書物蔵

古本オモシロガリズム

小説:動く図書館の伝説2

交通事故(つづき)

 この男。職業は司書。
 書物を司ると書いて「司書」。いまでも珍しいが当時でも珍しい。
 え? つかさどるったってなんだかわからんってか?
 書物をあつかう職業には学者、教員、本屋いろいろあれど、その中でも一番新しい仕事である…
 小説家志望で文化の都、東京まで出てみた彼は、「チチキトク」というまるで小説じみた話によって郷里につれもどされ、この仕事についていたのであった…

 「あっ!」
 と叫んだのは、運転手だったか吉岡だったか…
 キキーッ、ドン!
 「轢かれた!」
 「なに?なに?」

 選挙結果の見物人たちが駆け寄ってみると、そこに倒れていたのはサンペーたんであった(×o×)
 駅前に人々を運んできたバスに、サンペーたんは轢かれてしまったのであった。
 しかし、いきなり主人公がダウンしてしまい、この小説はいったいどうなるのであろうか。。。

 近くの医院に運び込まれた吉岡が目を覚ましたのは4日後。
 なにもかもがボーっとする。医者はこう言った。
 「アタマを打ったようだねぇ。アタマを打ったものは、一年ぐらいで死ぬか一生、フグで暮らすしかないよ…」
 それを聞いたサンペーたんは、暗澹たる気持ちになるのだった。
 せっかく司書の仕事に慣れてきたのに…
 サンペーは生まれつき