アスキーアートにも絵心は必要

昔からよく言われるのですが、「AAは絵を描けない人でも出来る」という、取りかかりやすさのメリットがあります。それはそのとおりで、AAはコピー&ペーストと掲示板の表示癖を知っていれば、誰でも出来るからです。ただ、一から作るとなるとそれは絵でもAAでも面倒なのは同じ。AAの敷居が絵よりも低いのは、「線を引く」「形を捉える」といったものが、ある程度パーツとして用意されているからです。

例えば、絵では最も基本的なスキル「線」を描くことが素人には非常に難しいことが挙げられます。「線をまっすぐに描く」ことは、かなりの修練を積まないと出来ません。AAではズレ直しのテクニックさえ身につければ、容易に描くことが出来ます。

*AAではまっすぐ描ける線でも、紙の上だとフニャフニャしてしまいませんか?
 それは線を描く修行が足りないからです。
 
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また、AAを利用する範囲の問題で、大まかに以下の段階に分けられます。

  1. 既存のAAを貼り付けること
  2. 画像や絵をトレースしてAAを作ること
  3. 既存のAA・パーツを改造すること
  4. 画像や絵を参考にしてAAを作ること
  5. 頭の中のイメージをAAにすること

とりあえず絵心がないと上手に作れなくなるのは3番〜5番あたりになります。
3番は対象のバランスを取るテクニックが必要
4番は対象を正確にとらえるテクニックが必要
5番は3番と4番を加えて、ある程度の知識とセンスが必要になります。
つまり絵心が必要ない場合とは、パーツの形に頼ったり、過去の完成されたパターン(テンプレ)を使う場合になります。このへんはWebをいろいろな素材集を使って作ると、それなりのものが出来るのに似ていますね。

ただし、上手に絵を描くスキル全てがAAに必要なわけではありません。AA描きで絵が苦手という人は、闇雲にキャラクターや物体を紙に描いても上達は遅いので、まず「バランスを取る」「対象を正確にとらえる」理論だけでも学んでおくと良いと思います。そして、そのことをAA作成に応用出来たならば、しめたものです。


*対象を正確に捉える・バランスを養うための参考サイト
http://www.asahi-net.or.jp/%7Ezm5s-nkmr/
http://www.moee.org/
http://www2u.biglobe.ne.jp/%7Ecolorful/lesson/making/index.html
http://sv01.aqua.cc/%7Eu2/h/main.htm

アスキーアートから始まったネット弾圧の兆し

なんとなく予感していたけど、エイベックスとTV系マスコミが2ちゃんねるでの殺害予告をクローズアップしてきました。これはネットで展開されていた、知的財産や企業の社会的責任云々というテーマを薄れさすことになります。今のところネット系のニュースサイトは中立的な記事を書いていますが、こうした犯罪事件ばかり続くと、そう遠くないうちに論点がシフトするでしょう。そうなるとネットに対する警戒が加速し、十分な議論のないままに「ネット規制論」に変化する恐れもあります。

2ちゃんねるから始まった運動も、結局2ちゃんねるという名前が足を引っ張る。のまネコ運動をしている人は、この点を早期に目に見える形でクリアするか、アピールしておかないと自ら首を絞めることになりかねません。今後はまさに双方がどれだけ情報操作で世論を味方に付けるかが勝負どころです。

個人的にはこんなふうに、アスキーアートを鉄砲玉として使い捨てにしないで欲しいものです。前回の記事で書いた「峠」が、悪い意味での転換期じゃなければいいのですが。


参考:
「のまネコ」問題殺害予告 2ちゃんねるに社長家族を名指しした新たな書き込み

毎日新聞―社説:知的財産権制度 創意工夫を促す制度に戻そう