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書棚(読書メモ)

2017-01-10

爆発的進化論

 爆発的進化論 新潮社
 更科 功

 今の生物学は、DNAや分子レベルの研究が中心。
 しかし、ものすごく単純なことが解明されていないのですね。

 すべての生命活動には、タンパク質が必要。

 DNAをコピーしてRNAを作り、
 RNAを使ってタンパク質を作る。

 これはほ乳類でも大腸菌でも同じ。
 生物学ではこれを統一原理(セントラルドグマ)と呼ぶ。

 しかし、DNAも一種のタンパク質。
 つまりタンパク質がなければDNAは作れない。

 DNAが先か、
 タンパク質が先か。
 これが未解明。

 有機物から人工的に細胞が作れたらこれが解明する。
 これが現在の生物学の究極の目標。

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 P188

 このように、「DNA→RNA→タンパク質」という遺伝情報の流れは、すべての生物が共有している特徴であり、これは生物学における「セントラルドグマ」と呼ばれた。DNAは遺伝や発生の情報源として、そしてタンパク質は実際に生命現象をつかさどる因子として、両者は生命にとってもっとも重要な物質と考えられるようになった。

 ここまではよい。じつに整然とした結果である。だが、さらに突き進んで「遺伝子の進化」を考えると、大きな問題に突き当たる。

 セントラルドグマによれば、タンパク質を作るにはRNAが必要である。そしてRNAを作るにはDNAが必要である。したがって、最初にDNAがあれば問題はない。進化の過程で、まずDNAが現れて、それから順にRNAやタンパク質が合成された。そして、ついには生命が誕生したのだ。そう考えれば、だが残念ながら、悩まなくてすむ。

 そうは考えられない事情があるのだ。

 ここからは、いまだに答えが出ていない、二つの仮説についてお話ししよう。

2016-03-15

シャープ崩壊 名門企業を壊したのは誰か

 シャープ崩壊 名門企業を壊したのは誰か
 日本経済新聞社

 シャープほど成功体験が、即、
 凋落要因になった企業も珍しいと思うのですが。

 私は勤務時代、堺市で勤務していたこともあり、
 液晶テレビのためだけの巨大な堺工場は、
 誰から見ても大丈夫か、と思わせるものだった。

 リーマンショックで工場の中は初めからがらんどうだった。

 たぶん、もともとダメな企業だったのでしょうね。
 それが液晶テレビで一時の栄華を誇ったのでしょう。

 そして、この堺工場を決断した当時の片山社長が今、
 なんと、日本電産の後継者候補筆頭になっているのですね。

 本書ではシャープ崩壊の張本人扱いですが。

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 P133

 「危機になったのは自業自得だ」「下請けいじめしていた罰が当たったんだよ」。高橋が本社に戻ってきて、取引先や部下から聞く声は、同情や激励というより、「上から目線」で多くの取引先を敵に回していた実態だった。

 高橋自身、親しい同僚役員に「シャープの評判は最悪や。本当に潰れるかもしれない」と吐露したこともある。「高橋さん、あ在ただから信用して話しますけど、シャープがこういうことに在って『ざまあみろ』と思っている人は多いですよ」。取引先や関係者から直接、何度も耳打ちされた。

 下請け企業に対し執劫に部品の値下げを迫り、横柄な態度で接するシャープの悪評は、地元の関西地域ではよく知られていた。取引先を「おまえ」呼ばわりし、怒鳴り散らすのは当たり前。シャープとだけは二度と取引しないという下請けも少、なくない。パナソニツクに吸収された三洋電機の経営危機とは違い、地元ではシャープに対する同情論はほとんど広がっていなかった。

2016-01-27

中曽根康弘

 中曽根康弘
 服部龍二 中公新書

 売上税廃案。
 ロッキード事件と、
 リクルート事件。
 水面下での政治的立ち回り。
 多元的で戦略的な外交政策。
 派閥の領袖としての立ち回り。
 今に繋がる官邸主導の政治手法。
 ポピュリズムに走らない政治手法。
 電電公社、日本専売公社、国鉄の分割民営化。

 よい面、悪い面含め、
 存在感、貫禄、スケールが以降の首相とまったく違います。

 時代がそうさせたと思うのですが。

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 はしがき
 1982年、64才で念願の首相に就任した中曽根は「戦後政治の総決算」を掲げ、国鉄、電電公社、専売公社の民営化を進める。内外生で多くの審議会を設置するなどブレーンを多用し、「大統領的首相」と称する手法を実践したのである。中曽根政治は官邸主導のルーツといってもよい。

 1983年には田中を有罪とするロッキード事件判決が下され、総選挙で議席を減らしたものの、1986年の総選挙で大勝する。大型間接税である売上税は導入できなかったが、1987年に竹下登を後継に指名して悠々と退任した。中曽根の外交はサミットを通じて国際的地位を押し上げた反面、国力が最高潮にさしかかっていただけに、アメリカとの経済摩擦には苦慮し続けた。靖国神社に公式参拝し、今日的な靖国問題の起源となったのも中曽根である。

 中曽根には2つの印象がつきまとう。1つは保守最右翼のタカ派というものであり、いま一つは、最小派閥を率いた「風見鶏」である。首相就任時には「田中曽根内閣」と揶揄された。

2016-01-21

医師のつくった「頭のよさ」テスト

 医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン
 本田真美 光文社新書


 発達障害専門の小児科医としての経験に基づく分類です。

 筆者は4で、人の名前を言われたとき、
 名刺の文字がまず心に浮かぶという。

 まず顔の静止画像が浮かぶのが当たり前と思っていましたので驚きです。

 自分の分類がどうかよりも、自分とは認知方法が違う人がいるのだ、ということが参考になりました。

 私の場合、
 1と2が標準以上で、4と5が人並み以下。
 ほとんどの人は1と2だと思うのですが。

 学歴が高い人や秀才は4とか5の人だろう。

 異なる2分野が突出していると才能を発揮できる人材。

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 1 視覚優位者・写真(2次元)タイプ

 「一番古い(一番自分が小さかったときの)思い出は何ですか?」と聞かれたら、多くの人が物心つく(言語的な因果関係がわかる)4〜6歳のときのことを思い浮かべます。けれど、視覚優位者、とくに写真タイプは、そのときどきを写真として残しているので、もっと小さい頃の思い出を話すことができるのです。
 さらに、その記憶は自分の目から見た記憶なので、その場面に自分はいません。
 夫は、「自分がハイハイして階段を二段くらい上がったときに、二階の窓から入ってきた太陽光が階段に陰を落としていたのを覚えている」と言います。ハイハイしている頃ですから1歳前の記憶で、自分の目で見た場面を思い浮かべているのです。

 2 視覚優位者・三次元映像タイプ

 どんな人の顔も見わけられるエキスパート。
 建築家やパイロット、外科医、機械技術職、テレビや映画の舞台制作者やテレビカメラマンなどは三次元映像タイプの人に多くみられます。同じ視覚優位者でも前述の写真タイプと異なるのは、空間と時間という軸が加わった点です。
 建築家の友人は、「設計図を見ただけで立体化した建造物が浮かび上がり、さまざまな角度から建造物がどのように見えるかがわかる」と言っていました。頭の中で建造物を回転させることができるのです。
 しかし、その友人は幼い頃に字を覚えるのが苦手だったそうです。

 3 言語優位者・言語映像タイプ

 イメージをすぐに言葉にできるファンタジスト
 本や小説を読むとその場面が容易に想像でき、文章よりは映像イメージとして記憶します。言語を映像化することも、逆に映像を言語化することも得意です。
 感覚的思考者は主に右脳を使っているといわれていますが、言語映像タイプは言語機能をつかさどる左脳とイメージをつかさどる右脳をバランスよく使うことができます。右脳と左脳のあいだには「脳梁」という二つの脳の情報が行きかう場所があるのですが、その部分が発達しているともいえるでしょう。
 このタイプに当てはまる友人の娘は、出生時のことをよく覚えています。
 2歳の頃から彼女は、「トンネルみたいなところを『苦しいな〜』って思いながらぐるんって回って出てみたら、急に明るくなって、白い服を着た人がいっぱいいたよ」と話していました。その記憶が本当だとすれば、彼女はその印象的な映像を記憶し、言語と結びつけ、他人に説明しているのです。

 4 言語優位者・言語抽象タイプ

 わかりやすくノートをまとめる達人。
 東大生の見やすくまとめられたノートは、言語抽象タイプの人が作成したのではないかと思われます。それは、このタイプの人は授業内容の要点をきれいに図や相関図にまとめ、ラインマーカーやペンの色を使いわけ、字の大きさや太さを変えて見やすく整理することが得意だからです。
 このタイプの人は「言葉を見る」のが得意です。どういうことかというと、一度文字に落としたり、紙に書いてある文字を見たりしたほうが覚えやすいという特徴があるからです。

 5 聴覚優位者・聴覚言語タイプ

 オヤジでなくてもダジャレ上手。
 弁護士や教師、落語家、アナウンサー、音を意識できる作詞家に多いタイプです。
 本の読み聞かせをしたときや劇や映画、ミュージカルを観たときに、セリフをそのまますぐに覚えられます。一度聞いたコマーシャルのフレーズや歌の歌詞を覚えるのも得意です。
 先日、同僚とある講演会に参加しました。先に述べたように、私は講演会の最中、一生懸命メモをとっていたのですが、隣に座ったいた同僚は一度もペンをとることがありませんでした。メモをとらずとも講演会の内容をしっかりと理解し、記憶できる同僚はこのタイプです。

 6 聴覚優位者・聴覚&音タイプ

 英語の発音もすばらしい絶対音感タイプ。
 音楽家はまさにこのタイプです。
 絶対音感(absolute pitch)とは、外的な基準音を参考にせずに任意の音の高さを判断できる、あるいは自らの声や楽器で任意の高さの音をつくり出せる能力のことで、音楽家の多くが持っている特別な能力といわれています。
 最近ではこの能力に対してさまざまな研究がなされ、遺伝性が認められることが明らかになっています。
 CMソングや映画、劇で使われる音楽を一度聞いただけで、歌詞ではなくメロディのほうを覚え、口ずさむことができる人もこのタイプです。
 また、このタイプの中には自分で聞いた(脳内に入力された)音を、自分の声として発声(出力)できる人もいて、知り合いの話し声、動物の鳴き声など聞いた音をそのまま再現できます。
 外国語の発音やイントネーションなどの特徴をつかむことも得意なので、ネイティブではないのに外国語の発音が上手だったりします。

2016-01-08

社会脳とは何か

 ADHD(注意欠如多動性障害)などは、
 生活が困難なほどの障害がある場合は別として、
 障害ではなく個性と考えるべきという研究者もいる。

 なるほど。

 そのような視点からは、健常だと思っている人も、
 ある意味で、発達障害と言える人が多いのだ。

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 社会脳とは何か 新潮社
 千住 淳

 P96

 定型発達症候群とは、以下のような症状を持つ発達障害です。「他人の気持ちにこだわり、読心術ができているかのような妄想を持つ」「正直でことばの意味通りのコミュニケーションを行うことができず、ことばの意味とその会話で伝えようとする意味が矛盾してしまう」「道順やものの位置など、環境の変化に気付くことができない」「社会的な立場や友人関係、他人からの評価など、限られた範囲の内容にしか興味を持つことができない」。何か思い当たることはありませんか?

 自閉症を持たない我々の多くである「定型発達者」が当然のこととして考えている社会行動は、よくよく考えてみると、合理的な説明ができるものばかりではありません。

骨が語る日本人の歴史

 骨が語る日本人の歴史
 片山一道 ちくま新書

 日本人の源流を知るため読んでおくべき1冊かと。

 いや、日本人の源流はなんとも言えないそうです。
 東アジア各地から集まり、日本という独特の風土で、
 育まれたとしかいいようがないのだと。

 昔の教科書に必ずでていた明石原人などはまったく根拠がないとか。
 戦後、アイデンティティに飢えた日本人の幻想だそうです。

 古代日本人の骨は専門家なら即わかるほど、独特だそうです。
 他のどの地域とも違いすぎている。

 さらに、古代、中世の人骨は身分や階層で特徴が異なる。
 通婚圏が限定され、食生活もはっきり分かれるからです。

 江戸時代人は最も背が低かった。
 理由は不明だそうですが、なにしろ古墳時代人よりも小さい。