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佐久間庸和の天下布礼日記

2013-12-16

鎮魂の森



無縁社会や老人漂流社会を乗り越えるべく、サンレーグループではさまざまなプロジェクトに取り組んでいますが、あらゆる方々の“永遠の棲家”をご用意する「鎮魂の森」のイメージ・パースが完成しました。ブログ「営業責任者会議」の写真にイメージ・パースが写り込んでいたこともあり、数多くの問い合わせがありました。


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「鎮魂の森」のイメージ・パース



「鎮魂の森」とは、来年から造成開始する樹木葬の霊園です。
福岡県田川市の赤村の山林がその用地となりますが、ここは福岡市、北九州市、大分市からそれぞれ車で1時間という絶好の立地です。ここに桜の木を大量に植樹し、「太陽と月の丘霊園」とする予定です。このプロジェクトは、まだ計画段階であり、これから詳細を詰めていく作業に入りますが、現時点での概要は次のとおりです。



●開園場所
福岡県田川郡赤村地内
●開発面積
約1万坪
●施設概要
全宗派対応の公園型霊園
区画方式(納骨型:カロート式・非カロート式)、合祀方式(シンボルツリー型)の折衷
●価格
現時点で詳細は未定ですが、合祀型は永代供養料や管理費の発生しない「永遠の棲家」を前提とし、50,000円程度で販売出来るように企画しています。
また、区画型においても300,000円から500,000円を中心価格帯として設定する予定。

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樹木葬エリアのイメージ・パース



「太陽と月の丘霊園」は、現在大きな注目を集めている「樹木葬」という埋葬法を主体とする霊園です。時代と共に「血縁」や「職縁」はもとより、「地縁」さえも希薄化してきましたが、わが社のミッションは「人間尊重」です。この使命を霊園事業でも具現化してまいります。
そう、「永遠の棲家」で「霊園」ならぬ「霊縁」という新たな縁を紡いでいくのです。



ブログ「樹木葬」に書いたように、「樹木葬」は、「海洋葬」と同じく自然葬の一種です。
ルーツはイギリスです。ロンドン市営の霊園と火葬場が併設される施設に、「メモリアル・ガーデン」と称する一区画があります。火葬率が約七割強とキリスト教国の中でも高いイギリスですが、火葬後の遺灰の葬り方には、土の下の納骨堂に埋蔵する、墓石のあるお墓に埋める、広々とした墓地内の芝生に散骨する、あるいは雑木林の中に墓石を建てないで遺骨を埋めるなど、さまざまな選択肢が用意されています。



その中に、バラの木の根元に眠るという「メモリアル・ガーデン」という選択肢があります。
バラの木の下に小さなプレートがあり、そこに故人の名が記されているのです。
そこはいわゆる森林埋葬地で、160エイカーの広い牧場の一角です。遺体を、埋葬した場所には苗木が植えられており、いつの日かここは、うっそうとした森になるわけです。
この「死んだら木になって森をつくろう」というエコロジカルなイギリスの葬法は1994年に登場しましたが、これと同じ発想から生まれたのが日本の「樹木葬」なのです。
樹木葬はいわゆる「散骨」ではないので、遺骨を砕きません。
つまり、「死して土に還る」「やがて花木となってよみがえる」という葬法なのです。
現代の日本において樹木葬が熱い関心を集めています。東京近郊の霊園で樹木葬が応募されれば、途方もない数の応募者が殺到することは有名ですね。



西洋人が「永遠の生命」のシンボルであるバラを愛するなら、日本人は「限りある生命」のシンボルである桜を愛してきました。国学者本居宣長は桜を日本人の「こころ」そのものとしてとらえ、「敷島の大和心を人とはば朝日に匂ふ山桜花」という和歌を詠んでいます。桜を見て、「ああ美しいなあ」と感嘆の声をあげること、難しい理屈抜きで桜の美しさに感動すること、これが本当の日本精神だというのです。そして、「散る桜 残る桜も 散る桜」という良寛の句に、日本人の死生観は集約されていると言えるでしょう。
大量の桜が咲き誇る「鎮魂の森」によって、赤村は桜の名所になるかもしれませんね。



ブログ「鎮魂の森と人間尊重」に書いたように今年3月11日に明治神宮で行われた開かれた東日本大震災の祈念集会において、サンレーグループ佐久間進会長が宮脇昭という方にお会いしました。宮脇氏は横浜国立大学名誉教授で地球環境戦略研究機関国際生態学センター長です。世界各地で植樹を推進する現場主義の植物生態学者として、これまで国内外1700か所以上で植樹指導し、4000万本以上の木を植えてきたといいます。



ブログ『木を植えた男』で紹介した絵本の主人公ではありませんが、宮脇氏はまさに「世界一、木を植えた男」なのです。そして、大地震、大津波、原発災害に沈むこの国を甦らせるには、「鎮守の森」を守ってきた先人たちの知恵と、土地本来の木々の力に頼るしか道はないと訴えておられるそうです。被災した青森から福島までの海岸線300km以上に長城を築き、森の国・日本として新たな再出発を図る「森の長城プロジェクト」を推進されています。

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佐久間会長から渡された宮脇昭氏の著書



佐久間会長は、宮脇氏の講演を聴いて深い感銘を受けたそうですが、ちょうど隣の席が俳優の菅原文太さんだったそうです。菅原さんは「宮脇先生のお話を伺って、役者をやっている場合ではないと思ったんですよ」と言われたとか。実際、菅原さんは昨年で俳優業を引退され、現在は山梨県内で農業を営んでおられます。今後は有志らとともに国民運動グループ「いのちの党」を結成し、代表として活動するとされています。
佐久間会長からは『森はあなたが愛する人を守る』(講談社)と『瓦礫を活かす森の防波堤』(学研)の2冊の宮脇昭氏の著書を渡されました。もちろん、早速読みました。



佐久間会長は、わが社が所有する福岡県田川市にある広大な森を「鎮守の森」ならぬ「鎮魂の森」にしたいという事業構想を打ち出しました。樹木葬の森をつくって、「愛する人を亡くした人の森」とするのです。このアイデアを宮脇氏に話したところ、氏は感激されて「それは素晴らしい。あなたなら、やれる!」と佐久間会長に言われたそうです。
「鎮守の森」から「鎮魂の森」へ・・・こうして、サンレーの新しいプロジェクトが始動したわけです。これは、環境保護、無縁社会グリーフケア・・・・現代日本が直面しているさまざまな問題を同時に解決しうる画期的な構想だと思います。



わが社では「人間尊重」のミッションを掲げ、冠婚葬祭を通じて、良い人間関係づくりのお手伝いを続けてまいりましたが、高齢社会を迎え、いま「住まい」への不安が深刻になっています。「衣食足りて礼節を知る」という言葉もありますが、「人は老いるほど豊かになる」という理念を実現するためにも、「住まい」への新たな提案が求められています。
すでにわが社では、ご高齢の皆様に安心して余生をお過ごしいただくため、福祉介護施設「隣人館」を運営していますが、この「終の棲家」は、いわば仮の宿です。桜は咲き誇り、やがて散っていく。人の営みも美しき花のようにありたい。その想いを託し、「永遠の棲家」として構想されたのが、この「鎮魂の森」なのです。



「身寄りがなくて、死んでも入る墓がない」と嘆いておられる方々がいます。
もともと、「無縁社会」という言葉は「無縁仏」に由来します。このままでは、日本は無縁仏だらけになってしまうと言われています。いや、無縁仏でさえ入る墓があるわけですが、それすらない「死後のホームレス」が大量発生する可能性があるのです。万人が平等に安眠できるように、「鎮魂の森」では、なんと5万円からの価格設定を考えている次第です。
「人生の卒業式」ともいえるご葬儀を終え、体は緑豊かな地球に戻り、魂は天空に浮かぶ美しい月に還っていく・・・・・。自然に抱かれるエコロジカルな「樹木葬」と“魂のエコロジー”を実現する「月への送魂」が織りなす慈しみに満ちた「鎮魂の森」は、必ずや多くの方々に永遠の安らぎをもたらすことでしょう。いま、わが社の大いなる挑戦が始まりました。



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2013年12月16日 佐久間庸和