明治 大正
ふみは塾に行って、わたしはDVDを観ながら、箪笥の引出しを整理して、
あらっ、ここにあったんだ。
いくら探しても出てこないものが!
めでたし、めでたし。
との時に、知人から連絡があって、昼頃会えないか、4時半から別の用事があるから、それまで、と。
とんでもない忙しくしている知人が、いつもこうです。急に呼び出したりして、こっちだって都合があるのに。
忙しいだからでしょうけど、一回や二回じゃないです。
十回に十回がこうです。
ふみが帰ってきて、自分は甲子園の決勝戦を見るから、どこへも行かない、と。
今朝作ったカレーを食べさせて、わたしは急いで待ち合わせ場所へ。
知人のKさんとは、かれこれ20年ぐらいのお付き合いです。
別によくお会いする訳でもなく、よく連絡する訳でもなく、
急に「××を送るから、住所を大至急教えて」とのメールが届いたり、
Kさんはわたしの住所を、一向覚えられないようです。
お会いした途端、Kさん、だいぶ痩せたことにびっくり。
もともと痩せてるほうで、さらにがりがりになって。
「どうなさったんですか!?」
「え?わからないよ、最近よく言われる、でも別に食べてないとかじゃないよ、結構食べてる」
「なおさらですよ。検査したほうがいいですよ」
「そう?うん、そうね、あ、それより、目が見えなくなってるというか、近くも遠くも、ぼんやりして見えない」
そういえば、眼鏡をかけてますね。
「見えない?それはたいへんですね」
「それより、ずっと着物だね、ここまでなったら、えらい、本物ですよ、というか、明治、や、大正時代に日本にいたんじゃないの?そんな雰囲気よ、あ、でも、生まれ変わりにしては、ちょっと早いかな、大正じゃ」
…
ふみのおやつを買って帰ってきたら、ふみは「北海道負けた」との第一声でした。
明治の教科書。懐かしく感じるの、なぜでしょうか。