風船

今日は9時に出かけて、ふみと浜離宮へ向かった。
浜離宮は今、コスモスが見頃なんだ。


地下鉄に乗ると近いのに、ふみは電車がいいと言うので、


新橋に着いた。
日差しはかなり強く、日陰は秋の風でだいぶ過ごしやすい。

高いビルに向かってジャンプするふみ。





「ふみ、やめて、足で蹴らないよお行儀が悪い」


15分ほど歩いて、浜離宮に着いた。

キバナコスモスがたくさん咲いてる。



帰りに、鳥取物産展によって見て、「砂玉子」を買った、パパへのおみやげ。
出てきた時、お店のお兄さんが、風船でものを作ってくれると言って、ふみに、「犬と刀しかできないけど…」と言って、ふみは迷わず、
「カタナ!」と答えた。

お兄さん、手早くカタナを完成、そばにいるふみはもうウキウキして、期待いっぱい。
とその時、風船が、バーンっと、割れた。

ふみびっくり。

お兄さんは慌てて、「ごめんごめん、もう一個作るから」


ふみはそのカタナを大事に握って、歩きながら、「これ、パパに見せたら、パパなに言う?これでパパと戦うから、シンケンジャがね…」

ホームで、そのカタナは再び割れた。
なんにもしてないのに、ふみの手の中で、急にバン!と。

ふみ、泣いた。号泣。
号泣しているふみを、久しぶりに見た。

ふみは、びっくりしてたのもあるし、悔しかったのが大きい。
大事なカタナが割れたから。

涙がぼろぼろのふみを、抱きしめた。抱きしめて、ふみに顔を見えないように、わたしは笑った。笑ってるより、わたしは爆笑してる。

なぜかおかしくておかしくて、どうしようもなくて、できるだけ声を出さないように、ふみの頭を撫でながら、わたしは震えてる、笑ってるのため。

「でん、でん、でんしゃが来てる」とふみは嗚咽しながら言った。



わたしの帽子をかぶるふみ。