まだやっていける
櫛、出てきました。
(((・・;)
やはり、出掛ける前に落としたんだ。
急などしゃ降りの雨に、困ってしまった、ふみとそのどしゃ降りの中で歩いて帰って、
こんな豪雨、きっと被害があるはず、と、わたしは、その被害を、櫛に当てはまったってことね。
豪雨さま、ごめなさい〜
少なくとも、豪雨がわたしに、びしょ濡れ以外、被害をもたらせていないもの。
「ママの大事な櫛が無くなった」と言ったら、
ふみは笑顔で、「よかったねぇ」と。
わたしの話を書き間違えたのかなって、もう一回言ったら、
ふみ、やはり笑顔を見せ、「よかったねぇ〜」と。
びっくりして、しばらく言葉がでなくて。ふみらしくないわ。こんなことを言うなんて。
ふみって、こんな品のない子じゃないわ。なにがどうしたのかしら。
「ふみ、人が大事なものを無くす時に、その言葉はいけないよ。わかるよね、ママびっくりした」
「学校でそういうよ」
「ふみが!?」
「…、Dくん。僕の大事な消ゴムが無くなって、Dくんが、“よかったねぇ〜”って言った」
「そんな品のない発想や言葉はダメだよ、って言ってあげた?」
「言わない」
「どうして?」
「Dくん、怖いもん、いつも叩くから、怖いもん」
「ふみを叩いたりしてる?」
「うん」
「え?!どうして?先生に言ったの?」
「僕が言ったことが気に入らないと叩いたりする、先生もいるもん、なんも言わないよ、…、僕、もういやだ」
Dくん、確かに同じ学校の高学年には、お兄ちゃんがいて、二人ともスポーツ万能です。
「ふみ、Dくんは兄弟がいるから、とくに男の子の兄弟って、年中兄弟喧嘩して、結構激しいよ、ふみは一人っ子だから、慣れないでしょうけど、男の子兄弟の家庭では、あれが普通みたいよ、ふみが言うクラスの“凶暴な女子”、みんな兄弟がいる子じゃない?」
「あー、」ふみは指を折りながら、「いるいる、いる、いる」ふみは笑って、「ほんとうだ、蹴ったりする女子、みんな兄弟いる」
「でしょう?だから、悪意はないと思うよ、いつもの兄弟喧嘩の感覚で」
それにしても、叩いちゃダメだよ、許されることじゃないわ。
Dくんのお母さんは、きれいな方です。
以前、Dくんのお母さんが、「Dを算盤を習わして、よかったんだけど、あの算盤の先生、口がくさくて、苦痛になるから、やめようかなって、ははは」って大声で喋ってるのを聞いていて、
とても驚きました。
公な場所で、子供がお世話になった先生のことを…。
それから運動会で、Dくんのお母さんが我が子への応援する声と仕草に、また驚きました。
ま、小学生の男の子二人、女の子一人の母親になるのは、こんなパワーがないと務まらないでしょうね。
華やかな顔立ちのきれいな方ですけど。
席替えは、ついこの前、活発な男の子のお友達と同じ席になって、ふみはとても嬉しそうに教えてくれたのです。
こんなことになって…。
「ふみ、やっぱりいや?どうしても嫌なら、ママが先生に電話しますけど、席替えるようにお願いしてみますから」
「そうして、そうして、もう、嫌だ」
困ったな〜
女子のお母さんからはよく聞きますけど、娘はよく友達同士の関係で悩んで、帰ってきたらぐったりとか。
「新しいワンピースを着て行ったら、“似合わないよ”と言われて…」
やっぱり女の子は難しいねって思ってました。
自分の小学生の時を思い出すと、ほんとうに嫌なことばかりでした。
いやでいやで、学校に行きたくない日は多かったです。
ふみみたいに毎日待ちきれないように登校するのが、わたしには、不思議に思うほど、感心するほど、ほっとするほど。
「やっぱり人間社会は、嫌なことがいっぱいあるからね、むしろ嫌なことが多いからね。ふみがこんなにお友達が大好きなのは、正直ママは考えられないぐらいでしたよ、ふみはえらいなって。だから、1人や2人合わないお友達がいたり、トラブルがあったり、とても普通なことよ…」
夕べは。ふみにいっぱい話をして。
今朝、ふみに、「どう?今日、ママが先生に電話したほうがいい?」と聞いたら、
「う…ん」
「じゃ、今日一日、ふみはもうちょっと様子をみて、明日電話することにしようか」
とのことでした。
夕方、わたしのヨガの日、6時ぎりぎりまでいたが、ヨガをせず、帰って来ました。
パパにメールをして、わたしが塾にふみをお迎えに。
9月から、塾は木曜日になりました。
すっかり日が短くなりましたね〜
ふみが出てきた、「ママ?ヨガは?」
「ふみ、Dくんのこと、どう?」
「べつにいいや、先生に言わなくても」
「どういうこと?」
「まだやっていける、まだ、友達だなって」
「そう〜、わかった、そう〜、でも嫌だったら、いつでも言ってね」
「ね、ママ、ローソンに入っていい?ね、いいでしょう? いいよね、はい、ありがとう」
まだなにも言ってないのよ。
ふみ、きっと妖怪なんとかのカードを見に行ったのよ。
雨水の溜まりを飛び跳ねて、ふみは走って行った。