ジョギングにも行かずMLBワールドシリーズを見る。
松井vsペドロ・マルティネスに見入ってしまう。
いや、対決というよりも松井の目に、松井のたたずまいに、松井のオーラに惹きつけられる。
衰えたとはいえメジャーを代表する投手が明らかに気圧されている。
テレビの中継映像で見てもわかるほどに怖じ気づいている。
逃げてもいいのに、とさえ思った。
それほど松井の放つ気の力は圧倒的だった。
打球はライトスタンドへ吸い込まれた。
松井はニコリともしなかった。
(したのかもしれないが、そう思えた)
次の打席、センター前に2点タイムリー安打を打つ。
塁上の松井にMVPコールです、と実況アナが言う。
ニューヨークのファンがMVPと合唱する。
4年前のフェンウェイ、オルティーズが打席に立った時に生で聞いたMVPコールだ。
3打席目もライトオーバーのタイムリーヒット。
松井は再びMVPコールに包まれる。
そして最終回。
眼鏡堂は落涙必至だろうな、と思ってメールする。
「泣くな眼鏡堂!」
即返信。
「遅いよ。もう泣いた。」
生まれて初めてヤンキースを応援した、とメールにある。
日本人メジャーリーガーとしての松井の歴史的偉業と、
悪の帝国の復活劇、新聞の見出しにある27回目の天国は違う。
そう、それはまた別の話。
ヒロが言う。
「松井は野球が好きで真面目に努力したからご褒美だね」と。
心から嬉しそう。
イチローとは違った形で松井は自己実現を果たした。
(あまりいい表現ではないかな?)
日本でプレイしている時と同じような偉業の棲み分けをしているように思える。
自己実現の形が違う。
来年はどこでプレイするのだろう。
眼鏡堂説だと東地区ならボストン、西ならアナハイムかサンフランシスコ。
http://number.bunshun.jp/mlb/column/view/4217/
最新のコラムでは残留の可能性は10%と予測する。
理由は高額年俸とキャッシュマンGMの若返り策。
http://number.bunshun.jp/mlb/column/view/4287/
ボストンが獲りにかかれば悪の帝国が横やりを入れるだろう。
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昨日、僕は崩壊過程にある、と日記に書いた。
人生は崩壊の過程である、とゼルダ・フィッツジェラルドも書いたが、
50代になると肉体も精神も少しずつ壊れていくような恐怖が忍び寄る。
まだまだこれから、という声もあるし、それは決して慰めだけではないと思う。
でも、現実として諦めなければいけないことはあまた厳然と存在する。
もう僕は若くない。
山田太一の書いたドラマに『早春スケッチブック』がある。その登場人物の一人が言う。
20代のころ、何度も読み返して心に刻み込んだ台詞だ。
役柄は無頼の中年カメラマンだったか、役者は山崎努。
若者と焚き火をしながら言う。
毎日、自分を抑える訓練をしなきゃいけない。自分をおさえる。我慢をする。
すると、魂に力が蓄えられる。映画が見たい。一本我慢する。二本我慢する。
三本我慢する。四本目に、これだけは見ようと思う。
見る。そりゃあんた、見る力がちがう。見たい映画全部見た奴とは、集中力がちがう。
台詞は続く。
生きるってことは、自分の中の、死んで行くものをくいとめるってこったよ。
気を許しゃぁ、すぐ魂も死んでいく。なにかを感じる能力もおとろえちまう。
それを、あの手この手をつかってくいとめることよ。それが生きるってことよ。
自分の中の、死んでいくものをくいとめること。
20代の頃、この台詞を聞いて知ったようなことを言ってたのは全部ニセ物だ。
壊れていくことの恐怖なんて知るよしもなかった。
いま、ひしひしとその実感をともなって生きている。
…朝食はロールキャベツとイングリッシュマフィン。
ロールキャベツは昨日の夜からヒロが仕込んでいたもの。
僕のリクエストでトマトソースの味つけだ。
思わず2個半食べてしまう。
…今日はデスクではない。
番組の会議、スタッフからモニター報告のような感想戦。
駅伝の打ち合わせを済ませ、夜はセンター長(局長)との懇親会@京橋明月。
僕以外は全員ビールや焼酎を飲む。
久々の飲まない宴会、最初は問題ないのだが周囲が飲むほどに酔うほどに辛い。
取り残された気分になる。
下戸ではないので飲まずに盛り上がる術を我は知らず。
…体重が72.00キロになる。
この数字は、実は、今年最軽なのだ。
遡れば去年の12月に記録して以来の数値。
素直に喜ぶ。
断酒6日目、結局はアルコールと飲むことに伴う摂取カロリーが問題なのですな。
何をいまさら、ですが。