日本トンデモ本大賞2007に行ってきました。

 今日は年に一度の楽しみ「全日本トンデモ本大賞2007」を観に、霞ヶ関イイノホールまで行ってきました。
 SF大会から独立して単独のイベントになった2003年以来欠かさず観に行っていて、今回が5回目になります(ちなみに2003年大会のまさにその当日、我が家にコピが来た日で、僕が大賞に行ってしまったのでコピは妻と母がブリーダーさんのところまで行きました。今だにイヤミを言われます)。今年は直前になって「前売り券完売、当日券は出ません」というインフォメーションがあって、そんなに人気があるのかと驚いてしまいまた。ちなみに僕は早い時期にチケットは押さえていたので前から6列目の中央からちょっと右寄りというベストな席でした。
 会場に着くといつもながら、「お仲間たち」(笑)がロビーで物販に群がっています。僕ももちろんその群れに合流。でもふと見回すと、意外に女性が多い。4年前は本当に男ばかりだった感じでしたが、毎年少しずつ女性が増えていますね。それに、けっこうルックスがいい女性が多く、こういう集まりにくる人間への、見てくれに対する偏見は当たっていないなあと思いました。
 実際のイベントは、昨年まで総合司会をされていた唐沢俊一氏がその役を降り、別の方がされていたために、けっこう印象の違うものになっていた。昨年度に引き続きオープニングムービーがあったが、今年のものの方が、時事ネタ内輪受けの両方を盛り込んでいて面白かったです。会の進行に先立ち、ケネス・アーノルド事件から数えて60年、UFO事件もついに還暦を迎えたということで会場全員で「ハッピーバースデー」を歌うなど、のっけから「濃い」感じです。
 基本的な構成に変化はなかったですが、前半の「と学会例会エクストラ」という、と学会の普段の活動を再演したものは、毎年発表のレベルもスキルも上がっていって感心します。マンガネタ、大正時代の女学校に対する考察、中国で売っている日本のアニメソングCDの日本語表記についてのもの、「大人の社会科見学」ルポなど、実にバラエティ豊か。ただ大笑いできるものもあり、笑いながら「なるほど!」と膝を打つものもあり、大したものだと思います。
 対して本題の「トンデモ本大賞」候補作選考ですが、これは毎年変わらず、山本弘会長による解説。これも考えてみたら、本の紹介であれだけ満場の笑いを誘うなんてすごいことですね。ちょっと突っ込んで書いてしまうと、山本会長はプロの作家であり、人前での話しが本職ではないために、声の通りや、紹介の際の言葉の流れ(流暢さ)に若干不安があるのですが、そのあたりは会長の存在感と、壇上の唐沢氏、皆神龍太郎氏を始めとしたと学会運営委員のみなさんによるフォローのおしゃべりが助けていました。まあ、僕の主観もあるし、そもそもこのイベントでの発表者はみんなお話しがとんでもなく上手なので、そう見えてしまうのかもしれませんが(特に本郷ゆき緒さん、中京大学教授の明木茂夫氏の講演の見事さは信じられない)。
 候補作への投票(来場者の投票でトンデモ本大賞が決まるんです)とその集計の間、毎年趣向を変えて行われる「第二部」、今年は異色クラシックデュオ「杉ちゃん&鉄平」によるなんと生演奏。クラシックに様々な多要素を絡めて演奏するという、冗談音楽の王道を行く内容。実は僕はこのデュオの「アニクラ」(アニメソングをクラシック調に演奏したCD)を持っていて、それを演奏するのかと思っていたら(だってお客がお客だもん)、意外な事にアニメネタは1曲だけ。「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」にパソコンショップソフマップ」店内BGMを挿んだものとか、山手線全駅の発車メロディを「G線上のアリア」に乗せて構成したものとか、いろいろあって楽しかったです。このデュオの生演奏は初めて聴くので最初はどんなものかと思いましたが、前半はちょっと「?」という感じ、それが後半に進むに従ってよくなっていきました。現代的な演奏というより、ちょっと時代的な(ビブラートやポルタメントを多用した)感じだったのは「アレンジ」だったんでしょうね。「ワハハ本舗」との競演が多かったと話していましたので、そのへんがああいう(ちょっと俗謡的)演奏法に出ているのかも知れませんね。でもよかったです。一昨年の「不気味社」といい、けっこう音楽ファンとしても楽しいイベントです。
 さて、大賞受賞作ですが、それはここではネタバレになるので内緒(笑)。今年は僕もこの作品に投票しました。今年は昨年よりも面白いものが多く、ちょっとだけ僕も迷いましたが、結局一番笑ったものに投票し、それが大賞に輝いていました。
 全体を思い出してみると、過去4回催してきたものを磨いてきた達成があると同時に、今年から始まった要素もあり、面白く安心していられると同時に、流れも含めて「初めての緊張感」を感じる部分もありました。単発の催しで考えればマイナス要素でしかないでしょうが、このイベントが歴史を持ち、これからも続いていく(来年も決まっているようです)ことを考えると、新たな積み重ねが始まるということで、それはこれから評価されるべき部分なんだと思います。
 今年も同人誌ほかごっそり購入し、カバン(と学会グッズ)まで購入して帰ってきました。著者の方々にサインをいただけたのもいつものとおり。さあ、また来年を楽しみに1年がんばりましょうか(笑)!