ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

10/7/7 リパブリック讃歌

11時前に起床、何時間 寝たのだろう? 
Twitterにつぶやいてから寝たから…4時間前になってますね。
生活サイクル破綻です。
当方、半自由業だけに(どんな職業だ?)破綻しても何とかなりますが。
生活基盤がグラグラしてるから多少ゆれてもって感じで。


いやあ、オランダvsウルグアイ、いい試合でした。
というかウルグアイ代表の戦いぶりに久々に感じるものがありました。
1998年のイングランド(対アルゼンチン)、パラグアイ(対フランス)以来でしょうか。


ウルグアイ、正式名称ウルグアイ東方共和国(República Oriental del Uruguay)
公用語はスペイン語、面積は本州の7割程度、人口350万の南米の小国。
人口は横浜市と同じくらい。
正直、小ささに驚いた。
以前、この「ぷよねこ日記」で中南米の地図を眺めて思ったことをあれこれ書いた。
(暇でしょ)
こんなことを書いている。


  ゲバラの本を読み、ボリビアの正確な位置を知りたくて地図帳を見た。
  南米大陸はほぼブラジルなのだと再認識。
  僕はこう見えても地理学専攻なので、諸国の配置は頭に入っている。
  国境線をどう接しているかは実際に旅をしないと曖昧なままだ。
  ボリビアには海がない。
  チリとペルーに閉じ込められているような感じ。
  でも、ボリビアには海軍があるんだよな。
  たしかチチカカ湖アマゾン川に展開している。
  昔は海に面してたんだけど戦争で負けて海を失ったのだ。
  チリなんて海岸線だらけなんだから少しくらい譲ってやればいいのに。
  意外に小さいなとい思ったのが、ウルグアイ
  最近はサッカーも弱いので存在感が薄れつつある。
  これならアルゼンチンと合併すれば、と乱暴なことを思う。
  平成の大合併ならアルゼンチンかブラジルに併合されてるだろう。
                         (2009/3/13)

              

僕の脳内イメージではブラジルとアルゼンチンの間にある国で、
大きさはアルゼンチンの3分の1くらいだと思っていたのだ。
実際には隣のアルゼンチンの20分の1くらい。
人口350万、スポーツの世界ではサッカーくらいしか聞いたことがない。
オリンピック、ウルグアイの選手の名前を僕は知らない。
サッカーだけ。
W杯で1930年と1950年に優勝している。
はるか昔。
コパ・アメリカでは14回も優勝している。
これは凄い!
でも最後に優勝したのは1995年、15年前。



小国だが国歌が長いので有名らしい。
wikipediaにこう記されている。


  通常(前奏→コーラス→1番→コーラス)という形式で演奏されるが、
  演奏時間は、前奏だけで1分近くかかり全てで4分半から5分に及ぶ。
  長大な国歌が多い南米諸国の中でも突出しており、世界で最も長大な国歌の一つである。
  そのためいくつかの「短縮版」があり使用されている。


11番まであるのだ。
歌詞は戦闘で独立を勝ちとった国らしく勇ましくある種悲壮だ。
(フランスのラ・マルセイエーズは残虐でさえある)
ウルグアイの国歌の歌詞。


 ♪東方人よ、祖国か墓場か! さもなくば自由か栄光ある死か!
  東方人よ、祖国か墓場か! さもなくば自由か栄光ある死か!


これが前奏のコーラス部分の歌詞。
悲壮です。


長い国歌に耐えきれずこんな出来事もあったそうです。
http://supportista.jp/2009/11/news20154209.html
ちなみに、相手国オランダの国歌も14番まであるそうです。
歌いませんけど。



閑話休題
ウルグアイのサッカーの話に戻しましょう。
(感動の準決勝の話はなかなか始まらない)
南米の古豪ウルグアイ
かつての、という言葉が先につく。
僕の知ってる選手は80年代のフランチェスコリと90年代のレコバくらい。
(ここからは偏見かもしれませんが…ご容赦)
代表のイメージはよく言えば試合巧者、悪く言えば“狡猾”。
選手の顔つきも船戸与一の南米ものに登場するような一癖ありそうな悪党づらが多い。
イエローが乱発する試合にはウルグアイが絡んでた、なんて先入観もある。
アルゼンチン同様、挑発する、煽動する、隠れたところでファウルをする。
デスペラード、ならずもののサッカー。
また最近はW杯予選のプレーオフでサポーターが荒れた事件もあった。
今大会のスアレスのハンド退場もウルグアイらしいといえばらしい。
勝つために手段を選ばず。
「フェアじゃない?ぐふ、おめえら甘いぜ」とガルシアは言った。(ガルシアって誰?)
それが南米大陸の価値観。


日本時間3時30分キックオフ。
オランダがボールを支配する。
ウルグアイはガーナ戦勝利の代償としてエースを失った。
韓国ゴールに2発たたきこんだスアレスはレッドカードで出場停止。
解説の山本昌邦氏がウルグアイの戦い方を明解に教えてくれる。
堅い守りがベース、攻撃はトップの3人が受け持つ。
本田、大久保、松井の3トップで闘った岡田ジャパンに似たシステムだという。
ベスト4に残ったのはウルグアイを除くといずれもボールを支配して攻めるチーム。
ウルグアイはブラジル、アルゼンチンというサッカー強国に揉まれ圧倒された歴史がある。
互角に戦うには、と自然と堅守をベースとしたこのスタイルを完成させたという。


日本と違うのはこの3トップが非常に危険な男たちなのだ。
フォルラン、カヴァーニ、本来ならスアレス
少ないパス、一本か2本で再三決定的な場面を作り出す。
横へのパスはほとんど無い。
常にタテ、前への速く長いパス。
山本氏は言う。
パス成功率が低いのはすべてがチャレンジのパスだからです。
10本に1本、その速いパスが通れば決定的となる。
やり方は決まっている。
この話を聞いて、ゾクっとくるものがあった。
そして、その一か八かのチャレンジがオランダを脅かす。


前半、両国は大砲(ミドルシュート)を撃ち合いゴール。
オランダ主将のファン・ブロンクホルストが先制すると、
ウルグアイのエース、ディエゴ・フォルランが同点弾。
もう眠れない。


ウルグアイの10番、デュエゴ・フォルランアトレチコ・マドリッドの選手。
スペインリーグで2年連続得点王に輝くウルグアイの星。
父パブロ・フォルランは36年前の西ドイツ大会に出場し同じ相手オランダに0-2と敗れた。
あのクライフのオランダだ。
15歳までテニスと掛け持ちしていたという息子のディエゴ
(そういえばビヨルン・ボルグに似てます)
最愛の姉が交通事故で半身不随になったのをきっかけにプロ入りした。
この男のプレーには感じるモノがあった。
キャプテンとして劣勢でも決して下を向かずチームを鼓舞する。
面構えがいい。


山本氏はウルグアイびいきだった。何度も“したたか”を連発する。
ファウルに対するアピールが目立つオランダ。
ロッベンも明らかにシミュレーションっぽい。
ウルグアイのチャンスでオランダのディフェンダーがゴール前でヒジ打ち。
スローはとらえたが主審の陰でノーファウル。
このステージになるとその手の駆け引きも大きい。
経験上、オランダもなかなか狡猾なのだということを僕は知っている。


後半、オランダのスナイデルのゴール!
カイトがオフサイドポジションにいた。
でも、ゴール認定。
Twitterオシムも「(カイトは)オフサイドではないのか?どうだ?」
同じく元アナウンサーの岩佐さんも「オフサイドなし? どうなんだ、関与してるだろ。」
結果、関与してるしてないではなくオフサイドポジションではないとの判定。
意外にもウルグアイの抗議はあっさりとしたものだった。


さらにオランダ、3点目。
愛すべきロッベンが文句なしのゴールをハゲ頭で叩き込む。
3-1となって決定的と思われた。
ウルグアイフォルランを下げる。
諦めたのか?
(のちに足が限界だったと知る)


スアレスに続きフォルラン
絶対的なエースを失ってもウルグアイの闘志は消えない。
果敢にオランダ陣内に攻め込む。
時間を稼ぐオランダ。
たくましく勇敢に運命に立ち向かうウルグアイ
闘志がオランダゴールに穴を開けた。
ロスタイムにチームを引っ張ってきたペレイラが2点目。
しかし、無情の笛。


3-2 終わってみれば最小得点差。
窓の外が明るくなっている。
日本代表がオランダに対してウルグアイのように闘ったら…と望む。
たぶん、感動をありがとう、という言葉が素直に言えるだろう。
ベスト8からのステージは半分くらいは運、どこが決勝へ行っても不思議じゃない。
要は強い相手に怯まずリスクを冒して勇敢に戦えるか、だ。
引き分けは要らないのです。
パラグアイ戦の日本にオシムが何度も「残念だ」を連発したのはこういうことだったのか。
ウルグアイの戦いには明確なメッセージが感じられた。
いやあ、カッコ良かったです。


WEBによるとウルグアイは近年の低迷から徹底的な代表強化に取り組んできたとか。
タレントは揃っている。
要はどちらへ指針を向けるか、なのだろう。
ウルグアイは3位決定戦に回る。
フォルランも回復し、スアレスも戻る。
これは相手がスペインにしろドイツにしろ手強い相手になるぞ。