平成心学塾

一条真也です。

来年から、ある大学の大学院で特任教授に就任することになりました。
マネジメント研究科の所属で、担当科目は「ホスピタリティ・マネジメント」です。
正式に決定しましたら、また、みなさんにご報告いたします。
北陸大学未来創造学部客員教授の任務と併せて、ベストを尽くす覚悟です。


               あらゆる視点から「こころ」を求めます


さて本日、新しいWebサイトをOPENしました。
わたしのオフィシャルレクチャーサイト「平成心学塾」です。
オフィシャルブックサイト「一条本」に続いての新装OPENです。
もともとはオフィシャルサイト「ハートフルムーン」の中のコンテンツでした。
しかし、オフィシャルサイト自体の情報量が膨大になって小宇宙化してきたので、今回、特に情報密度の濃い「平成心学塾」をリニューアルした上で独立させることにしました。
平成心学塾は、これからの社会において最大の価値を持つ「人間の心」をあらゆる視点から追求し、すべての人々が幸福になれる道をさぐります。


               右手に孔子像、左手に松陰像を持って


わたしは、これから2つの大学で教壇に立つわけです。
そんなわたしには、理想の教師として仰ぐ存在が2人います。
1人は、もちろん孔子です。そして、もう1人は、吉田松陰です。
誠に不遜ですが、孔子の「人徳」と松陰の「情熱」をともに求めてゆきたいです。
わが社の社長室には、湯島聖堂で求めた孔子像および萩の松陰神社で求めた松陰像がともに置かれています。教師としての志を失いそうになったとき、わたしはいつも孔子像と松陰像を握りしめ、じっと見つめるのです。
もちろん、わたしの仕事は大学で教えるだけではありません。冠婚葬祭互助会を経営し、作家として本も書きます。しかし、わたしは、けっして副業をしているのではありません。すべての活動は人間尊重思想を広めるための「天下布礼」の一環であると自覚しています。そして、「平成心学塾」は、「天下布礼」のための重要な舞台となります。



わたしが㈱サンレーの社長になってから、早いもので、この10月で10年目になりました。社長就任の翌月の2001年11月から、リアル平成心学塾をスタートしています。
リアル平成心学塾は、毎月18日の早朝に行われる松柏園ホテルでの月次祭の後に開催していますが、現在はWebでの無料展開が中心です。
社会篇」「経営篇」「宗教篇」「文化篇」「読書篇」の5つの部門に分かれていますが、中でも朝礼やスピーチなどにすぐ使える「経営篇」へのアクセスが最も多いようです。
経営篇」は、「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」といったキーワードから始まっていることからもわかるように、そのベースを孔子の思想に置いています。
わたしは40歳になるにあたって「不惑」たらんとし、その出典である『論語』を40回読みました。古今東西の人物のなかでもっとも尊敬する孔子が開いた儒教の精神を重んじ、「礼経一致」の精神で社長業を営んでいます。
わが社は冠婚葬祭業ですが、一般には典型的な労働集約型産業と思われています。
これを知識集約型産業とし、さらに「思いやり」「感謝」「感動」「癒し」といったものが集約された精神集約型産業にまで高めたいと願っています。


               108のキーワードを集めた「経営篇


「最大の人間通」である孔子の思想をもとにして、経営の源である人間の心を動かす法則を集めたのが「経営篇」です。古今東西の経営の智慧を渉猟し、人の心を動かす究極のツボを「仁」「徳」「愛」など、キーワード別のエッセイ・テイストでまとめてみました。
そこにはアレクサンダーもカエサルも、信長・秀吉・家康も、西郷や龍馬も登場します。
もちろん。孔子とともに敬愛するドラッカー安岡正篤中村天風も登場します。
あらゆる視点から「こころ」を求める平成心学は、「何でもあり」なのです。
すべてが実践的な体験談というより、あくまでも、わたしが一人前の経営者になるべく学んだ備忘録のようなものだとお考え下さい。
経営篇」のキーワードは全部で108あります。
なぜかといえば、わたしがそれらのマネジメントをめざしながらも未だに一つとして果たすことができないことから、煩悩そのものであることに気づいたからです。
ですから除夜の鐘ではありませんが、煩悩の数と同じ108になった次第です。
かつて、孔子の思想的子孫と言うべき明の王陽明は「心学」を開き、日本の石田梅岩は「石門心学」を唱えました。わたしは、まったく新しい「平成心学」としてのハートフル・マネジメントの地平を拓きたいと考えています。
どうぞ、新しくなった「平成心学塾」に気軽にお立ち寄り下さい!


2010年10月14日 一条真也

決定版「終活」ガイド

一条真也です。

PHPから書籍の入った封筒が届きました。
開けてみると、先日取材を受けた「ほんとうの時代」の11月号が入っていました。
総力特集として「決定版『終活』ガイド」の文字が表紙に大きく踊っています。
「お金から遺言書、墓まで」というサブタイトルがついています。


                「ほんとうの時代」2010年11月号


「終活」ガイドの内容は10のパートに分かれており、「総力特集」というだけあって、なかなか力が入っています。以下、内容を目次に沿ってご案内します。
1.夫婦&ひとり(渡辺淳一)〜“孤舟族”にならないために夫婦関係を見直す
2.人づき合い(ロミ山田)〜終活は友だちが大事、人づき合いが大事
3.お金指南(藤川太)〜「終活」をマネープランに組み込むヒント
4.相続(曽根恵子)〜Q&Aでわかる後悔しない相続のために今できること
5.葬式(一条真也)〜心温まる「家族葬」には事前準備が必要
6.お墓(高橋繁行)〜先祖代々の墓を畳む“墓じまい”とは?
7.遺言書(大沢利充)〜遺言書で心の重荷を軽くする
8.身じまい(吉田太一)〜遺品整理屋が教える身の回りの整理
9.家族関係(山田昌弘)〜親と子の自立が老後の幸せな家族関係のカギ
10.心の準備(立川らく朝)〜「人生は旅」、そう考えれば死に方も変わります。
まさに、この10の項目さえ押さえておけば、「終活」は完璧です。さすが、PHP!
かなりの豪華メンバーですが、わたしは5番目の「葬式」を担当させていただきました。


                  心温まる「家族葬」とは


わたしの取材は、「出版寅さん」こと内海準二さんが担当し、本文も内海さんが書いて下さいました。やはり、『葬式は必要!』『ご先祖さまとのつきあい方』(ともに双葉新書)をはじめ、わたしの著書を多く手掛けてもらっただけあって、葬儀についてのわたしの考え方をじつによく理解してくれています。
内海さんのような方がインタビュアーだと、「葬式」というデリケートなテーマでも誤解される心配がないので安心して話せます。本当に、ありがたいことです。



内容は、最近増えている「家族葬」について、実際行われている葬儀の実態とともに、わたしの考えをお話しました。詳しくは、ぜひ「ほんとうの時代」をお買い求めいただき、読んでいただきたいと思います。
家族葬」とは、かつて「密葬」と呼ばれたもので、外部の人に知らせず、ごく内輪だけで行う葬儀です。「家族葬」を選ぶ理由としては、「遺族の知らない人が多くお参りに来る」「費用をかけたくない」「最近マスコミで取り上げられているので、自分たちもそうしたい」などが多いようです。



この取材記事の中で、最後にわたしは次のように発言しました。
家族葬を否定しているわけではありません。
事前の準備をすることで、故人の遺志を反映し、しかも経済的な葬儀とすることは十分に可能です。家族葬が『負担を軽減する』という一点のみで選択されることには大いに疑問を感じます。
高齢者の介護や看護の無残さが、そのまま葬儀に現れているとしたら、それは大いに見直される問題ではないでしょうか」
ブログ「終活本」にも書いたように、今や「終活」は時代のキーワードです。
無縁社会を乗り越え、より多くの人たちから旅立ちを見送ってもらうためにも、自らの最期をデザインすることはとても大切だと思います。


2010年10月14日 一条真也