「common cafe 人と人とが出会う場のつくりかた」 山納 洋 (2007) 西日本出版社

common cafe(コモンカフェ)―人と人とが出会う場のつくりかた
こうしたお店では、お店の人はお客さんとの間合いをはかっています。お客さんの力量をきちんと把握することで、よりこまやかな接客をして、お客さんに満足していただく。そのための方法論だそうです。お店の人が商品の知識をしっかり持って、質の高いものを提供し、格式高くのれんを大事にして商売を広げすぎない。それが京都のお店がこれまで守ってきた方法です。「お客と顧客はちがう」「顧みてくれるお客さんが顧客」。それは、お客さんに媚びへつらうことなく、お店がお客さんと対等な立場を保つことで、永く続いていく関係を築くための知恵です。(「common cafe」日替わり店主が支える表現空間 p-112)
カフェ開業マニュアルでもあるのだけれど、コミュニティの場をいかに作るかということに主眼。長い間、まわりの人には眼もくれずに、国の、あるいは個人の経済成長に邁進してきたけれど、いままたそうした「社交の場」が必要とされている、ということか。もちろん、形があって動かせない「場」と、形はないけど無限に広がる「ネット上でのつながり」との融合が課題となるだろう。(2013年1月15日読了)