本人も深い喪失感に包まれることでしょう。ある意味で、今の日本人にはグリーフケアが必要かもしれません。「涙は世界で一番小さな海」とはアンデルセンの名言ですが、選手たちの涙の色はサムライ・ブルー。この涙は日本人の「こころ」を1つにしてくれたのではないでしょうか。西野監督には「夢をありがとう」と言いたいです。日本代表のみなさん、本当にお疲れ様でした。立派な戦いぶりでした。この悔しさと経験をぜひ未来につなげて下さい!



2018年7月3日 一条真也

2018-02-25

カー娘の笑顔に学ぶ

一条真也です。
いやあ、日本のカー娘たちがやってくれましたね!
24日、平昌五輪第16日目でイギリスとの3位決定戦に臨んだカーリング女子日本代表「LS北見」は、1次リーグで敗れた相手に雪辱し、銅メダルを獲得。日本勢のカーリングでの五輪メダル獲得は男女通じて初めてです。

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この笑顔を見よ!(NHKより)



23日には、1次リーグで勝利した韓国に惜敗し、日本のスキップ・藤澤五月選手も悔し涙を流しました。藤澤選手は開催地・韓国で人気女優「パク・ボヨン」似として注目を浴び、「最高の美女」などと呼ばれています。わたしも、藤澤選手はとても美しいと思います。ただし、パク・ボヨンよりも東ちづるサンに似ていると思いますが・・・・・・。




わたしはこれまでカーリングなんてまったく関心がありませんでした。平昌五輪まで、テレビ観戦もしたことがありません。最初にこの競技を知ったときは、「これはスポーツではない。氷上のビリヤードのようなもので、ゲームだろう」と思ったものです。しかし、今回ばかりはカーリングの魅力(というより藤澤選手の魅力)に取り憑かれ、夢中で応援しました。藤澤選手は、今回のオリンピックで一番の美女だと思います。女子フィギュアスケートのアリーナ・ザギトワ選手もかなり可愛いですが・・・・・・。




ハーフタイムでの「もぐもぐタイム」も好きでした。みんな地べたに座り込んでお菓子や果物を食べる姿が微笑ましかったです。イギリス戦では大きなイチゴを食べていましたが、わたしも何か差し入れしたかったです。北陸のルビーロマンや沖縄のマンゴーなんか食べてほしかった! そのことを言うと、妻が「完全にオヤジの発想だね」と言っていました。それはともかく、彼女たちの「もぐもぐタイム」は日本中の人々を癒してくれたことでしょう。
しかし、もっと癒されたのは、藤澤選手をはじめ、日本のカー娘たちの笑顔です。韓国戦での選手紹介の時に、吉田知那美選手はテレビカメラに向け「にっこにっこにー」と両手を振るポーズを決めました。その、あまりの笑顔のはじっけぷりにSNSが沸騰したそうです。




テレビ観戦をしているうちに気づいたのですが、イギリスや韓国をはじめ、各国のカー娘たちは試合中にけっして笑顔を見せませんでした。イギリスのスキップであるミュアヘッド選手や「ネズミ先輩」もとい「メガネ先輩」こと韓国のスキップであるキム・ウンジョン選手などは、ともに美人なのですが、表情があまりにも険しすぎて「怖いなあ」と思いました。




日本のカー娘たちは、どんなにピンチになっても、笑顔で励まし合っていました。「そだね〜」という北海道弁は、沖縄の「なんくるないさ〜」にも通じる究極のポジティブ・ワードかもしれません。笑顔で「そだね〜」と言えば、どんなに事態が最悪でも一気に好転するような気がしてきます。

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笑う門には福来たる!(NHKより)



「笑う門には福来たる」という言葉があるように、「笑い」は「幸福」に通じます。笑いとは一種の気の転換技術であり、笑うことによって陰気を陽気に、弱気を強気に、そして絶望を希望に変えるのです。

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運命の女神は和やかな笑顔が好き!(NHKより)



哲学者の中村天風は、「事ある時も事なき時も終始笑顔で応接しよう。いや、事ある時はいっそうの笑顔を崩さぬように練習するべきである。特に、体の弱い人はひとしお笑いに努力することを養生の第一とするべきである」と述べました。また天風は、「人間だけが笑える」とも言いました。笑顔を失うと、命の資本ともいうべき健康を破壊するだけでなく、運命も同様にとにかく阻まれがちとなってしまいます。西洋のことわざにも「和やかな笑顔の漂うところに、運命の女神はその慈愛の手をさしのべる」というのがあります。いったい何のために、人間だけが笑えるようにできているかということを厳粛に考える必要があるというのです。




わが社の経営理念である「S2M」には、「スマイル・トゥー・マンカインド〜すべての人に笑顔を」があります。当社のようなホスピタリティ・サービス業には笑顔・挨拶・お辞儀といったものが非常に大切ですが、特に笑顔が必要です。営業においても、明るい笑顔でお客様に接するのと暗い無表情で接するのとでは雲泥の差があり、それは確実に成果の差となって出てきます。かつて、クレイジーキャッツの「日本全国ゴマすり音頭」で植木等が、「手間もかからず、元手もいらず」と歌っていました。笑顔もまた、手間もかからず、元手もいりません。ゴマすりなどしなくてよいですから、そのかわりに笑顔を心がけたいものです。これほど安上がりで効果が高いサービス業のスキルは他に存在せず、まさに最高のコスト・パフォーマンスです。


銅メダル、本当におめでとう!



笑顔は、国籍も民族も超えた、まさに世界共通語です。性別や年齢や職業など、人間を区別するすべてのものも超越します。「すべての人に笑顔を」は、当社の大ミッションである「人間尊重」そのものなのです。 笑顔のない組織に潤いはなく、殺伐とした非人間的な集団にすぎません。そんな会社はハートレス・カンパニーであり、ハートフル・カンパニーには笑顔が溢れています。笑顔のもとに人は集まることは普遍の真理です。日本のカー娘たちの笑顔から、とても大切なことを教えてもらいました。
LC北見のカー娘のみなさん、銅メダル本当におめでとう!
それでは最後に、にっこにっこにー! ( ◠‿◠ )

 

2018年2月25日 一条真也

2018-02-17

グレイテスト・アスリート

一条真也です。
17日、早朝から松柏園ホテルの神殿で月次祭が行われました。
神事の後は、恒例の「天道塾」が開催されました。最初にサンレーグループ佐久間進会長が「哲学」について話しました。佐久間会長は、「とにかく結婚したまえ。良妻を持てば幸福になれるし、悪妻を持てば哲学者になれる」という古代ギリシャの哲学者ソクラテスの言葉を紹介し、婚活事業に対する考え方を示しました。それから開催中の平昌五輪に触れ、「オリンピックのメダリストたちは、まるで哲学者のようだ」と述べました。

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羽生選手が2大会連続の金メダル獲得!



その平昌五輪で、羽生結弦選手がついにやりました!
17日に行われたフィギュアスケート男子フリーのショートプログラム(SP)1位の羽生選手は206.17点をマークし、合計317.85。1952年のディック・バトン氏(米国)以来、66年ぶりの連覇を達成したのです。オリンピック史に伝説を打ち立てたわけですが、今大会の日本勢金メダル第1号にもなりました。また、弟分の宇野昌磨選手も銀メダルを獲得し、日本フィギュア史上初のダブル表彰台となりました。日本のフィギュアスケートのファンにとっては、まさに夢のような出来事だったでしょう。




この日の演技は、とにかく力強く、優雅で、美しかったです。
そして、映画「陰陽師」のテーマ曲「SEIMEI」の曲に合わせた演技は、この世のものではないような妖しささえ漂わせていました。
バトン氏が連覇を達成して以来、半世紀をゆうに超える快挙を目指す王者には、ただならぬ注目が集まっていました。プレッシャーも半端ではなかったはずですが、ましてや怪我から復活してすぐの大舞台での挑戦でした。




118日ぶりにぶっつけで挑んだ前日のSPでは111.68点をマークし、感動の復活劇を演じました。羽生選手は「君は神様からの贈り物だ」などと言われ、世界中に称賛の嵐を巻き起こしました。
19歳だったソチ五輪で金メダルを獲得した2014年2月14日から4年、幾多の苦難を乗り越えた23歳の羽生選手は伝説となりました。
しかも、国際オリンピック委員会(IOC)がフィギュア男子で羽生選手が取った金メダルが、冬季五輪の記念すべき1000個目の金メダルだと発表したというのですから、ちょっと出来すぎですね。




わたしがブログでフィギュアスケートの話題を取り上げるのは、じつに4年ぶり。ブログ「真央ちゃん、ありがとう」以来です。
2014年2月20日、ソチ冬季五輪第14日、フィギュアスケート女子フリーが行われました。前日はSP16位という思わぬ結果に終わった浅田真央選手は、この日は初めて3回転半ジャンプを成功。6種類すべての3回転ジャンプに挑戦する攻めの姿勢を貫き、142・71点の自己ベストをマーク、合計198・22点で、6位に入りました。
これを見て号泣した人も多かったそうですが、わたしも涙が出ました。
16位から6位へという、10人抜きも異例でしたが、何よりも前日の悪夢を振り切って初めて3回転半ジャンプを成功させ、自己ベストの好成績をマークしたことが素晴らしい。その精神力が素晴らしい。この世には、難病に苦しんでいる人、事業がうまくいかず倒産寸前の人、センター試験の成績が不本意だった受験生、さらには大雪で志望校を受験できなかった受験生など、「絶望」の淵にある人々がたくさんいます。浅田選手は、それらすべての「背水の陣」にある人々に絶大な勇気を与えてくれたと思います。



絶望に屈しなかった浅田選手も素晴らしかったし、伝説の高みに駆け上がった羽生選手も素晴らしい! わたしは「オリンピックの選手たちは哲学者のようだ」という佐久間会長の言葉を思い出し、大いに納得しました。
トップアスリートとは言うまでもなく身体のエリートですが、わたしは知性においてもエリートであると思っています。俗に、運動ばかりしている人は脳も筋肉でできていて知性がないなどといわれますが、トップアスリートに頭の悪い人はいません。彼らはあるとき偶然に「これだ!」という優れたパフォーマンスを体験します。しかし、一回きりでは意味がありません。いつでも使える「技」に変えていく必要があります。その手がかりになるのは、最初のときに得た身体感覚だけ。といっても、感覚は完全には言葉に置き換えられませんから、意識化が難しい。非常に知的な作業をしているのです。



いい選手になれるかどうかは、練習や試合のときの意識の明晰さにかかっています。具体的にチェックするには、選手を呼び止めて「いま何を意識しながら練習をしているのか?」と質問するとよいでしょう。いま何のために何をしているのか。目的意識を明確に持っている者ほど上達していきます。
これは必ずしも、彼らが常にすべてを言葉で細かくとらえているということではありません。すべてを言葉にはできなくとも明晰な意識はあり得ます。身体感覚の微妙な違いをそのつど感じ分けている者ほど、反復練習がつらくなりません。そして、定着させようとしている身体感覚を求め続けることで、自然と回数が進んでしまうのです。結果として、身体感覚の敏感な者ほど練習の質と量が高まることになるのです。



意識を鮮明に保つ。しかし、ここぞというときには、意識のコントロールを超えて身体が爆発する。この冷静さと過剰さが、トップアスリートの魅力です。興奮に流されるだけでは勝つことができません。冷静にコントロールしているだけでも不十分です。潜在力を炸裂させつつ、脳はどこかシンと冷えて高速回転を続けている。土壇場まで追い込まれた場面で、この力の開放ができるかどうか。それが大舞台での強さを決めるのです。
そんなトップアスリートたちの敵とは、もはやライバル選手などではなく、自分自身以外にはありません。

王陽明 知識偏重を拒絶した人生と学問―現代活学講話選集〈7〉 (PHP文庫)

王陽明 知識偏重を拒絶した人生と学問―現代活学講話選集〈7〉 (PHP文庫)



現在放映中のNHK大河ドラマ「西郷どん」の主人公である西郷隆盛の思想的バックボーンは、吉田松陰と同じく陽明学でした。
その陽明学(心学)を開いた明の王陽明は、本当に知るということは創造することであるとして、「知は行の始めなり。行は知の始めなり」と説きました。「知」というものは行ないの始めであり、「行」というものは「知」の完成です。これが1つの大きな循環関係をなすのです。
陽明が唱えたのが有名な「知行合一」です。わが座右の銘であります。
未来に向かっての行動の決定に対しては、人間が学としてとらえられる、言語化された知だけでは不十分です。禅で教える「不立文字」のごとく、個々の専門家がスペシャリストとしての経験を活かして、人間の能力全体としてとらえた言語化されない知、つまり「暗黙知」を加え、知行合一として奥行きを究めることが重要であるというのです。まさに、トップ・アスリートとは「知行合一」の実現者ではないでしょうか。




「日本最高の知性」とされた評論家の小林秀雄は、かつてロンドン五輪の映画を見たとき、競技する選手たちの顔が大きく映し出される場面がたくさん出てきて、非常に強い印象を受けたそうです。
カメラを意識して愛嬌笑いをしている女性選手の顔が、弾丸を肩に乗せて構えると、突如として聖者のような顔に変わるというのです。どの選手の顔も行動を起こすや、一種異様な美しい表情を現わす。むろん人によりいろいろな表情ですが、闘志というようなものは、どの顔にも少しも現われてはいないことを、小林秀雄は確かめました。闘志などという低級なものでは、到底遂行し得ない仕事を遂行する顔です。相手に向かうのではない。そんなものは既に消えている。それは、緊迫した自己の世界にどこまでも深く入っていこうとする顔です。選手は、自己の砲丸と戦う、自分の肉体と戦う、自分の邪念と戦う、そして遂に自己を征服する。

私の人生観 (角川文庫)

私の人生観 (角川文庫)



一方、五輪映画には見物人の顔も大きく映し出されますが、これは選手の顔と異様な対照を示します。そこに雑然と映し出されるものは、不安や落胆や期待や興奮の表情です。「投げるべき砲丸を持たぬばかりに、人間はこのくらい醜い顔を作らねばならぬか。彼等は征服すべき自己を持たぬ動物である」と、小林秀雄は「私の人生観」というエッセイに書いています。砲丸というのはもちろん比喩ですが、私たちも自分なりに投げるべき砲丸を持ち、自己の征服に励みたいものです。スポーツのみならず、どんな仕事においても、わたしたちは聖者のような顔になれるのかもしれません。
ともあれ、羽生結弦選手おめでとうございます!
今夜は、グレイテスト・アスリートに乾杯!!




2018年2月17日 一条真也

2018-02-07

貴乃花親方の本心

一条真也です。
北陸が記録的な大雪で、サンレー北陸の会員様と社員が心配です。
わたしが住む小倉も時折雪が舞って、とても寒いです。
さて、7日の夜、2時間にわたって放送されたテレビ朝日系「独占緊急特報!!貴乃花親方105日沈黙破りすべてを語る」を観ました。沈黙を貫いた貴乃花親方の本心をようやく知ることができ、興味深かったです。

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7日の19時から放送されました(テレビ朝日の特番より)



2日に行われた日本相撲協会の理事候補選挙で5期連続の当選を逃した貴乃花親方がVTR出演し、映画監督でタレントの山本晋也氏が1対1でインタビュアー役を務めました。山本氏が以前に何度か貴乃花親方のインタビューを行ったことから実現したそうです。インタビューの冒頭で、山本氏から「負けましたね」と理事候補選挙落選について言われ貴乃花親方は「見事に」と笑顔で即答し、「引退会見の時に言った『すがすがしい気持ち』を思い出しています」と語りました。

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暴行事件について(テレビ朝日の特番より)



元横綱・日馬富士の傷害事件についても語られました。貴乃花親方は、弟子の貴ノ岩関が暴行を受けた昨年10月の酒席に同席した横綱・白鵬らについて「暴行事件に同席した力士が土俵に上がるのは神事に反するように思える」と述べました。まったく、その通りです。ときどき「相撲は神事などではなく、スポーツだ」などという人がいますが、相撲は間違いなく神事です。だって、スポーツ選手がチョンマゲを結いますか?

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相撲は神事である!(テレビ朝日の特番より)



理事解任処分が決定した際、日本相撲協会評議員会の池坊保子議長が「著しく礼を欠いていた」と指摘したことに対しては、貴乃花親方は「池坊さんが個人的にそう思われたんだと思います」と冷静でした。弟子の貴ノ岩が日馬富士から暴行を受けた事件以後、沈黙を貫いたことに「その時、私が語れば語るほどややこしこなってしまうのでね。それこそ協会に対してのそれこそ礼儀がないと言われてもしかりだと思いますので」と語りました。

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著しく礼を欠いていた?(テレビ朝日の特番より)



他には、トレードマークとなったマフラーを屋内でも外さない理由など、初めて知った新事実が満載のインタビューでした。それにしても、インタビューの間に貴乃花親方は協会や関係者への批判めいた言葉を一切言わなかったことには感銘を受けました。人間として立派です。尊敬します。
ブログ「私、貴乃花親方の味方です」にも書いたように、わたしは、貴乃花親方を応援しています。彼の相撲に対する真摯な姿勢、弟子に対する愛情を見ていると、あまりにも健気で涙が出そうになります。
また、貴乃花親方の不器用な生き方は、わが姿にも重なります。

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最後まで信念を貫いて!(テレビ朝日の特番より)



わたしの大相撲についての一連の発言に対して、一部の方から「冠婚葬祭屋がなぜ大相撲を憂うのか」などとも言われたりもしますが、「礼」を重んじるという意味では同じ世界の住人であると考えています。儀式必要論を唱えるわたしも、「無礼社会」へ立ち向かうドンキホーテとして、貴乃花親方の戦いは他人事ではありません。どんな試練に遭おうとも、貴乃花親方には最後まで信念を貫いていただきたいと願っています。
最後に、貴乃花親方は「大相撲は誰のものか」と問いました。
わたしは、「大相撲は日本人のもの」であると思います。






2018年月日 一条真也