ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

2011/8/18 熟れていく夏

湿気を含んだ空、天井が今にも落ちてきそうなんだけど落ちない。
おかげでむんと蒸し暑い。生殺しのまま、夏が熟れていく。
トマトは熟れたら美味しいが熟れた夏は息苦しい。


朝8時過ぎに起きる。
エアコンとテレビのスイッチを続けてオンにする。
智弁(奈良)と作新(栃木)が打ち合い、互角の戦いを演じる。
一昨日と昨日の日記をパタパタと打ちながらABCラジオで中継を聞いている。


…「ほぼ日」コンテンツ『福島の特別な夏』の続編がアップされる。
http://www.1101.com/fukushima/2011-08-18.html
永田さんは書いている。


  いま、甲子園は準々決勝。
  
  山間に湧いたキラキラ光る小さな流れが
  
  何本も何本も集まって
  
  大きな川となって海へ向かうように、
  
  この夏、ぼくが目撃してきたぜんぶの高校の思いは
  
  習志野高校に受け継がれている。


福島県予選を見届け、甲子園で聖光学院の2試合をリポートし、
聖光学院を破った金沢が、3回戦で習志野高校に敗れた。
福島の思い、永田さんの思い、今その水脈を保っているのは習志野だということ。
僕の勝手な片思いも同じく習志野に受け継がれているのだ。


  取材をしてはじめて知ったことのひとつは、
  
  ゲームセットのあと、校歌斉唱をもって
  
  両チームのやり取りが終わるわけではないということ。
  
  応援団はかならずエールの交換をする。
  
  そしてベンチと控え室の掃除を終えた両チームは
  
  球場の外に集まって並び、千羽鶴などを受け渡す。
 

 
  そこには、試合直後にはない、笑顔がある。
  
  託すほうにも、受け継ぐほうにも。

  
  そのようにして対戦はくり返され、
  
  夏を終えたチームは
  
  まだ夏を続けていられるチームへ
  
  千羽鶴だけでなく、いろんな思いを託す。

 

 
  スキー部員が活躍した南会津も、
  
  最終回の最後の打席に最初のヒットとなる
  
  最初のホームランが飛び出した相双連合も、
  
  監督が長く長く応援席に頭を下げていた小高工業も、
  
  笑顔の消えた投手に思わずキャッチャーが
  
  駆け寄った須賀川高校も、
  
  九回表にしぶとく同点に追いついた日南学園も、
  
  いまはぜんぶ、習志野高校に受け継がれている。

  
 
  思えば、すごいシステムだなあと思う。  (『福島の特別な夏』より)


一部だけど、無断で書き写してしまった。
今年の夏の甲子園はこの『福島の特別な夏』とともにあった。
最初#1から最新の#17まで何度繰り返して読んだことだろう。
特に心動かされたのは原発事故とは関係ない南会津高校のリポート。
http://www.1101.com/fukushima/2011-07-20.html
背番号7の圭吾くんが最後の打席に入る場面が好きだ。
他人にはなんで?と思われるかも知れないが嗚咽するくらい感動する。
たぶん自分自身の記憶を呼び起こすせいだと思う。
http://www.1101.com/fukushima/2011-07-25.html
そうか、圭吾くんの思いも今は習志野ベンチにあるのか。
習志野がんばれ! と思わず声に出す。


会津高校野球部の圭吾くんは右から3人目だ。



…夜は甲子園遠征中の丼さんと三十路さんと福島『森ん家』で飲む。
去年8月20日に京橋の白頭園で初めて飲み会をした。
以来、3人で飲むのは3度目になる。
業種も、年代も、住む場所も異なり、趣味嗜好だけでつながる関係。
大げさだけど、こういう時間が人生を少し豊かにしてくれる。

三十路さんは連戦続きで少しお疲れの様子。
試合観戦中、とにかく多忙なのだ。
スコア記入、週刊朝日、感情移入(憧)、デジイチ撮影、アルプスブラバンチェック、
感情移入(檄)、スコア記入、水分補給、撮影、感情移入(泣)、最後に声かけ…。
これが一日4試合!
五感すべてを使って試合を味わうのが三十路流だ。
(大夫、三味線、人形を同時に観賞する)文楽と同じだね、と僕は言ったものの、
長時間、過酷な環境、そして見ているだけの文楽とは消費エネルギーが違う。
ネット裏甲子園も完投するには省エネ(節電)が必要なのかも。
でも、感情はセーブせず思いっきり放出した方がいいです。
あと2日、いったん灰になって、ぼちぼちと社会復帰して下さい。


そして、例年以上に、応援した学校が負けていく現実にダメージも大きい。
東洋大姫路を応援してきたK笠嬢も、わたしが応援すると負ける、と嘆く。
応援する学校が次々と勝ち上がる、なんて10年に一度もないのだから。
だからこそ、感動も大きい。
弱かった頃の阪神タイガースみたいなもの。
そうそう、京セラドームで阪神は広島に3タテ喰らい4位転落、借金2。


福島の思いを託された聖光学院
その水脈を引き継いだ習志野高校は
今日、準々決勝で日大三高に敗れてしまった。
あした、日大三高は関西(岡山)準決勝で対戦する。
タスキ渡しのような、あるいは残酷な食物連鎖のような甲子園はあと2日。