著作権の存続期間についての思考メモ

昨日書いた朝日新聞の記事を読んで考えたことのメモ。
http://www.be.asahi.com/20050716/W13/0040.html
結論は無いし、順不同。

  • 出版社は、売れない作品を著作権の存続期間が満了するまで新刊書を発行し続ける義務を負わない。義務を負わせるのは出版社の経営を悪化させるので不合理。
  • 現行の存続期間でも売れない著作物は新刊書として入手するのが困難になるのであり、それは著作権の存続期間が50年でも70年でも変わらないのではないか。
  • 逆に、存続期間を短くしたら新刊書の入手可能性は高くなるのだろうか。多分そうはならないのではないか。
  • 存続期間と新刊書の入手可能性とは関係があるのか。
  • 存続期間が満了すれば、青空文庫で自由に公開できる。でも、存続期間が過ぎた著作物が全て青空文庫で公開されるとは限らない。
  • 青空文庫の資源は有限なのだから、公開されるのは人気順となるのではないか。そうすると、人気がなく新刊書が入手できない著作物は、青空文庫でも公開が遅れるのではないか。
  • 青空文庫はボランティアベースの活動であるので、青空文庫著作権が切れた全ての著作物を公開する義務を負わせる訳にはいかない。
  • 青空文庫やその他のスペースで公開されるとは限らない以上、朝日新聞の記事のように「存続期間の延長で埋没作品が激増」とは言えないのではないか。
  • 存続期間が切れたって、売れない著作物は紙の書物としては発行されないだろうなあ。
  • 朝日新聞の記事は、新刊書のみに絞った調査であり、中古本の流通については何ら考えられてない。
  • 採算が合わずに新刊書の発行が中止される書籍で価値のあるものは、公共の図書館が保管することで、資料的作品へのアクセスを担保できるのではないか。図書館は、そういう役割を持っているのではないか。