大きくなった

水曜、木曜と一泊で石和温泉に行って来た。
新宿から特急「かいじ」に乗って、わずか一時間半の距離。
山梨県の石和は盆地のためか、暖かい。





温泉もよかったけど、翌日お散歩感覚で行ったワイン工場の見学もよかった。
たくさん機械が動いてる工場、ふみは喜んだ。



ワイン用の水質の観察のために飼われた巨大な鯉にも大いに喜んだのである。


指を伸ばすと、鯉たちはすぐ寄って来て、ふみは鯉の頭をちょんちょん。

一番行きやすい一泊旅行、できれば毎月行きたいぐらいです。




今朝早めに起きる。ふみの保育園の“大きくなった会”、保護者は9時に着席することになってるんだ。


「ふみ、ママのところに来なくていいからね、ママはどこかで見てるからね、ふみは先生の言う通り頑張ってね」
「うん」と、ふみは道端から落ち葉一枚を拾い、「ママ、これずっと持ってていい?」


「いいけど…」


保育園に近づいて、さすがいつもより保護者が多かった。
親だけではなく、祖父母も結構来ています。


子どもたちはみんな興奮気味。
ふみも普段よりテンションが高く、
「ママ、ママ、今日ずっといるの?ママ、靴はふみちゃんと同じところに入れるの?」


やっぱり来てよかった。もし来てないなら、こんな雰囲気の中、ふみはちょっとかわいそうだわ。



2階にある会場に入った途端、ちょっとびっくり。
事前に配られた案内に書いてた通り、ビデオ撮影場所はすでに満員。
保護者たちはかなり本格的な三脚を構え、ビデオカメラを設置しスタンバイ状態。
ふみと結構早く来てると思ったのにね。
小さい場所を譲ってもらう。三脚を持って来なくてよかったわ、これじゃ置く場所がないや。


まず年長組の歌や楽器演奏。顔見知りの子供たちとはいえ、別に親しくもないけど、一生懸命にやってる子供たちを見ていると、なぜか目頭が熱くなり… 
黒人・白人・黄色い人、みんな天使のように見える、
みんな違って、みんないい。

ティッシュで目を押さえた、涙が出てくると格好わるいから。

私、もう歳かな、どんどん涙脆くなってるな。



“野菜組”とよばれる“姉さんかぶり”をしている子供たちが、歌いながら、お野菜を掘る仕草などの踊りも楽しそうにやってる中で、一人だけ、わざとその手ぬぐいを顔全体が見えないようにかぶって、なのに踊りもちゃんとやってる。
観客席あっちこっちから笑い声が聞こえる。その子はたまに、かぶった手ぬぐいを開けてみんなを見ていた。
とてもおかしくて、ビデオを撮る手も笑いをこらえきれず震えていた。


にこにこする子、こわばっている子、自分の親に向かって手を振る余裕のある子、みんな面白くて、個性豊かで、自由であった。


ふみたちのたんぽぽ組の番だ。
まず20人全員登場。
オレンジ色の服のふみの姿が目に入った!

みんなと同じく車のハンドル(フラフープ)を持って回しながら一周走って、また走り去った。


あっという間だったが、やっぱり感無量で胸いっぱいであった。
つい何ヶ月前の運動会で、みんな一緒に楽しく行動するのが全然できず、泣いたり、固まったり、親のところにばかり来ようとしてたふみだが…



次は小さいお芝居。
先生がケーキ作ろうとするけど、材料がなくて、そこで子供たちはビンポーンして名乗って訪ねてきて、それぞれ小麦粉や牛乳などの材料を持ってくる、それで美味しいケーキが作れたとの設定。


これはほとんど女の子の役。
さすが女の子はしっかりしてるね。同じ年齢のはずだけど、堂々として、お利口で、見せる意識が強くて、感心してしまった。


男の子は、ガソリンスタンドのお兄さん(女性の先生)のところに一人一人行って、“お兄さん”に聞かれて、自分の運転してる車がどんな車かを答えて、ガソリンを入れてもらって、また走って戻る。


「××君だね、運転しているのは何のくるまかな?」
「宅急便の車!」
「ガソリンを入れますか?」
「はい!」
「ガガガガガガ…はい、満タン」


「××君だね、運転しているのは何のくるまかな?」
「救急車!」
「あら、そりゃ大変だ、急がないと。ガソリンを入れますか?」
「はい!」
「どこから入れましょうか?」
「ここ!」とその子自分のお腹を指さす。
「ガガガガガガ…はい、満タン」



ふみ走って舞台の脇から出てきた。
大きいフラフープを回してガソリンスタンドの“お兄さん”のところに来た。

前の子のやりとりはまだ終わってない、ふみはにこにこして隣で立って見てた。


「はい。これはふみ君だね。今日の車は何の車?」
「ショベルカー」と、ふみはそのフラフープを舐めながら答えた。


「ガソリンはどこに入れるですか?」
「ここ」とふみはおしりあたり指をさす。
「あれ?また変わったね。この前は脇の下だったのに」
客席から笑い声。
「ガガガガガガ、はい。満タン。あの、五百円」
ふみは無言でお金を渡す仕草をする。
客席から笑い声。
ふみはまたハンドルのフラフープを回しながら走って舞台を降りた。




気が緩んでから、腕が痛いと感じた。
痛くなるはずだわ、年長組の出演の時からずっとビデオを撮ってました。
三脚ならラクなのにね、来年そうしよう。



夕方お迎えに行って、帰り道に、
「今日はよくできたねふみ、えらい。いつ練習したの?昨日も一昨日も休んでたのに」
「違うよ、練習は、うん…3月にやってたよ」

3月はまだ来ていないよふみ。(^_-)



まだ明るいのに出てきてるお月さま。
ちょっとせっかちなのでは?お月さまらしくないわ。


近所の桜。
寒桜かしら。