悪い税理士のすすめ

 悪い税理士になろう。

 

 と言っても現実に悪徳税理士になれというわけではなく、意地の悪い節税手法などを考えることは必要ということだ。最近では最高裁判決が出たタワマン節税が話題になった。こういった限界事例や非常識事例を考えることは常識的な処理の射程を把握するのに必要なのだ。

 

 勉強や仲間との議論では、税法の不備をつく、通達の盲点をつく、非常識事例を並べる。まじめなだけではアイデアは浮かばない。頭を柔軟にし発想を豊かにしておかないと何も思いつかない。正常な処理の輪郭が見えてこそ間違いのない判断ができるようになる。あるべき正しい処理の範囲が明確に理解できるということは、立法趣旨を理解することに繋がる。

 

 ただ、研修会や雑誌の原稿、書籍では思いついた節税手法は書きずらい面がある。とくに現行法で否認されていない手法だったり、税制改正の対応が難しい手法を書いてしまうと、筋の悪い節税を宣伝しようとしているのではないかと思われる不安があるからだ。

 

 こうした節税手法の議論を嫌ったり、興味のない真面目な税理士がいるが、そのような人ほど気づかぬうちに危険な処理をしていることが少なくない。悪いことを考えていない分、他人の悪意が見えてないのだ。良からぬことを考える人間に乗せられて危ない申告をしてしまっている。

 

 税理士は立法趣旨など考える必要はなく与えられた情報だけを元に実務をこなせばよい、そのような考え方では安全な範囲の処理が把握できない。シロの仕事しかしておらず、グレーゾーンを避けているから、目の前の実務が危険なダークグレーなのか安全なライトグレーなのかが判断できない。

 

 勉強の上では税法の盲点を突く意地悪な税理士になり、実務では清く正しく。これが税理士のあるべき姿勢だ。

貸付事業用宅地の3年縛り事例あれこれ

 平成30年改正で、相続直前に小規模宅地特例を利用するための駆け込みの貸付物件の取得に規制がかかった。改正後は相続開始前3年以内に取得した貸付物件は、貸付事業用宅地等から除外される。

 具体例はこうだ。父親は余命宣告されたので、相続税対策を意識し、新規で始めたアパマン業だが、開業から1年で亡くなった。物件を相続した母は3年縛りによって貸付事業用宅地等の50%減額は使えない。駆け込みによる小規模宅地特例の利用を防止するのが改正の趣旨だ。

 ここで疑問が生じたのが相続による取得の場合。つまり、妻も、夫の相続後1年で亡くなってしまったとする。物件を相続した息子は貸付事業用宅地等の50%減額は使えるのか。

 これについては翌年の平成31年改正で手当てされた。相続により取得した宅地は3年縛りの対象外とする(措令40の2⑨、⑳)。つまり新たに始めた賃貸物件が短期間の相続で承継された場合、1次相続ではもちろん3年縛りの規制があるが、2次相続では減額可能ということになる。

 なぜかというと、夫は自分の相続での節税を意識して物件を取得したのであって、短期間に2次相続まで起こることを意識して物件を買ったわけではないからだ。妻自身は節税行為に関与していないし節税のために死亡したわけでもない。したがって、新規購入から3年以内に1次・2次の相続が起きても、2次相続では貸付事業用宅地等の特例が適用できる。

 さらなる疑問を掘り下げてみる。妻の土地に、夫が新築して開業した貸付事業。まず開業後1年で夫が亡くなり、妻が建物を相続したが、妻も1年で亡くなった。この場合は2次相続で小規模宅地特例は使えるだろうか。というのも、妻は夫から宅地を相続したわけではない。相続したのは建物だけだ。政令は、貸付事業用宅地が短期間で2次相続まで承継された場合を救済しており、1次相続で承継されたのが建物の場合は2次相続を救済する直接の条文がないのだ。

 これについては2つの説が考えられる。一つは条文の文言どおりに解釈し、救済はないというもの。したがって妻は夫から建物を相続した時から貸付事業を開業したことになる。そうすると2次相続では3年縛りが発動することになる。

 しかしここは、第2説だと解釈すべきだ。つまり、相続による取得にはいかなる場合でも3年縛りの適用はないという考え方だ。相続による取得は、購入や新築による取得とは違う。解釈上それは当然のことであり、措令40の2⑨、⑳は当たり前のことを確認した規定にすぎないという立場だ。だから土地が連続で相続された場合だけでなく、1次相続が建物のみ、2次相続で土地建物が相続されたときでも、2次相続では貸付事業用宅地等の減額が適用できることになる。

 そのように考えないと、妻の土地に、夫が建物を建てて30年間営んできた貸付用建物を妻が相続し、その妻が3年以内に亡くなると、子どもは貸付事業用宅地等の減額ができないことになってしまう。これは不合理だ。妻は夫の経営期間を承継すると考えるのが素直だろう。

何も考えないところに個性がある

 売上を拡大する。

 ミスを気にせず大胆な仕事をする。

 従業員を増やし規模拡大。

 

 優秀とされる経営者ですが深く考えない個性の問題でもある。

 

 売上拡大に意欲的=
 ゴミのような仕事でも取る。
 件数を増やすのが事業をやる価値だ。

 

 仕事のミスに強い経営者=

 ミスがあっても相手の責任だ。

 

 従業員の雇用に意欲的=

 従業員を雇うとその人の人生を背負う重圧を感じるものだが、
 どうなろうがそいつの人生だと思える価値観。

 

 自分の個性を知り、どれに重きを置くか。

 

 どれも選択しないことも自分の個性。

 税理士であればボス1人の事務所です。

顔('_')

 政治家を見るとき、その人の表情に興味があります。

 政治家は職業防衛的に表情を出さない。

 心理を読み取られまいとする防衛なのだろう。

 政敵にも国民にも動揺をさとられてはならない。

 爬虫類並みに表情がない人が多い。

 

 二階氏などは生き方が表情に出てしまっている。

 

 麻生さんはもともと良い人なのだろう。

 表情がコロコロ出る。

 新首相の岸田さんも裏表のない性格が表情に出てる。

 

 引退すると表情が出るようになるのも面白い。

 現役時の爬虫類から人間に戻るのだろうか。

似顔絵を作ってもらった

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 ココナラというサイトで似顔絵を作成してもらいました。

 様々な得意分野を持つ人が登録しており自由に依頼できるシステムです。

 藤子不二雄A先生風にとお願いしたらこのように。

 送った画像が下記です。

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自分が知らないことを知るのは難しい

 関与先の素人の質問に、
 答えられないことがよくあります。

 それは税理士が、
 本質まで理解していない証拠であり、
 理解していないことを謙虚に知るチャンス。

 減価償却がなぜ必要なのか。
 購入年度の損金とすべき。

 そう聞かれて、
 納得いく説明ができなかった。

 資金繰りで生きている経営者には、
 全く理解できない。

 適正な費用配分や、
 適正な損益計算のため、
 などは思い込みにすぎないのではないか。

事故例パンフ2020年④

 事故例パンフ2020年

 気になる事例をあげると。

 保険が払われなかった事例1
 顧問先に事業の業態の変更があった。
 簡易課税の業種が変わり原則課税が有利になった。
 簡易課税不適用を届け出、決算期を変更して原則課税に戻した。
 しかし決算期変更を提案するのが遅く、2月分余分な消費税を払う羽目に。
 税理士の責任ありだが、事前相談特約に加入してなかったのでアウト。

 …… 決算期変更まで提案する必要があるのか疑問。
 …… この種の事例では設立年度を7ヵ月にすべきというのがあるが……。
 …… よほど顧問先と険悪だったのか。

 保険が払われなかった事例2
 依頼されていたのに事前確定届出給与の届出を失念。
 保険請求をしたところ、前期の決算賞与と発覚。
 職務執行期間の給与ではないのだから、
 どのみち役員賞与なのだから損金不算入。
 保険払われず。

 …… 決算賞与だからダメって本当だろうか。
 …… 事前確定給与の届出をしていれば、
 …… 税務調査でも問題にならなかったのでは。