最近のアルバムを素材にビートルズネタです(前編)

 今日は久しぶりに新譜について書きますが、一応冒頭で断っておきますと、、えー、結局はビートルズネタです。
 スミザリーンズの新譜「Meet The Smithereens!」。もうタイトルでピンと来るというかこれしかないというか、ビートルズのカバー集です。しかも、アメリカでのデビュー盤「Meet The Beatles」を1曲目からラストまで曲順まで再現したものです。だから収録時間も30分弱。久しぶりですね、こんなに思い切ったものは。
 演奏はというと、カバーというよりもコピーという感じの、てらいもなにもない、そのまんまの演奏です。1曲目の「抱きしめたい」では、ジョージのあの不思議なギターも再現されています。細かくチエックすれば、少しずつオリジナルと違う部分もあり、かつてトッドがやったような「批評としての完全再現」ではない、むしろもっと力の抜けたものになっています。
 僕は最初、あまりに「なにも手を加えていない」風に繰り出してくるビートルズナンバーを聴きながら、これはなにか、わざと「素直を装った」ものなのではないかと考えたんですが、今現在はまだ「なるほど!」というような気持ちにぶつかってはいません。
 ただ、いくらなんでも単なる思いつきにしては、曲順もキーも演奏時間も同じ(これは実際に聴くとけっこう驚きますよ)というのもおかしい。もともとカレッジロックの一員であるスミザリーンズですから、そこになんらかのメッセージというか、見解はあるんだと思います。僕のようなビートルズファンは、それに気づく前に、別のところで感動したり驚いたりしているのかもしれません。
 ライナー(の邦訳)を読むと、「Meet The Beatles」賞賛の嵐(メンバー含め複数の執筆者による)で、このアメリカデビューがいかに驚きと感動に彩られていたかがわかります。もしかしたら、これは一種の「トリビュートもの」なのかも知れませんね。スミザリーンズの演奏は、ビートルズに対する敬意と愛情に裏打ちされたものであることは間違いなく、その意味ではビートルズファンは気持ちよく聴けると思います。実は僕は、購入以来ほぼ毎日聴いています。
 というわけで前編はここまで。次回は後編で、やっぱり最近購入した新譜を取り上げます。そっちもビートルズネタですが(笑)。

Meet the Smithereens: Tribute to the Beatles

Meet the Smithereens: Tribute to the Beatles