『自閉症の僕が飛びはねる理由』

「サンデー新聞」に連載中の「ハートフル・ブックス」第93回で、『自閉症の僕が跳びはねる理由』東田直樹著(エスコアール)を紹介しました。この有名な本を今さら紹介するのも気が引けるのですが、13歳の自閉症の少年・東田直樹さんが書いたエッセイ集で、「会話のできない中学生がつづる内なる心」というサブタイトルがついています。


「サンデー新聞」1月9日号



2007年の刊行以来、版を重ね、多くの読者を得てきました。日本だけではなく世界中で読まれています。この有名な本の存在だけは知っていましたが、少し前に初めて読みました。ある方のすすめで「君が僕の息子について教えてくれたこと」というドキュメンタリー番組をNHKアーカイブスで観たからです。



この番組は、映画化もされたSF小説『クラウド・アトラス』の原作者で世界的小説家のデイビッド・ミッチェル氏が本書を英語に翻訳し、世界中でベストセラーになるという奇跡を描いた実話です。ミッチェル氏自身が自閉症の息子を持つ父親であり、「この本は世界中の自閉症患者とその親に光を与える」と思ったそうです。



その後、アメリカやヨーロッパのノンフィクションの売り上げランキング上位に登場し、世界中を驚かせました。そして、本当に自閉症患者の親たちに光を与えたのです。わたしは番組を観終った後、書斎にあった本書を一気に読了しました。



そして、著者から自閉症の人の心の中を教えてもらいました。大いに驚くとともに、納得できることも多くありました。これまで、電車の中などで自閉症児が大きな声などを出すと、どうしてもそちらを見てしまう自分がいました。そして、「ああ、気の毒なお子さんだな」とか「親御さんも大変だなあ」などと思っていたことが恥ずかしくなりました。今は、障害者として同情するのではなく、困難に立ち向かう強い精神力を持った1人の人間としてリスペクトしています。



それにしても、著者の書く文章の表現力は素晴らしいです。自閉症とかなんとかよりも、健常者であったとしても、普通の中学生にはなかなか書けない文章であると思います。言葉が喋れない人がこれだけの文章を書いたという事実に、わたしは人間の持つ不思議な力について大きな感銘を受けます。



また、書いて表現するということの素晴らしさを痛感しました。これまで飛行機乗りはたくさんいましたが、飛行という行為の秘密を文章で伝えることができたのはサン=テグジュペリだけです。自閉症の秘密を文章で明かした東田さんは、サン=テグジュペリのような人だと思いました。そういえば、東田さんの風貌はどことなく「星の王子さま」に似ているような気がします。


自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心

自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心

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2016年1月9日 佐久間庸和

新年夜間初例会   

1月8日、延岡から大分を経て17時過ぎに小倉に戻ってきました。
小倉駅からサンレー本社に寄り、それから自宅に寄ってシャツとスーツを着替えました。
そして、迎えの車に乗って松柏園ホテルに向かいました。


小倉ロータリークラブの新年神事のようす



18時半から小倉ロータリークラブの「新年夜間初例会」が開かれるのです。
会場は、わがホームグラウンドである松柏園。まずは、ホテル内にある神社「顕斎殿」にメンバーが集って新年の祈願を行いました。戸上神社の是則神職が神事を執り行って下さいました。いつも「月次祭」などで参加しているわたしですが、ロータリアンとして参加する神事はいつもと違った趣がありました。


最初にロータリーソングを歌いました♪



その後、場所を大広間に移して、例会が開催されました。
鱒見会長の点鐘に続いて、ロータリーソング「奉仕の理想」が歌われました。ソングリーダーは瑞松寺住職の末廣会員です。本当は、この日、「今日はタクトを振る方がどなたも来られていないので、佐久間さんにお願いできますか? 佐久間さんは音楽に造詣が深いとお聞きしました」と言われて困っていたのです。それで、遅れながらも末廣会員に駆けつけていただき、ソングリーダーを務めていただけることになり、安心しました。



その後は鱒見会長による「会長の時間」がありました。
続いて、合馬内科クリニック副院長の合馬会員による出席報告です。
合馬会員は非常にお酒が強く、スピーチが面白いことで知られます。この日のスピーチも会場を笑いの渦に巻き込みました。


わたしもニコニコさせていただきました



続いて「ニコニコ献金」で、何人かの方がニコニコされました。
わたしも「あけまして、おめでとうございます。本日は松柏園ホテルを御利用いただき、誠にありがとうございます」「今月27日から『朝日新聞』で連載がスタートします。テーマは『こころの世界遺産』です。よろしければ、お読み下さい」と述べました。


カンパ〜イ!


という内容でニコニコしました。
最後に、鱒見会長の点鐘で例会が終了しました。
それから、湖月堂社長の本村会員の音頭で乾杯し、華やかに新年会がスタートしました。電通九州支社長の山本会員の名司会で新年会は大いに盛り上がり、みなさん、お酒もたくさん飲まれました。何人もの方から「松柏園の料理は本当に美味しいですね」と言っていただき、ありがたかったです。



しばらくして、「年男」「還暦祝い」の時間となり、鱒見会長をはじめ、年男・還暦者のみなさんが祝われました。伊与田副会長から記念品が贈られ、年男の還暦者は、恒例の赤いパンツを被りました。近年、30歳前後を「アラサ―」、40歳前後は「アラフォー」、50歳前後は「アラフィフ」と呼びます。60歳前後は伝説の名俳優・嵐寛寿郎をもじって「アラカン」と言うそうです。還暦は第2の誕生とされ、生まれ直すといって赤子のように赤色の衣服や頭巾などを贈って祝います。還暦に贈る赤色は、赤子に贈る赤い品々になぞらえています。
では、なぜ赤色なのか。赤色は、朱色や紅色なども含めて祝意を表すもので、縁起物や祝事の膳椀、酒樽などに使用されました。それとともに、魔除けの意味でも赤色は重視されました。それで、小倉ロータリークラブでは赤のパンツを贈るわけです。


スピーチをする鱒見会長



年男の還暦者を代表して、鱒見会長が挨拶をされました。
鱒見会長は「昔は60歳というと、クソジジイと思っていましたが(笑)、この小倉ロータリークラブにはもっと高齢の多くの先輩方がお元気でいらっしゃいますので、見識を改めました」と言われました。みなさん、本当におめでとうございました!



最後は「酒飲む人」こと二村会員が十八番の「皆の衆」を歌われました。この日はアカペラではなく、カラオケで熱唱されました。非常に盛り上がり、わたしは「そうだ、この歌につられて、わたしは小倉ロータリーに入会したんだ」ということを思い出しました。
この日、大分・宮崎の出張帰りに直行した疲れもあって体調が優れませんでしたが、ロータリーのお仲間のみなさんと楽しい一夜を過ごすことができました。じつは、延岡から乗った「にちりん14号」の乾燥しきった空気に喉をやられて扁桃腺を腫らしていたのですが、それでも二次会にはしっかり行って、カラオケも歌いましたとも!



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2016年1月9日 佐久間庸和