「世界平和パゴダ」再開


北九州発 ハートフル通信」の第3回目のタイトルは、「『世界平和パゴダ』再開」です。
ブログ「メニュー開発」に書いた6日夜の「新北九州を考える会」で八坂和子さんにお会いしました。八坂さんは、わたしとともに「日緬仏教文化交流協会」の理事でいらっしゃいます。
そして、これまでずっと「世界平和パゴダ」を支えてこられた素晴らしい方です。



毎日新聞」2012年11月30日朝刊



門司の和布刈公園にある「世界平和パゴダ」は、日本で唯一のビルマミャンマー)式寺院です。第二次世界大戦後、ビルマ政府仏教会と日本の有志によって昭和32年(1957年)に建立されました。「世界平和の祈念」と「戦没者の慰霊」が目的です。
戦時中は門司港から数多い兵士が出兵しました。映画化もされた竹山道雄の名作『ビルマの竪琴』に登場する兵士たちです。残念なことに彼らの一部しか、再び祖国の地を踏むことができませんでした。そこでビルマ式寺院である「世界平和パゴダ」を建立して、その霊を慰めようとしたわけです。しかし、ビルマ仏教界から派遣されたウ・ケミンダ大僧正の死後、パゴダは資金難のため、休館されていました。



昨年3月3日、ウ・ケミンダ大僧正の「お別れ会」が門司倶楽部で開かれました。パゴダ建立の最大の立役者である旧門司市の故・柳田桃太郎市長のご令嬢である八坂和子さんのお骨折りで実現した会でした。そのお世話をさせていただいたご縁で、わたしの父である佐久間進サンレーグループ会長)がパゴダと関わりを持つことになりました。



昨年8月25日にミャンマー大使館を訪れたわたしたち親子は、キン・マゥン・ティン大使とミャンマー仏教界の最高位にあるエンダパラ大長老にお会いしました。
そして、お二方から父が重大なミッションを授かりました。
閉鎖されている世界平和パゴダの再開に向けて、ミャンマーと日本の仏教交流組織(日緬仏教文化交流協会)を正式に発足させ、父が代表に就任するというものでした。



同月28日、北九州に3人のミャンマー僧が来られました。エンダパラ大長老を筆頭に、新たにミャンマーから世界平和パゴダに派遣されたウ・ウィマラ長老とウ・ケンミェイタラ僧です。新しく赴任されたお二人は翌29日の夜から世界平和パゴダで生活を始めました。
つまり、8月29日をもって「世界平和パゴダ」が再開されたことになったのです。



ミャンマー上座部仏教の国です。上座部仏教は、かつて「小乗仏教」などとも呼ばれた時期もありましたが、ブッダの本心に近い教えを守り、僧侶たちは厳しい修行に明け暮れます。
現在の日本は北朝鮮・韓国・中国などと微妙な関係にあり、国際的に複雑な立場に立たされています。わたしは、ミャンマーこそは世界平和の鍵を握る国であると心から思っています。「寛容の徳」や「慈悲の徳」を説く仏教の思想、つまりブッダの考え方が世界を救うと信じているのです。平和の風は、門司から世界に向かって吹くことでしょう。


世界平和パゴダの前に立つ日緬仏教文化交流協会のメンバー(右端が八坂和子さん)



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2013年3月8日 佐久間庸和