一足先に

夜中、目覚めて、外の風の微かな音を聞きながら、なかなか眠れなくて。


どこかの犬が吠えて、こんな夜中、何かが見えたのかしら。


ふみは熟睡してる。
入院先でも、こんな眠りならいいな〜





午後、学校へふみの荷物を取りに。

防災頭巾やら、道具箱やら、図工袋、音楽袋、図書袋…。


廊下を歩いてたら、名前を呼ばれて、
振り向いたら、校長先生でした。

「明日ですね、お母さんも心配でしょう。だいじょうぶですよ、あっという間に、またふみくん元気で学校に来るようになりますよ…」


深々と校長先生に頭をさげました。

新学期も、この校長先生でありますようにと願うばかり。



ふみのクラス、もう下校前の片付け中、

Uちゃんに付き添いのお母さんもいました。

そういえばこの前、ふみが、「…大人はいくら軽くても、重いよ。だって、この間、ぼく、じゃんけんでUちゃんのママに負けて、おんぶしたら、ぼくは潰されそうになったもん」

「え〜、いつの、なんの話よ」

「体育体育」

「体育?体育も参加するの?Uちゃんのママは」

「するよ、だって、やることないし。ちょうどぼくと組んで、で、じゃんけん負けちゃって…」

へぇ〜、Uちゃんのママは、保護者会の時に、「…子供たちは優しく私たちを受け入れて…」と言ったのを、思い出しました。



Hくんがわたしを見て、出てきて、
「ふみくんのママよね。ね、ね、似てた人がいたよ」

「えぇ?会ってみたいね」

「う…ん、よく見たら、あまり似てないかも。ね、ね、ふみくんがね、最近“ウンコマン”とか、言うの、嫌でしょ」

「ほんとう?いやね」


「ウンコマンとか、あとね、リンゴゴリララッパパンツとかも言うよ、嫌でしょ」

「いやね、注意しとくね」


「それは…、言わなくていいよ、あ、どうしようかな、やっぱり、言ったほうがいいよ」

「わかった、言っとくね」

「よろしくね」


今度は、Sくんが出てきて「ね、この前のゴーグルだけどさ、返してくれた時に、ポーチに入れてくれたじゃん、あれって、もらっていいの?」

「いいのよ、もらって」

「わかった」


子供たち、こうやってだらだらと交代のように出てきて、話しかけてくれて。女の子は、来なかったです。


N先生の呼びかけに、みんな着席し、最後は、起立。
みんな一斉に「ふ〜み〜くん、がんばってね〜」と。


ふみくんはと言うと、「さよならさよなら」と言って、誰より早く走って出ていった。



夕飯は、“快気前祝い”(?)とのことで、フルーツパーラーで。


最初はデザート、


途中はデザート、

最後もデザート、

との夕食でした。


食べ終わったフルーツ。パパの作品です。