TOEIC Part7対策について調べる

自分もずっと悩まされているTOEIC Part7の時間が足りない問題についての戦略をYoutubeやWebサイトで調査した。
 
まず、共通していた時間が足りなくなる理由としては問題文の2度読み、3度読みに尽きるとのこと。
具体的なテクニックについては以下の通り。
 
早く一発で読む方法
  • 単語をもっと覚えよ
  • 主部と述部を見分けよ
  • 類義語、類義フレーズを意識せよ
  • スラッシュリーディングを駆使せよ
 
Part7速読法
全体を把握するための優先順位
  1. 設問1を読む
  2. タイトルを読む
  3. 第一パラグラフを読む
  4. 最終パラグラフを読む
 
問題の形式別アプローチ
  • 情報を拾う問題
     ⇒読み返しを防ぐため選択肢を全部読んでから照合していく
  • 事実を類推する問題
     ⇒選択肢を1つ1つ読んで否定材料を探しにいく。3/4で間違っているため選択肢を全部読むと効率悪い
 
トリプルパッセージの解き方
  1. 1、2つ目の設問読む、第一パッセージ読む
  2. 3つ目の設問読む、第二パッセージ読む
  3. 4、5つ目の設問読む、複数パッセージまたぎなので意識して読む
 
文章挿入問題
  • 前から受ける代名詞&後から受ける代名詞
     ⇒代名詞に注目すること
  • 並列タイプ
     ⇒同じような内容を選んで挿入する
 
毎回時間が足りなくなるんですが、どうしたら?
  • 根本的な力をつけるには、わかる範囲のボキャブラリーの本を多読する
  • 時間をかけても結果があまり変わらないPART5に時間をかけないために最後に残す
 
リーディングセクションの解く順番

P5(10分)→DP/TP(25分)→SP(29分)→P6(8分)

 
TOEICの時間配分と解く順番
Part7は難しい順に解く、頭が疲れる前にトリプルパッセージ(TP)をやっつけてしまう。SPは時間ギリギリでもやっつけれる。
 
〜〜〜〜〜
P5(10分)→DP/TP(25分)→SP(29分)→P6(8分)というのが、試してみる価値がありそうなので模試を使ってやってみたいと思う。そもそもP5が10分で終われた試しがないのでP6が塗る絵になる気しかしないが。。

池上彰の世界の見方 アメリカ

 

 

アメリカの州はそれぞれが独立国で、各州に政府、議会、裁判所、軍隊がある。

 

【大統領選の方法】

  1. 各党の候補者を選ぶための代議員から決める
  2. 代議員は各党の統一候補を決める
  3. 本選挙(一般人は大統領選挙人に投票する)

 

民主党共和党

民主党オバマクリントン、カーター、ケネディ、バイデン
共和党リンカーン、ブッシュ、レーガンニクソン、トランプ

リンカーン大統領のときに南北戦争が起こって勝ったので、共和党は力を持った。このときに奴隷解放宣言をしたので黒人の支持があったが、現在は逆である。奴隷解放宣言はリンカーン共和党の政治ポリシーというよりは黒人奴隷を南軍から離脱させて戦力を弱めるための政治的な切り札だったと思われる。(連合軍が離脱をやめるなら奴隷制度継続を容認するという発言があったとも)

民主党共和党以外にはリバタリアン党などの政党が存在するが、ごく小規模のもの。

2050年頃、白人の割合が過半数を切るとされており、これまでWASPを支持基盤としてきた共和党に替わって民主党が圧倒的に有理になる。

 

【なぜ裁判大国なのか?】

世界各国から人が集まってできた国であるため、共通の常識が存在しなかったので都度第三者に判定してもらい、凡例を積み重ねる方法をとったため。(慣習法)

 

【日本との外交について】

日本との外交方針に影響力を持つ、リチャード・アミーテージ、ジョセフ・ナイという人物がいてジャパンハンドラーと呼ばれている。

池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾

中国もかなり内容が濃くて面白かった。

 

<歴史>

清の皇帝による君主制(最終皇帝は溥儀)を打倒し、民主国家の成立を目指し、孫文辛亥革命を起こす、革命は成功し中華民国が誕生。孫文の死後、孫文の正当である国民党を蒋介石が受け継ぎ独裁体制を築くが、日中戦争、WW2で疲弊したところを毛沢東率いる共産党に追われて、国民党は台湾に逃れた。アメリカが支援して中国が台湾へ手出しできないようにした。台湾は日清戦争で日本が勝って割譲されて、WW2までは日本初の植民地となっていたが中国に返還されていた。

 

<重要人物>

毛沢東:建国の父だが色々と失政があった、権力に最後までしがみついて腐敗した

劉少奇毛沢東に政権を譲られたが、方針が合わず文化大革命を起こされて立場を追われた

鄧小平:共産主義にこだわらず、国の発展を重視した。現代中国の父と言われる。

 

中国共産党について>

中国は共産党一党独裁の国、憲法共産党の指導に従うと書いてあって、憲法より共産党が強い。発展途上国を開発するには一党独裁のほうがスムースに進められるのは事実であり、インドは民主主義だが、様々な利害関係の交錯からインフラ整備も進まないし、政治も上手く機能していないとのこと。

共産党の党員は8千万人で優秀な人材がスカウトされて入党する(断ることは出来ない)。会社でも大学でも、一番権力を握っているのは社長や総長ではなくて、それぞれの組織内にいる共産党の書紀。だから、中国企業とのやり取りでも旧に共産党の意向が割り込んでくることもある。

 

天安門事件

1989年、ゴルバチョフの訪中に合わせて民主化を目指す学生のデモを共産党の軍隊(人民解放軍)が武力排除した。民主化運動を弾圧した歴史というのはイメージが悪くなり共産党にとって都合が悪いので、中国国内ではインターネットで検索ができなくなっている。

 

<中国と台湾、中国と香港の関係>

2014年、中国と台湾の市場開放を目指すサービス貿易協定締結に反対して、ひまわり運動が行われ、協定の締結が見送られた、この影響を受けて政権が国民党から民進党に移った。

アヘン戦争で負けて、香港島はイギリスの植民地となった。香港島の周辺地域も99年間租借していたが、それを返還するタイミングで香港島も含めて全て返還した。香港の人たちは社会主義が嫌で逃げ出す人もいたが、それでは中国側も困るので香港だけは資本主義を続けていいし、言論や表現の自由も認めた(一国二制度

しかし、2014年、行政長官の選挙は実質的に共産党が指名するという制度へ変更されたことへの反対運動(雨傘運動)が起こった。非暴力のデモに対して催涙ガスを使う警察に対し、世界中から批判が集まった。民主主義が根付いている台湾のひまわり運動と違って、中国では共産党が変わらなければ何も変わらず、運動は尻すぼみになっていった。中国ではアラブ諸国におけるアルジャジーラなど反政府活動でも自由に取り扱うメディアがないということも大きい。

 

<中国とチベットとの関係>

チベットは比較的最近中国に併合され、自治を許されているが、共産主義と宗教(チベット仏教)は相容れないものであり、チベットを完全に支配下に収めるために主導者のダライ・ラマは命が狙われている。中国政府は、次代のダライ・ラマの転生者を選ぶことのできるパンチェン・ラマの転生者を拉致し、変わりのパンチェン・ラマ共産党員の子から勝手に選ぶなどの暴挙に出ており、未だチベット問題は解決の糸口が見えない。

 

<中国の経済>

中国は一党独裁のもと、統制の取れた経済政策で高度経済成長してGDP世界2位まで昇りつめたが「ルイスの転換点」を迎えて急激にブレーキが掛かった。ルイスの転換点は、経済成長したことで人件費が上がって安価な労働力が底を尽くこと。日本でも同様のことが起こったが、世界的に新しい技術が続々登場した時期と重なったため、家庭の消費力(冷蔵庫、テレビなどの需要)が上回ったのでブレーキが掛からなかった。中国はもっと法治国家になって、外国企業が安心してビジネスできるようになることがこれからの発展の鍵を握るとされている。

 

<中国のマナーの低さについて>

かつての日本も、ゴミは電車内や道に捨てる、所構わずタバコを吸う、痰を吐くだったが1964年の東京オリンピックをきっかけにマナーアップが行われた。国が本格的に発展してから、まだ時間が経っていない中国もじきに国際標準に追いついてくる。

池上彰の世界の見方 朝鮮半島

 

池上先生の世界の見方シリーズ。

ロシア、ドイツ、東南アジア、と見てきたが今回はホントに全てが興味深すぎて、図書館から借りていないで、改めて買って手元に置いておこうかなと思っている。
メモに書ききれない。

 

朝鮮半島の歴史>

1910年来植民地として支配してきた朝鮮半島が、WW2での日本の敗戦によって北緯38度線ソ連アメリカに分割統治される。

 ⇒ここで国を分けてしまったことが悲劇の始まりではないかと思うが、アメリカ1強になってしまうのでそれはそれでよくなかったんだと思う。朝鮮半島は、日本がWW2以前に富国強兵政策で列強各国に対抗できなった世界線の歴史を見ているようだと思った。

 

北朝鮮ソ連、中国からの支援を受けて朝鮮戦争を起こした、現在停戦中。北緯38度線は李承晩ラインに変わった。その、李承晩(韓国初代大統領)が日本からの経済援助を受けて一部の企業を優遇してお金を流していった結果、財閥ができて市場は寡占状態になり、韓国の過度な学歴社会を生んだと言われる。

 

ソ連は東欧諸国と同じように北朝鮮を緩衝地帯としようとした、やがてソ連の言うことも聞かない暴走状態になった。冷戦時代のソ連の振る舞いを見て、ソ連と仲良くしても安泰でないことを悟って主体思想として独自路線に走った。

 

<韓国、北朝鮮の建国神話>

韓国や北朝鮮は日本が敗戦したから国ができたというのではプライドが許さないので、自分たちで国を作ったという建国神話を作ってしまう。

北朝鮮=キムイルソン伝説(様々な逸話を捏造、反対勢力を粛清)

韓国=三・一運動で成立した大韓民国臨時政府の法統を継承(実際は名ばかりの組織)

 

池上さんも、韓国や北朝鮮の歴史を捏造して国民を洗脳していたことを指摘しているが、それぞれの国に「内在的論理」があるとフォローしているものの、捏造の内容がお粗末すぎてこの件に関してはフォローし切れていないと感じた。

 

<日韓関係>

1965年に日韓の国交正常化を目指し、日韓基本条約が結ばれたが、玉虫色の条約だったので、各国が自国の都合の良いように解釈して揉める原因になった。

韓国は植民地だったので韓国とは戦争はしておらず、賠償金を払う必要はないと考えていたが、韓国は大韓民国臨時政府は日本と戦争をしており、そして勝ったから賠償金を払うべきと主張。(それは自国の中だけで信じてくれていればいい建国神話では?)

でも結局、経済協力の名目で3億円を無償供与して(1ドル360円の時代、そして物価は現在の1/2)、これでお互いの請求権を破棄することに合意したはずだった。ちなみに、韓国側では長年の支配の代償をそんな端金で片付けるのかという意見が多く上がったらしい。

この協定について意見の相違が遭った場合は再び交渉するという取り決めになっているが、後年になって従軍慰安婦の問題があがってきて、日本は占領時代に関連する話はお互いの請求権を破棄したから終わったじゃないかと言っており、韓国はあとから明らかになった問題だから破棄の対象とは違うと言っているので現在でも揉めている。
 ⇒これだけ聞くと、確かに韓国にも一理ある。でも朝鮮人従軍慰安婦は強制じゃなくて募集制の職業だったっていう説も聞いたことあるし、政治的な意図から歪曲された情報が多くて、現代では真実はよくわからなくなっているのだろうか。

 

ドイツの近隣国家ではドイツのしたことは忘れないけど許したという感じらしいけど、戦後ドイツの誠実な対応があったからである、日本も経済支援はちゃんとやったと思うけど、どこまでやれば和解できるのか。どこまですればいいの?と上から言ってるようじゃダメということなのかも知れない。でも感情の問題だからキリがなさそう。

 

池上さんはお互いに歩み寄るには、内在的論理を知る事が重要と言っているが、とても難しいことだと思った。さっきも書いたが、歪曲された情報が多いし、双方の国で違う情報ソースを得ているので両国で議論しても水掛け論にしかならないような気もする。

それに、「じゃあどうすればよかったか」みたいな話はさらに難しい。あの時代、列強に対抗するために韓国を侵略してしまったけど、侵略やったもん勝ちみたいな当時の世界の状況で日本がサバイバルしていくための選択だったことは確か。それで正当化はできないけど。もう少し勉強していきたい。

 

<韓国の政治>

韓国は国民の力で独裁政権を倒した実績があるので、国民の政治参加意識が高い。1987年ソウルオリンピックの前年に民主化宣言をするまで軍事政権だった。
 ⇒子供の頃、スポーツアパレル業界に従事していた親父が仕事でソウルオリンピックを観戦しに行っていた。あの当時、まだそんな混沌としていたんだ・・、というのが驚き。

 

毎回、退任後の大統領の汚職が発覚して投獄されるなど、韓国の政治は腐敗していて遅れた国だと思うかも知れないが、日本も一昔前までは汚職、賄賂などひどかった、民主化されて70年経ってようやく今がある。韓国は民主化されてまだ30年、まだまだ成熟する過程である。地政学的な立場の違いもあるので、日本が揶揄する筋合いはないのかも知れない。

オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る

 

 

オードリー・タンは台湾の閣僚だが、私と同年代(1歳上)ということで興味を持った。

 

当初では、彼女のAI観、人格を形成した経験、台湾の先進的なDXについて語っているが、日本向けの本ということで日本のアニメや事情を例に出しながらわかりやすい語り口で書かれており、非常に聡明な人物であることが伺い知れた。

そして、彼女の信念でもあるオープン、インクルージョンという理想を、政府が実現するためにはどうすればいいかという実例を示しているのが非常に参考になった。

 

以下メモ

 

<影響・人格形成について>

柄谷行人さんという日本の学者の交換モデルX(見知らぬ人と見返りの関係にならずに交換する)という新しい概念に共鳴。
柄谷氏とは、カント、マルクスフロイトがバックグラウンドとなっているところにもシンパシーを感じたとのことだが、私もそろそろ哲学に入門してみたいと思った。

オードリーの人格形成には、新聞記者でもあったお父さんの影響が大きい。ソクラテス式問答法での対話を常とし、誰からも概念を植え付けられず、クリエイティブな思考力が鍛えられた。

 

<政策・取り組み>

マイノリティに寛容、そして若者の政治参加意識が高いことから台湾の政治が上手く機能している印象を受けた。

オードリーはパブリック・デジタル・イノベーション・スペースという社会課題をデジタルで解決する組織を作った。その取組の一環でvTaiwanというデジタルプラットフォームを創ったが、同プラットフォーム上で2ヶ月以内に5,000人が賛同した意見は、政府が必ず政策に反映する。

また、総統杯ハッカソンというものを毎年開催しているが、賞品はプロジェクター機能を備えたトロフィーで、スイッチONすると「みなさんが3ヶ月かけて作り出した作品を、私たち政府は今後1年以内に必ず公共政策として実現させます」というメッセージが流れるようになっている。これは粋だ。

リタイアして時間にある世代が地域貢献を熱心にやってくれていて、尊敬の意味を込めて「黄金聖闘士」と呼ばれているとのこと。台湾ほんまに聖闘士星矢好きやな。

 

<若い世代の育成について>

子供と話す時、子供と同じ身長の3Dキャラクターになって話した(オードリーは180cmあって子供から見ると威圧感があり話しづらいことへの対策)

 

必ずこうしなければいけない、これを勉強しなければいけないとせず、特定の方向性を設定せず学ぶことが大事。子供の興味があることを励まして背中を押してあげること。
 ⇒これは耳が痛い話。でも最低限やることはやってほしいんだよなー。最低限できてる子の話だよね?それ。

プログラミング思考を学ぶのはいいが、プログラミングスキルを学ぶことが目的になってはいけない。音楽を奏でるため、苦手な分数の計算をさせるため、プログラムを書くというのが理想的。
 ⇒これは目から鱗。確かになぁ。

 

別の本もいっぱい出てるので読んでみたいと思った。

池上彰と世界の見方 ドイツとEU

 

 

ドイツとEUざっくり歴史

第二次世界大戦でドイツはソ連に侵攻し大打撃を与えた。

その後、巻き返して東ドイツを占領したソ連は戦後処理のためのヤルタ会談での合意を守らず、東ドイツそして東ヨーロッパ諸国を抱き込んで社会主義国家とし、ソ連側陣営とする。(やりたい放題に見えるが、アメリカやイギリスは何故止められなかった?)

それに対抗して西側諸国によるNATOが組成された、さらにそれに対抗して東側諸国によるワルシャワ条約機構が組成された

第二次世界大戦終了後、ドイツ・フランス国境付近で採れる化石燃料資源を巡ってまた戦争が起こらないよう周辺国で共同管理する組織を作った。それがのちのEUの元になった(ECSC)。その後関税の撤廃に着手したECCを経て、人・モノの移動を自由にすることを目的にECとなり、経済・通貨・政治的な連合を目指してEUとなった。

 

EU

EUには3人のプレジデントがいて、EU大統領、欧州委員長、欧州議会議長がいる。G7には各国の首相に加えて、上記のメンバーが参加している。EU内はすべての国が行き来自由ではなく、シェンゲン協定加盟国のみ。

EUはユーロという統一通貨があり、欧州中央銀行が管理しているが、各国の中銀が無くなったわけではなく、欧州中央銀行と連携してEUの金融政策を決めている。ドイツには都合がいいが、フランスにとっては都合の悪い金融政策とならないように相談する(ユーロシステム)だが、景気が良い国と悪い国があるので公定歩合をどうすべきかという問題になる。財政赤字が深刻だったギリシャをドイツが主導して財政緊縮を断行した(過剰な社会保障の廃止など)そしたらギリシャ国民はドイツを毛嫌いするようになった。

 

ヒトラー

ヒトラーはクーデターではなく選挙で首相まで上り詰めた(そのため戦争の大罪を国全体で背負うことになった)

ヒトラーは経済がうまく行かないのはユダヤ人のせいであるとアジテートし、国民の不満のぶつけ先を作ることによって自身の求心力を高めようとした。そのぶつけ先はユダヤ人で、キリスト教を信仰する国においてイエスを処刑したユダヤ人への嫌悪感を利用し、ホロコーストと呼ばれるユダヤ人大虐殺を行った。(ユダヤ人は中世から土地の所有を禁止されるなどの差別を受けてきたが、差別意識が近世までずっと残っていた)

戦時中のドイツの所業を国民は大いに反省し、今でも片手を上に上げる行為(ナチスの敬礼)はタブー。また、街のあちこちにつまづきの石と呼ばれる実在のユダヤ人の名前を刻んだプレートを道に埋め込んであり、常に過去の歴史と向き合っていくという意思表示となっている。

 

東西ドイツ

戦後、西ドイツは非軍事化が進められたが朝鮮戦争を切っ掛けに再軍備NATOに加盟(日本とは敗戦国として同じような境遇だったが、ここが明確に違う)東ドイツソ連による社会主義国化を恐れて西ドイツへ亡命するために、西ドイツへ自由に移動できる西ベルリンに逃げ込もうとする人が多かった。そのため、西ベルリンをぐるっと囲んで(これがベルリンの壁)西ベルリンに逃げ込めなくした。

ソ連の経済が危うくなり、ポーランドハンガリー民主化宣言するなどソ連崩壊の予兆が見え始めてきたころ、当局は西側諸国への旅行のビザ申請を明日から受け付けるというのを、広報官が間違えて即刻旅行解禁と発表してしまい。東ベルリン市民がベルリンの壁の検問所に殺到し突破、ベルリンの壁も壊され始める。(これは自分もテレビで見た記憶がある)

東西統一後、しばらくは東ドイツの生産性の低さが足を引っ張り国全体が低迷した。東ドイツと西ドイツで違った教育を長年行っていたため、東ドイツでは難民の受け入れに反対であったり、政治的ポリシーの違いが今も見られる。

 

ドイツの国民性

ドイツはWW1、WW2の2度敗戦国になっているが、WW1、WW2の間は21年しかない。なぜWW2を戦えるまでに短期間で復興できたかというと、ドイツはプロテスタントの中でも特にカルバン派の国であり、勤勉・倹約が美徳となっており、ストイックに働いた結果復興できたと言われている。国民性がなんとなく日本と似ている。

対して、現在経済危機に陥っているPIIGSは全て比較的楽観的な考え方をするカトリックの国だという。

 

感想

ドイツは戦争の反省を一生懸命にしたが、日本は近隣諸国と未だにギクシャクしていると書かれているが地政学的なことも絡むし、単純に比較できるものでもないだろう。そこまで書くならそう主張する根拠をしっかり掘り下げて書いてほしかった。

ドイツは大戦中に少数民族を迫害した反省から、移民、難民を無制限に受け入れている。しっかり住む場所、給付金も支給している。何故こんなことができるんだろう、たしかにS&Pなどのソブリンリスク評価などでは世界トップなようだが、そこまでやると国民から「やりすぎだろう!」という批判は当然あると思う。現状ではそれよりも肯定派の国民のほうが多いということなのだろうか。ただし、「ドイツのための選択肢」という右派の政党が躍進しているとのこと。これからどうなっていくんだろうか?

ドイツはすごい国だと思っていたが、思っていたよりもすごい国あったことがわかった。EUのリーダーとしての国際的振る舞い方が人類代表のような雰囲気がある。ドイツには是非訪れてみたいな。

アクト・オブ・キリング

池上さんの東南アジアの本で「こういう映画がある」と、タイトルもなく紹介されていたのが逆に興味をそそられたので「アクト・オブ・キリング」「ルック・オブ・サイエンス」の姉妹作を立て続けに鑑賞。

 

アクト・オブ・キリング(2012年)

 

インドネシアにおける1965年の930事件の直後に、国軍による共産党関係者の大虐殺(死亡者数:50~300万人)が行われた。本作は、50年前の事件の加害者たちへのインタビュー風景を中心にしたドキュメンタリー作品。

 

主人公の老紳士アンワルはおよそ1,000人の無抵抗の人間を虐殺したことを今も自慢している元ヤクザ。この男が狂っているのではなく、この男が今も英雄視されているのがインドネシアという国だ。アメリカ人であるこの映画の監督は、数十人もの加害者にインタビューを敢行したが、ほぼ全員が今も後悔しておらず、悪びれる様子も見せなかった。

しかし、このアンワルだけは、自分のしたことの正当性を疑っていない面と、良心の呵責に苦しんでいる面が共存した不安定な様子がほんの僅かに垣間見えたのを監督は見逃さなかった。アンワルの内面を掘り下げて撮影するために監督はある特殊な仕掛けをした。

アメリカ映画が好きなアンワルに彼の武勇伝の映画を作らないかと持ちかけたのだ。アンワルは快諾し、メイクや小道具にもこだわり楽しげに再現してみせる。映画内映画、つまり映画のメイキング映像を撮っているという説明をしていたのが実は本編であるとうのが前代未聞の試みだ。

後始末の楽な殺し方の解説、拷問するシーン、村を焼き払うシーン。胸クソが悪くなるシーンのオンパレードだが、段々とアンワル自身も胸クソが悪くなってきてなんとも言えない表情をするようになってくる。終盤では自分が「拷問される側」のシーンに臨むも耐えられなくなり撮影をストップさせてしまう。そして最後には〇〇が止まらなくなってしまう。

 

(感想)

特に印象的だったのは、拷問される役のエキストラとしてアンワルの隣人が参加するのだが、ノリノリで進む撮影の合間の雑談で彼が例の事件で父を殺されて死体を埋める経験をしていたことを告白する。当時、下手人で、今も街の権力者であるメンバーたちに囲まれ、彼は全力で恐縮しながら話す。メンバーたちはその話をスルーするのだが、その後の撮影では拷問されるエキストラの彼が本気の嗚咽を見せる。色々フラッシュバックしてしまったのだと思うが、やるせないシーンであった。このときメンバーの中でもアンワルだけは表情が変わっていた。

当時、共産狩りをやっていた組織は現在も自警団として存在して、大臣など国の中枢とも繋がっている。過去の暗部をモロに白日の下に晒してしまうことで監督が暗殺されたりしないのか心配になったが、常に脱出できるように注意を払っていたり、映画の公開前には現地を去っていたりとかなり気を使っていたそう。

アンワルも自分のやったことの非人道性を序盤は全然理解しておらず、本気で武勇伝映画を作ることが国のためにも良いことだと思っていた人なので、この映画が公開されることで国際的な常識を持った若い世代から非難を受けるであろうこと等をきっちり説明しているのだろうかとも思ったがそのあたりのことは監督のインタビューである程度クリアになっていた。アンワル自身にも完成した映画を見せて、非常に感情的になった様子などが語られていて興味深かった。

 

監督のインタビュー記事

https://crisscross.jp/html/a20o0005.htm

https://www.cinematoday.jp/page/A0004312

https://www.yidff.jp/interviews/2013/13i015.html

 

 

ルック・オブ・サイレンス(2014年)

 

同じ事件の被害者側にスポットを当てた作品。兄が殺されている主人公アディは被害者遺族だ。彼の家族は50年経っても近所に住む下手人の自警団に憎しみや怯えを感じながら暮らしている。アディは前作のために集められた映像資料の中で、実際に兄を殺した人物たちのインタビューを見つける。彼はこれらの人に会ってみたい、会って自責の念を感じているかについて確認したいと申し出る。彼は眼鏡屋で、眼鏡の度を調整する名目で自宅訪問して当時のことをさり気なく聞いていく。

 

(感想)

前作同様に下手人たちは悪びれる様子もなく自慢気に話していたが、実はそれは自分の兄なんだと告げられると長らく無言になり、目が泳ぎ始める様子が完璧に映像に収められていた。そして、しらを切る、責任転嫁、逆ギレ、脅迫。それも胸クソ悪いのだが、一番心に残ったのは加害者の娘の「父がそんなことをしていたなんて今初めて知ったの、父は認知症を患っているしもう許してあげて。私たちはもう家族でしょ?一緒に過去を乗り越えて行きましょう」という言葉。

個人的には、逆ギレされるより、懐柔しようとしてくるほうが癇に障るな〜と思ってしまった。この娘さんも当事者ではなく何の責任もないし、こう言うしかなかったのだろうけども。

インタビューを見たところ、アディさんは映画公開の前に安全な場所に家族で引っ越したのだという。絶対その方がいいだろう。
インタビューの中でも書かれていたが、やはり映画を公開したことで監督は上層部にマークされてインドネシアに入国すれば命の保証がない立場になってしまっている。

 

監督のインタビュー記事

http://webneo.org/archives/33004

https://www.excite.co.jp/news/article/E1436434054045/

 

当時日本もアメリカ側につき、インドネシア国軍のこういった所業を黙認していた一員として責任があると言われているが、安保闘争とかやってた時期であってアメリカに背いて反対することが出来たか?と考えると非常に厳しかったのではないかと思った。

アメリカ、ロシア、中国、西欧諸国、そして日本もそうだが、他所の国まで引っ掻き回してロクなことしないな。まぁ他国に出し抜かれないことしか考えて無かったんだろう。このあたりどういう行動原理なのか気になるので、次はアメリカを勉強してみたいと思う。