1月19日-2月1日

他人の顔 (新潮文庫)
事故で顔の爛れた男性が妻の愛を取り戻そうとする話。とものすごくあっさりあらすじはまとまるのだけど、このただならぬ雰囲気、息苦しさもどかしさ、自分が愚かになったような錯覚、そしてそれを裏切られる瞬間、そんな諸々を体験したくばもう読むしかないのだ。せつなくなるほどに、いい。
本棚,[isbn
9784757215498:title]:本棚の写真と本棚の持ち主が語る本棚の中身の話。他人の本棚を覗き見るのってどうしてこんなに楽しいのだろう。自分の本棚は整然としていればいるほどいいというタイプなのだが(むろん、理想と現実は隔たっている)、他人の本棚は乱雑であればあるほどいい。本書は仕事場の本棚がほとんどで、まぁ見せ本棚といえばそうなのだろうけれど、ほどよく乱雑で、ちゃんと生活が見える。すごく興奮した。いいなと思ったのは桜庭一樹さんの玄関先に置かれた本棚。本棚の前にブーツとか置いてあるの、玄関先だから。たまらん。
図書館に訊け! (ちくま新書)
図書館で資料を見つけるための本。大変ためになった。ほとんど文学の書棚を漁ることしかしていないので、ぜひ一度百科事典の索引巻を紐解いてみたい。
利休にたずねよ
様々な人間の視点から描く千利休。いやーおもしろかった!構成の妙もあり、時代物が苦手な私も難なく読了。同じ人間とずっとつるんでいると、いつまでも出会ったころのような新鮮な気持ちではいられないのだという当たり前のことが生き死にに関わってきてしまうのはつらいな。