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古本おもしろがりずむ:一名・書物蔵

2007/1/5(金)

びっくり(×o×)

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日経がこんなニュースを。

絶版書籍ネット閲覧可能に・政府著作権法改正

 政府絶版になった出版物インターネットで閲覧できるようにするため著作権法改正する方針を固めた。国立国会図書館などの公的機関が専門書を非営利目的で公開する事例などを想定している。著作権者一定補償金を支払えば許諾がなくても文書ネットに保存・公開できる仕組みを検討する。入手困難な出版物を利用しやすくし、研究活動の促進などにつなげる狙いだ。

http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20070105AT3S0300305012007.html

本日夕刊紙面にはもちっと詳しくある。

これって、知財本部の話らしいんだけど、そこのこころづもりとしては、

  1. 絶版になり数年間たち
  2. 著作権者補償金をつんだもの
  3. 閲覧だけさせる

ということだそうな。

個人じゃなくて図書館固有のホムペを想定しているらしい。

孤児著作」にもひろげたいとか。

ふーん。もしこれが仮に本当のことだとして、まあ結構なことではある。

けど、わちきにいわせれば、研究のためならば紙の全コピーを許すだけでいいのでは。絶版なら図書館でも全部コピーできるようにするだけで、研究には問題なくなると思う。

そう、現在ただいま全国津々浦々の大学図書館先生方が犯しているバイオレーション合法化すること、それだけで研究促進になると思うですよ(・∀・)

Public library の英国モデル:ハウスからライブラリーへ貧者を移送せよ

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公共図書館公共性?について、ほんのちょっとだけブログ議論が盛り上がっているという。

■ [list]はてなブックマークの[図書館]タグちょっとだけ盛り上がっています(?)

http://list.g.hatena.ne.jp/Hebi/20070104/p1

わちきだったらば、この「公共性」とかいうわかったよーなわからんよーなコトバを、

なんで(おもに有産者の)税金で無産者にタダで本を読ませねにゃならんの?

というみもふたもない疑問文に変換して考えちゃいますね。

でさ。

ざっと見たところ、米国流の美しい図書館観にひっぱられた議論(「役立つ」とか「民主主義」とか)しかないようだけれども…。もちろん、カーネギー財団流の、貧乏人が(図書館勉強発明して)金持ちに、ってのも米国流。

はあ、ウツクシ。うつくしすぎて…

じつはそんなのと無関係外野エッセイ風のに、もうひとつ歴史的事実の片鱗があるですよ。

自立した市民による国家運営という理想像崩壊し、(略)パンとサーカスだよな皆欲しがるのは。

http://d.hatena.ne.jp/REV/20070105/p1

こンお人は、古代ローマまで戻っちまってるけど、戻りすぎ。いや、2000年も戻る必要はなくて、150年ほど、米国ならぬ英国へ戻ればいいのだわさ。

もうひとつ英国モデル

(この先、図書館に「美しいものしか見たくないひとは読まないがキチ(・∀・))

近代公共図書館モデルには、耳ざわりのいい米国流もあるけど(そして日本の館界じゃあ、そればっか教えるけど)、英国流もあるのだ。

それは、「社会政策」としての図書館英国流。

って、まだ上品でワケワカランかしら(・∀・)

英国公共図書館の成立については、1850年公共図書館法(Public Libraries Act 1850)ってのがいちばん重要なわけなんだが。

これは、

大都市で、市議会の2/3以上の賛成がもしあれば、(金持ちに)固定資産税をさらに増税して、その金で公共図書館を建ててもいいよ(ハコモノだけね。蔵書はこのカネで買っちゃだめだけど)

という法律

この法律、なんか本をみると、「社会改良」の文脈ででてきたものだという。

イギリス公共図書館』トーマス・ケリー,イーデス・ケリー 東京大学出版会 1983

これの、公共図書館の成立ンとこの章をよむと、なんだかいきなり、禁酒運動の話とかパブの話だとかがこちゃこちゃ延々と書いてある。

んー、わちきも、産業革命下の無産者の殺伐とした気分になってきた…(" ̄д ̄)

酒だ酒だ! 酒もってこーい!( `Д´)

ん?(・ω・。)

ハウスからライブラリーへ貧者を移送せよ

で、そンなかに、この法律提案した下院議員ウィリアム・ユアートWilliam Ewart)が、反対派を説得するために言ったことが出てくる。

別の機会に彼〔ユアート〕はこの点〔税金労働者たちの図書館を作ってどんな利益があるか〕をいっそう直截的に述べた――彼は、この法案は「創設することのできる中ではもっとも安い警察提供する」と宣言したのである。(p.78)

まーた、わかりやすくいいかちゃうと。

Public houseパブ)に労働者をつどわせとくと酒飲んで風儀が悪くなり犯罪が増えるよん。

Public library公共図書館)に集わせておけば、風儀がよくなり犯罪も減るよん。

パブ図書館、どっちも「Public」ってところが、英語のpublicのふしぎなところなわけだが、おそらくオモシロいところでもある。そういえば、Public schoolなんて、公立学校って訳しちゃいかんのだった。

もちろん、ホントにそうか(社会科学的に正しいか)は二の次で、当時、実際に法律提案者たちはそう言っていたという点に、この話のキモはある。

金持ち図書館にカネをださないと、労働者がグレちゃって結局は高くつくよん

という主張を当時の立派な人がしたわけである

んで…。

もうひとつ本のご紹介を。

図書館の話 / 森耕一著. -- 至誠堂, 1966. -- (至誠堂新書 ; 35)

いやぁ…

この森さんってば、西の総大将だった…

で、基本的には左派的な価値観をおもちだったわけなんだけど、この人のえらいところは

(つづく)

つづき(2014.10.20追記)

(7年ぶりに追記)この人のえらいところは、図書館学者でもあり図書館運動家でもあり、図書館実務家でもあったんだけど、恣意的議論をしないこと。たとえば、川崎良先生みたいに、米国図書館界進歩的意見しか紹介しないということはなく、この1850年英国公共図書館法成立史学史についてもちゃんと、ロマンあふれる「人民図書を欲した」という学説と、「いや、ブルジョワ社会政策として設置した」という両説を上記の本で紹介している。

で、明確に進歩派の森先生は、歴史的事実としては、英国公共図書館は貧民に対する治安対策社会政策として生まれたという説に軍配を上げている。

パブリックハウス時間をつぶし堕落しちゃふ貧民ならば、タダで読める本をライブラリーに置いといて、そこで読み本に時間をつぶさせれば貧民といへど、堕落せぬのでは、てふ、ブルジョワさま方のありがたいおココロザシ、これがパブリック・ライブラリーの(一方の)起源なのだ

日本図書館ウンドーにたづさはる御仁は、みなロマンチストでもあり、それに実際、図書館学のお雇い外国人戦後米国から来たので、みな米国型の公共図書館の発生パターンばかり考える。でも、ちゃんと、翻訳書でもいいので、関係書を読めば、イギリス型もあるなぁとわかるわけ。

ちなみに、タダで本を読ませちゃったら、その分、本が売れないぢゃないの、というクレームが著者や出版社から必ずあるが、この、社会政策としての公共図書館モデルだと、実は議論上、それに簡単反論できちゃふ。

これはあまり言いたくないことぢゃが、

タダでしか本を読まない人は、有料になったら本を読まない

みたいである。その社会的実験ともいふべきことが、実は音楽てふ、小説と同じく享楽的コンテンツを用ゐて行われたことは、あまり知られとらんかすら(。・_・。)

タダでしか本を読まん連中は、タダで読めなくなったら買うようになるか?→社会実験で答えが出た!

http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20131001/p1

わちき最近図書館史はほっぽりだして図書史(出版史か?)でいそがしいので、だれか論文とか書いてホシーよ(*´д`)ノ

神保町のオタ神保町のオタ 2007/01/06 07:06 今日の朝日新聞朝刊1面では似てるようでちと違う話になっているみたいね。

通りすがり通りすがり 2007/01/06 13:59 国際労働機関憲章の前文に「世界の平和及び協調が危うくされるほど大きな社会不安を起こすような不正、困苦及び窮乏を多数の人民にもたらす労働条件」とまともな労働条件を与えないと、「労働者がグレちゃって結局は高くつくよん」と書かれているこの事実。

shomotsubugyoshomotsubugyo 2007/01/06 20:40 ご教授ありがとです〜 もそっと図書館がらみだともっとありがとです

shomotsubugyoshomotsubugyo 2007/01/06 23:42 オタさん、わちきもみ。たよ。やっぱ研究云々なんかじゃなくて、産業育成の話でござんした。でも経産省は文科省に話とおしてんのかな???