クリスマスソング歌えるのもあと4日か・・

 ちょっと前に、隣に座っている女性の同僚と雑談をしていて、クリスマスに対する考え方の違いに驚いたことがあります。彼女いわく、「クリスマスは、あの浮ついた感じとか、誰も彼も恋人と過ごさなきゃいけない、みたいなムードが嫌い」なんだそうで、だからこの時期はいやなんだそう。
 僕よりずっと年下の女性にそう言われてしまって、改めて考え込んでしまいました。というのは、、、僕、嫌いじゃないんですよクリスマス。
 もちろん「イブの夜に彼女とホテル」だの「ティファニーにペンダント買いに行く」なんてやったことないです、ほんとほんと。振り返っても、特にバブリーに楽しかった思い出なんかないです。でも、なんかあの「ウキウキする」感じは、いいんですよね。教会に通っていたこともあるので、クリスチャンの人たちがうれしそうに「クリスマスおめでとう」と声をかけあっているのも見たことがあって、それも含めて「特別な1日」だと思っています。俗な考えかもしれないですけど。
 で、今日の本題はクリスマスソングです。クリスマスソングって、一体何曲あるんでしょうね?毎年増えていく感じだし。でも、その中でどれくらいが聴き継がれていくんでしょうね。僕はクリスマスソングには時を越えていく価値を持っていてもらいたいと思っているので、どうしても今の状況は「?」となってしまいます。
 僕のクリスマスソングは、本当にベタですが、ジョンとヨーコの「Happy Christmas(War is over)」、ポールの「Wonderful Christmas Time」、グレッグ・レイクの「I Believe In Father Cristmas」、ジョージの「Ding Dong」、フィル・スペクターのクリスマス・アルバム、山下達郎の「Season's Greetings」(もちろん「Bella Notte」が入っているから)、ジョニー・マティスの「When The Child Is Born」そしてビング・クロスビーの「White Christmas」。どうです、ベタベタでしょう。でもいいんですよこういうの。こういうのにカーペンターズやBB5のクリスマス・アルバムなんかをプレイリストに入れて、行き帰り聴いたりしています。ビング・クロスビーは1枚クリスマス・アルバムを持っていますが、その他に1曲、大好きなものがあります。「Little Drummer Boy/Peace On Earth」。
 これ、ご存じですか?ビング・クロスビーと、あのデビッド・ボウイのデュエットによるクリスマスソングです。もともとはビングが毎年クリスマスに放送していたテレビ番組で実現したものらしく、2人が家の中(当然セットです)、ピアノの前で歌っている映像を観たことがあります。ちょっと寸劇仕立てになっていて、ボウイがビングの家に「友人にピアノを弾いてあげる約束で来ました」と訪ねてくる、その友人はもうそこには住んでいなくて、今住んでいるビングが「ピアノならあるよ、どうぞ上がって」と中に招き入れ、歌を歌うという趣向でした。2人の「古い音楽は聴くの?」(ビング)「ええ、ジョン・レノンとか、ハリー・ニルソンとか聴きます」(ボウイ)とかいうボケているのか皮肉なのかわからない会話も聞けます。
 ちょっと前の「ロッキング・オン」の翻訳記事で、この曲が「なんでこんなことやったんだ」みたいに書かれていました。確かにあらかじめ収録されたバックの演奏を流して2人が歌うところを(たぶん同録で)録音した音は、テレビ放送が前提のためあまり良くないですが、これはこれで味のある、微笑ましいテイクです。ちなみに収録はビング最晩年の1977年。ボウイでいうとちょうどベルリン時代で、2人並んだときのボウイのルックスはぎょっとするようなものですが、それも含めて「一期一会」の趣です。なによりボウイがとても楽しそう(うれしそう?)です。
 これ、今は簡単に聴けないのが残念ですが(ボウイの「Singles Collection」アメリカ盤の初回にボーナスシングルCDとして収められていた他は、たまに変なコンピレーションにこっそり入っているくらい)ですが、機会があったら聴いてみてください。2度と再演できないスター2人による「幸せそうな」歌声は、記号的な意味ではなく「クリスマス」らしいと思います。